カテゴリ:呼吸器その他( 315 )

慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対するトレプロスチニル

e0156318_9102283.jpg 出るべくして出たエビデンスですね。

Roela Sadushi-Kolici, et al.
Subcutaneous treprostinil for the treatment of severe non-operable chronic thromboembolic pulmonary hypertension (CTREPH): a double-blind, phase 3, randomised controlled trial
Lancet Respiratory Medicine, DOI:https://doi.org/10.1016/S2213-2600(18)30367-9


背景:
 プロスタサイクリンアナログであるトレプロスチニルは、肺動脈性肺高血圧症の治療に有効である。しかしながら、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に対するトレプロスチニルに関する情報は不足している。この研究の目的は、この状況におけるトレプロスチニル皮下注射の効果と安全性を調べることである。

方法:
 この24週間ランダム化二重盲検比較試験において、われわれはオーストリア、チェコ共和国、ドイツ、ポーランドの6専門施設からCTEPH患者を登録し、非外科手術群、肺動脈血栓内膜摘除術後に肺高血圧症が遷延あるいは再発する群に割り付けられた。WHO機能分類IIIあるいはIVで6分間歩行距離が150~400mの患者がランダムに1:1の割合で、トレプロスチニル高用量皮下注射(12週時の標的用量30ng/kg/分)あるいは同低用量皮下注射(12週時の標的用量3ng/kg/分)を投与する群に割り付けられた。プライマリエンドポイントは24週時点でのベースラインからの6分間歩行距離の変化とした。試験薬を1回でも投与された群は、ITT効果解析および有害事象アセスメントに基づくITT安全性解析に組み込まれた。

結果:
 2009年3月9日から2016年6月9日までに、105人の患者が登録され、53人(50%)が高用量トレプロスチニル群、52人(50%)が低用量トレプロスチニル群に割り付けられた。24週時点で、高用量群の6分間歩行距離は周辺平均で44.98m改善し(95%信頼区間27.52~62.45m)、低用量群で4.29m改善した(95%信頼区間-13.34~21.92m)(治療有効性40.69m、95%信頼区間15.86~65.53m、p=0.0016)。低用量群52人のうち10人(19%)に12の重篤な有害事象が報告され、高用量群53人のうち9人(17%)に16の重篤な有害事象が報告された。両群でもっともよくみられた有害事象は、注射部位疼痛および注射部位反応だった。

結論:
 重症CTEPH患者におけるトレプロスチニル皮下注射は安全で、運動耐容能を改善させた。トレプロスチニル皮下注射は、WHO機能分類IIIあるいはIVの患者や、他の治療や併用治療に忍容性のない患者に対する非経口治療オプションとして支持される。

資金提供
 SciPharm Sàrl





by otowelt | 2018-12-06 00:47 | 呼吸器その他

自然気胸に対するVATSに追加する胸膜癒着剤はポビドンヨードよりミノサイクリンのほうがよい

e0156318_14441648.jpg ポビドンヨードは50%ブドウ糖液の次の低侵襲癒着剤として候補になっていますが、個人的にはまだ使ったことはありません(さすがにIRB通すレベルでしょうか使いづらいですかね)。

Lee KH, et al.
Comparison of additional minocycline versus iodopovidone pleurodesis during video-assisted thoracoscopic bleb resection for primary spontaneous pneumothorax: a propensity score-matched analysis.
J Thorac Dis. 2018 Sep;10(9):5443-5448.


背景:
 原発性自然気胸(PSP)における胸腔鏡下手術(VATS)のブレブ切除に際して、妥当な化学物質を追加的胸膜癒着剤として加えることには議論の余地がある。われわれは、VATSによるブレブ切除に際して、追加の化学的胸膜癒着剤としてのポビドンヨードの効果と安全性をミノサイクリンと比較した。

方法:
 VATSでブレブ切除を受けた332人のうち、299人がPSPと診断された。追加的な胸膜癒着術を行う化学物質によって患者は2群に分けられた(ポビドンヨード vs ミノサイクリン)。手術前臨床パラメータに基づいて、傾向スコアマッチングがおこなわれた。術後合併症、胸腔ドレーン挿入期間、術後入院期間、再発率が2群で比較された。

