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気管支鏡の鎮静におけるプロポフォール持続投与はボーラス投与と同等の安全性、しかし量と時間に欠点

e0156318_9511053.jpg 気管支鏡におけるプロポフォール(ディプリバン®)の臨床試験です。当院ではプロポフォールを使用していないのですが、500mg/50mLキットを使用しているのでしょうか?
 ―――それにしても、この試験では気胸が1例もなかったというのが驚きでした。

Peter Grendelmeier, et al.
Propofol sedation for flexible bronchoscopy: randomized, non-inferiority trial
ERJ, in press, 2013 erj02004-2012


背景:
 プロポフォールは、気管支鏡時の信頼性のある鎮静方法として確立している。しかし、ボーラスで静注する場合と持続注射する場合の比較データは存在しない。

方法:
 緊急気管支鏡およびICUでの気管支鏡を除いた通常の気管支鏡検査を受けた702人の連続患者が、ランダムにプロポフォールの間欠的ボーラス投与と持続投与に割り付けられた。プライマリエンドポイントは気管支鏡終了時および24時間後の有害事象の数とした。

結果:
 気管支鏡の適応となった理由としては、最も多かったものが感染症であり、次いで悪性腫瘍であった。ボーラス投与群に割り付けられた患者のうち、間質性肺疾患の診断目的におこなった患者が持続投与群より有意に少ない患者背景となった(p = 0.016)。また、60%以上の患者でBALが施行されていた。
 全有害事象の数は両群ともに同等であった(219 vs. 211, p = 0.810)。最も多かったのはSpO2 90%以下の低酸素血症で、収縮期血圧90mmHg以下の低血圧が次いで多かった。
合併症は8例でみられ、7例が出血、1例が呼吸不全だった。気胸は1例もなかった。ボーラス投与群と比較して、持続投与の場合有意にプロポフォールの使用量が多かった(226 mg ± 147 vs 308 mg ± 204.8, p < 0.0001)。鎮静から気管支鏡開始までの時間および鎮静から気管支鏡終了までの時間は、有意に持続投与群の方が長かった(それぞれ2分[2 – 4] vs 3分[3 - 5]、14分[9 -24] vs 17分[12 - 27], いずれもp < 0.0001)。
 咳嗽スコアは患者、看護師、医師のいずれのVASでも有意差はなかった。同様に、不快や不安スコアに関しても有意差はなかった。
 プロポフォールの用量調整を要した原因で多かったのは、患者の不快感や咳嗽といった症状によるものだった。

結論:
 気管支鏡におけるプロポフォールの持続投与はボーラス投与と同等に安全である。しかしながら、比較的高用量のプロポフォールが必要になり、処置に長時間を要するだろう。


by otowelt | 2013-08-16 00:20 | 気管支鏡

好酸球性肺炎における気管・気管支の結節は疾患重症度を反映

e0156318_2331765.jpg Respiratory Investigationより、当院の医師の論文をご紹介します。宣伝で恐縮ですが、当院は多岐に渡る呼吸器疾患を診療している病院でありながら、非常に論文執筆が盛んで毎年20本程度の医学論文を発表しています(http://www.hosp.go.jp/~kch/depart/ronbun.html)。

Matsuda Y, et al.
Tracheobronchial lesions in eosinophilic pneumonia
Respiratory Investigation, published online 15 July 2013.


背景:
 好酸球性肺炎(EP)は、肺実質における好酸球の浸潤に特徴付けられる疾患である。しかしながら、この疾患における気管・気管支の病変についてはほとんど報告がない。EP症例における気管・気管支病変を有する症例の頻度と特徴を明らかにするため、EP患者をレトロスペクティブに調べた。

方法:
 われわれは近畿中央胸部疾患センターにおいて2004年1月から2007年12月まで36人のEP患者を登録した。気管・気管支の結節病変の頻度と臨床的特徴を解析した。
 CEPは(Nihon Kokyuki GakkaiZasshi 2002;40:851–5)を改変した基準を使用し、本試験に組み込んだ。

結果:
 36人のうち、29人が慢性好酸球性肺炎(CEP)であり、1人が急性好酸球性肺炎、3人が薬剤性好酸球性肺炎、2人がアレルギー性気管支肺アスペルギルス症、1人が寄生虫関連好酸球性肺炎であった。29人のCEPのうちの2人のみに気管・気管支病変が観察された。これら2症例のいずれも、気管支鏡下で気管・気管支粘膜に多発性の白色結節がみられた。組織病理学的所見は、扁平上皮化生と上皮下の好酸球浸潤であった。いずれの症例も結節はステロイド治療後に消失した(写真はステロイド投与40日目に病変が消失していた症例)。
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(文献より引用)

