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肺癌診断におけるEBUS-TBNA施行時の迅速細胞診は、追加処置や穿刺回数を減少させる

e0156318_1561593.jpgERJにサルコイドーシスの診断に対するEBUS-TBNAの迅速細胞診(ROSE)についてご紹介したことがあります。

サルコイドーシスの診断におけるEBUS-TBNAの迅速細胞診は有用

Respirationから、日本のEBUS-TBNAのROSEの臨床試験結果が報告されています。当院でも気管支鏡時にはROSEを併用しています。

Oki M, et al.
Rapid On-Site Cytologic Evaluation during Endobronchial Ultrasound-Guided Transbronchial Needle Aspiration for Diagnosing Lung Cancer: A Randomized Study
Respiration (DOI: 10.1159/000346987)


背景:
 迅速細胞診(rapid on-site cytologic evaluation :ROSE)はEBUS-TBNAに際して広く用いられているが、その役割はまだ不透明である。

目的:
 この試験の目的は、肺癌を診断する際のEBUS-TBNA時のROSEの有効性を評価するものである。

方法:
 短径10 mm以上の肺門部・縦隔リンパ節腫大あるいは中枢気管支に隣接する腫瘍性病変がある、肺癌を強く疑われた120人の患者を登録した。すでに肺癌の診断がついている症例(リンパ節病期決定目的)、気管内病変が明らかな症例、重篤な合併症を有する症例、出血傾向、妊婦は除外された。
 患者はランダムにEBUS-TBNAにROSEを併用した場合と併用しなかった場合とに割り付けられた。
 
結果:
 12人の患者は気管支鏡下で肉眼的に病変が確認できたため、除外基準に基づき解析から除外された。そのため、108人の患者が解析された(55人がROSE併用群、53人がROSE非併用群)。
 追加的な処置、すなわち主な標的病変以外のEBUS-TBNA施行や同部位での経気管支生検がROSE群の11%、非ROSE群の57%で行われた(p < 0.001)。平均穿刺回数はROSE群の方が有意に少なかった(2.2穿刺 vs 3.1穿刺, p < 0.001)。平均気管支鏡施行時間は両群で同等であった(22.3分 vs 22.1分, p = 0.95)。肺癌の診断における感度および精度はROSE群でそれぞれ88%、89%であった。
 手技による合併症は報告されなかった。

結論:
 EBUS-TBNA施行時のROSEは、追加的気管支鏡処置や穿刺回数を有意に減らすことができる。


錚々たる面々による胸部画像本が出ました。

by otowelt | 2013-04-15 20:04 | 気管支鏡

気道ステント挿入は下気道感染のリスクを上昇させる

e0156318_944588.jpg 癌による気道狭窄をきたした患者さんに気道ステントを挿入することがあります。

癌患者さんの気道狭窄に気管ステントはいつ入れるべきか

 CHESTから、気道ステントと下気道感染に関するスタディです。下気道感染の診断が曖昧な気がしますが、抗癌剤や放射線治療が明らかに効果があると予測されるケースでは待機的に行うべきだろうという筆者の意見には賛同します。

Horiana B. Grosu, et al.
Stents Are Associated with Increased Risk of Respiratory Infections in Patients Undergoing Airway Interventions for Malignant Airway Disease
CHEST. 2013doi:10.1378/chest.12-1721


背景:
 治療的気管支鏡の長期的合併症として感染症および腫瘍による気道再狭窄がある。気道ステントを挿入された患者と挿入されていない患者の間の、ステントの感染率を比較した報告はない。ステントを挿入することで、挿入されていない患者よりも高い頻度で下気道感染を起こすのではないかと仮説を立てた。

方法:
 2009年9月から2011年8月までの間、悪性腫瘍による気道狭窄のため治療的気管支鏡を受けた患者に対するレトロスペクティブコホート試験をテキサス大学MDアンダーソンがんセンターで実施した。アウトカムは下気道感染および腫瘍による気道再狭窄とした。
 ステントは以下のような症例に挿入される方針とした。すなわち、a)内因性の圧迫による50%超の気道閉塞、あるいはb) 50%超の気道開通があってもアブレーションを受けられそうにない症例、あるいはc) アブレーション後にステントを留置しないと高率に気道狭窄をきたしそうな症例、とした。
 下気道感染症は、臨床的に発熱、膿性痰、咳嗽の悪化があるものとし胸部レントゲン異常は必須としなかった。気管支鏡検体における病原菌証明は必須としなかった。

