カテゴリ:気管支鏡( 69 )

ロボット支援気管支鏡を用いた29例の単施設研究

 “その道”ではMonarch Platformが有名です。Monarch Platformは軟性内視鏡を通して、肺の末梢までナビゲーションできるコントローラーインタフェースと、従来の内視鏡的ビューと患者3Dモデルに基づくコンピュータ支援ナビゲーションを組み合わせたシステムで、2018年4月にアメリカFDAの承認を受けています。
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(BMC Pulm Med. 2019 May 9;19(1):89より引用)

Fielding DIK, et al.
First Human Use of a New Robotic-Assisted Fiber Optic Sensing Navigation System for Small Peripheral Pulmonary Nodules.
Respiration. 2019 Jul 26:1-9.


背景:
 われわれは、遠隔制御カテーテルを備えた新しい研究用のロボット支援気管支鏡システムを用いて、ライブモニタで視覚化しカテーテル遠位先端を運動させてリアルタイムに末梢気管支にアクセスした。

目的:
 本研究の主目的は、気管支鏡的にアプローチし、1〜3 cmの末梢肺結節の検体採取を容易にするための新形状センシングロボット気管支鏡システムの安全性と実現可能性を評価することである。

方法:
 単施設で患者を登録した。ナビゲーション経路は半自動的に処置前CT検査から作成された。実際の気管支と仮想気管支の同時(リアルタイム)表示は、ターゲットに到達する際のナビゲーション時に使用された。気管支内超音波ミニプローブを使用して病巣の位置を確認した。経気管支針穿刺吸引における屈曲に適応するように特注された柔軟な19〜23G針を従来の生検ツールと併用した。登録被験者は、処置後6ヶ月以内に追跡調査をおこなわれた。

結果:
 研究には29人が登録され、平均結節サイズは、水平断12.2±4.2mm、冠状断12.3±3.3mm、矢状断11.7±4.1mmだった。CT bronchus signは41.4%で陰性だった。96.6%の症例で、ターゲット到達可能で、検体採取できた。デバイス関連有害事象や気胸・過剰出血例は観察されなかった。全体の診断率が79.3%、悪性腫瘍の診断率が88%だった。

結論:
 新しいロボット支援気管支鏡システムを用いることで、リアルタイム視覚化により細かい末梢気道に安全に到達でき、孤立性肺結節の生検に有用である。



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by otowelt | 2019-08-08 00:25 | 気管支鏡

気管支鏡時の局所麻酔はキシロカインスプレーがよい

e0156318_952309.png 当院では2%キシロカインの口腔咽頭スプレーを5~10mLほど使っています。ネブライザーは洗浄が大変になる上、今回の研究結果から死腔排出が多いことが予想されるので、コスト対効果はなさそうですね。

Sahajal Dhooria, et al.
A randomized trial of nebulized lignocaine, lignocaine spray or their combination for topical anesthesia during diagnostic flexible bronchoscopy
CHEST DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2019.06.018


背景および目的:
 軟性気管支鏡のあいだの適切な局所麻酔選択はいまだに不透明である。ここで、われわれはリドカインネブライザー、口腔咽頭へのリドカインスプレー、その併用の効果と安全性を調べた。
 ポルトガルにおける単施設研究である。

方法:
 気管支鏡を受ける連続患者をランダムに1:1:1の割合で、リドカインネブライザー約15分(4%溶液2.5mL:A群)、口腔咽頭へのリドカインスプレー(10%溶液10噴霧5秒ごと:B群)、両者併用(ネブライザーは4%溶液2.5mL、口腔咽頭スプレーは10%溶液2噴霧:C群)に割り付けた。ただし、処置前にカメラ挿入部にキシロカインゼリーは用いた。
 鎮静下で気管支鏡をおこなう予定である患者、リドカインアレルギーの患者、血行動態が不安定な患者、ベースラインのSpO2が92%未満の患者、妊婦、その他慢性合併症の懸念で登録不適格の患者などは除外された。
 プライマリアウトカムは、VASを用いた主観的な咳嗽重症度である(100mm:最悪の咳嗽、0mm:咳嗽なし)。セカンダリアウトカムとして、気管支鏡処置医による咳嗽および処置満足度をVASで評価し、総リドカイン用量、もう一度処置を受けてもよいかという質問の回答、リドカイン副作用についても調べた。

