カテゴリ:呼吸器その他( 290 )

書籍の紹介:呼吸器疾患の薬物療法を極める

 帝京大学医学部内科学講座 呼吸器・アレルギー学 長瀬洋之教授が編集された「呼吸器疾患の薬物療法を極める」が出版されました。私も1項目書かせていただきました。
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発売日:2018年4月14日
単行本 : 312ページ
価格 : 6,500円 (税抜)
出版社 : 文光堂

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 かなりレベルの高いクリニカルクエスチョンがまとめられており、呼吸器内科専門医にとって満足できる一冊に仕上がっているのではないでしょうか。いずれも素晴らしい項目ですが、特に三浦由紀子先生・齋藤武文先生の「抗線維化薬の臨床試験適応外症例への有効性」がニッチかつハイクオリティな内容で、目からウロコが落ちました。


by otowelt | 2018-04-17 00:06 | 呼吸器その他

PRIMEセミナーのお知らせ

 当院では、今年もPRIMEセミナーを開催します。PRIMEセミナーは、若手医師のための呼吸器セミナーです。
 呼吸器臨床の最前線で診療する講師らと楽しく勉強しませんか?他では聞けない実臨床ですぐに使える講義内容となっています。

日時:2018年5月12日(土)15:00-18:10
場所:近畿中央胸部疾患センター 研修棟
参加費:500円


<プログラム>
1.こんなときどうする?非結核性抗酸菌症
2.喀血のマネージメント~呼吸管理から気管支動脈塞栓術(BAE)まで~
3.非小細胞肺癌における免疫チェックポイント阻害剤の可能性について ~これからの治療戦略予想(私見Version)~
4.特発性間質性肺炎の急性憎悪 ~今昔物語~

【募集人数】40名 【対象】卒後2~6年目
【申し込み方法】お申し込みは下記メールアドレスにご連絡ください。
 prime-entry@kch.hosp.go.jp (PRIMEセミナー係 倉原優 宛)


by otowelt | 2018-03-29 00:10 | 呼吸器その他

出版のお知らせ:ポケット呼吸器診療2018

 しつこくも2回目の宣伝ですが、毎年アップデート出版している「ポケット呼吸器診療2018」が2018年3月30日に発売されます。前回の2017年版から少しだけボリュームが増えました。2017版と同様に変更があった部分は青いアミをかけて、一目で分かるように工夫をこらしています。価格は、ギリギリ税込1,000円台を維持しました。

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発売日:2018年3月30日
単行本 : 221ページ
価格 : 1,944円 (税込)
出版社 : シーニュ
著者 : 倉原 優 (国立病院機構近畿中央胸部疾患センター内科)
監修 : 林 清二 (国立病院機構近畿中央胸部疾患センター院長)

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e0156318_13141310.jpg出版社から購入する 

<2017年版→2018年版の主な変更点>
・喀血の項目を追加
・インフルエンザ治療薬にバロキサビルマルボキシル(ゾフルーザ®)追加
・成人肺炎診療ガイドライン2017のアップデートを反映
・SPA治療に空洞切開菌球除去術を追加
・ABPA治療にイトラコナゾール単独治療を追加
・肺クリプトコッカス症に一部追記
・ベナンバックス®の腎機能別用量を記載
・肺ノカルジア症の項目を追加
・結核治療薬にベダキリン(サチュロ®)を追加
・キードラッグが使用できないケースの結核治療について表作成
・リファマイシン系との相互作用でグレカプレビル/ピブレンタスビル(マヴィレット®)を追加
・喘息治療薬にアニュイティ®追加(ステップごとの該当用量についてはGSKに問い合わせ済)
・喘息治療薬にベンラリズマブ(ファセンラ®)追加
・気管支サーモプラスティの手技や費用などの情報を追加
・GOLD2018のアップデートを反映
・ERS/ATSのCOPD増悪ガイドラインのアップデートを反映
・ACOS(asthma-COPD overlap syndrome)からACO(asthma and COPD overlap)へ変更
・『喘息とCOPD のオーバーラップ 診断と治療の手引き2018』の情報を反映
・気管支拡張症に対する吸入アミノグリコシドおよび間欠的抗菌薬投与について追加
・クライオバイオプシーが使えるようになったことを追加
・Fleischner SocietyのUIP診断カテゴリーをアップデート:typical UIP、probable UIP、indeterminate for UIP、most consistent with non-IPF diagnosisの4群へ
・メトトレキサート(MTX)関連リンパ増殖性疾患について追加
・リンパ脈管筋腫症(LAM)の項目を追加
・肺癌の項目を大幅に変更(肺癌診療ガイドライン2017 年版刊行による)
・抗癌剤の禁忌・慎重投与にタフィンラー®、メキニスト®の情報を追加
・悪性胸膜中皮腫に対するオフェブ®、オプジーボ®について追加
・悪性胸膜中皮腫のTNM 分類をAJCC2017へ
・胸腺腫・胸腺癌の項目を追加
・好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)のFive-Factor Scoreを追加
・年齢と腎機能によるエンドキサン®間欠的静注の用量調節を追加
・サルコイドーシスの寛解率・合併臓器の情報をアップデート
・Morisset らのデルファイ法による慢性過敏性肺炎(CHP)診断アルゴリズムを追加
・じん肺健康管理手帳交付の申請書類について追加
・じん肺管理区分フローチャートを追加
・じん肺の小陰影の読影、大陰影の読影、付加記号について追加
・珪肺症の分類を変更
・気胸の項目を追加
・閉塞性睡眠時無呼吸のauto CPAPについて追加
・肺高血圧症の診断と治療を大幅に追加
・肺血栓塞栓症の項目を追加