 気管・気管支の病変はCEP患者、6.9%、EP患者の5.6%に観察された。EP患者を3群、すなわち結節を有するCEP(2人)、結節を有さないCEP(27人)、その他のEP(7人)に分けた場合、結節のあるCEP群は呼吸器症状が高頻度にみられ、白血球数、末梢血および気管支肺胞洗浄液中の好酸球が他の群よりも高かった。

結論:
 EP患者において気管・気管支の結節性病変はまれながらも観察され、重症の病態を反映しているものと考えられた。


by otowelt | 2013-08-06 00:05 | 気管支鏡

Black bronchoscopy:黒色気管支鏡所見

 気管支鏡中に黒くなる所見といえば、気管支鏡の破損くらいしかお目にかかったことがありません(誰しも経験したくありませんが)。ご紹介するのは、煤(すす)による症例報告ですが、ほかにもメラノーマの転移(J Bronchology Interv Pulmonol. 2010 Apr;17(2):146-8.、Respiration. 2003 Mar-Apr;70(2):206.)が報告されています。

Ribeiro, Carla, et al.
"The Black Bronchoscopy": A Case of Airway Soot Deposition
Journal of Bronchology & Interventional Pulmonology. 20(3):271-273, July 2013.


 ”black bronchoscopy(黒色気管支鏡所見)”という言葉は、気道に黒色の沈着がみられるときに使用する。いくつかの原因があるが、きわめてまれな所見である。
 われわれは71歳の女性主婦で、在宅の火事によって起こった大量の煤(すす)が沈着した”black bronchoscopy”の症例を経験した。
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(文献より引用)


by otowelt | 2013-07-31 00:31 | 気管支鏡

症例報告:難治性気胸に対して気管支鏡的自己血注入が奏効した症例

症例報告を紹介します。

Wiaterek, Gregory, et al.
Bronchoscopic Blood Patch for Treatment of Persistent Alveolar-Pleural Fistula
Journal of Bronchology & Interventional Pulmonology:April 2013 - Volume 20 - Issue 2 - p 171-174


 人工呼吸器を装着したCrohn病を有する56歳の両側難治性気胸で、気管支鏡下に3mlの自己血を注入し、エアリークを止めたという症例報告。

 難治性気胸でEWSが効果を発揮することが知られていますが、自己血を注入するという観点もあるのだと感心しました。50%ブドウ糖液を注入したらどうなるんでしょうか。


by otowelt | 2013-05-26 11:47 | 気管支鏡

ATS2013:重度の気腫に対する気管支鏡的肺容積減量コイル(LVRC)は短期的・長期的にも有効

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肺容積減量コイルの発表を2つ紹介します。



 発表の中で「このように低侵襲である治療法は、COPDという世界でも罹患者が多い疾患には早急に適応されるべきである」とランス大学病院呼吸器内科のGaetan Deslee教授は述べました。

G. Deslee, et al.
Lung Volume Reduction Coil (LVRC) Sustained Treatment Effectiveness In Heterogeneous And Homogenous Emphysema
ATS 2013, May 20, Poster Discussion


概要:
 肺容積減量コイル:Lung Volume Reduction Coil (LVRC, PneumRx Inc.)は気管支鏡的におこなえる重症気腫性病変に対するデバイスである。3つのヨーロッパの多施設においてこの効果と安全性について検討した。109人の患者(平均年齢61歳)を登録し、LVRCによる治療を両肺に実施し6ヶ月および12ヶ月後のパラメータを検証した。281の手技において2081のLVRCが留置された(平均1葉あたり9.5)。重篤な有害事象は30日の時点で、13人のCOPD急性増悪(6%)、1人の血痰(0.5%)、9人の肺炎(5%)、9人の気胸(4%)が観察されたが、死亡や呼吸不全などの重篤なものは観察されなかった。6ヶ月後、12ヶ月後の効果については以下の通りであった。一秒量の上昇を維持:+15.4%、+15.2%、残気量軽減を維持:-10%、-10.3%、6分間歩行距離の上昇を維持: +47.5m、+53.6m、QOLの改善を維持(SGRQ):-10.9点、-11.4点(すべてp<0.0001、12ヶ月後の一秒量のみp<0.0004)。