結果:
 1050人の患者(年齢中央値51歳、64.8%が男性)が登録された。気管支鏡の適応は呼吸器感染症が51.0%、悪性腫瘍が23.5%だった。
 主観的な咳嗽評価はA群・C群と比較してB群でもっとも良好だった(VAS 4[IQR 1-10] vs 11[4-24] vs 13[5-30]、p<0.001)。気管支鏡処置医の咳嗽評価はB群が最も低く(p<0.001)、処置満足度もB群が高かった(p<0.001)。正診率もB群が最も高かった(92.6%、p=0.02)。総リドカイン用量はB群が最も少なかった(p<0.001)。有意に多くの患者(p<0.001)がB群においてもう一度検査を受けてもよいと回答した(73.7%)(A群49.1%、C群59.4%)。処置中の酸素飽和度低下は全群同等で、リドカインによる副作用は観察されなかった。

結論:
 診断的軟性気管支鏡時の局所麻酔において、口腔咽頭への10%リドカインスプレー10噴霧は、リドカインネブライザーやこれらの併用と比べて優れている。



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by otowelt | 2019-08-01 00:24 | 気管支鏡

尿毒症性胸膜炎の臨床的検討

e0156318_9511053.jpg 意外と見逃されやすい病態なので、結核や石綿に左右されないようにしたいですね。

梅澤 佳乃子ら.
尿毒症性胸膜炎患者における局所麻酔下胸腔鏡検査による胸膜病変の検討.
気管支学. 2019 年 41 巻 3 号 p. 233-238


背景:
 慢性腎不全患者における難治性胸水例が呼吸器内科に紹介となることがある.胸水貯留の原因の一つとして尿毒症性胸膜炎が知られているが,局所麻酔下胸腔鏡所見に関しての報告は少ない.

目的・方法:
 2012年2月から2014年8月に当院にて局所麻酔下胸腔鏡検査を施行し,尿毒症性胸膜炎と診断した維持透析患者9例を対象とし,その臨床的特徴を検討した.

結果:
 平均年齢は65歳,男性8例,女性1例.胸水量は中等量が7例,大量が2例.透析期間は中央値36か月(12~252か月),胸水貯留指摘から検査までの期間は中央値4か月(1~7か月).淡血性から血性胸水が7例,黄色胸水は2例.胸腔鏡所見は8例でびまん性胸膜肥厚と線維素が形成され,詳細な観察は困難であった.生検可能な8例に対して胸膜生検を施行し,全例で線維素性胸膜炎として矛盾しない結果であり,除外診断として尿毒症性胸膜炎と診断した.

結論:
 慢性腎不全患者における難治性胸水の原因として尿毒症性胸膜炎を念頭に置く必要があり,その特徴的な胸腔鏡所見はびまん性胸膜肥厚と線維素形成であった.



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by otowelt | 2019-07-24 00:59 | 気管支鏡

気管支Dieulafoy病

e0156318_17163723.png 消化器系では有名な疾患ですが、デュラフォイと発音します。

Qian X, et al.
Bronchial Dieulafoy's disease: a retrospective analysis of 73 cases.
BMC Pulm Med. 2019 Jun 6;19(1):104.


背景:
 気管支Dieulafoy病 (BDD) は出血の原因として知られているまれな疾患である。この疾患の特徴はいまだに不明である。本研究では、BDDの診断と治療に重点を置き、世界から報告された論文をレビューした。

方法:
 Pubmed, Google Scholar, Web of Scienceのデータベースを用いて、BDDの包括的な調査を行った。次のデータが収集された:患者の特徴、胸部画像、気管支鏡、血管造影、病理組織学所見、行われた治療。

結果:
 1995~2019年で73人のBDDが報告された(48人が男性、25人が女性)。平均年齢は47.2歳だったが、年齢のばらつきは大きかった。31.5%の患者が45~60歳だった。ほとんどがアジア(52.1%)で発生し、その次がヨーロッパ(31.5%)だった。73人中35人が喫煙者だった。胸部画像所見は非特異的だった。64人に気管支鏡が実施された。主要な気管支鏡所見は、結節性または隆起性病変 (60.9%)だった(表)。
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(文献より引用)

