カテゴリ:呼吸器その他( 340 )

顎矯正手術後の気胸の頻度

e0156318_9114535.png めちゃくちゃまれですね。個人的には、歯科口腔外科領域の処置後に縦隔気腫を発症した症例を診たことがあります。

Liu K, et al.
Incidence of Pneumothorax Experienced After Orthognathic Surgery.
J Craniofac Surg. 2019 Jul 24. doi: 10.1097/SCS.0000000000005759.


目的:
 本研究の目的は、顎矯正手術後の気胸の頻度を評価し、その臨床像を記すことである。

方法:
 2007年1月から2018年9月にかけて顎矯正手術を受けた連続患者の術前臨床評価、臨床検査所見、胸部X線検査を単施設院内データベースで後ろ向きに調べた。

結果:
 5229人の連続患者のうち、2人(0.038%)が呼吸困難と胸痛を訴え術後気胸と診断された。それぞれ20歳男性と32歳女性だった。局所麻酔のもと胸腔ドレナージが適用され、すみやかに処置された。

結論:
 本研究によれば、顎矯正手術は頭蓋顔面異常を有する患者に安全に実施できるが、まれではあるが気胸の合併症が起こる可能性があることを示した。術後に呼吸困難および胸痛を訴える患者では気胸に注意が必要である。



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

シュロスバーグの臨床感染症学 [ 岩田 健太郎 ]
価格:21600円(税込、送料無料) (2019/7/30時点)



by otowelt | 2019-08-05 00:45 | 呼吸器その他

自然気胸の30日再入院率は13.6%

e0156318_14441648.jpg 下記のWalkerらのシステマティックレビューでは、1年再発率は29%と報告されています。自然気胸の再発の多くが初回治療後早期に発症していることが予想されます。

参考記事:システマティックレビュー:自然気胸の再発率は32.1%

 論文を読んでいて驚いたのは、1週間足らずの入院で1万ドル以上かかっている点でした。うわー・・・オソロシイ・・・。

 過去の報告に基づいて近似曲線を描いてみると、自然気胸の再発率は図のようになります。
e0156318_22285966.png
(自然気胸再発率の推移)

Mukhtar O, et al.
Characteristics of 30-day readmission in spontaneous pneumothorax in the United States: a nationwide retrospective study.
J Community Hosp Intern Med Perspect. 2019 Jun 19;9(3):215-220.


目的:
 われわれの研究は、自然気胸患者における30日全原因再入院率の全国推定値を同定し、死亡率、入院期間、入院費用に関して、これら再入院の負担を調査することを目的とした。

方法:
 2013~2014年の国内再入院データベースを用いて、成人自然気胸患者を同定した。研究コホートの患者レベルおよび病院レベルの変数を分析した。プライマリアウトカムは、再入院の理由を含めた30日間の再入院率である。セカンダリアウトカムには、全死因死亡率、医療ソース利用、再入院の予測因子が含まれた。

※この解析では、18歳未満の症例は除外された。

結果:
 合計47108人の自然気胸患者が同定された。30日再入院率は13.6%だった。もっともよくみられた再入院理由は、気胸再発だった。再入院患者の院内死亡率は3.1%だった。気胸による再入院は死亡率が高かった(4.6%、p<0.001)。年齢が45~64歳(ハザード比1.31、95%信頼区間1.15-1.49、p<0.001)、癌の病歴(ハザード比1.34、95%信頼区間1.17-1.53、p<0.001)は30日再入院の予測因子だった。
e0156318_2212313.png
(年齢別再入院:文献より引用)

 30日歳入院のリスクを減少させたのは、非保険自費診療(ハザード比0.73、95%信頼区間0.61-0.82、p<0.001)、初回入院での胸膜癒着術(ハザード比0.632、95%信頼区間0.57-0.70、p<0.001)などだった。

結論:
 自然気胸患者の30日再入院率は13.6%であり、気胸再発が最たる原因だった。30日再入院は、高い死亡率と高額な入院費用に関連していた。中年および癌の病歴は30日再入院のリスクを上昇させた。


by otowelt | 2019-07-30 00:45 | 呼吸器その他

この20年で受動喫煙はどうなったか?

e0156318_23175684.jpg 世界的にはやはり減っているようです。

Pelkonen MK, et al.
The relation of environmental tobacco smoke (ETS) to chronic bronchitis and mortality over two decades.
Respir Med. 2019 Jun 10;154:34-39.