イタリアからの同様の発表がありました。こちらは少し症例数、コイル手技ともに数が少ない報告です。

M. Bezzi, et al.
First Results Of The Italian National Registry For The Endoscopic Treatment Of Pulmonary Emphysema By Lung Volume Reduction Coils
ATS 2013, May 20, Poster Discussion


概要:
 20ヶ月にわたる期間で32手技(287コイル)を26人の患者でおこなった(ベースライン一秒量[予測値]23.9 ± 7.5%、残気量[予測値]236.9±48%、全肺気量[予測値]128.9±20%)。20人の患者が一側の治療(19人が上葉、1人が下葉)、6人が両側上葉の治療を受けた。平均手技時間は41分だった。26人中23人が軽度の血痰を最初の1週間で経験しており、2人が重篤な喀血を呈した。その他、気胸1人、肺炎4人、COPD急性増悪6人、胸痛2人などが観察された。治療後1ヶ月で、残気量[予測値]の有意な軽減(ベースライン236.9±48% vs 治療後214.5±60%, p=0.01)がみられたが、全肺気量[予測値]に変化はなかった(ベースライン128.9±20% vs 治療後125.3±19%)。そのほか、6分間歩行距離(ベースライン241±76 m vs 治療後280±92 m, p= 0,03)、一秒量[予測値](ベースライン23.9±7.5% vs 治療後27.9±9%, p=0,003)も改善した。治療3ヶ月後の14人の解析では、一秒量や残気量がベースラインに戻りつつあるような傾向にあったが、6分間歩行距離は維持していた。


by otowelt | 2013-05-21 09:20 | 気管支鏡

ATS2013:クライオプローブにおける診断能

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ERSでもATSでもここ1,2年必ず発表されているテーマです。少なくとも2つの演題が発表されていました。2つ目の試験はなんだか評価項目が曖昧な気がしますが。

ERS2012:気管支鏡cryoprobeでびまん性肺疾患の診断が可能に
クライオプローブによる経気管支肺生検は、鉗子による経気管支肺生検と同等の安全性

V. Pajares, et al.
Diagnostic Yield Of Transbronchial Cryobiopsy In Diffuse Lung Disease: A Randomised Trial,
ATS 2013, May 20, 2013,Thematic Poster Session


概要:
 クライオプローブによるびまん性肺疾患の診断能を通常の気管支鏡の鉗子と比較したランダム化比較試験である。75人のびまん性肺疾患患者に対して経気管支肺生検をおこない、ランダムにクライオプローブと通常鉗子に割り付けた。盲検化された2人の病理医によって組織診断がおこなわれ、合議によって確定診断をつけた。組織の大きさは平均±標準偏差でクライオプローブ14.9 ± 10.9 mm2、通常鉗子で3.2 ± 4.1 mm2だった(p < 0.001)。手技にかかった時間は両群とも同等であったが、VASスケールではややクライオプローブのほうが忍容性は高かった。クライオプローブのほうが通常鉗子による生検よりも病理学的診断がつきやすかった(73.7% vs 32.4%, p < 0.001)。出血は湯統計学的に有意差はなかったものの、クライオプローブのほうが多かった(59.5% vs 35.1%)。気胸はクラオプローブのほうがやや多かった(7.9% vs 5.4%)。
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S. Barril,, et al.
Is Transbronchial Lung Biopsy Using Cryoprobes Useful In The Management Of Diffuse Lung Disease?,
ATS 2013, May 20, 2013,Thematic Poster Session


概要:
 本試験はびまん性肺疾患の診断において通常鉗子とクライオプローブ(Erbokryo® CA, Ref: 20426-032)を比較したランダム化比較試験である。生検は”有用”であるかどうか臨床的に判定され、臨床的介入としては薬剤処方、診断による治療中止、アレルゲンやその他の有害なものからの回避の3種類に分けられた。クライオプローブによるTBLBが有用であったと思われる患者は60.5%であり、通常鉗子(29.7%)より頻度が高かった(p = 0.011)。



by otowelt | 2013-05-20 21:21 | 気管支鏡

ATS2013:Yステントの気管支鏡的挿入案

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J.A. Kazakov, et al.
Y-Stent Insertion Using A Flexible Bronchoscopic Seldinger Technique In Distal Tracheal And Carinal Obstruction
ATS 2013, May 19, 2013, Thematic Poster Session