 19人が気管支鏡的に生検され、17人が出血し、6人が死亡した。4人の患者で、EBUSを用いて粘膜下に異常血管が描出できた。
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(文献より引用)

 血管造影の主要所見は、蛇行した拡張気管支動脈だった。動脈供給は主に気管支動脈(48人)と肺循環(4人)だった。BDDの病変は主に右気管支 (53人) だった。選択的気管支動脈塞栓術(BAE)38人の患者で適用され、20人の患者が肺葉切除術を受けた。15人の患者で緊急切除が行われ、全員が生存し、喀血の再発はなかった。

結論:
 大量喀血がBDDでよくみられる症状だった。血管造影およびEBUSは生検を行う前には極めて有用な検査である。外科手術は不安定な患者、コントロール不良の喀血患者、BAEが失敗した患者では考慮されるべきだが、BAEは安定した患者および耐術能のない患者において有用かもしれない。






by otowelt | 2019-07-08 00:47 | 気管支鏡

気管支鏡後の気胸をルーチンに同定する必要があるか?

e0156318_9511053.jpg 興味深い報告ですが、トータルの気胸の頻度が平均より高いように思います。これだけの症例数を集めたのなら、1%程度であってほしいです。

Centonze CP, et al.
Routine Chest Radiography for the Evaluation of Pneumothorax Following Bronchoscopy.
Acad Radiol. 2019 May;26(5):585-590.


背景および目的:
 気胸を同定するために、気管支鏡後にルーチンで胸部レントゲン写真を撮影する有用性を調べること。

方法:
 この後ろ向きコホート研究は当該施設IRBで承認された。プロトコルに基づいて気管支鏡後レントゲン写真を撮影されたヘルスシステム1施設の全外来患者1443人(2010年1月~2017年7月)が電子診療録から同定された。気胸の頻度(95%信頼区間)および臨床アウトカムが胸部レントゲン写真レポートと電子診療録の追跡により検証された。喫煙歴と肺疾患が気胸発症に与えるリスクはχ二乗検定を用いて同定された。

結果:
 1443人の患者が気管支鏡を受け、6%(1443人中93人)が現喫煙者で、35%(1443人中505人)が既喫煙者だった。35%(1443人中540人)が肺疾患を有していた。全インターベンション後の気胸の頻度は3.4%だった(1443人中49人、95%信頼区間2.6-4.5%)。経気管支手技後の気胸の頻度は4.1%(1032人中42人、95%信頼区間3.9-5.5%)だった。事前に気胸があった患者や偽陽性診断の患者を除外すると、真の気胸の頻度は2.9%(1443人中42人、95%信頼区間2.1-3.9%)だった。気胸のリスクは喫煙歴ごとに差はなく(p=0.99)、肺疾患の既往の有無でも差はなかった(p=0.19)。気胸を起こした49人のうち、13人が有症状で、胸腔ドレーン留置を要した2人、入院を要した3人、観察のみ7人、の10人でマネジメントの変更があった。気胸関連のインターベンションは症状のない患者にはおこなわれなかった。

結論:
 外来気管支鏡インターベンション後の気胸はまれであり、通常無症状で、多くが臨床的に有意な影響をもたらさない。気管支鏡後に無症状の患者は気胸のリスクがとても低いので、ルーチンの画像検査はいらないかもしれない。



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by otowelt | 2019-06-04 00:56 | 気管支鏡

気管支内自己血パッチは遷延性気胸の治療に有用

e0156318_9511053.jpg これはアイディアの勝利ですね。

Zhang HT, et al.
Management of Persistent Air Leaks Using Endobronchial Autologous Blood Patch and Spigot Occlusion: A Multicentre Randomized Controlled Trial in China.
Respiration. 2019 Mar 22:1-8.


