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肺腺癌の分類変更:IASLC/ATS/ERSコンセンサス

BACという言葉が消えるという呼吸器内科的トピックをスルーしていた。
よくわからないので、とりあえずメモ書きにしておく。
あとで追加していこう。


細気管支肺胞上皮癌(bronchioloalveolar carcinoma: BAC)および
混合型腺癌(mixed subtype adenocarcinoma)という用語は
もはや使用されないというコンセンサスが世界肺癌学会・
アメリカ胸部疾患学会・ヨーロッパ呼吸器学会より共同で提示された。

International association for the study of lung cancer/american thoracic society/european respiratory society international multidisciplinary classification of lung adenocarcinoma.
J Thorac Oncol 2011; 6: 244-85.
肺腺癌の分類変更:IASLC/ATS/ERSコンセンサス_e0156318_11495278.jpg
概要としては、
・BACという用語の使用を控える
・≤3cmで、純粋なlepidic growthを示す孤立性腺癌を上皮内腺癌
 adenocarcinoma in situ(AIS)と呼ぶ。完全に切除されれば
 患者の生存は100%である。AISの大部分はnon-mucinousである
・≤3cmで、lepidic growth優位、浸潤が≤0.5cmの腺癌を
 微小浸潤腺癌minimally invasive adenocarcinoma(MIA)と呼ぶ。
 完全に切除されれば患者の生存はほぼ100%である。
 MIAの大部分はnon-mucinousである。
・浸潤性腺癌は、準定量的に組織パターンを評価し、その優位パターンに
 基づいて分類べきである
・従来混合型と分類されていたnon-mucinous BAC優位の腺癌は、
 lepidic predominant adenocarcinoma (LPA)という用語の使用を推奨
・従来mucinous BACと分類されていた腺癌は、lepidic growthと
 浸潤性増殖の程度により mucinous AIS, mucinous MIA,
 invasive mucinous adenocarcinoma のいずれかに分類すべきである
・新しい組織学的サブタイプとして微小乳頭状型(micropapillary type)が
 追加された。早期腺癌のmicropapillary predominant adenocarcinoma
 という分類は予後不良を意味するため、この使用が推奨される
・生検で認められる非小細胞癌は、可能なかぎり腺癌か扁平上皮癌に
 分類すべきである
・特殊型としては、浸潤性粘液腺癌(以前の粘液産生性BAC)、
 コロイド腺癌、胎児性腺癌、腸型腺癌の腺癌が含まれている。

by otowelt | 2011-05-18 11:51 | 肺癌・その他腫瘍

COPD治療へのβ遮断薬は全死亡率に利益

Arch Int Medから過去に同じような報告があったのが
記憶に新しい。
β-Blockers May Reduce Mortality and Risk of Exacerbations in Patients With Chronic Obstructive Pulmonary Disease
Arch Intern Med. 2010;170(10):880-887.


BMJからレトロスペクティブコホート試験の報告。

Effect of β blockers in treatment of chronic obstructive pulmonary disease: a retrospective cohort study
BMJ 2011; 342:d2549


目的:
 COPDのマネジメントにおいて、β遮断薬の効果(既存のCOPD
 治療に追加した際の死亡率、入院、COPD急性増悪への影響)を調べる。
 
デザイン:
 レトロスペクティブコホート試験 
 スコットランドのデータベースを使用:TARDIS
 2001年~2010年、5977人の50歳をこえるCOPD患者

結果:
 全死亡、緊急的経口ステロイド使用、呼吸器疾患関連入院
 に対するハザード比が計算された。
 平均フォローアップ期間は4.35年であり、診断時平均年齢は
 69.1歳であった。β遮断薬を使用されていた88%循環器疾患に対して
 であった。β遮断薬によって22%の全死亡率減少がみられた。
 対照群(β遮断薬を使用していない)と比較して、吸入ステロイド、LABA、
 抗コリン吸入にβ遮断薬を加えた場合の全死亡率に対する
 調整ハザード比は0.28(95% CI 0.21 to 0.39)であり、
 β遮断薬を使用していない場合は0.43 (0.38 to 0.48)であった。
 経口ステロイド使用や呼吸器疾患による入院に対する利益も
 同等の傾向があった。
COPD治療へのβ遮断薬は全死亡率に利益_e0156318_14473589.jpg
結論:
 COPDに対して治療を受けている患者へのβ遮断薬の追加は
 循環器疾患や循環器選択的薬剤の関連とは独立して
 死亡率とCOPD増悪を減少させるかもしれない。
 呼吸機能検査への影響も有意にはみられない。

by otowelt | 2011-05-17 06:31 | 気管支喘息・COPD

転移性膵癌患者においてFOLFIRINOXはGem単剤よりOS・PFSを有意に延長

OSの改善がみられた癌の重要な試験は、
内科医としては知っておかねばならない。

FOLFIRINOX versus Gemcitabine for Metastatic Pancreatic Cancer
N Engl J Med 2011; 364:1817-1825