Yステントを挿入するのは非常に困難なのですが、意外なアイディアで気管支鏡的セルディンガー法によるシリコンYステント挿入の報告がありました。図を見れば一目瞭然かと思います。
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by otowelt | 2013-05-19 23:17 | 気管支鏡

肺癌診断におけるEBUS-TBNA施行時の迅速細胞診は、追加処置や穿刺回数を減少させる

e0156318_1561593.jpgERJにサルコイドーシスの診断に対するEBUS-TBNAの迅速細胞診(ROSE)についてご紹介したことがあります。

サルコイドーシスの診断におけるEBUS-TBNAの迅速細胞診は有用

Respirationから、日本のEBUS-TBNAのROSEの臨床試験結果が報告されています。当院でも気管支鏡時にはROSEを併用しています。

Oki M, et al.
Rapid On-Site Cytologic Evaluation during Endobronchial Ultrasound-Guided Transbronchial Needle Aspiration for Diagnosing Lung Cancer: A Randomized Study
Respiration (DOI: 10.1159/000346987)


背景:
 迅速細胞診(rapid on-site cytologic evaluation :ROSE)はEBUS-TBNAに際して広く用いられているが、その役割はまだ不透明である。

目的:
 この試験の目的は、肺癌を診断する際のEBUS-TBNA時のROSEの有効性を評価するものである。

方法:
 短径10 mm以上の肺門部・縦隔リンパ節腫大あるいは中枢気管支に隣接する腫瘍性病変がある、肺癌を強く疑われた120人の患者を登録した。すでに肺癌の診断がついている症例(リンパ節病期決定目的)、気管内病変が明らかな症例、重篤な合併症を有する症例、出血傾向、妊婦は除外された。
 患者はランダムにEBUS-TBNAにROSEを併用した場合と併用しなかった場合とに割り付けられた。
 
結果:
 12人の患者は気管支鏡下で肉眼的に病変が確認できたため、除外基準に基づき解析から除外された。そのため、108人の患者が解析された(55人がROSE併用群、53人がROSE非併用群)。
 追加的な処置、すなわち主な標的病変以外のEBUS-TBNA施行や同部位での経気管支生検がROSE群の11%、非ROSE群の57%で行われた(p < 0.001)。平均穿刺回数はROSE群の方が有意に少なかった(2.2穿刺 vs 3.1穿刺, p < 0.001)。平均気管支鏡施行時間は両群で同等であった(22.3分 vs 22.1分, p = 0.95)。肺癌の診断における感度および精度はROSE群でそれぞれ88%、89%であった。
 手技による合併症は報告されなかった。

結論:
 EBUS-TBNA施行時のROSEは、追加的気管支鏡処置や穿刺回数を有意に減らすことができる。


錚々たる面々による胸部画像本が出ました。

by otowelt | 2013-04-15 20:04 | 気管支鏡

気道ステント挿入は下気道感染のリスクを上昇させる

e0156318_944588.jpg 癌による気道狭窄をきたした患者さんに気道ステントを挿入することがあります。

癌患者さんの気道狭窄に気管ステントはいつ入れるべきか

 CHESTから、気道ステントと下気道感染に関するスタディです。下気道感染の診断が曖昧な気がしますが、抗癌剤や放射線治療が明らかに効果があると予測されるケースでは待機的に行うべきだろうという筆者の意見には賛同します。

Horiana B. Grosu, et al.
Stents Are Associated with Increased Risk of Respiratory Infections in Patients Undergoing Airway Interventions for Malignant Airway Disease
CHEST. 2013doi:10.1378/chest.12-1721


背景:
 治療的気管支鏡の長期的合併症として感染症および腫瘍による気道再狭窄がある。気道ステントを挿入された患者と挿入されていない患者の間の、ステントの感染率を比較した報告はない。ステントを挿入することで、挿入されていない患者よりも高い頻度で下気道感染を起こすのではないかと仮説を立てた。

方法:
 2009年9月から2011年8月までの間、悪性腫瘍による気道狭窄のため治療的気管支鏡を受けた患者に対するレトロスペクティブコホート試験をテキサス大学MDアンダーソンがんセンターで実施した。アウトカムは下気道感染および腫瘍による気道再狭窄とした。
 ステントは以下のような症例に挿入される方針とした。すなわち、a)内因性の圧迫による50%超の気道閉塞、あるいはb) 50%超の気道開通があってもアブレーションを受けられそうにない症例、あるいはc) アブレーション後にステントを留置しないと高率に気道狭窄をきたしそうな症例、とした。
 下気道感染症は、臨床的に発熱、膿性痰、咳嗽の悪化があるものとし胸部レントゲン異常は必須としなかった。気管支鏡検体における病原菌証明は必須としなかった。