背景:
 我々の目的は、受動喫煙(ETS)に曝露された人が、フィンランドにおいて1992年から2012年の間にどのように有病率が変化したかを記述することである。われわれは、ETSと慢性気管支炎の関連性、疾患特異的死亡および総脂肪について調べた。

方法:
 1992年~2012年の間に、25~74歳の38494人が国内FINRISK研究に登録された。各サーベイにおいてETS曝露に対する標準化質問票、慢性気管支炎症状、喫煙嗜好、その他リスク因子、研究施設における臨床測定データが得られた。死亡データは、国内死因登録データから得た。

結果:
 2012年では、5%の患者がETSに曝露され、1992年の25%と比べると少なかった。1992年と比較した2012年のETS曝露の補正オッズ比は0.27だった(p<0.001)。ETS曝露は、女性のほうがより多く、また喫煙者のほうが非喫煙者よりも多かった。ETS曝露は、慢性気管支炎と関連しており(オッズ比率1.63、95%信頼区間1.49-1.78)、職場(オッズ比1.36)と自宅(オッズ比1.69)でも認められた。ETS曝露者は、総死亡リスク(ハザード比1.15、95%信頼区間1.05-1.26)、心血管系死亡リスク(ハザード比1.26、95%信頼区間1.07-1.47)が有意に高かった。しかしながら、喫煙歴で層別化すると、ETSは喫煙者においてのみ総死亡リスクと関連していた(ハザード比1.31、95%信頼区間1.15-1.48)。
e0156318_9264821.png
(文献より引用:累積生存率)

結論:
 研究期間を通じてETS曝露者の比率は減少したが、ETS曝露は慢性気管支炎と関連しており、総死亡および心血管系死亡リスクを上昇させた。



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

今日の治療薬2019 解説と便覧 [ 浦部 晶夫 ]
価格:4968円(税込、送料無料) (2019/6/20時点)



by otowelt | 2019-07-16 00:59 | 呼吸器その他

4m歩行速度は慢性呼吸器疾患患者の活動レベルと相関

e0156318_10445780.jpg こういう研究、ものすごく好きです。個人的に。
 ERJで2013年に報告があるので、そちらの記事も参考にしてください。

・COPDにおける4m歩行速度の有用性

Yoshida C, et al.
Four-meter gait speed predicts daily physical activity in patients with chronic respiratory diseases.
Respir Investig. 2019 May 13. pii: S2212-5345(18)30221-1.


背景:
 身体活動性指標は、進行性の慢性呼吸器疾患のアセスメントに対して有用である。4m歩行速度(4MGS)は高齢者の機能アセスメントとして確立されている。しかしながら、慢性呼吸器疾患の患者における4MGSと日常活動の関連性は完全に理解されていない。本研究は、慢性呼吸器疾患の患者において、4MGSが身体活動レベル(PAL)を含む日常活動を予測できるかどうか調べることを目的とした。

方法:
 間質性肺疾患やCOPDを含む慢性呼吸器疾患患者57人が登録され(20歳以上、安静時酸素飽和度が90%以上)、4MGSとさまざまな臨床パラメータ(肺機能、6分間歩行試験[6MWT]、加速度計を用いた日常活動)の相関性を評価した。線形回帰分析を用いて日常活動の有意な予測因子を同定した。
e0156318_1211947.png

結果:
 57人の平均年齢は68.1 ± 11.3歳で、男性が44人、平均BMIは22.6 ± 3.4だった。間質性肺疾患が37人、COPDが16人、その他が4人という内訳だった。修正MRC息切れスケールは30人が1で、平均%1秒量は71.8 ± 22.3%、平均6MWDは405.6 ± 86.2mだった。
 4MGSは、1日歩数、PAL、6分間歩行距離と有意な相関がみられた(それぞれr = 0.477, p < 0.001; r = 0.433, p = 0.001; r = 0.593, p < 0.001)。
e0156318_12155664.png
(4MGSと6MWDの相関[文献より引用])

 多変量線形回帰分析において、4MGSは%1秒量を予測し、BMIはPALの独立予測因子であることが示された。ROC解析では、4MGS<1.07m/秒は非活動的PALを予測するて適切なカットオフだった (AUC 0.728; 95%信頼区間0.589–0.866、陽性的中率55.6%、陰性的中率80.0%)。
e0156318_1219558.png
(ROC解析[文献より引用])

 修正MRC息切れスケールや酸素化プロファイルが同等であるにもかかわらず、4MGSが遅い患者(30人)は、速い患者(27人)と比べて有意に6MWD、1日歩数、PALが低かった。