 このマニュアルは「できるだけコンパクトかつ有用な安い書籍」を目標にしていますが、限りなく最新の文献に基づいた疾患情報を提供できるよう心がけています。実臨床で使用することを最優先に、不要な贅肉を極限までこそぎ落としているつもりです。

 呼吸器を診療する医師のポケットに長く入れていただけるよう、これからも努力致しますので、よろしくお願い申し上げます。「こういった内容の方がよい」「こういった項目を入れて欲しい」などの叱咤激励もお待ちしております。

 最後に、シーニュの藤本浩喜様、監修を引き受けていただいた当院院長の林清二先生に心より感謝申し上げます。


by otowelt | 2018-03-25 00:03 | 呼吸器その他

出版のお知らせ:ポケット呼吸器診療2018

 少し先の話ですが、毎年アップデート出版している「ポケット呼吸器診療2018」が2018年3月30日に発売されます。前回の2017年版から少しだけボリュームが増えました。2017版と同様に変更があった部分は青いアミをかけて、一目で分かるように工夫をこらしています。価格は、ギリギリ税込1,000円台を維持しました。

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発売日:2018年3月30日
単行本 : 221ページ
価格 : 1,944円 (税込)
出版社 : シーニュ
著者 : 倉原 優 (国立病院機構近畿中央胸部疾患センター内科)
監修 : 林 清二 (国立病院機構近畿中央胸部疾患センター院長)

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<2017年版→2018年版の主な変更点>
・喀血の項目を追加
・インフルエンザ治療薬にバロキサビルマルボキシル(ゾフルーザ®)追加
・成人肺炎診療ガイドライン2017のアップデートを反映
・SPA治療に空洞切開菌球除去術を追加
・ABPA治療にイトラコナゾール単独治療を追加
・肺クリプトコッカス症に一部追記
・ベナンバックス®の腎機能別用量を記載
・肺ノカルジア症の項目を追加
・結核治療薬にベダキリン(サチュロ®)を追加
・キードラッグが使用できないケースの結核治療について表作成
・リファマイシン系との相互作用でグレカプレビル/ピブレンタスビル(マヴィレット®)を追加
・喘息治療薬にアニュイティ®追加(ステップごとの該当用量についてはGSKに問い合わせ済)
・喘息治療薬にベンラリズマブ(ファセンラ®)追加
・気管支サーモプラスティの手技や費用などの情報を追加
・GOLD2018のアップデートを反映
・ERS/ATSのCOPD増悪ガイドラインのアップデートを反映
・ACOS(asthma-COPD overlap syndrome)からACO(asthma and COPD overlap)へ変更
・『喘息とCOPD のオーバーラップ 診断と治療の手引き2018』の情報を反映
・気管支拡張症に対する吸入アミノグリコシドおよび間欠的抗菌薬投与について追加
・クライオバイオプシーが使えるようになったことを追加
・Fleischner SocietyのUIP診断カテゴリーをアップデート:typical UIP、probable UIP、indeterminate for UIP、most consistent with non-IPF diagnosisの4群へ
・メトトレキサート(MTX)関連リンパ増殖性疾患について追加
・リンパ脈管筋腫症(LAM)の項目を追加
・肺癌の項目を大幅に変更(肺癌診療ガイドライン2017 年版刊行による)
・抗癌剤の禁忌・慎重投与にタフィンラー®、メキニスト®の情報を追加
・悪性胸膜中皮腫に対するオフェブ®、オプジーボ®について追加
・悪性胸膜中皮腫のTNM 分類をAJCC2017へ
・胸腺腫・胸腺癌の項目を追加
・好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)のFive-Factor Scoreを追加
・年齢と腎機能によるエンドキサン®間欠的静注の用量調節を追加
・サルコイドーシスの寛解率・合併臓器の情報をアップデート
・Morisset らのデルファイ法による慢性過敏性肺炎(CHP)診断アルゴリズムを追加
・じん肺健康管理手帳交付の申請書類について追加
・じん肺管理区分フローチャートを追加
・じん肺の小陰影の読影、大陰影の読影、付加記号について追加
・珪肺症の分類を変更
・気胸の項目を追加
・閉塞性睡眠時無呼吸のauto CPAPについて追加
・肺高血圧症の診断と治療を大幅に追加
・肺血栓塞栓症の項目を追加


