カテゴリ:呼吸器その他( 352 )

酸素流量タイトレーションデバイスの有用性

 これ、以前ATSで紹介されてて、ものすごく興味があるデバイスです。自動的にSpO2低下を検知して、酸素供給量をタイトレーションしてくれるので、SpO2の日内変動がおさえられるという効果があります(図、Respir Care. 2013 Jan;58(1):151-61.)。
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(クローズドループ酸素タイトレーションデバイスと手動タイトレーションの日内変動)

 今回のシステマティックレビューおよびメタアナリシスには国際学会の発表も含んでいますが、基本的には学会発表は入れるべきではないと思います。

Denault MH, et al.
Automatic versus Manual Oxygen Titration in Patients Requiring Supplemental Oxygen in the Hospital: A Systematic Review and Meta-Analysis.
Respiration. 2019 May 24:1-11.


背景:
 クローズドループ酸素タイトレーションデバイス(Closed-loop oxygen titration device:CLOTD)は、低酸素血症や高酸素血症を回避するために開発され、酸素療法を要する呼吸不全の入院患者に用いられるが、その臨床的影響はよくわかっていない。

目的:
 小児および成人で酸素療法を要する入院患者において、CLOTDと手動による酸素タイトレーションの効果を比較すること。

方法:
 ランダム化比較試験のシステマティックレビューおよびメタアナリシスをおこなった。MEDLINE、EMBASE、CENTRALの電子データベース(2018年8月まで)、および呼吸器医学における主要学会の会議録(2015-2018)を検索した。ランダム化比較試験は、CLOTDと手動タイトレーションを入院患者で比較し、入院期間(プライマリアウトカム)、酸素療法必要期間、人工呼吸器の必要性およびその期間、死亡率、ターゲットレンジを超える酸素飽和度の逸脱時間、低酸素血症・高酸素血症の時間をみた。

結果:
 9試験が登録された(354人、成人および新生児を含む)。このうち8試験が盲検下されておらず、高いバイアスリスクを孕んでいた。CLOTDは、入院期間の有意な短縮と関連していた(平均差-2.2日、95%信頼区間-3.8~-0.6; p = 0.009; I2= 0%; n = 237, 2試験)。また、酸素療法が必要な期間の短縮とも関連していた(平均差-1.6日; 95%信頼区間-3.1~0.0; p = 0.05; I2 = 0%; n = 237; 2試験)。人工呼吸器補助やタイトレーション期間の死亡率には有意な差はなかった。また、ターゲットレンジ内に酸素飽和度がおさまる時間の比率は有意に上昇した(平均差18.23%; 95%信頼区間10.93-25.52; I2= 81%; n = 351, 7試験)。

結論:
 入院におけるCLOTDは、入院期間や酸素療法が必要な期間の短縮と関連していた。しかしながら、人工呼吸器補助やタイトレーション期間中の死亡率には影響を与えなかった。バイアスリスクが高い集団での臨床試験に基づく結果であるため、解釈には注意が必要である。





by otowelt | 2019-06-18 00:26 | 呼吸器その他

CTガイド下生検のあと、生検側を下にすると気胸が減る

e0156318_14441648.jpg CTガイド下生検後の気胸についての文献が増えてきましたね。以下は参考記事。

・CTガイド下生検後の気胸を減らす方法

 生検側を下にした方が、気胸が半減するようです。

Drumm O, et al.
CT-guided Lung Biopsy: Effect of Biopsy-side Down Position on Pneumothorax and Chest Tube Placement.
Radiology. 2019 May 14:182321. doi: 10.1148/radiol.2019182321.