背景:
 転移性膵癌に対するファーストラインで
 オキサリプラチン+イリノテカン+フルオロウラシル+ロイコボリン
 を併用したFOLFIRINOXレジメンの有効性と安全性を
 ゲムシタビンと比較したデータは現時点ではない。

方法:
 転移性膵癌と診断されたECOG-PSが0 or 1の342人に
 FOLFIRINOX群(2週間ごとに、オキサリプラチン85mg/m2+
 イリノテカン180mg/m2+ロイコボリン400 mg/m2を点滴、
 フルオロウラシルを400mg/m2をボーラス後2400mg/m2を
 46時間持続点滴)と、ゲムシタビン群(1000 mg/m2 週1回を
 8週間中7週間投与、その後4週間中3週間投与)のいずれかに
 ランダムに割り付けた。両群とも、反応がみられた患者に
 6ヵ月間の化学療法を推奨することとした。
 プライマリエンドポイントはOS。

結果:
 OS中央値は、FOLFIRINOX群で11.1ヵ月であったが、
 ゲムシタビン群では6.8ヵ月だった(HR0.57、95%CI 0.45~0.73、
 P<0.001)。PFS中央値は、FOLFIRINOX群で6.4 ヵ月、
 ゲムシタビン群で3.3ヵ月(HR0.47、95% CI 0.37~0.59、
 P<0.001)。ORRは、FOLFIRINOX群で31.6%、
 ゲムシタビン群では9.4%(P<0.001)。有害事象は
 FOLFIRINOX群のほうが多く、5.4%でFNがみられた。
 6ヵ月の時点におけるQOL低下は、FOLFIRINOX 群で
 31%にみられたが、ゲムシタビン群では66%にみられた
 (HR0.47、95% CI 0.30~0.70、P<0.001)。
転移性膵癌患者においてFOLFIRINOXはGem単剤よりOS・PFSを有意に延長_e0156318_2075133.jpg
結論:
 FOLFIRINOXは、ゲムシタビンと比較して生存利益があるものの
 毒性はより強かった。PSのよい状態良好な転移性膵癌患者において
 FOLFIRINOXは、治療選択肢の一つになるうる。

by otowelt | 2011-05-14 21:00 | 肺癌・その他腫瘍

血液培養コンタミネーション予防のための消毒薬のシステマティックレビュー

メタアナリシスと聞こえはいいが、inclusion studyが6つ・・・。
うーん。

Skin antiseptics in venous puncture-site disinfection for prevention of blood culture contamination: systematic review with meta-analysis
Journal of Hospital Infection (2011) 77, 223-232


背景:
 静脈からの血液培養の検体採取は菌血症を診断するための検査である。
 血液培養のコンタミネーションは臨床判断の誤認や不要な医療費
 の原因となる。この研究の目的は、静脈からの血液培養の
 コンタミネーション防止のための皮膚消毒薬に関するランダム化試験
 を対象としたシステマティックレビューである。

方法:
 CENTRAL、MEDLINE、EMBASE、mRCTによるデータベース検索を実施。
 静脈からの血液培養で使用した皮膚消毒薬を評価しているすべての
 ランダム化試験が組み込まれた。血液培養のコンタミネーションが
 発生する相対リスクないし95%信頼区間をランダム効果解析法により計算。
 担当著者1人がそれぞれの研究を評価し、他の著者はそれを確認する
 方法をとった。今回の研究において6つの研究が登録された。