結果:
 72人の患者が悪性気道疾患に対して治療的気管支鏡を受けた。これらのうち24人に1つ以上の気道狭窄部位があった。24人のステント挿入患者のうち17人(71%)がアブレーションを受けた。
 72人のうち23人(32%)に下気道感染がみられた。感染までの中央期間は64日(7-632日)だった。13人(56%)が入院を余儀なくされ、6人(26%)が感染から14日以内に死亡した。
 多変量解析において、気道ステントは有意に下気道感染リスクを上昇させた(ハザード比3.76; 95%信頼区間1.57-8.99; P=.003)。また女性は有意に男性よりも非感染死亡リスクが高かった(男性ハザード比(vs女性)0.40;95%信頼区間0.17-0.94; P =.035)。
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 下気道感染の感染率はステントを挿入された患者で0.0057/人年、ステントを挿入されていない患者で0.0011/人年であった。発症率差は0.0046/人年と有意であった(95%信頼区間 0.0012-0.0081; P=.0002)。
 腫瘍の成長による再狭窄は、ベースライン時の狭窄率が重度である場合に有意に多くみられた(ベースラインで50%超閉塞 vs <50%狭窄; ハザード比13.71; 95%信頼区間1.75-107.55; P=.013)。
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結論:
 治療的気管支鏡として気道ステントを挿入した場合、ステントを挿入しない場合と比較して下気道感染のリスクは高い。アブレーション技術で気道を再開通させることができ、化学療法や放射線治療に反応性があるような場合、初期のステント挿入を見送る戦略も考慮すべきだろう。


by otowelt | 2013-03-18 00:10 | 気管支鏡

経気管支肺生検はEBUS-TBNAの合併症リスク因子

CHESTのトップページに掲載されていた論文です。EBUS-TBNAで肺生検をおこなえば、合併症リスクは上昇するのは当然なのですが・・・。

George A. Eapen, et al.
Complications, Consequences, and Practice Patterns of Endobronchial Ultrasound-Guided Transbronchial Needle Aspiration: Results of the AQuIRE Registry
CHEST.2012doi:10.1378/chest.12-0350


背景:
 超音波ガイド下経気管支針生検(EBUS-TBNA)の合併症のリスク因子を同定するスタディは少ない。このスタディの目的は、EBUS-TBNAを行う上での合併症のリスク因子を同定することである。

方法:
 American College of Chest Physicians Quality Improvement Registry, Evaluation, and Education (AQuIRE) データベースにおいて、EBUS-TBNAを施行された患者データをプロスペクティブに抽出し、その合併症の頻度、因果関係、予測因子を解析した。

結果:
 われわれは6病院において1317人の患者を登録した。19人の患者で合併症がみられた(1.44%; 95% CI, 0.87%-2.24%)。経気管支肺生検(TBBx)のみが合併症のリスク因子であり、TBBxを施行された3.21%の患者に起こり、TBBxを施行されていない1.15%の患者に起こった(OR, 2.85; 95% CI, 1.07-7.59; P = 0.04)。気胸は7人の患者にみられた(0.53%; 95% CI, 0.21%-1.09%)。ケアレベルの拡大は14人の患者におこなわれた(1.06%; 95% CI, 0.58%-1.78%):そのリスクファクターは以下の因子を含んでいた。70歳を超える患者(OR, 4.06; 95% CI, 1.36-12.12; P = 0.012)、入院患者(OR, 4.93; 95% CI, 1.30-18.74; P = 0.019)、深い鎮静あるいは全身麻酔(OR, 4.68; 95% CI, 1.02-21.61; P = 0.048)。
 迅速細胞診をおこなわれた患者の12.6%にTBBxがおこなわれ、迅速細胞診をおこなっていない患者の19.1%でTBBxがおこなわれた(P = 0.006)。

結論:
 TBBxのみがEBUS-TBNAの合併症のリスク因子であった。迅速細胞診は有意にTBBxの頻度を減らすことができる。

by otowelt | 2012-11-06 00:01 | 気管支鏡

気管支鏡時の出血の90%が5ml未満である

e0156318_23532156.jpg 当院は気管支鏡件数が多いので、出血量のスタディを前向きに組んだら興味深いんのではないかと思っていたら、先月にすでに似たような論文が出ていました。
 このスタディのもう一つのウリである血小板との関連についてですが、血小板3万程度であっても気管支鏡をやりたくないと思うのは保守的でしょうか?