背景:
 ガントリーテーブル上の仰臥位あるいは腹臥位の体位は、CTガイド下生検の現在の標準的ケアであるが、生検した側を下にすることで気胸の頻度を減らせるかもしれない。

目的:
 CTガイド下肺生検のあと、生検した側を下にすることで気胸、胸腔ドレーン留置、喀血の頻度が減るかどうか調べること。

方法:
 この後ろ向き研究は2013年1月から2016年12月の3次がんセンターで実施された。CTガイド下生検をおこなわれた患者は、標準的な仰臥位あるいは腹臥位か、生検した側を下にする側臥位のいずれかを適用された。体位と気胸頻度、胸腔ドレーン留置、喀血の関連について多変量ロジスティック回帰モデルを用いて調べた。

結果:
 合計373人(平均年齢68±10歳)の連続患者が登録された。196人が女性、177人が男性だった。患者のうち、184人が仰臥位あるいは腹臥位(多くは処置後そのまま安静)、189人が生検側を下にした。気胸の頻度は仰臥位あるいは腹臥位群で27.2%、生検側を下にした体位で10.6%だった(p<0.001)。胸腔ドレーン留置が必要だったのは、仰臥位るいは腹臥位群で5.4%、生検側を下にした体位で4.2%だった(p=0.54)。喀血の頻度は、それぞれ10.3%、5.3%だったが有意差はなかった(p=0.07)。
 多変量ロジスティック回帰分析では、仰臥位あるいは腹臥位の体位(オッズ比2.7、95%信頼区間1.4-4.9, p=0.001)、気腫内を針が通過(オッズ比2.1、95%信頼区間1.1-4.0, p=0.02)、病変のサイズ(オッズ比1.0、95%信頼区間0.9-1.0, p=0.02)が気胸発症の独立リスク因子だった。

結論:
 CTガイド下生検後に生検側を下にした体位をとることで、仰臥位あるいは腹臥位と比べて気胸の頻度を減らすことができる。



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by otowelt | 2019-06-03 00:00 | 呼吸器その他

ATS2019速報ニュース配信中

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Facebookページ(URL:Facebook「呼吸器内科医」https://www.facebook.com/pulmonarist)でATS2019の速報ニュースを流しているため、ブログは少しお休みしています。

日本から情報収集しているため情報に偏りがあるかもしれませんが、呼吸器内科医の皆さんは是非チェックしてみてください。TwitterなどのSNS、委託している外国人医師の現地情報収集・ヒアリングに基づく速報です。このほうがトータルコストが少なく、豊富な情報が得られるためです。




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by otowelt | 2019-05-20 00:10 | 呼吸器その他

慢性咳嗽に対するgefapixant

e0156318_8413789.png 有名なMorice先生の論文です。

Morice AH, et al.
The Effect of Gefapixant, a P2X3 antagonist, on Cough Reflex Sensitivity: A randomised placebo-controlled study.
Eur Respir J. 2019 Apr 25. pii: 1900439.


背景:
 われわれは、誘発咳嗽試験における咳反射感受性に対するgefapixantの効果を検証した。

方法:
 この第2相二重盲検2期間試験において、慢性咳嗽(CC)患者と健康ボランティア(HV)がランダムにgefapixant 100mgあるいはプラセボにクロスオーバーデザインで割り付けられた。引き続きATP、クエン酸、カプサイシン、蒸留水の吸入を、内服後1,3,5時間でそれぞれ実施した。2回および5回の咳嗽誘発の平均濃度(C2、C5)がベースラインと内服後で比較され、これを複合プライマリエンドポイントとした。客観的咳嗽頻度(咳嗽/時間)を24時間測定し、咳嗽重症度VASがCC患者で調べられた。有害事象(AE)がモニターされた。

結果:
 24人のCCおよび12人のHVがランダム化された(平均年齢はそれぞれ61、38歳)。ATPによる咳嗽誘発は、CC群でプラセボと比較したgefapixantでC2:4.7倍(p<0.001)、C5:3.7倍(p=0.007)だった。HVではC2、C5は2.4倍だった(C3:p=0.113、C5:p=0.003)。CC群において蒸留水ではC2およびC5は有意に上昇した(p<0.001)。gefapixantはカプサイシンあるいはクエン酸試験に影響を与えなかった。CC患者において、プラセボと比較してgefapixantは咳嗽頻度を中央値で42%、最小2乗咳嗽重症度VASを18mm少なくした。味覚障害がもっともよくみられるAEだった(HV75%、CC67%)。
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(文献より引用)