背景:
 二次性自然気胸(SSP)の患者における、適切な遷延性エアリーク(PAL)のマネジメントは議論の余地がある。

目的:
 肺胞-胸膜瘻孔(APF)およびPALがあるSSP患者において、気管支内の自己血+トロンビンパッチ(ABP)およびシリコンスピゴットを用いた気管支閉鎖(BOS)の効果と安全性を評価した。

方法:
 これは、2015年2月から2017年6月までの間、中国の6つある三次医療施設のうちの1つで実施された、水封付き胸腔ドレーン(CTD)、ABP、BOSを比較した多施設共同前向きランダム化比較試験である。APFと診断された患者でPAL(CTD7日間にもかかわらず)および手術不能患者を登録した。評価アウトカムには、観察期間の最終時点における気胸寛解の成功率、エアリークの停止期間、肺拡張、入院期間、合併症が含まれた。

結果:
 150人の患者が3群に分けて解析された(CTD、ABP、BOSそれぞれ50人ずつ)。14日時点でのでの気胸寛解率はCTDで60%、ABPで82%、BOSで84%だった(p=0.008)。すべての期間中評価アウトカムは、ABPとBOSのほうがCTD群よりも有意に良好だった(いずれもp<0.016)。胸痛、咳嗽、発熱などの有害イベントの頻度には有意差はなかった。ABPおよびBOS群の全患者は一時的に血痰を経験した。スピゴットの位置不良はBOS群の8%に起こった。

結論:
 ABPおよびBOSは、高い気胸寛解率、エアリーク停止、肺拡張、入院期間といった臨床的に意義のあるアウトカムにおいて有用であり、安全性プロファイルの懸念もなかった。




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by otowelt | 2019-04-12 00:59 | 気管支鏡

気管支鏡による気胸は、左上葉に多い

e0156318_9511053.jpg これは貴重な報告ですね。なるほど、左上葉には注意です。

Herout V, et al.
Transbronchial biopsy from the upper pulmonary lobes is associated with increased risk of pneumothorax - a retrospective study.
BMC Pulm Med. 2019 Mar 1;19(1):56.


背景:
 気胸(PTX)は、経気管支生検(TBB)でもっともよくみられる合併症の1つである。過去の研究では、上葉のTBBはPTX発症リスク上昇と関連しているかもしれないとされている。この研究の目的は、異なる肺葉でのTBB後のPTXリスクを比較することである。

方法:
 2015年1月1日から2017年12月31日までの全気管支鏡記録(チェコ共和国、ブルノ大学病院、呼吸器部門)が後ろ向きに解析された。3542の気管支鏡記録のうち、796人がTBBをおこなわれており、さらなる解析をこころみた。基礎の患者背景記録、TBB処置関連因子、喫煙歴、放射線学的特性が解析された。さらに、PTXを発症した患者、PTX発症時期、PTXの症状、異常陰影の分布、入院期間についても解析された。

結果:
 PTXを発症した患者は有意にBMIが低く、4検体を超える検体採取をおこなっていた(いずれもp < 0.05)。左上葉からTBBをおこなうと、有意にPTX発症リスクが上昇した(オッズ比2.27; 95%信頼区間1.18-4.35; p = 0.02)。反して、右下葉からTBBをおこなうと、PTX発症リスクは有意に低かった(オッズ比0.47; 95%信頼区間0.22-0.98; p = 0.04)。ロジスティック回帰分析では、BMI(オッズ比1.08; 95%信頼区間1.02-1.16; p = 0.01)、左上葉からの検体採取(オッズ比2.15; 95%信頼区間1.13-4.11; p = 0.02)、4検体を超える採取(オッズ比1.91; 95%信頼区間1.04-3.49; p = 0.04)がPTX発症に有意に関連していた。

結論:
 左上葉からのTBBは処置後の気胸リスク上昇と有意に関連していた。右下葉はもっとも安全にTBBができると思われる。びまん性に陰影がある患者では、処置後PTXリスクを減らすためにTBBは右下葉からおこなうべきであろう。



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by otowelt | 2019-03-26 00:54 | 気管支鏡

EBUS-TBNA検体に抗酸菌検査を行うべきか?

e0156318_1302985.jpg EBUS-TBNAのフラッシュ検体に抗酸菌検査を行うべきかどうかの参考になりますが、私が参考になったのは膨大なデータにおける縦隔リンパ節の腫大部位の内訳です。実臨床でも#7か#4RをTBNAすることが多いですよね。