 このマニュアルは「できるだけコンパクトかつ有用な安い書籍」を目標にしていますが、限りなく最新の文献に基づいた疾患情報を提供できるよう心がけています。実臨床で使用することを最優先に、不要な贅肉を極限までこそぎ落としているつもりです。

 呼吸器を診療する医師のポケットに長く入れていただけるよう、これからも努力致しますので、よろしくお願い申し上げます。「こういった内容の方がよい」「こういった項目を入れて欲しい」などの叱咤激励もお待ちしております。

 最後に、シーニュの藤本浩喜様、監修を引き受けていただいた当院院長の林清二先生に心より感謝申し上げます。


by otowelt | 2018-03-09 00:46 | 呼吸器その他

清掃業の女性は肺機能の減少がはやい

e0156318_12513269.jpg 絶対値を見る限り、また男性に対して有意な影響がなかったため、さほど気にするデータではないように感じます。

Øistein Svanes, et al.
Cleaning at Home and at Work in Relation to Lung Function Decline and Airway Obstruction
Am J Respir Crit Care Med. 2018 Feb 16. doi: 10.1164/rccm.201706-1311OC. [Epub ahead of print]


背景:
 清掃業は、潜在的に呼吸器系に害のある化学物質の曝露をまねき、同業に従事する人の喘息や呼吸器症状と関連しているとされている。しかし、長期にわたる清掃業が呼吸器系に与える影響はまだよくわかっていない。

目的:
 この研究の目的は、職業として清掃業に従事している人・家庭清掃をしている人において肺機能の減少と慢性気道閉塞への影響を調べることである。

方法:
 20年におよぶECRHS研究において、清掃に関する活動の質問に回答が得られた6230人の被験者が22施設から登録された(少なくとも1回肺機能検査をされていることが条件)。潜在的交絡因子で補正した混合線形モデルを用いてデータが解析された。

結果:
 清掃業に従事していない女性(-18.5mL/年)と比較すると、家庭清掃(-22.1mL/年)および清掃業(-22.4mL/年)に従事している女性では1秒量減少が顕著だった(p=0.01, p=0.03)。これは努力性肺活量でも同様の結果だった(-8.8 mL/年 vs -13.1mL/年 vs -15.9mL/年)。清掃に用いるスプレーや化学物質は1秒量の減少をはやめた。清掃業は、男性や慢性気道閉塞における肺機能減少とは関連していなかった。

結論:
 家庭清掃や清掃業の女性は肺機能の減少がはやく、これは清掃活動の曝露が呼吸器系に対して長期的なリスクであることを支持するものである。


by otowelt | 2018-03-06 00:17 | 呼吸器その他

メタアナリシス:気胸に対するピッグテールカテーテル治療は有効

e0156318_14441648.jpg 実臨床では、中心静脈カテーテルを挿入することもありますが、気胸治療用のピッグテールカテーテルを製品化していただければベストでしょう。

Su-Huan Chang, et al.
A Systematic Review and Meta-Analysis Comparing Pigtail Catheter and Chest Tube as the Initial Treatment for Pneumothorax
CHEST DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.01.048