結論:
 ATP誘発咳嗽は、gefapixant 100mgで有意に抑制された。咳嗽数や重症度はCC患者で有意に減った。蒸留水はプリン作動性経路を通して咳を引き起こすことがある。



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by otowelt | 2019-05-16 00:25 | 呼吸器その他

気管支拡張症に対する吸入ステロイドはマクロライド単独治療と比較して呼吸器感染症入院リスクを上昇

e0156318_1543237.jpg 気管支拡張症に対する吸入薬は、感染症や喀血のリスク上昇があるため推奨されません。

Henkle E, et al.
Comparative risks of chronic inhaled corticosteroids and macrolides for bronchiectasis.
Eur Respir J. 2019 Apr 18. pii: 1801896. doi: 10.1183/13993003.01896-2018.


背景:
 非嚢胞性線維症気管支拡張症(以下単純に気管支拡張症と記載)は、治療決定についてのデータが乏しい慢性気道疾患である。われわれは、マクロライド単独治療と吸入ステロイド(ICS)の慢性使用における呼吸器感染症のリスクを比較した。

方法:
 われわれは2006年から2014年までに気管支拡張症と診断されたアメリカのメディケアのコホートを同定した。非嚢胞線維症の症例は除外された。初回処方から28日以上ICSあるいはマクロライド単独治療を受けた患者を慢性使用と定義した。われわれは、標準化平均差(SMD)を用いて曝露コホートの特徴を比較し、治療の差を調べるために傾向スコア(PS)を用いた。急性増悪、入院中の呼吸器感染症、全原因入院、および死亡率のリスクを、PS10分位調整Cox回帰モデルを使用して比較した。

結果:
 気管支拡張症の病名でメディケア登録された285043人から、新規のICS使用者83589人、新規のマクロライド使用者6500人が同定された。100人年あたりの呼吸器感染症入院の粗罹患率は、ICSで12.6人、マクロライドで10.3人だった。PS補正ハザード比は、マクロライド新規使用者と比較してICSでは、呼吸器感染症入院1.39(95%信頼区間1.23-1.57)、急性増悪1.56(95%信頼区間1.49-1.64)、死亡1.09(95%信頼区間0.95-1.25)だった。

結論:
 気管支拡張症の患者では、ICS使用はマクロライド単独治療と比較して呼吸器感染症入院のリスク上昇と関連していた。



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by otowelt | 2019-05-13 00:25 | 呼吸器その他

本の紹介:人工呼吸器トラブルシューティングセミナー

 献本ありがとうございます。NPPVやハイフロー酸素療法が登場してからというもの、個人的には人工呼吸器を触る頻度は激減しているのですが、レジデント時代に欲しかったと思う秀逸な本です。

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発売日:2019年4月14日
単行本 : 234ページ
価格 : 3,600円 (税別)
出版社 : 日本医事新報社
著者: 田中 竜馬 先生

e0156318_13141310.jpgAmazonから購入する

 この本の素晴らしいところは、トラブルシューティングに特化しているという点です。サブタイトルも非常にわかりやすく、「詰まる!」「広がらない!」など感覚的な表現で見やすく構成されています。
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 実践的なのは第2章で、気道内圧が上昇した、さぁどうしようといったリアルプラクティスでの問題が1つ1つ竜馬節で解きほぐされていきます。「Dr.竜馬の病態で考える人工呼吸管理」をさらに現場的に書きおろした印象です。
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 アラームが鳴りました、さぁどうしましょう、という切り口で書かれた医学書はありそうで無い。田中竜馬先生のセミナーをこの1冊で受けられると思えば、安い買い物だと思います。





by otowelt | 2019-04-22 00:15 | 呼吸器その他

呼吸器内科医の勤務環境の現状

e0156318_14441648.jpg 呼吸器内科医はマストリード!それにしても10人に1人が年収2000万円以上って本当でしょうか・・・。

山谷睦雄ら.
呼吸器内科勤務医の勤務環境の現状:平成21年度調査との比較
日呼吸誌, 8(2): 81-90, 2019


背景:
日本呼吸器学会将来計画委員会は,呼吸器内科勤務医の地域間の偏在や夜間・休日の長時間勤務,拘束待機,当直翌日の通常勤務の常態化などの勤務状況を指摘してきた。