結果:
 追跡期間中央値は14ヶ月だった(範囲1-94ヶ月)。傾向スコアマッチングにより、ポビドンヨード群の94人、ミノサイクリン群の94人が比較された。発熱、胸水持続、術後ベッドサイドでの胸膜癒着術実施、合併症による再入院を含む周術期アウトカムは2群で有意な差はなかった。しかしながら、術後2日間のドレナージ量、胸腔ドレーン挿入期間、入院期間についてはミノサイクリンのほうが短かった(P<0.001)。

結論:
 この研究では、追加的胸膜癒着剤としてミノサイクリンとポビドンヨードの安全性が示された。しかしながら、われわれは術後回復が早いことから胸膜癒着剤としてはポビドンヨードよりもミノサイクリンを慎重に推奨したい。





by otowelt | 2018-12-04 00:45 | 呼吸器その他

気胸におけるエアリーク量と治療アウトカムの関連

e0156318_14441648.jpg シンプルですが実臨床の印象とマッチする知見です。

Hallifax RJ, et al.
Predicting outcomes in primary spontaneous pneumothorax using air leak measurements
Thorax, http://dx.doi.org/10.1136/thoraxjnl-2018-212116


概要:
 原発性自然気胸(PSP)のエアリークについて調べた研究で、前向きに81人のPSP患者を登録した。胸腔ドレナージday1, day2のエアリークを観察し、その後の気胸治療アウトカムと関連しているかどうか調べた。
 気胸治療マネジメントに失敗した症例は、day1におけるエアリーク(360mL/分 vs 10mL/分、p=0.02)、day2におけるエアリーク(190mL/分 vs 10mL/分、p=0.03)が大きかった。
 day1, day2にエアリークが顕著だった症例は、入院期間も延長した(p=0.02)。
 day1でエアリークが100mL/分以上であった場合、マネジメント失敗のリスクは上昇(非補正オッズ比率5.2、95%信頼区間1.3-20.0、p=0.01)。
 気胸の虚脱率が大きいからといって、治療マネジメント失敗とは関連していなかった(オッズ比1.4、95%信頼区間0.4-4.3, p=0.60)。
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by otowelt | 2018-11-22 00:44 | 呼吸器その他

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の免疫学的検査を満たす慢性肺アスペルギルス症患者は多い

e0156318_16301050.jpg ここでいうABPAの必要基準とは、コレスポンディングオーサーのAgarwal教授が提唱している、ISHAM基準の2項目です。

Sehgal IS, et al.
Is There an Overlap in Immune Response Between Allergic Bronchopulmonary and Chronic Pulmonary Aspergillosis?
J Allergy Clin Immunol Pract. 2018 Sep 8. pii: S2213-2198(18)30571-3.


背景:
 慢性肺アスペルギルス症(CPA)およびアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)は、肺におけるアスペルギルス属に対する2表現型をあらわしていると推定されている。

目的:
 CPAと診断された症例において、ABPAの診断に用いられる免疫学的検査がオーバーラップしているかどうかを調査すること。

方法:
 CPAの連続患者において、われわれはABPAの診断に用いられる免疫学的検査(Aspergillus fumigatus特異IgE抗体>0.35kUA/L、総IgE≧500IU/mL、好酸球数≧500/μL)あるいは必要基準(A. fumigatus特異IgE抗体>0.35kUA/Lおよび総IgE≧500IU/mL)が陽性となった患者の頻度を算出した。

結果:
 合計269人のCPA患者(53.5%が男性、平均年齢44.3±14.7歳)が登録された。もっともよくみられた基礎疾患は、陳旧性肺結核だった(230人、85.5%)。93人(34.6%)の患者が総IgE≧500IU/mLであり、A. fumigatus特異IgE抗体>0.35kUA/Lとなったのは112人(41.6%)だった。13人(4.8%)がABPAの免疫学的基準をすべて満たし、59人(21.9%)が必要基準を満たした。必要基準を満たした患者は、満たさなかった患者と比べると、有意に好酸球数が高く(P ≤ 0.0001)、アスペルギルス抗原に対する即時型皮膚反応が大きく(必要基準を満たさないその他のCPA vs 必要基準を満たしたCPA:9.8 ± 13.9 vs 13.9 ± 14.9 mm, P= 0.048)、A. fumigatus特異IgG抗体が高く(99.3 ± 61.9 vs 122 ± 66.6 mgA/L, P = 0.015)、真菌球の数が多かった(0.9 ± 0.7 [範囲0-3] vs 1.1 ± 0.9 [範囲0-4], P = 0.026)。

