カテゴリ:呼吸器その他( 366 )

COVID-19:急性呼吸器疾患1099例の臨床的特徴

COVID-19:急性呼吸器疾患1099例の臨床的特徴_e0156318_2252711.png 最多の症例数の報告ですが、medRxivなんですね。1つ前の記事とは死亡率が大きく異なります。みている集団が違うので注意が必要です。

※medRxivは、ヘルスサイエンス領域のプレプリント(査読なしで受付)サーバーで、Cold Spring Harbor Laboratory (CSHL)、Yale大学、BMJが資金を提供し、CSHLが運営している。

Guan W, et al.
Clinical characteristics of 2019 novel coronavirus infection in China.
Medrxiv, doi: https://doi.org/10.1101/2020.02.06.20020974


背景:
 2019年12月以降、COVID-19の急性呼吸器疾患(ARD)が武漢から中国各地へと拡大した。われわれは、これらの症例の臨床的特徴を記述することをこころみた。

方法:
 われわれは31省552病院から、2020年1月29日までの1099人のPCR確定ARDの症例データを抽出した(武漢市金銀潭医院が組み入れ数最多:132例)。

結果:
 年齢中央値は47.0歳で、41.9%が女性だった。1.18%が野生動物との直接接触があり、31.3%が武漢渡航歴を有し、71.8%が武漢の人と濃厚接触歴を有していた。
 発熱(87.9%)、咳嗽(67.7%)がもっともよくみられた症状で、下痢はまれだった。潜伏期間中央値は3.0日(範囲0~24日)だった。
 入院時、926人が非重症、173人が重症に分類された。年齢は2群で有意な差がみられ(平均差7.0歳、95%信頼区間4.4~9.6)、基礎疾患は重症例のほうが多かった(38.2% vs 22.5%,P<0.001)。
 入院時の画像検査で、76.4%に肺炎がみられた。胸部CTではすりガラス陰影がよくみられた(50.0%)。重症例は、非重症例と比較して、画像所見ではなく症状+RT-PCRで診断されることが多かった(23.87% vs 5.20%, P<0.001)。
 リンパ球減少が82.1%の患者にみられた。
 55人(5.0%)はICUに入室し、15人(1.36%)が死亡した。酸素療法を受けたのは38.0%、人工呼吸器を装着したのは6.1%だった。重症例で非侵襲性換気を受けたのは32.37%、非重症例では0%、挿管人工呼吸管理を受けたのはそれぞれ13.87%、0%だった。抗菌薬治療は57.5%、オセルタミビル治療は35.8%の患者が受けていた。全身性ステロイド治療は全体の18.6%が投与されていた(重症例44.5% vs 非重症例13.7%、p<0.001)。ECMOを使用したのは全体で5人(0.5%)だった。
COVID-19:急性呼吸器疾患1099例の臨床的特徴_e0156318_23394422.png
(治療とアウトカム:文献より引用)

 多変量競合リスクモデルによると、重症肺炎の存在は、ICU入室、人工呼吸器装着、死亡の独立したリスク因子だった(部分分布ハザード比9.80; 95%信頼区間4.06~23.67)。白血球4000/mm3超(同ハザード比4.01、95%信頼区間1.53~10.55)、胸部レントゲン写真における間質性陰影(同ハザード比4.31、95%信頼区間1.73~10.75)もリスク因子だった。

結論:
 COVID-19のARDは、潜伏期が約3日であり、低い致死率でヒトヒト感染で速やかに広がっていく。一部、胸部画像所見が正常である患者がいる。疾患重症度は、予後不良と関連していた。急速な広がりを抑えるために、厳密かつ迅速な疫学対策が不可欠である。





by otowelt | 2020-02-13 07:47 | 呼吸器その他

日本呼吸器学会総会参加者の喫煙率

日本呼吸器学会総会参加者の喫煙率_e0156318_23175684.jpg 日本呼吸器学会総会の参加者の中でも喫煙者が2.2%もいるのか、と驚きました。医師は1.2%とのことですが、専門医ではないですよね・・・(資格剥奪のおそれ!)。