方法:
 日本呼吸器学会会員および認定施設等の施設長から呼吸器内科勤務医の勤務環境を調査した.

結果:
 1 施設あたりの呼吸器内科医数は全体の平均値で6.2 人,専門医数は平均3.8 人で,病床数に比例して増加の傾向にあり,施設間で格差が大きい特徴があった.施設長の判断による自施設の適正と思われる呼吸器内科医数は7.9人,専門医数は4.8 人であり,実際に勤務している医師数は,適正数に比べてそれぞれ1.7 人,1.0 人不足していた。
 女性支援策は82%の施設でとられ,産前産後休暇が20%,育児休暇が19%,院内保育所16%,短時間正規雇用制度12%,当直の減免17%などであった。
 平日平均勤務時間は週40 時間(1 日8 時間) 以上が67%(2,715 人中1,808 人)であった。.「当直の翌日勤務有り」が98%であり,そのうち85%は通常勤務であった。
 年収は1,000万円未満が減少し(前回31.4%,今回22.8%),2,000万円以上の割合が増加した(前回2.7%,今回10.9%)。
 6割の会員は仕事に対する満足感を示した.

結論:
 呼吸器内科が魅力ある診療科として発展するために,チーム医療による勤務医の負担軽減が求められる.呼吸器内科医の増加が根本的な解決法であり,当委員会の主導で学会を挙げて取り組んでいる.


by otowelt | 2019-04-19 00:31 | 呼吸器その他

CTガイド下生検後の気胸を減らす方法

e0156318_14441648.jpg 実臨床的なまとめだと思います。

Huo YR, et al.
Post-Biopsy Manoeuvres to Reduce Pneumothorax Incidence in CT-Guided Transthoracic Lung Biopsies: A Systematic Review and Meta-analysis.
Cardiovasc Intervent Radiol. 2019 Mar 12. doi: 10.1007/s00270-019-02196-8. [Epub ahead of print]


背景:
 このシステマティックレビューおよびメタアナリシスは、CTガイド下経皮肺生検による気胸を減らすための処置後対策を調べたものである。

方法:
 21の文献、7080人の患者が組み込まれた。

結果:
 胸腔ドレーン挿入率は、生理食塩水シーラントで9倍気胸リスクが低くなり(オッズ比0.11、95%信頼区間0.02-0.48)、穿刺部位を下にした迅速な体位変換で3倍低くなり(オッズ比率0.34、95%信頼区間0.18-0.63)、tract plugの使用で3倍低くなり(オッズ比0.33、95%信頼区間0.22-0.48)、自己血の使用で3倍低くなった(オッズ比0.39、95%信頼区間0.26-0.58)。胸腔ドレーン挿入の絶対率は、生理食塩水シーラント(0.8% vs 7.3%)、体位変換(1.9% vs 5.2%)、深い吸気と針吸引時の息止め(0.9% vs 1.8%)、標準的な体位変換(2.6% vs 5.2%)だった。

結論:
 これらの処置後対策は、肺生検後の気胸や胸腔ドレーン挿入率を減らすのに役立つかもしれない。




by otowelt | 2019-04-02 08:53 | 呼吸器その他

閉経前女性の気胸では月経随伴性気胸を疑うべし

e0156318_14441648.jpg 厳密には、月経随伴性気胸とLAMを疑うべきでしょうけどね。

Shrestha B, et al.
Catamenial Pneumothorax, a Commonly Misdiagnosed Thoracic Condition: Multicentre Experience and Audit of a Small Case Series With Review of the Literature.
Heart Lung Circ. 2019 Feb 22. pii: S1443-9506(19)30047-2.