背景:
 気胸の適切な初期治療アプローチはいまだ議論の余地がある。このシステマティックレビューおよびメタアナリシスでは、すべてのサブタイプの気胸に対する初期治療アプロートとして、細径ピッグテールカテーテルと太径胸腔ドレーンの有効性を比較した。

方法:
 電子データベースで、気胸に対するピッグテールカテーテルおよび胸腔ドレーンの有効性を比較した2017年10月9日までの観察研究およびランダム化比較試験を検索した。アウトカムとして、治療成功率、再発率、合併症の頻度、ドレナージ期間、在院期間を調べた。

結果:
 11研究(875人)のうち、成功率はピッグテールカテーテルで79.84%、胸腔ドレーンで82.87%だった。リスク比は0.99(95%信頼区間0.93-1.05だった、I2=0%)。ピッグテールカテーテルは、合併症の頻度が低かった(Petoオッズ比0.49、95%信頼区間0.28-0.85、I2=0%)。自然気胸のサブグループでは、ピッグテールカテーテルはドレナージ期間が有意に短く(平均差1.51日、95%信頼区間0.09-2.93)、在院期間が短かった(平均差2.54日、95%信頼区間1.92-3.16、p<0.001)。

結論:
 メタアナリシスによれば、自然気胸ないし続発性気胸の初期治療オプションとしてピッグテールカテーテルが望ましいかもしれない。理想的には、ランダム化比較試験でこれらを比較することが望まれる。


by otowelt | 2018-03-01 00:25 | 呼吸器その他

閉塞性睡眠時無呼吸はAlzheimer病のトリガー?

e0156318_956305.jpg 知らない知見なので勉強になりました。

Claudio Liguori, et al.
Is It Time to Consider Obstructive Sleep Apnea Syndrome a Risk Factor for Alzheimer’s Disease?
AJRCCM Articles in Press. Published on 26-January-2018 as 10.1164/rccm.201710-2105ED


概要:
 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、とくに肥満男性に多い疾患であり、AHI15以上の睡眠時呼吸障害は男性の半数にものぼるというデータがある。
 OSAは心血管系疾患、神経認知機能、代謝内分泌に影響を与えることがわかっているが、Alzheimer病の発症に寄与するのではないかという報告がある(Alzheimers Dement. 2017 Jul 21. pii: S1552-5260(17)32522-0. doi: 10.1016/j.jalz.2017.06.2269. [Epub ahead of print])。
 また別の報告によれば、OSAはAlzheimer病のバイオマーカー(アポリポプロテインE)を髄液中で変化させることが知られている(Neurobiol Aging. 2014; 35(6): 1318–1324.)。そして、髄液中のアミロイドβの減少とともに認知機能障害が進行することが示されており、OSAによってアミロイドβが脳に沈着している可能性もある。
 この仮説を支持するような研究結果が近年いくつも報告されており、AHIの上昇と髄液中アミロイドβの相関性が報告されている(J Alzheimers Dis. 2017;59(1):21-29.)。ただ、アポリポプロテインEの影響はそこまで大きくないかもしれない。
 ただの加齢によって起こる現象を見ているだけで、OSAが本当にリスク因子かどうかは異論もある。ただ、OSAに対するCPAP治療を受けている患者と受けていない患者では髄液中のバイオマーカーに明らかに差がある(Sleep.2017 May1;40(5).)。
 OSAがAlzheimer病のトリガーになっている可能性が高く、次のステップはCPAP治療がこの進行を食い止めることができるかどうか検証することである。



 

by otowelt | 2018-02-07 00:50 | 呼吸器その他

胸腔処置時に音楽を聴くことで不安が減る

e0156318_161549.png そりゃ減るだろうと思いましたが、研究はされていなかったのですね。立案することが大事!

J Mackintosh, et al.
Music Reduces State Anxiety Scores in Patients Undergoing Pleural Procedures: A Randomized Controlled Trial
Intern Med J, DOI: 10.1111/imj.13738


背景:
 患者不安は、胸腔診断的・治療的処置の合併症として見過ごされがちである。音楽を聴くことは、患者不安を減らすことが内視鏡の研究で明らかになっているが、胸腔処置に関しては評価されていない。

方法:
 胸腔処置を受ける患者をランダムに音楽を聴く群と聴かない群に割り付けた。音楽を聴く群では、イヤホンを用いて自ら選択したものを聴いてもらった。不安はSTAIで評価した。生理学的パラメータも検査された。