Carr IM, et al.
Blood Loss during Flexible Bronchoscopy: A Prospective Observational Study.
Respiration. 2012;84(4):312-8.


背景:
 軟性気管支鏡において出血はいまだに重要な合併症である。

目的:
 われわれは、低リスク患者における気管支鏡時の出血と、肺の病理学的基礎疾患、SVC症候群、検査データなどとの関連について調査した。

方法:
 わえわれは、軟性気管支鏡を施行した患者を18ヶ月で234人登録した。血小板が2万未満であったり、抗凝固薬や抗血小板薬を服用していたり、肝不全の病歴がある患者は除外された。処置中の出血量は、ヘモグロビン同定機を用いた分泌物の吸引で測定し、極少量(<5 ml)、少量(5-20 ml)、中等量(20-100 ml)、重度(>100 ml)に分類された。

結果:
 合計210人(89.7%)が極少量の出血で、19人が少量、5人が中等量であった。重度の出血はなかった。SVC症候群のある患者は平均出血量が多く(6.0 ml)、SVC症候群のない気管支腫瘍(p = 0.033)やその他の疾患(p = 0.026)と比べて有意に差がみられた。
 出血量はTBNA単独がEBUS-TBNAに比べて有意に少なかった(TBNA, mean 3.4 ml vs mean 5.0 ml, p < 0.001)。貧血や血小板2万5000~15万5000、INR>1.3では出血リスクは上昇していなかった。

結論:
 この試験では重度の出血はみられず、このコホートでは出血のリスクは概して低かった。さらに、血小板が2万以上あれば、リスクは低いものと考えられる。

by otowelt | 2012-11-01 00:05 | 気管支鏡

呼吸不全の患者に気管支鏡を施行してもよいか

e0156318_14504521.jpg酸素投与量リザーバーマスク10L/min、両肺にびまん性スリガラス陰影。気管支肺胞洗浄(BAL)をしたいが、できない。

そんなジレンマを持ったことがある先生は、多いと思います。「酸素吸入している患者さんに気管支鏡をやってもいいのかどうか」というのは呼吸器科医が悩む問題の1つです。Intensive Care Medicineから面白い報告がありました。結論としては、オッズ比が5を超える条件であるCOPDや免疫抑制状態がなければ、NIPPV覚悟でやってみるのも一つの手かもしれませんね。

Cracco C, et al.
Safety of performing fiberoptic bronchoscopy in critically ill hypoxemic patients with acute respiratory failure.
Intensive Care Med. 2012 Oct 16.


背景:
 挿管されていない重症の呼吸不全の患者さんにおける気管支鏡の安全性は、評価されたことがない。われわれは、挿管や人工呼吸器サポートを気管支鏡後に必要になった症例を調査し、このイベントの予測因子を同定することとした。

方法:
 これは、8つのフランスのICUでおこなわれたプロスペクティブ多施設共同観察試験である。このスタディでは、P/F比が300以下の患者に対して169の気管支鏡検査が施行された。
 プライマリエンドポイントは挿管率とした。セカンダリエンドポイントは、人工呼吸器サポートが必要であった頻度と酸素療法必要性の増大(>50%)、非侵襲性陽圧換気呼吸(NIPPV)の必要性やその増大とした。

結果:
 24時間以内に人工呼吸器が必要となったのは59の気管支鏡検査後であった(35%)。そのうち、25が挿管を要した。COPDの存在(OR 5.2, 95 % CI 1.6-17.8; p = 0.007)、免疫抑制状態(OR 5.4, 95 % CI 1.7-17.2; p = 0.004)は、多変量解析において有意に挿管率と関連していた。P/F比のような生理学的パラメータのベースライン値は、挿管とは関連していなかった。

結論:
 気管支鏡はしばしば低酸素状態にある重症患者さんでは人工呼吸器を要する。しかし、挿管にまで至ることはそう多くない。COPDと免疫抑制状態にある患者は、気管支鏡後に挿管人工呼吸管理が必要となる可能性がある。

by otowelt | 2012-10-27 00:41 | 気管支鏡

ERS2012:EBUS-TBNAにおける21ゲージ針は有用かつ安全

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EBUS-TBNAにおける針の太さについてポスターセッションで2つ発表があった。1ゲージの差だが、結構この差が大きいことは全国の呼吸器内科医も実感していることだろう。

P. Chhajed, H.S, et al.
Lymph node core retrieval comparison between 22 and 21 gauge EBUS-TBNA needle
ERS 2012 Poster Discussion