背景:
 月経随伴性気胸(CP)は、閉経前女性にまれにみられるもので、ただの自然気胸とよく誤診される。月経の1日前や開始72時間以内に再発することが特徴である。胸郭の子宮内膜症が関連しているが、その疫学はよくわかっておらず、適切なマネジメントに対する統一した見解もない。この研究の目的は、外科患者におけるCPの頻度および治療結果を記すことである。

方法:
 異なる4病院において、10年のあいだに気胸と診断された30~50歳の女性で、外科に入院したものからCPについて後ろ向きに検討した。CPに関する文献のシステマティックレビューに加えて、CP患者の外科的および医学的マネジメント、ならびにそれらの短期から中期のアウトカムを調査した。

結果:
 合計120人の気胸と診断された閉経前女性がビデオ補助胸腔鏡(VAT)外科手術のために入院し、そのうち5人(4.1%)が外科的・組織学的にCPであり平均年齢は42.6歳だった。最初の症例は5年前に診断され、直近12ヶ月以内の最後の3症例はCPの疑いがある場合に横隔膜表面の検査をおこなうという治療方針を変更した後の症例であった。4人の患者は横隔膜縫縮を受け、1人の患者は胸膜生検を受けた。CPがもっとも考えやすかったため、全例タルクによる胸膜癒着術を受け、ホルモン治療が術後に開始された(平均25.2ヶ月)。

結論:
 再発性気胸を呈する閉経前の女性患者のコホートの多くは、横隔膜表面のルーチン検査があまりおこなわれないため、自然気胸と誤診されやすい。月経歴と気胸発症の関係性については、再発性気胸を呈するすべての女性に対して評価されるべきであり、外科手術とホルモン療法で良好な転帰をもたらすためにも、CPを高強く疑う患者では横隔膜表面の検索を術中におこなうべきである。






by otowelt | 2019-04-01 00:55 | 呼吸器その他

肥満と肺塞栓の関連

e0156318_135030100.jpg 既知の見解でもあります。

Movahed MR, et al.
Obesity is strongly and independently associated with a higher prevalence of pulmonary embolism.
Respir Investig. 2019 Feb 12. pii: S2212-5345(18)30282-X. doi: 10.1016/j.resinv.2019.01.003.


背景:
 肥満は多くの心血管系のリスク因子と関連している。この研究では、肥満と肺塞栓の独立した関連性について調べた。

方法:
 われわれは、国内入院データベースからICD-9コードを用いて肥満と肺塞栓を抽出した。われわれは10年離れた2つの独立した集団サンプルを選択するために、ランダムに1992年と2002年のデータベースを選んだ。単変量および多変量解析をもちいて、肥満と肺塞栓の関連を調べた。

結果:
 1992年のデータベースには合計619万5744人の患者が含まれた。肥満は9万3568人にみられ、肺塞栓は肥満患者の0.7%にみられ、非肥満のコントロール群では0.3%だった(オッズ比2.32、95%信頼区間2.2-2.4、p<0.0001)。
 2002年のデータベースには合計29万9010人の肥満患者が含まれた。肺塞栓は肥満患者の0.9%にみられ、非肥満のコントロール群では0.4%だった(オッズ比2.36、95%信頼区間2.19-2.41、p<0.0001)。年齢、その他リスク因子で補正すると、肥満は肺塞栓と強く関連していた(1992年:オッズ比2.1、95%信頼区間2.0-2.3、p<0.0001、2002年:オッズ比2.2、95%信頼区間2.1-2.3、p<0.0001)。

結論:
 肥満は大規模入院患者データベースを用いて、どの年でも肺塞栓と関連していた。この10年におよぶ関連は、肥満が心臓呼吸器系へ悪影響をおよぼすことを示唆する。





by otowelt | 2019-03-19 00:30 | 呼吸器その他