結果:
 60人の患者が研究に登録された。音楽を聴く群では、STAIが処置後有意に減少した(34±11 vs. 48±13, p<0.001)が、音楽を聴かない場合では現象しなかった(40±11 vs. 42±11, p=0.51)。音楽を聴くと、心拍数が減少し(87±17 vs. 95±15, p=0.04)、収縮期血圧(121±13 vs. 130±16, p=0.02)、拡張期血圧(72±8 vs. 78±9, p=0.01)が処置後減少した。音楽を聴かない群では変化はみられなかった。疼痛スコアについては群間差はみられなかった(p=0.8)。また、もう一度処置を受けてもよいと思う頻度(p=0.27)、処置の全般的満足感(p=0.20)、処置に要した時間(p=0.68)にも群間差はなかった。

結論:
 胸腔処置を行う患者では、不安の軽減のために音楽を聴いてもらうことが有効である。


by otowelt | 2018-02-06 00:49 | 呼吸器その他

血清BNP値は肺動脈性肺高血圧症の生存のサロゲートマーカー

e0156318_9102283.jpg 実臨床にマッチした閾値だろうと思います。

Robert P. Frantz, et al.
Baseline and Serial Brain Natriuretic Peptide Level Predicts 5-Year Overall Survival in Patients With Pulmonary Arterial Hypertension: Data From the REVEAL Registry
CHEST DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.chest.2018.01.009


背景:
 血清BNP値は、肺動脈性高血圧症(PAH)の予後予測バイオマーカーである。長期全生存期間(OS)に対する影響は、アメリカで実施された5年におよぶ多施設共同観察研究であるREVEAL試験で検証された。

方法:
 18歳以上の右心カテーテルで診断されたWHOグループIのPAH患者の登録時BNPデータを用いた。ROC曲線解析による適切なBNPカットオフ値を求め、OSがベースラインBNP値340pg/mL以下あるいは340pg/mL超の2群で比較された。またベースラインと最終追跡時のBNP値を比較した。Cox回帰を用いてOSに対するハザード比を算出した。

結果:
 1426人の患者が解析された。死亡リスクは、高BNP群で有意に高かった(ハザード比3.6; 95%信頼区間3.0-4.2)。5年死亡リスクは、登録時BNP低値かつ増加量低値(low-low)群が最も低く、登録時BNP高値かつ増加量高値(high-high)群が最も高かった。BNPスコア変化は死亡リスク変化と関連していた。

結論:
 PAH患者では、ベースライン血清BNP値340pg/mLの閾値を用いることで5年生存を予測することができる。1年後のBNP減少は死亡リスクの減少と関連しているが、BNP上昇は死亡リスクの上昇と関連していた。血清BNP値は、PAHの生存のサロゲートマーカーであることが支持された。


by otowelt | 2018-02-01 00:15 | 呼吸器その他

フルーツやトマトの摂取は肺機能低下を抑制する

e0156318_11283884.jpg 残念ながら私はトマトが大嫌いです。

Vanessa Garcia-Larsen, et al.
Dietary antioxidants and 10-year lung function decline in adults from the ECRHS survey
European Respiratory Journal 2017 50: 1602286; DOI: 10.1183/13993003.02286-2016


背景:
 ヨーロッパの3か国で成人における肺機能減少と食餌性抗酸化物質の関連を10年にわたり調べた。

方法:
 2002年、3か国が参加したECRHSコホートにおいて成人にスパイロメトリーを実施し、10年後再検した。食事についてはベースラインの質問票でデータを収集した。その後の肺機能の低下と食事の関連性を多変量解析で調べた。多重性の制御のため、Simes法が用いられた。

結果:
 680人(ベースライン平均年齢43.8±6.6歳)が登録された。最大限補正したモデルでは、フルーツの摂取は1秒量低下抑制と有意に関連していた(3.5mL/年、95%信頼区間0.04-6.92)。しかし、この関連は統計学的にボーダーライン上であった。同様に、リンゴ、バナナ、トマト、ハーブティー、ビタミンCも有意に努力性肺活量減少抑制に寄与していた。このうち、Simes法で努力性肺活量減少抑制に有意に寄与していたのはトマトのみであった。既喫煙者のサブグループ解析では、リンゴ、バナナ、トマトのすべてが努力性肺活量の減少抑制に寄与していた。

結論:
 成人においてフルーツやトマトを摂取することは、特に既喫煙者では肺機能低下を抑制するかもしれない。


by otowelt | 2018-01-22 00:17 | 呼吸器その他