北村諭ら.
日本呼吸器学会総会(1996~2015年)参加者に対する喫煙アンケート調査.
日呼吸誌, 9(1): 1-4, 2020


概要:
 1996年から2015年までの20年間に開催された本学会総会のうち,9回の総会において喫煙に関するアンケート調査を実施した.参加者の喫煙率は,20年間で22.7%から2.2%に低下し,医師に限定すると,12.9%から1.2%と著明に低下した.回答者の施設が全面禁煙である割合は,7.5%から80.4%と増加したが,禁煙指導の実施状況は80%台にとどまった.施設による禁煙対策や会員の禁煙指導への取り組みは,まだ十分とはいえない。





by otowelt | 2020-02-11 15:24 | 呼吸器その他

自然気胸に対する保存治療と介入治療の比較

自然気胸に対する保存治療と介入治療の比較_e0156318_22312912.png 結構勇気要りますよね、このランダム化比較試験。シンプルながらも誰もが疑問に思っていたことを立案された先生がたに拍手です。

Brown SGA, et al.
Conservative versus Interventional Treatment for Spontaneous Pneumothorax.
N Engl J Med. 2020 Jan 30;382(5):405-415.


背景:
 非複雑性の、中等症~重度の原発性自然気胸に対する保存的治療が介入治療(胸腔ドレーンなど)の代替として容認されるマネジメントかどうかは不明である。

方法:
 このオープンラベル多施設共同非劣性試験において、われわれは14~50歳の初発・片側の中等症~重度の原発性自然気胸患者を登録した。患者はランダムに、すみやかな介入治療群(12Fr未満の小径胸腔ドレーン)あるいは保存的治療群に割り付けられ、その後12ヶ月追跡された。プライマリエンドポイントは、8週以内の肺の拡張である。
 介入治療群:胸腔ドレーン挿入後、エアリークがなければクランプし、4時間後肺が拡張しておればドレーン抜去とした。
 保存治療群:適切な鎮痛にもかかわらず、臨床的に重要な症状が持続する、胸痛または呼吸困難が動作を妨げる、保存治療の継続を拒否、患者の状態が生理学的に不安定、胸部X線写真で気胸の拡大などがあった場合、介入治療が主治医の裁量で実施された。

結果:
 合計316人の患者がランダム化された(154人が介入治療群、162人が保存治療群)。保存治療群では、25人(15.4%)が事前プロトコルに照らし合わせて介入治療を受けることとなった。残りの137人(84.6%)は介入治療を受けずに済んだ。完全ケース分析において、介入治療群23人と保存治療群37人を除外すると、8週間以内の肺の再拡張は、介入治療群131人中129人(98.5%)、保存治療群125人中118人(94.4%)で得られた(リスク差-4.1%ポイント; 95%信頼区間-8.6 to 0.5; 非劣性P = 0.02)。事前に95%信頼区間の非劣性マージンとして下限-9%ポイントと規定した。56日後のすべての欠落データを治療の失敗として帰属させた感度分析では、肺の再拡張は介入治療群138人中129人(93.5%)、保存治療群143人中118人(82.5%)となり、リスク差は-11.0%ポイント(95%信頼区間-18.4 to -3.5)は上記非劣性マージンを超えていた。保存治療群は、重篤な有害イベントや気胸再発が介入治療群と比較して少なかった。

結論:
 本試験では、原発性自然気胸の保存治療が介入治療に劣らず、重篤な有害事象のリスクが低いという、やや控えめなエビデンスが得られた。




by otowelt | 2020-02-07 00:00 | 呼吸器その他

呼吸困難に対するミルタザピン

呼吸困難に対するミルタザピン_e0156318_23192011.png リフレックス®は、一度内服したことがあるのですが、結構眠気の持ち越しが大きかったです。

Higginson IJ, et al.
Randomised, double-blind, multicentre, mixed-methods, dose-escalation feasibility trial of mirtazapine for better treatment of severe breathlessness in advanced lung disease (BETTER-B feasibility).
Thorax. 2020 Jan 8. pii: thoraxjnl-2019-213879. doi: 10.1136/thoraxjnl-2019-213879.