結論:
 CPA患者の約5%がABPAの診断に用いられる免疫学的検査のすべてに陽性で、22%がABPAの必要基準を満たした。これらの患者が異なるマネジメントプロトコルを必要とするかどうかを判断するには、さらなる研究を要するだろう。





by otowelt | 2018-11-15 00:08 | 呼吸器その他

慢性呼吸困難に対してセルトラリンは無効

e0156318_14441648.jpg セルトラリン(ジェイゾロフト®)についてです。

David C. Currow, et al.
Sertraline in symptomatic chronic breathlessness: a double blind, randomised trial
European Respiratory Journal 2018; DOI: 10.1183/13993003.01270-2018


背景:
 適切に治療されている進行性疾患を基礎に持つ患者の慢性呼吸困難に対して、セルトラリンは症状緩和をもたらすだろうか?

方法:
 基礎疾患を適切に治療された223人の慢性呼吸困難(修正MRC息切れスケール2点以上)が、ランダムに1:1の割合でセルトラリン25-100mg(9日かけてタイトレーション)あるいはプラセボに4週間割り付けられた。プライマリアウトカムは、呼吸困難の100mm visual analogue scale(VAS)VASがベースラインから15%を超えて改善がみられた割合とした。

結果:
 26~28日目に実施した現在の呼吸困難に関して、セルトラリンに反応した患者の割合はプラセボと同等であった。(オッズ比1.00、95%信頼区間0.72-1.40)。またそのほかの呼吸困難指標でも同様の結果だった。セルトラリン群において4週間のQOLは、プラセボよりも改善がみられた(オッズ比0.21、95%信頼区間0.01-0.41、p=0.044)。パフォーマンスステータス、不安および抑うつ、生存に関しても差は観察されなかった。有害事象は両群同等だった。

結論:
 この患者集団において、慢性呼吸困難の症状緩和に対するセルトラリンはプラセボと比較して利益をもたらさないことが分かった。





by otowelt | 2018-11-08 00:40 | 呼吸器その他

喀血に対するトラネキサム酸ネブライザーはプラセボと比較して喀血コントロールに有効

e0156318_17163723.png 日本のあの製剤をネブライザーに調整してもよいのでしょうか?ダメでしょうね(笑)。
 1年後の再発率に有意差がついているのが逆に不自然に見えます。別にトラネキサム酸をずっと吸入していたわけではないでしょうに。

Ori Wand, et al.
Inhaled Tranexamic Acid for Hemoptysis Treatment: A Randomized Controlled Trial
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.09.026


背景:
 トラネキサム酸(TA)は、出血をコントロールするため、全身性に現在用いられている抗線溶薬である。現在までに、喀血治療に対する吸入TAの効果を検討した前向き研究は存在しない。

目的:
 TA吸入(すなわちネブライザーTA)の効果を前向きに検討すること。

方法:
 われわれは、さまざまな原因による喀血で入院した患者において、ネブライザーTA(500mg1日3回)とプラセボ(生理食塩水)を比較した二重盲検ランダム化比較試験を実施した。大量喀血例(喀血量>200mL/24時間)、血行動態あるいは呼吸器系が不安定である例は除外された。30日時点および1年追跡後の死亡率と喀血の再発がアセスメントされた。なお、使用されている抗凝固薬は出血コントロールがつくまで中止された。

結果:
 47人の患者がランダム化され、TA吸入群(25人)、生理食塩水吸入群(22人)に割り付けられた。平均年齢は66±11歳だった。74%が男性であり、64%が喫煙者だった。

TA群(25人)プラセボ群(22人)
COPD4人(16%)9人(41%)
気管支拡張症9人(36%)6人(27%)
肺線維症1人(4%)0人(0%)
出血源不明2人(8%)4人(18%)
抗凝固薬使用14人(56%)13人(59%)

 TAは、入院2日目以降の喀血量を有意に減らした。入院してから5日以内の喀血軽快はプラセボ群よりもTA群で多かった(96% vs 50%、p<0.0005)。平均入院期間はTA群のほうが短かく(5.7±2.5日 vs 7.8±4.6日、p=0.046)、気管支鏡処置や血管塞栓術などの出血を止めるための侵襲的処置も少なかった(0% vs 18.2%、p=0.041)。追跡期間中、どちらの群でも有害事象は報告されなかった。加えて、1年追跡後の喀血再発率はTA群で少なかった(p=0.009)。

結論:
 非大量喀血の患者において、TA吸入は出血をコントロールする上で安全かつ効果的に使用することができる。





by otowelt | 2018-11-06 00:54 | 呼吸器その他

救急部における肺エコーの有用性

e0156318_1224232.jpg 実臨床ではレントゲンをすぐに撮れるのであれば肺エコーにこだわる必要はありませんが、クリニックレベルではB-lineについては知っておくべきです。

Staub LJ, et al.
Lung Ultrasound for the Emergency Diagnosis of Pneumonia, Acute Heart Failure, and Exacerbations of Chronic Obstructive Pulmonary Disease/Asthma in Adults: A Systematic Review and Meta-analysis.
J Emerg Med. 2018 Oct 9. pii: S0736-4679(18)30925-9.