背景:
 EBUS-TBNAの検体の有用性は、核出した吸引検体が採取できるかどうかに依存する。

目的:
 EBUS-TBNAのリンパ節吸引検体で22ゲージおよび21ゲージの針を使用しておこなった検体の診断的解析を行う。

方法:
 レトロスペクティブに72人の連続した患者にEBUS-TBNAを施行した。連続した72人のうち、最初の44人に22ゲージ針のEBUS-TBNAを施行し、そのあとの28人には21ゲージを使用した。EBUS-TBNAは一人の経験のある呼吸器科医が鎮静のもとおこなった。TBNA手技は、吸引をかけずに検体を採取し、もし検体が十分とれなかった場合には吸引をかけるよう心がけた。

結果:
 EBUS-TBNAの診断は59例(81.9%)でつけることができた。核出検体が病理学的に評価可能であったのは21ゲージ群で92.8%、22ゲージ群では52.2%であった。

結論:
 21ゲージ針によるEBUS-TBNAは検体採取の面で22ゲージよりもすぐれている。検体の質が病理学的検索、特に免疫組織化学染色や遺伝子検索、抗酸菌塗抹検査などに有用である。


D. Petkova, et al.
Achieving core biopsies for histology using gauge 21 needle during endobronchial ultrasound guided transbronchial needle aspiration
ERS 2012 Poster Discussion


 106人の連続した患者を登録し、全例21ゲージ針によるEBUS-TBNAを施行。105人の患者(99%)から核出検体が採取できた。合併症について、15人(14%)に有意な咳嗽症状、2人(2%)に胸部不快感、5人(5%)に低酸素血症がみられたが、いずれも処置を要するものではなかった。そのため、21ゲージによるEBUS-TBNAは安全であると結論づけている。

by otowelt | 2012-09-02 21:18 | 気管支鏡

EBUS-TBNAは組織サブタイプ診断とEGFR同定に妥当

 穿刺針に同封されているシリンジを使用せずに、手動で高陰圧をかけるとミミズのような検体がとれるため、cytologyではなくhistology検体がとれることは、日本の多くの呼吸器内科医が実感していると思う。

Neal Navani, et al.
Suitability of Endobronchial Ultrasound-guided Transbronchial Needle Aspiration Specimens for Subtyping and Genotyping of Non–Small Cell Lung Cancer
A Multicenter Study of 774 Patients
Am. J. Respir. Crit. Care Med. June 15, 2012 vol. 185 no. 12 1316-1322


背景:
 進行非小細胞肺癌(NSCLC)の現在のマネジメントとして、EGFR遺伝子ステータスと同様扁平上皮癌と非扁平上皮癌のサブタイプを区別することも必要とされている。EBUS-TBNAは、肺癌の病期診断において広くしようされている。しかしながら、EBUS-TBNAによって採取された細胞診検体が、組織学的分類やジェノタイプについて妥当な検体かどうかはまだよくわかっていない。

目的:
 ルーチンにEBUS-TBNAによって採取さた細胞診検体が、NSCLCにおける組織学的分類やジェノタイプの同定に妥当かどうか検証する。

方法:
 2009年から2011年の間に、イギリス5施設においてEBUS-TBNAによる細胞診断が肺癌確定あるいは疑いの774人の患者で記録された。

結果:
 EBUS-TBNAで最終的に組織学的診断が分類可能であったのは77%(95%CI73–80)であった。免疫組織化学染色を使用することで、特定不能のNSCLCの率は有意に減少した(補正OR, 0.50; 95% CI, 0.28–0.82; P = 0.016)。EGFR遺伝子解析はリクエストがあった119人の患者のうち107人(90%)において同定可能であった。NSCLC診断におけるEBUS-TBNAの感度、NPV、診断精度は88% (95% CI, 86–91), 72% (95% CI, 66–77), 91% (95% CI, 89–93)であった。

結論:
 この大規模多施設実用的試験によって、EBUS-TBNAによる細胞診検体はNSCLCのサブタイプ決定やEGFR遺伝子解析において妥当なものであり、免疫組織化学染色によって特定不能のNSCLCの頻度を減少させることができる。

by otowelt | 2012-06-16 06:15 | 気管支鏡

EBUSにおける縦隔リンパ節の大きさと形状による悪性所見の予測

Jessica S. Wang Memoli, et al.
Using Endobronchial Ultrasound Features to Predict Lymph Node Metastasis in Patients With Lung Cancer
CHEST 2011; 140(6):1550–1556