背景:
 進行性疾患に伴う重度の息切れに対する新規治療が求められている。

方法:
 われわれは、mMRC息切れスケール3以上の成人患者に28日におよぶミルタザピン(15 mg/日、夕内服)の効果をみるランダム化比較実現可能性試験を実施した。

結果:
 409人がスクリーニングされ、64人がランダム化された。ほとんどの患者がCOPDあるいは間質性肺疾患だった。52人(81%)が試験を完遂した。プラセボとミルタザピンの間に、忍容性あるいは安全性に差はみられなかった。28日時点での最悪の息切れ評価(NRS)は、プラセボ群7.1±2.3、ミルタザピン6.3±1.8だった。
呼吸困難に対するミルタザピン_e0156318_2143258.png
(NRS:文献より引用)

結論:
 ミルタザピンの第3相試験の実施が望まれる。




by otowelt | 2020-02-06 00:27 | 呼吸器その他

メタアナリシス:小児の自然気胸マネジメント

メタアナリシス:小児の自然気胸マネジメント_e0156318_22312912.png 小児の自然気胸に対して、外科的マネジメントを早期から考慮すべきかどうかという悩ましい問題に一石を投じるメタアナリシスです。

Miscia ME, et al.
Management of Spontaneous Pneumothorax in Children: A Systematic Review and Meta-Analysis.
Eur J Pediatr Surg. 2020 Jan 3. doi: 10.1055/s-0039-3402522.


背景:
 原発性自然気胸のマネジメントは主に成人のエビデンスに基づいている。小児のマネジメントにはまだ議論の余地がある。われわれは、以下について調べた。

保存的マネジメント(例:酸素投与のみで経過観察する)、穿刺吸引/胸腔ドレーン挿入、外科的マネジメントの間の入院期間の違い
非外科手術と外科手術を比較した再発リスクの違い
ブラの存在による再発リスク


方法:
 3人の独立した研究者が、小児における原発性自然気胸のマネジメントに関する全研究を検索した。症例報告、エキスパートオピニオン、グレー文献は除外された。PRISMAガイドラインにのっとってメタナアリシスが実施された。

結果:
 3089のアブストラクトがスクリーニングされ、95文献のフルテキストが解析され、23文献が定量的解析に組み込まれ、16文献がメタアナリシスされた(患者数1633人)。
 入院期間は、保存的マネジメントと外科的マネジメントで同等だった(6.2 ± 0.8日 vs 5.9 ± 1.4日; 有意差なし)。原発性自然気胸の再発は、非外科的マネジメントを適用された小児で有意に高かった(32% vs 18%; p = 0.002)。穿刺吸引/胸腔ドレーン挿入を受けた患者では、保存的マネジメントを受けた患者よりわずかに再発率が高かった(34% vs 27%; p = 0.05)。再発リスクは、ブラの道程の有無とは関連していなかった。

結論:
 小児の原発性自然気胸の標準マネジメントに関するエビデンスが不足していたが、この研究により、外科手術を初期治療マネジメントに適用することが良好なアウトカムをもたらすことが示された。




by otowelt | 2020-01-25 00:14 | 呼吸器その他

自然気胸における胸腔内圧測定

自然気胸における胸腔内圧測定_e0156318_2382080.png 胸腔内圧が気胸マネジメントに有用なら、結構これから楽しみな材料になりそうです。胸腔内圧が非侵襲的に測定できれば言うことないのですが。

Kaneda H, et al.
Measurement of intrapleural pressure in patients with spontaneous pneumothorax: a pilot study.
BMC Pulm Med. 2019 Dec 30;19(1):267.


背景:
 気胸の初期マネジメントにはいまだ議論の余地があり、これは初期マネジメントに際してエアリークを評価する良い方法がないためと推測した。われわれは、胸部ドレナージを必要としないエアリークに対処すべく、気胸の胸腔内圧を測定するシステムを開発した。この臨床研究の目的は、当該システムの精度を調べ、エアリークをマネジメントする上での臨床的影響を判断することである。

方法:
 自然気胸に対して穿刺吸引が必要である患者が研究に登録された。胸腔内圧は、安静呼吸時に測定され、患者が咳をしているときの記録は除外された。 
 胸腔内圧は、患者が側臥位になった状態で、気胸側を上にして測定された。胸腔は16G針で穿刺され、圧力計に接続された(DHM-01-4kP, 75 × 135 × 35 mm, 212 g, Kobata Gauge Mfg. Co., Ltd., Osaka, Japan, http://www.kobata.co.jp)。測定中30秒間にわたって針は術者に保持された。この間、呼吸数は10~15サイクルとなる。
自然気胸における胸腔内圧測定_e0156318_2315114.png
(圧力計接続システム:文献より引用)