背景:
 肺エコーは、呼吸器症状を訴える成人の致死的な疾患の診断を早めることができる。

目的:
 救急部における成人の肺炎、急性心不全、COPD/喘息の増悪の診断に対する肺エコーの診断精度をシステマティックレビューすること。

方法:
 PubMed、Embase、Scopus、Web of Science、LILACSを用いて前向きに診断精度を調べた研究を検索した。肺エコーの総合的な診断精度を調べるため、Rutter-Gatsonis階層サマリーROC法が用いられ、異なるエコー所見の精度を調べるため、Reitsmaによる二変量モデルが用いられた。このレビューは過去にPROSPEROに登録されている。

結果:
 25研究が組み込まれた。14が肺炎、14が急性心不全、4がCOPD/喘息の増悪を評価したものであった。ROC曲線下面積は肺炎における肺エコー診断において0.948、急性心不全において0.914、COPD/喘息増悪において0.906だった。肺炎が疑われた患者では、コンソリデーションは感度82%(95%信頼区間74-88%)、特異度94%(95%信頼区間85-98%)だった。急性に呼吸困難を訴えた患者では、修正びまん性間質症候群の所見は、急性心不全に対して感度90%(95%信頼区間87-93%)、特異度93%(95%信頼区間91-95%)で、B-プロファイルは呼吸不全を呈した患者に対して感度93%(95%信頼区間72-98%)、特異度92%(95%信頼区間91-95%)だった。急性に呼吸困難を訴え呼吸不全に陥った例では、PLAPSのないA-プロファイルは感度78%(95%信頼区間67-86%)、特異度94%(95%信頼区間89-97%)だった。

結論:
 肺エコーは救急における肺炎、急性心不全、COPD/喘息の増悪の診断に精度の高いツールである。





by otowelt | 2018-10-30 00:30 | 呼吸器その他

慢性呼吸器疾患の在宅見守り機器

e0156318_14441648.jpg 取り組みが素晴らしいです。

藤本圭作ら.
感圧センサシートを用いた慢性呼吸器疾患対応在宅見守り機器開発の試み
日呼吸誌, 7(5): 288-296, 2018

 
背景・方法:
 既存の感圧センサシート(スリープアイ®)を改良して,在床・離床,呼吸数,呼吸パターン,体動,SpO2,脈拍数がモニターできる機器を開発し,高齢慢性呼吸器疾患患者の在宅見守りシステムとしての有用性を検討した.

結果:
 呼吸数は既存の機器と良好な相関が得られ,無呼吸・低呼吸および低換気イベント,低酸素状態,体動を捉えることが可能であり,また1週間の連続計測から,夜間の中途離床,日中の在床時間を把握することができた.

結論:
 我々が開発した在宅見守りシステムは高齢慢性呼吸器疾患患者の在宅管理に有用と考えられた.





by otowelt | 2018-10-24 00:47 | 呼吸器その他

CPAP療法開始時のマスクインターフェイスについて

e0156318_12131855.png マスクの合う・合わないに着目した珍しい研究です。


Ken Junyang Goh, et al.
Choosing the right mask for your Asian patient with sleep apnoea: A randomized, crossover trial of CPAP interfaces
Respirology, https://doi.org/10.1111/resp.13396


背景および目的:
 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)治療は、CPAP療法のアドヒアランスが主要な鍵となる。マスクの忍容性は、アドヒアランスの重要な規定因子であるが、マスクインターフェイスの選択をガイドするエビデンスは不足している。

方法:
 われわれは、鼻マスク、鼻ピロー(nasal pillow)、口鼻マスクによるCPAP療法のアドヒアランスと効果をアセスメントするため、中等症から重症のOSAに対するCPAP療法においてマスクインターフェイスのランダム化クロスオーバー試験を実施した。口鼻マスクのアドヒアランスとの関連性を解析するために、患者背景、鼻閉塞症状評価(NOSE)スコア、頭部顔面測定も調べた。