 縦隔リンパ節のステージングは、TNM分類と非小細胞肺癌(NSCLC)の
 治療を決定するものである。このスタディは
 気管支内エコー(EBUS)によって縦隔リンパ節転移の予測を
 評価したものである。 肺癌が確定ないし疑われている患者において
 ステージング目的にEBUSをおこなわれた患者を登録。
 リンパ節は胸部CT/PETとエコーによるサイズ・形状・辺縁・数などの
 特徴を迅速細胞診(ROSE)と最終的病理所見とに相関させた。
 227人のリンパ節(22.5%が悪性所見)が100人の患者から採取。
 CTあるいはEBUSによるリンパ節サイズが大きい場合、あるいは
 その形状が円形と卵形のものは縦隔リンパ節転移の予測ができた。

 本論文で記載された形状はtriangular, round, oval, draping。
 かなり主観が入ってしまうと思うのだが・・・。
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by otowelt | 2011-12-11 18:23 | 気管支鏡

超音波気管支鏡にバーチャル気管支鏡を併用することで末梢肺病変の診断率が向上する

当然の結果だが、論文にすることは大事だ。

Takashi Ishida,et al.
Virtual bronchoscopic navigation combined with endobronchial ultrasound to diagnose small peripheral pulmonary lesions: a randomised trial
Thorax 2011;66:1072-1077


背景:
 超音波気管支鏡(EBUS)は、末梢肺病変に有用である。
 しかしながら、生検部位の同定ができても、気管支鏡を
 同部位へ到達させることができないこともある。
 バーチャル気管支鏡(VBN)は、気管支鏡をコンピュータ上で
 到達させることができるが、これを併用することの意味については
 まだわかっていない。

方法:
 プロスペクティブ多施設共同試験で、
 VBNによるEBUSを末梢肺病変において施行。
 199人の患者で直径が30mm以下の患者を登録した。
 患者を、VBNによるEBUS群(VBNA)と、非VBN群(NVBNA)に
 ランダムに割り付けた。

結果:
 診断は、VBNAのほうがNVBNAよりも高かった(80.4% vs 67.0%; p=0.032)。
 検査時間についても前者のほうが短かった(median (range), 24.0(8.7-47.0)
 vs 26.2 (11.6-58.6) min, p=0.016)。
 サンプル採取までの時間も同様に、8.1(2.8-39.2) vs 9.8 (2.3-42.3) min,
 p=0.045)であった。軽度の気胸が有害事象としてNVBNAでみられた。

結論:
 末梢の肺小病変は、EBUSにVBNを併用することにより診断率を上昇させることができる。

by otowelt | 2011-11-21 06:35 | 気管支鏡

気管支鏡におけるプロポフォールとハイドロコドンの併用はプロポフォール単独より安全かつ有用

オピオイド併用の方が、咳スコアはよかった。
しかし、咳の定量化、患者の主観など、気管支鏡処置における
アウトカムの設定は非常に難しいと常々思う。

Propofol versus propofol plus hydrocodone for flexible bronchoscopy: a randomised study
Eur Respir J 2011; 38: 529–537


背景:
 プロポフォールとベンゾジアゼピンを組み合わせることは
 軟性気管支鏡を施行する場合の鎮静法として確立している。
 しかしながら、処置中の咳をおさえる上での
 プロポフォール単独使用と鎮痛薬との併用の比較はまだされておらず、
 どちらが優位かわかっていない。

方法:
 300人の連続患者で軟性気管支鏡を大学病院で施行した際に
 プロポフォールとハイドロコドンの併用と
 プロポフォール単独とを二重盲検で割りつけた。
 プライマリエンドポイントは処置中の咳スコアとしVASで評価。
 
結果:
 患者背景は両群とも同等であった。
 プロポフォール単独と比べると、咳スコアは
 ナースおよび患者のいずれも有意にプロポフォール・ハイドロコドンの
 併用群で低かった(2.5 (1.5–4.0) versus 2.0 (1.0–3.0)p=0.011)。
 加えて、併用群ではプロポフォールの必要量は有意に低かった
 (200 mg (140–280) versus 260 mg (180–350),p<0.0001)。
 退院までの時間や、合併症については両群とも同等であった。
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結論:
 気管支鏡検査において、プロポフォールにハイドロコドンを加えることは
 プロポフォール単独よりも安全かつ有用である。

by otowelt | 2011-09-01 06:45 | 気管支鏡