結論:
 4MGSは、簡便におこなえる検査であり、慢性呼吸器疾患患者における日常活動の悪化を予測する有用な指標である。





by otowelt | 2019-07-05 00:54 | 呼吸器その他

最近発症した咳嗽が遷延化するリスク因子

e0156318_8413789.png 個人的には咳嗽の遷延化は、圧倒的に女性に多いなと思っておりますし、実際外来でもほとんどが女性です。
 家族歴については遺伝的なものの可能性と、居住に関連するものの可能性の2つがありますが、どちらが原因なのかはよく分かっていません。個人的には前者だと思っています。

Lätti AM, et al.
Predictors of prolongation in recent-onset cough.
ERJ Open Res. 2019 May 28;5(2). pii: 00238-2018. doi: 10.1183/23120541.00238-2018.


背景:
 慢性咳嗽は、QOLを著しく障害し、しばしば治療抵抗性となる。早期の段階での介入によって、咳嗽が慢性化することを防ぐことができる。これを達成するために、咳嗽が遷延化しやすい患者を同定することが必要になる。この研究では、直近で咳嗽を発症した患者において、12ヶ月時点で咳嗽が存在する予測する因子を検証した。

方法:
 これは、生産年齢で構成された地域ベースの集団における前向き観察追跡研究である。初回e-mailサーベイが2017年に実施され、現在の咳嗽とそのリスク因子について包括的な質問がなされた。直近(8週間以内)に発症した咳嗽を報告した259人に対して、12ヶ月後に追跡質問票を送った。

結果:
 回答率は72.6%(188人)だった。女性が84%を占めた。平均年齢は50.1±10.4歳だった。2018年には99人(52.7%)が咳嗽を有していた。多変量解析において以下の因子が12ヶ月後の咳嗽を予測していた:喘鳴(補正オッズ比2.80、95%信頼区間1.3-5.27)、犬を飼っている(補正オッズ比2.56、95%信頼区間1.21-5.44)、咳嗽が3週間を超えて持続(補正オッズ比2.29、95%信頼区間1.11-4.76)、慢性咳嗽の家族歴(補正オッズ比2.20、95%信頼区間1.13-4.30)、BMI>25(補正オッズ比2.06、95%信頼区間1.02-4.15)、身体症状の頻度が高い(補正オッズ比1.36、95%信頼区間1.13-1.64)。29人(15.4%)が持続性咳嗽であり、66人(35.1%)が再発性咳嗽であった。リスク因子は再発性と持続性の間ではまったく異なるものであった。
e0156318_23123810.png
(文献より引用:多変量解析)

 喫煙歴が変わったのは全体の0.5%であり、当該解析結果には影響を与えなかった。

結論:
 最近発症した咳嗽の患者において、咳嗽が長期化するリスク因子を特定することは可能かもしれない。早期介入はこの種の患者を対象とするべきである。





by otowelt | 2019-07-03 00:04 | 呼吸器その他

中等症OSAを有する高齢者にCPAP治療は有効

e0156318_117241.png 高齢者に対するエビデンスって少なかったですよね。非肥満例が多いので、日本人に対してはそのあたりが気になります。

Ponce S, et al.
The role of CPAP treatment in elderly patients with moderate obstructive sleep apnea. A Multicenter Randomised Controlled Trial.
Eur Respir J. 2019 Jun 4. pii: 1900518. doi: 10.1183/13993003.00518-2019.


背景:
 非重症閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)のある高齢患者におけるCPAP治療の効果については議論の余地がある。

目的:
 この研究の目的は、中等症OSAを有する高齢患者における、臨床的、QOL、神経認知的側面に対するCPAP治療の効果を検証することである。

方法:
 オープンラベルのランダム化多施設共同臨床試験において、中等症OSA(無呼吸低呼吸指数が15~29.9イベント/時間)のある70歳以上の高齢患者143人が、ランダムにCPAP治療群(73人)、非CPAP治療群(72人)に3ヶ月間割り付けられた。プライマリエンドポイントはエプワース睡眠スケール(ESS)で、セカンダリエンドポイントにはQOL(ケベック睡眠質問票[QSQ])、睡眠関連症状、不安/抑うつの存在、外来血圧、いくつかの神経認知テストが含まれた。解析はITT集団で行われた。