Ko R, et al.
Clinical usefulness of routine AFB culture and MTB PCR of EBUS‐TBNA needle rinse fluid
Respirology, First published: 07 February 2019


背景および目的:
 われわれは、縦隔リンパ節診断のための超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)の針内すすぎ液における抗酸菌(AFB)培養および結核菌(MTB)PCRの有用性を評価した。

方法:
 EBUS-TBNA針内すすぎ液は、AFB培養やMTB PCRにルーチンに用いられている。患者は、処置前診断に応じて分類された(グループA:肺癌の組織学的診断あるいは疑い診断、グループB:肺外悪性腫瘍、グループC:他の良性疾患)。

結果:
 4672人のうち、104人(2.2%)が結核性リンパ節炎と診断され、グループA(3863人)の1.0%、グループB(478人)の4.6%、グループC(331人)の12.7%だった。

グループAグループBグループC
平均年齢65.6±9.8歳61.2±13.0歳52.5±15.6歳
男性72.8%60.3%52.3%
結核性リンパ節炎の診断40人(1.0%)22人(4.6%)42人(12.7%)
活動性肺結核の合併62人(1.6%)13人(2.7%)39人(11.8%)

 組織病理学的に結核性リンパ節炎と診断されたのは、グループAの0.2%、グループBの1.0%、グループCの4.5%だった。組織病理にAFB培養を加えると、結核性リンパ節炎はグループAの1.0%、グループBの4.4%、グループCの10.3%に診断された(それぞれp<0.001, p=0.001, p=0.005)。組織病理にMTB PCRを加えると、結核性リンパ節炎はグループAの0.4%、グループBの1.9%、グループCの8.8%に診断された(グループC、p=0.029)。
 なお、縦隔リンパ節の特性として、全11043リンパ節のうち腫大頻度の内訳は#7(28.1%)≒#4R(27.3%)>#4L(16.9%)>#11R(8.0%)>#11L(5.5%)だった。グループCのリンパ節径が有意に大きかった。

結論:
 結核の中蔓延国において、処置前診断にかかわらず、EBUS-TBNAを行われた全患者の同処置針内すすぎ液のAFB培養をルーチンでおこなうことは、結核性リンパ節炎の診断率を向上させるのに有用である。





by otowelt | 2019-03-21 00:45 | 気管支鏡

気管支鏡に関する国内調査結果:2016年

e0156318_9511053.jpg
Horinouchi H, et al.
Current status of diagnostic and therapeutic bronchoscopy in Japan: 2016 national survey of bronchoscopy.
Respir Investig. 2019 Feb 6. pii: S2212-5345(18)30230-2.


気管支鏡処置に関するアンケート調査の結果を報告した論文です。2010年にも行われたことがありますが、今回2016年のデータを公開しています。本アンケートに回答したのは、200~500床以上の大きめの病院がほとんどでした。

・外来気管支鏡
 外来で気管支鏡をおこなうことが減りました。2010年には19.5%の施設がほぼ外来で実施していたものが、現在は6.8%と入院志向になりつつあります。これは安全面の懸念や入院稼働率の問題など、理由はいろいろあると思います。当院は基本的に全例入院でおこなっております。

・モダリティ
 気管支鏡ナビゲーションシステムが導入されているのは41.7%とかなり多く、ここ数年で大きく飛躍した分野の1つではないでしょうか。VincentとBF-NAVIが2台巨頭のようです。

・気管支鏡処置関連
 45.2%に予防的抗菌薬が処方されているのが解せませんでした(ほとんどが処置終了後内服)。個人的にはよほどの例を除けば不要と思っています。
 49.0%がルーチンの静脈麻酔を用いていることがわかりました。そのうち76.9%がミダゾラムです。当院もミダゾラムを用いていますが、まだ全例ルーチンではありません。アトロピンの使用はもっと少ないかと思いましたが、まだルーチンで8.8%も用いられているそうです。さすがにエビデンスと逆行していますね。
 経鼻気管支鏡をルーチンにおこなっているのは3.2%で、まだまだこちらは普及していませんね。当院も経口でおこなうことがほとんどです。
 気管支鏡中の酸素投与をルーチンで行っているのは39.2%でした。当院ではSpO2モニタを測定し、問題なければ非投与でおこなっています。ただし、気管支肺胞洗浄を行う場合、基本的に酸素を吸入していただいています。
 気管支鏡後レントゲンをルーチンで撮影しているのは43.5%、選択症例におこなっているのは40.2%でした。当院では生検をおこなった症例には全例実施していますが、観察目的の場合には処置後撮影しておりません。
 