結果:
 単独の臨床試験の比較では、アルコール性ヨードは
 非アルコール性ポビドンヨードよりも有意に優れており、
 イソプロピル・アセトン・ポビドンヨードは、
 イソプロピル・ポビドンヨードより優れていた。2つの臨床試験の
 4757検体の血液培養でのメタアナリシスでは、
 アルコール性クロルヘキシジンが非アルコール性ポビドンヨードより
 優れていた(RR 0.33、95%CI 0.24 ~0.46)。4つの臨床試験の
 結果から21300検体の血液培養を総合して検討した場合、
 アルコール性製剤は非アルコール性製剤より有意に優れていた
 (RR 0.53、95%CI 0.31 ~0.90)。2つの臨床試験における
 13418検体の血液培養においては、ヨードによる血液培養の
 コンタミネーション防止はポビドンヨードより優れていなかった
 (RR 0.79、95%CI 0.54 ~1.18)。アルコール性ヨード製剤と
 非アルコール性ヨード製剤との違いはみられなかった
 (RR 0.79、95%CI 0.53 ~ 1.17)。

結論:
 静脈からの血液培養のコンタミネーションを予防する場合、
 アルコール単独のヨウ素製剤に対する非劣性はみられなかった。
 アルコールとポビドンヨードの併用には有用性はないと考えられる。
 アルコール性クロルヘキシジンは水性ポビドンヨードと比較して
 血液培養偽陽性が少なかった。

by otowelt | 2011-05-11 23:05 | 感染症全般

ALK遺伝子スクリーニングを全ての肺腺癌患者に実施すべきかどうか

全例ALKを検索すべきかどうかという観点からの論文。

Clinicopathologic Characteristics and Outcomes of Patients with Anaplastic Lymphoma Kinase-Positive Advanced Pulmonary Adenocarcinoma: Suggestion for an Effective Screening Strategy for These Tumors
Journal of Thoracic Oncology: May 2011 - Volume 6 - Issue 5 - pp 905-912


背景:
 この試験の目的は、ALK陽性の肺腺癌患者において
 臨床病理的性格とアウトカムを解析し、
 効果的なスクリーニング戦略を発案することである。
 
方法:
 われわれは、進行肺腺癌患者においてALK陽性例を同定するため
 スクリーニングを実施した。ALK再構成の存在は、FISH法により同定した。
 
結果:
 221人のスクリーニング患者のうち、45人がALK遺伝子再構成がみられた。
 これらは、ALK陰性患者よりも若かった(p < 0.001)。
 非喫煙者・軽度喫煙者の頻度はALKステータスによって差はみられなかった
 (p = 0.537)。EGFR変異とALK再構成は、相互排他的であった。
 TTF-1発現はすべての免疫組織化学染色データが有用であったALK陽性腫瘍に
 おいて確認された。客観的奏効率とPFSは、ALK有無によって差がなかった。
 一方、ALK陽性患者でEGFR-TKIに反応を示した患者はいなかった。

結論:
 白金ベースの化学療法の臨床的アウトカムは、ALKステータスによって
 差はみられなかった。喫煙者と非喫煙者・軽度喫煙者の両方とも
 ALKスクリーニングに登録すべきである。われわれは、
 EGFR変異陽性例や、EGFR-TKIに効果がある患者、TTF-1陰性患者は
 ALKスクリーニングから除外してよいのではないかと考える。

by otowelt | 2011-05-10 06:46 | 肺癌・その他腫瘍

血清periostinレベルはIIPsにおける線維化と関連

感度と特異度の高いバイオマーカーの開発がさかんだが、
いまだ決定的なものは出ていない。
臨床的にはKL-6、SPあたりをよく使っている。

Periostin, a matrix protein, is a novel biomarker for idiopathic interstitial pneumonias
Eur Respir J 2011; 37: 1119–1127


背景:
 特発性間質性肺炎(IIPs)は、組織学的にいくつかに分類され
 usual interstitial pneumonia (UIP)、nonspecific interstitial
 pneumonia(NSIP)、cryptogenic organising pneumonia (COP)
 などがある。われわれは、マトリックスタンパクであるperiostinが
 IIPsの組織病理分類におけるバイオマーカーとして有用かどうか検証した。

方法:
 IIPsの組織型のそれぞれにおいて、免疫組織化学的解析をおこない
 血清periostinレベルを測定し、また血清periostinレベルと
 呼吸機能の関連についてidiopathic pulmonary fibrosis (IPF)患者で
 検証した。