結果:
 平均年齢は74.9±4.6歳だった。CPA治療群は、ESSを有意に改善した(補正差2.6[95%信頼区間3.6-1.6]、効果量:1)。またいくつかの睡眠関連症状とQSQ質問票を改善した(夜間症状:0.7、95%信頼区間0.3-1、p<0.001、感情面:0.4、95%信頼区間0.1-0.7、p=0.023)。しかしながら、神経認知テスト(不安と抑うつを含む)あるいは血圧に対する効果は観察されなかった。CPAPの効果とESSおよびQOLドメインの改善には正の相関がみられた。

結論:
 中等症OSAのある高齢患者に対するCPAP治療は、日中の傾眠症状、いくつかの睡眠関連症状やQOLドメインを有意に改善させた。





by otowelt | 2019-06-24 00:06 | 呼吸器その他

気胸に対する早期自己血胸膜癒着術は有用

e0156318_14441648.jpg 最近、ルーチンで入れてもよいかなと思っています。ただ、ドレーンバッグが真っ赤になるので、ひえー!とおっしゃる患者さんも多いですね。

Ibrahim IM, et al.
Early Autologous Blood-Patch Pleurodesis versus Conservative Management for Treatment of Secondary Spontaneous Pneumothorax.
Thorac Cardiovasc Surg. 2019 Apr;67(3):222-226.


背景:
 自己血パッチ胸膜癒着術は、二次性自然気胸(SSP)の治療オプションとして効果的である。さらに、エアスペース残存の有無を問わず、遷延性エアリークがある場合に用いることができる。しかしながら、自己血パッチ胸膜癒着術の適切なタイミングについてはデータがない。この研究の目的は、SSPにおける保守的マネジメントと早期自己血パッチ胸膜癒着術を比較することである。

方法:
 われわれは、エジプトのミヌフィーヤ大学病院においてランダム化比較試験をおこなった。SSP患者47人がランダムに2群に割り付けられた。A群(23人)は胸腔ドレーン挿入後3日目に自己血50mLを注入する群、B群(24人)は通常の保守的管理をおこなう群である。エアリーク持続期間、胸腔ドレーン挿入期間、入院期間、合併症の頻度が比較された。

結果:
 エアリーク持続期間、胸腔ドレーン抜去までの期間、入院期間はA群のほうがB群よりも有意に短かった。

結論:
 SSP患者に対して早期に自己血を注入することでエアリーク遷延を予防できる可能性がある。全拡張が得られない場合、保守的な管理より有用であろう。



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

研修医のための人生ライフ向上塾! [ 鈴木 瞬 ]
価格:2916円(税込、送料無料) (2019/5/16時点)



by otowelt | 2019-06-19 00:54 | 呼吸器その他

酸素流量タイトレーションデバイスの有用性

 これ、以前ATSで紹介されてて、ものすごく興味があるデバイスです。自動的にSpO2低下を検知して、酸素供給量をタイトレーションしてくれるので、SpO2の日内変動がおさえられるという効果があります(図、Respir Care. 2013 Jan;58(1):151-61.)。
e0156318_13285657.png
(クローズドループ酸素タイトレーションデバイスと手動タイトレーションの日内変動)

 今回のシステマティックレビューおよびメタアナリシスには国際学会の発表も含んでいますが、基本的には学会発表は入れるべきではないと思います。

Denault MH, et al.
Automatic versus Manual Oxygen Titration in Patients Requiring Supplemental Oxygen in the Hospital: A Systematic Review and Meta-Analysis.
Respiration. 2019 May 24:1-11.


背景:
 クローズドループ酸素タイトレーションデバイス(Closed-loop oxygen titration device:CLOTD)は、低酸素血症や高酸素血症を回避するために開発され、酸素療法を要する呼吸不全の入院患者に用いられるが、その臨床的影響はよくわかっていない。

目的:
 小児および成人で酸素療法を要する入院患者において、CLOTDと手動による酸素タイトレーションの効果を比較すること。

方法:
 ランダム化比較試験のシステマティックレビューおよびメタアナリシスをおこなった。MEDLINE、EMBASE、CENTRALの電子データベース(2018年8月まで)、および呼吸器医学における主要学会の会議録(2015-2018)を検索した。ランダム化比較試験は、CLOTDと手動タイトレーションを入院患者で比較し、入院期間(プライマリアウトカム)、酸素療法必要期間、人工呼吸器の必要性およびその期間、死亡率、ターゲットレンジを超える酸素飽和度の逸脱時間、低酸素血症・高酸素血症の時間をみた。