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by otowelt | 2019-03-18 15:31 | 気管支鏡

EBUS-GS併用クライオバイオプシーの有用性

e0156318_10535567.png 東京女子医科大学の有村先生のクライオバイオプシーに関する論文です。EBUS-GS併用クライオバイオプシーという、気管支鏡の世界では最先端の報告と思います。しかし、同生検は保険点数が加算されませんので、機械も完全に施設もちというツライ現状があります。

Arimura K, et al.
Cryobiopsy with endobronchial ultrasonography using a guide sheath for peripheral pulmonary lesions and DNA analysis by next generation sequencing and rapid on-site evaluation.
Respiratory Investigation, https://doi.org/10.1016/j.resinv.2018.10.006


背景:
 びまん性肺疾患や気管支内腫瘍に対するCryo生検の有用性は報告されているが末梢肺野病変(PPLs)に対するEBUS-GS併用クライオバイオプシーの有用性はよく分かっていない。また次世代シークエンサー(NGS)を用いたEBUS-GS併用クライオバイオプシー検体のDNA評価、遺伝子解析や迅速細胞診(ROSE)の有用性についての報告はない。本研究の目的はEBUS-GS併用クライオバイオプシーの診断率、検体体積、NGSを用いた肺癌DNAの質量評価と肺癌遺伝子解析、ROSEの有用性を評価することである。

方法:
 本前向き研究では、30人が適格基準を満たし、23人が登録された(男性20人、女性3人)。PPLsを指摘された患者に対してEBUS–GS下に鉗子生検 (TBB) 5回、クライオバイオプシー1~2回の順に行った。気管支鏡下目視による肺癌やEBUSに接した0.5cm以上の血管が確認された場合は除外された。最終診断に基づいてクライオバイオプシーの診断率を算出し、クライオバイオプシー・TBB両検体の体積比較、クライオバイオプシーによるROSEと最終診断との比較をおこない、および肺癌DNA量とA260/A280測定後にNGSを用いた肺癌遺伝子解析を行いその有用性と安全性を評価した。

結果:
 肺癌は17人で、10人(38.5%)が腺癌、5人(13.8%)が扁平上皮癌、小細胞癌と転移性腫瘍はそれぞれ1人ずつだった。
 診断率はクライオバイオプシー85%、TBB80%、平均体積はクライオバイオプシー0.078cm3±0.008(p<0.0001)、TBB0.003cm3 ±0.0003だった。感度、特異度、陽性尤度比(PPV)、陰性尤度比(NPV)、正診率は、クライオバイオプシーで85%、100%、100%、50%、87%、TBB検体で80%、100%、100%、42.9%、82.6%だった。ROSEはそれぞれ70%、100%、100%、33.3%、73.9%であった。
e0156318_16215442.png
(文献より引用)

 肺癌DNA量は5.72μg(1.68-11.2)、肺癌DNAのA260/A280は1.91(1.80-2.00)で全症例で遺伝子の解析が可能だった。このうち、最も多かった肺癌遺伝子はTP53であった。4例に軽度の出血がみられた以外、臨床的意義のある有害事象は観察されなかった。

結論:
 PPLsに対するEBUS-GS併用クライオバイオプシーは有用かつ安全な検査法である。クライオバイオプシーは高い診断率を得ることができ、TBBと比較して検体体積が有意に大きかった。肺癌DNAとNGSを用いた遺伝子解析に適しており、最終診断とROSEの一致率は高かった。今後発展する網羅的遺伝子解析に有用である可能性がある。






by otowelt | 2018-12-05 00:04 | 気管支鏡