結果:
 11人の患者(8人男性、3人女性)が2016年12月~2017年7月に登録された。気胸の度合いに応じて、胸腔内圧の変化パターンは大きく異なった。遷延性エアリークがある患者の吸気終末・呼気終末の平均胸腔内陰圧は、遷延性エアリークがない患者と比較して有意に低かった(1.66cmH2O vs -3.67cmH2O, p=0.020)。吸気終末・呼気終末の陰圧が記録された数は、遷延性エアリークがある患者のほうが遷延性エアリークのない患者と比較して有意に少なかった(1 vs 6, p = 0.0060)。

結論:
 この研究では、気胸患者の胸腔内圧を正常に測定し可視化できることを実証した。圧力値が遷延性エアリークの予測因子になるかどうかは、将来的に確認する必要がある。




by otowelt | 2020-01-22 00:30 | 呼吸器その他

メタアナリシス:CTガイド下生検後気胸のリスク因子

メタアナリシス:CTガイド下生検後気胸のリスク因子_e0156318_22272440.png CTガイド下生検のエビデンスが蓄積されてきましたね。BioSentry™を用いること、生検後に生検側を下にすることが重要です。

・参考記事:CTガイド下生検のあと、生検側を下にすると気胸が減る
・参考記事:CTガイド下生検後の気胸を減らす方法
・参考記事:CTガイド下針生検後の気胸のリスク因子
・参考記事:経皮的肺生検後の気胸を抑制するデバイス:BioSentry™

Huo YR, et al.
Pneumothorax rates in CT-Guided lung biopsies: A comprehensive systematic review and Meta-Analysis of risk factors.
Br J Radiol. 2019 Dec 20:20190866. doi: 10.1259/bjr.20190866.


目的:
 このシステマティックレビューとメタアナリシスでは、CTガイド下肺生検後の気胸のリスク因子について調べた。

方法:
 CTガイド下生検開始から2019年9月までに、9つのデータベースが同定された。

結果:
 36論文23104人の患者が解析に組み込まれた。全体の気胸発症頻度は25.9%で、胸腔ドレーン挿入頻度は6.9%だった。腹臥位あるいは仰臥位と比べて生検側を下にする側臥位にすることで気胸リスクは有意に減少した(オッズ比3.15)。反面、腹臥位あるいは仰臥位と比べて生検側を上にした仰臥位では気胸リスクが増加した。その他のリスク因子として、穿刺部位を下方にするより上方にした処置(オッズ比4.79)、18G超の大口径ガイド針(18G以下と比較)(オッズ比1.55)、葉間貫通(オッズ比3.75)、ブラ貫通(オッズ比6.13)、複数の胸膜穿刺(オッズ比2.43)、複数の非同軸組織採取(オッズ比1.99)、気腫肺(オッズ比3.33)、4cm未満の病変(オッズ比2.09)、胸膜直下にない病変(オッズ比1.73)、3cm以上の深部病変(オッズ比2.38)があった。

結論:
 このメタアナリシスは、CTガイド下肺生検を計画・実行する際、とりわけ患者の体位を変換させることで気胸発生率を減らすことができることを示した。


by otowelt | 2020-01-21 00:07 | 呼吸器その他

TIME1試験:胸膜癒着術はCRPが高いと成功しやすい

TIME1試験:胸膜癒着術はCRPが高いと成功しやすい_e0156318_22434392.png 確か2018年のERSで報告された演題だと記憶しています。ポケット呼吸器診療2018からこの知見を記載しています。

Mercer RM, et al.
Clinically important associations of pleurodesis success in malignant pleural effusion: Analysis of the TIME1 data set.
Respirology. 2019 Dec 17. doi: 10.1111/resp.13755.


背景および目的:
 胸膜癒着術は、報告された成功率が80%であり、悪性胸水の患者の治療に用いられる。より強い疼痛または炎症反応によって示されているように、炎症は胸膜癒着術の成功の鍵であると考えられている。悪性胸膜中皮腫の患者は、炎症反応が可能になる正常胸膜組織が欠如しているため、胸膜癒着術の成功率が低いと考えられている。

方法:
 胸膜癒着術の成功と疼痛が主要アウトカム指標であるTIME1試験データセットを用いて、上述した仮定を検証することとした。胸膜癒着術の成功に関連して、疼痛スコア(VAS 100mmスケール)、胸膜炎症マーカーとしての全身性炎症パラメーター、および悪性腫瘍の種類を分析した。