結果:
 72人の患者が悪性気道疾患に対して治療的気管支鏡を受けた。これらのうち24人に1つ以上の気道狭窄部位があった。24人のステント挿入患者のうち17人(71%)がアブレーションを受けた。
 72人のうち23人(32%)に下気道感染がみられた。感染までの中央期間は64日(7-632日)だった。13人(56%)が入院を余儀なくされ、6人(26%)が感染から14日以内に死亡した。
 多変量解析において、気道ステントは有意に下気道感染リスクを上昇させた(ハザード比3.76; 95%信頼区間1.57-8.99; P=.003)。また女性は有意に男性よりも非感染死亡リスクが高かった(男性ハザード比(vs女性)0.40;95%信頼区間0.17-0.94; P =.035)。
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 下気道感染の感染率はステントを挿入された患者で0.0057/人年、ステントを挿入されていない患者で0.0011/人年であった。発症率差は0.0046/人年と有意であった(95%信頼区間 0.0012-0.0081; P=.0002)。
 腫瘍の成長による再狭窄は、ベースライン時の狭窄率が重度である場合に有意に多くみられた(ベースラインで50%超閉塞 vs <50%狭窄; ハザード比13.71; 95%信頼区間1.75-107.55; P=.013)。
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結論:
 治療的気管支鏡として気道ステントを挿入した場合、ステントを挿入しない場合と比較して下気道感染のリスクは高い。アブレーション技術で気道を再開通させることができ、化学療法や放射線治療に反応性があるような場合、初期のステント挿入を見送る戦略も考慮すべきだろう。


by otowelt | 2013-03-18 00:10 | 気管支鏡

経気管支肺生検はEBUS-TBNAの合併症リスク因子

CHESTのトップページに掲載されていた論文です。EBUS-TBNAで肺生検をおこなえば、合併症リスクは上昇するのは当然なのですが・・・。

George A. Eapen, et al.
Complications, Consequences, and Practice Patterns of Endobronchial Ultrasound-Guided Transbronchial Needle Aspiration: Results of the AQuIRE Registry
CHEST.2012doi:10.1378/chest.12-0350


背景:
 超音波ガイド下経気管支針生検(EBUS-TBNA)の合併症のリスク因子を同定するスタディは少ない。このスタディの目的は、EBUS-TBNAを行う上での合併症のリスク因子を同定することである。

方法:
 American College of Chest Physicians Quality Improvement Registry, Evaluation, and Education (AQuIRE) データベースにおいて、EBUS-TBNAを施行された患者データをプロスペクティブに抽出し、その合併症の頻度、因果関係、予測因子を解析した。

結果:
 われわれは6病院において1317人の患者を登録した。19人の患者で合併症がみられた(1.44%; 95% CI, 0.87%-2.24%)。経気管支肺生検(TBBx)のみが合併症のリスク因子であり、TBBxを施行された3.21%の患者に起こり、TBBxを施行されていない1.15%の患者に起こった(OR, 2.85; 95% CI, 1.07-7.59; P = 0.04)。気胸は7人の患者にみられた(0.53%; 95% CI, 0.21%-1.09%)。ケアレベルの拡大は14人の患者におこなわれた(1.06%; 95% CI, 0.58%-1.78%):そのリスクファクターは以下の因子を含んでいた。70歳を超える患者(OR, 4.06; 95% CI, 1.36-12.12; P = 0.012)、入院患者(OR, 4.93; 95% CI, 1.30-18.74; P = 0.019)、深い鎮静あるいは全身麻酔(OR, 4.68; 95% CI, 1.02-21.61; P = 0.048)。
 迅速細胞診をおこなわれた患者の12.6%にTBBxがおこなわれ、迅速細胞診をおこなっていない患者の19.1%でTBBxがおこなわれた(P = 0.006)。

結論:
 TBBxのみがEBUS-TBNAの合併症のリスク因子であった。迅速細胞診は有意にTBBxの頻度を減らすことができる。

by otowelt | 2012-11-06 00:01 | 気管支鏡