結果:
 9試験が登録された(354人、成人および新生児を含む)。このうち8試験が盲検下されておらず、高いバイアスリスクを孕んでいた。CLOTDは、入院期間の有意な短縮と関連していた(平均差-2.2日、95%信頼区間-3.8~-0.6; p = 0.009; I2= 0%; n = 237, 2試験)。また、酸素療法が必要な期間の短縮とも関連していた(平均差-1.6日; 95%信頼区間-3.1~0.0; p = 0.05; I2 = 0%; n = 237; 2試験)。人工呼吸器補助やタイトレーション期間の死亡率には有意な差はなかった。また、ターゲットレンジ内に酸素飽和度がおさまる時間の比率は有意に上昇した(平均差18.23%; 95%信頼区間10.93-25.52; I2= 81%; n = 351, 7試験)。

結論:
 入院におけるCLOTDは、入院期間や酸素療法が必要な期間の短縮と関連していた。しかしながら、人工呼吸器補助やタイトレーション期間中の死亡率には影響を与えなかった。バイアスリスクが高い集団での臨床試験に基づく結果であるため、解釈には注意が必要である。





by otowelt | 2019-06-18 00:26 | 呼吸器その他

CTガイド下生検のあと、生検側を下にすると気胸が減る

e0156318_14441648.jpg CTガイド下生検後の気胸についての文献が増えてきましたね。以下は参考記事。

・CTガイド下生検後の気胸を減らす方法

 生検側を下にした方が、気胸が半減するようです。

Drumm O, et al.
CT-guided Lung Biopsy: Effect of Biopsy-side Down Position on Pneumothorax and Chest Tube Placement.
Radiology. 2019 May 14:182321. doi: 10.1148/radiol.2019182321.


背景:
 ガントリーテーブル上の仰臥位あるいは腹臥位の体位は、CTガイド下生検の現在の標準的ケアであるが、生検した側を下にすることで気胸の頻度を減らせるかもしれない。

目的:
 CTガイド下肺生検のあと、生検した側を下にすることで気胸、胸腔ドレーン留置、喀血の頻度が減るかどうか調べること。

方法:
 この後ろ向き研究は2013年1月から2016年12月の3次がんセンターで実施された。CTガイド下生検をおこなわれた患者は、標準的な仰臥位あるいは腹臥位か、生検した側を下にする側臥位のいずれかを適用された。体位と気胸頻度、胸腔ドレーン留置、喀血の関連について多変量ロジスティック回帰モデルを用いて調べた。

結果:
 合計373人(平均年齢68±10歳)の連続患者が登録された。196人が女性、177人が男性だった。患者のうち、184人が仰臥位あるいは腹臥位(多くは処置後そのまま安静)、189人が生検側を下にした。気胸の頻度は仰臥位あるいは腹臥位群で27.2%、生検側を下にした体位で10.6%だった(p<0.001)。胸腔ドレーン留置が必要だったのは、仰臥位るいは腹臥位群で5.4%、生検側を下にした体位で4.2%だった(p=0.54)。喀血の頻度は、それぞれ10.3%、5.3%だったが有意差はなかった(p=0.07)。
 多変量ロジスティック回帰分析では、仰臥位あるいは腹臥位の体位(オッズ比2.7、95%信頼区間1.4-4.9, p=0.001)、気腫内を針が通過(オッズ比2.1、95%信頼区間1.1-4.0, p=0.02)、病変のサイズ(オッズ比1.0、95%信頼区間0.9-1.0, p=0.02)が気胸発症の独立リスク因子だった。

結論:
 CTガイド下生検後に生検側を下にした体位をとることで、仰臥位あるいは腹臥位と比べて気胸の頻度を減らすことができる。



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

研修医のための人生ライフ向上塾! [ 鈴木 瞬 ]
価格:2916円(税込、送料無料) (2019/5/16時点)



by otowelt | 2019-06-03 00:00 | 呼吸器その他

ATS2019速報ニュース配信中

e0156318_23131112.png
Facebookページ(URL:Facebook「呼吸器内科医」https://www.facebook.com/pulmonarist)でATS2019の速報ニュースを流しているため、ブログは少しお休みしています。

日本から情報収集しているため情報に偏りがあるかもしれませんが、呼吸器内科医の皆さんは是非チェックしてみてください。TwitterなどのSNS、委託している外国人医師の現地情報収集・ヒアリングに基づく速報です。このほうがトータルコストが少なく、豊富な情報が得られるためです。




[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ポケット呼吸器診療(2019) [ 林清二 ]
価格:1944円(税込、送料無料) (2019/5/1時点)



by otowelt | 2019-05-20 00:10 | 呼吸器その他