結果:
 合計285人の患者が登録され、胸膜癒着術の成功率は81.4%だった。胸膜癒着術が成功した群では、失敗した群よりもCRP上昇が大きかった(平均差19.2, 95%信頼区間6.2-32.0, P = 0.004)。しかし、白血球数の変化には有意差はなかった。CRPが30mg/Lをカットオフ値に設定した場合、成功した群の84.7%、失敗群の72%がこの基準を満たした(χ2=4.62, P = 0.032)。
TIME1試験:胸膜癒着術はCRPが高いと成功しやすい_e0156318_2238388.png
(CRP変化:文献より引用)

 疼痛スコアや鎮痛薬の必要性にも差はみられなかった。疼痛VASはベースライン中央値3.8mmだったものが、処置後24時間以内で23.4mm、24~48時間で14.4mmだった。
 悪性胸膜中皮腫の患者では、胸膜癒着術の成功率が低かった(悪性胸膜中皮腫患者73.3% vs 非悪性胸膜中皮腫患者84.9%、χ2 = 5.1, P = 0.023)。

結論:
 胸膜癒着術中のCRPの変化は胸膜癒着術の成功と関連していたが、疼痛レベルの高さは成功率とは関連がなかった。悪性胸膜中皮腫の患者の胸膜癒着術成功率は低かったが、それでも全身性炎症マーカーの上昇はみられた。





by otowelt | 2020-01-11 00:20 | 呼吸器その他

MERGE試験:軽症OSAに対するCPAP療法

MERGE試験:軽症OSAに対するCPAP療法_e0156318_12131855.png 国民の多くがCPAP療法をつける時代がくるのかもしれない・・・。
 なんちゃって。 

Alison J Wimms, et al.
Continuous positive airway pressure versus standard care for the treatment of people with mild obstructive sleep apnoea (MERGE): a multicentre, randomised controlled trial
Lancet Respiratory Medicine, https://doi.org/10.1016/S2213-2600(19)30402-3


背景:
 軽症の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療に対するエビデンスは限られており、疾患重症度の定義も様々である。MERGE試験では、軽症OSA患者に対するCPAP療法の臨床的効果を検証した。

方法:
 MERGE試験は、イギリスの11施設における18~80歳の軽症OSA(AHI5~15)患者を組み入れた多施設共同並行群間ランダム化比較試験である。患者は、CPAP療法+通常ケア(睡眠カウンセリング)あるいは通常ケア単独のいずれかに1:1の割合で割り付けられた。被験者と研究者は盲検化された。プライマリアウトカムは、ITT集団におけるSF-36(vitality)の変化とした。

結果:
 2016年11月28日から2019年2月12日までに、301人の患者が登録されランダム化された。233人がAASM2012基準で軽症OSAであり、ITT解析に組み込まれた。115人がCPAP療法群、118人が通常ケア群に割り付けられた。このうち、209人(90%)が試験を完遂した。ランダム化から3ヶ月後、SF-36(vitality)はCPAP療法群のほうが平均10.0点良好だった(95%信頼区間7.2–12.8; p<0.0001)(9.2点[95%信頼区間6.8 to 11.6] vs −0.8点 [95%信頼区間–3.2 to 1.5])。より保守的な推測をみると、LOCF解析では、3カ月後の同スコアはCPAP療法群のほうが平均7.5点良好だった(95%信頼区間5.3 to 9.6; p<0.0001)。重篤な副作用イベントは3件起こった(1件がCPAP療法群)。
MERGE試験:軽症OSAに対するCPAP療法_e0156318_1155252.png
(文献より引用:SF-36[vitality]のスコア変化)

結論:
 軽症OSA患者に対する3ヶ月のCPAP療法により、QOLが改善した。





by otowelt | 2020-01-06 00:03 | 呼吸器その他

健常者の23%に聴診異常

Medical Tribuneの「 ドクターズアイ 倉原優(呼吸器)」で、ラ音がどのくらいの頻度で聴取されるのかを一般集団で調査したノルウェーの研究を紹介しました。呼吸器内科医にとってはとても面白い論文なのでぜひご覧ください。

健常者の23%に聴診異常、ラ音をどう判断?






by otowelt | 2019-12-20 07:53 | 呼吸器その他