結果:
 85人の患者が研究に組み込まれた(平均±標準偏差:46±12歳、平均BMI±標準偏差:29.9±5.6kg/m2、平均無呼吸低呼吸指数[AHI]±標準偏差53.6 ± 24.0イベント/時間)。鼻マスクのアドヒアランス(平均夜間使用時間:3.96 ± 2.26時間/晩) は、口鼻マスク(同:3.26 ± 2.18時間/晩、P<0.001)、鼻ピロー(同:3.48 ± 2.20時間/晩, P = 0.007)よりも良好だった。残存AHIは口鼻マスク(7.2±5.2)のほうが鼻マスク(4.0 ± 4.2, P < 0.001)、鼻ピロー(4.1 ± 3.3, P < 0.001)よりも高かった。
 22人(25.9%)の患者は、口鼻マスクがもっとも良好なアドヒアランスだった(残りの63人との比較:4.22 ± 2.14 vs 2.93 ± 2.12時間/晩, P = 0.016)。これらの患者は、NOSEスコアが低く(15点 ([範囲0–35点] vs 40点[範囲10–55点], P = 0.024)、下顎‐下唇点/両眼幅比が大きかった(31 ± 3% vs 28 ± 4%, P = 0.019)。
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(文献より引用)

結論:
 鼻マスクはCPAP療法の初期として好ましいインターフェイスである。鼻閉が少ない患者や、下顎-下唇の距離が顔面中央の幅と比べて大きい患者では、CPAPアドヒアランスは口鼻マスクのほうが良好かもしれない。






by otowelt | 2018-10-09 13:19 | 呼吸器その他

本の紹介:Dr.イワケンのねころんで読める英語論文

 「ねころんで読める」シリーズはナースから医師まで幅広く読める、エンターテイメント性あふれる医学書です。藤井昌子先生の画力が面白さを倍増させてくれるので、買って損はないモノばかりです。そんなシリーズに、あの岩田健太郎先生が満を持して登場です。「ねころんで読める英語論文」。
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発売日:2018年9月19日
単行本 : 148ページ
価格 : 3,300円 (税別)
出版社 : メディカ出版
著者 : 岩田健太郎先生

e0156318_13141310.jpgAmazonから購入する

 岩田健太郎先生は英語がペラペラだと思うのですが、私はMy name is Yu Kurahara, I'm 36 years old. くらいしか話せません。フィリピン人の英語教師とスカイプで話をしていた息子にも「お父さん発音下手くそ」と揶揄される始末です。

 私が尊敬するとある医師は、英語の発音はイマイチなのですが、海外の学会で堂々と話されます。なぜそんなに自信溢れる発表ができるのかと聞いたところ、「別に英語の発音なんてどうでもいいんや。度胸さえあれば何とか通じる」という返事が返ってきました。これは、『世界の果てまでイッテQ!』の出川イングリッシュと同じ論理で、彼は「滝」のことを「ドドドドウォーター」、「観覧車」のことを「クルクルボックス」と呼びました。それでも外国人と良好なコミュニケーションがとれていた。

 この本は、「そんなんでも構わんからとりあえず度胸をつけろ」と勇気をくれます。本の後半にもビビらないことが大事だと書かれています。至極同感できます。
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 皆さんは、英語論文のAbstractをどこから読んでいますか?別に最初から読んでも間違いではないのですが、効率的に情報を得るためにはConclusionsから読むのがよい。Backgroundは読み手によっては不要な情報です。そして、論文の全体を読むときは、Abstractを手元に置きつつ対比させながら読んでいくスタイルがよい。こういうコツってなかなか医療従事者の中で継承されていきません。誰も教えてくれないし、教えようともしない。私も英語論文を読み始めて何年か経ってようやく分かってきたレベルです。

 無数の医学論文に目を通してきた岩田先生が「読むノウハウ」を一冊に濃縮させて書いておられるわけですから、今の若手医療従事者って心底羨ましいなぁと思います。研修医の頃にこういう本があれば、私ももうちょっとたくさん論文を読めていただろうに。英語論文って、最初はみんな苦労しますよね。通過儀礼みたいな感じで、しんどい。それを「ねころんで」体得できるのならば、これほどありがたいことはありません。





by otowelt | 2018-09-17 00:37 | 呼吸器その他