結果:
 periostinは、UIPとfibrotic NSIPの患者において強く発現しており、
 cellular NSIPとCOPの患者において、正常肺と同様発現は弱かった。
 IPFにおける血清periostinレベルは、正常人やCOP患者よりも
 有意に高かった。さらに、IPFにおける血清periostinレベルは
 呼吸機能とも関連していた。
血清periostinレベルはIIPsにおける線維化と関連_e0156318_1736635.jpg
結論:
 血清periostinレベルはIIPsにおける線維化と関連していると考えられ
 バイオマーカーとして有用である可能性が示唆される。

by otowelt | 2011-05-07 17:37 | びまん性肺疾患

プライマリケア喘息患者において、第一選択薬としてのLRTAは吸入ステロイドと同等である可能性

何が何でも、呼吸器内科医必読である。
喘息のLTRAに関する画期的な試験である。
2年での同等性クライテリアを満たさなかったのは残念だが、
リアルワールドにおける差はごくごく微弱であり、コンプライアンスの
観点からもLTRAが第一選択薬として遜色ないという点を述べている。
また、プラセボ設定ができない喘息臨床試験の限界も示唆している。
GINAでLTRAが吸入ステロイドと並ぶ日がくるのだろうか…

Leukotriene Antagonists as First-Line or Add-on Asthma-Controller Therapy
N Engl J Med 2011;364:1695-707.


背景:
 喘息治療に関するランダム化試験の多くは、
 理想的な条件のもと限定された患者を対象に
 行われているのが現状である。

方法:
 ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)の有効性に関する
 多施設共同臨床試験で、長期管理のファーストチョイスとして
 LTRAと吸入ステロイドを比較する試験と、すでに吸入ステロイドを
 受けている患者への追加薬としてLTRAと長時間作用型β2 刺激薬(LABA)
 を比較する2試験を並行で施行した。
 プライマリケアかかりつけ医を受診し、喘息の診断を受けた12~80歳の
 患者において、喘息関連QOLが低い(MiniAQLQ scpre 6以下)か、
 喘息コントロールが不十分(ACQ score 1以上)である患者を組み込んだ。
 ファーストチョイス試験では、LTRA群(148人)と吸入ステロイド群
 (158人)に、追加薬試験では吸入ステロイドにLTRAを追加する群(170人)
 とLABAを追加する群(182人)にランダムに割り付け、かかりつけ医の
 もとで2年間の非盲検的な治療を続けた。

結果:
 平均MiniAQLQscoreは、両試験において2年間で0.8~1.0 point上昇。
 2ヵ月の時点で、2治療群間のMiniAQLQ score差は、同等性の定義
 (補正後群間差の平均95%CIが-0.3~0.3)をクリアした。
 また、2年の時点での平均MiniAQLQ scoreはほぼ等しく、補正後
 群間差平均は、ファーストチョイス試験で-0.11(95%CI -0.35~0.13)、
 追加薬試験で-0.11(95% CI -0.32~0.11)だった。増悪率および
 ACQ scoreに、2群間差はなかった。
プライマリケア喘息患者において、第一選択薬としてのLRTAは吸入ステロイドと同等である可能性_e0156318_1084259.jpg

結論:
 2ヵ月時の試験結果から、プライマリケア医を受診するような
 多種多様な喘息患者において、LTRAは長期管理の第一選択薬として
 吸入ステロイドと同等であり、また追加薬としてはLABAと効果が同等
 であることが示唆されたた。2年の時点では同等性は証明できなかった。
 実地臨床試験の結果の解釈は、治療群間のcross-overと、プラセボ群が
 設定されないことによる限界がある。

by otowelt | 2011-05-06 10:14 | 気管支喘息・COPD

血清PARC/CCL-18レベルはCOPDの有用なバイオマーカーである

COPDのバイオマーカーに関する論文。

Serum PARC/CCL-18 Concentrations and Health Outcomes in Chronic Obstructive Pulmonary Disease
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 183. pp. 1187-1192,(2011)


目的:
 PARC/CCL-18の血清濃度がCOPDにおいて上昇し
 これが入院の臨床的エンドポイントや死亡率に
 影響をあたえるかどうかを調べる。

方法:
 血清PARC/CCL-18レベルがECLIPSE試験(Evaluation of COPD
 Longitudinally to Identify Predictive Surrogate Endpoints)および
 LHS試験(Lung Health Study)、プレドニゾロン介入試験に
 参加した患者で測定。

結果:
 血清PARC/CCL-18レベルは、非COPD喫煙者、非COPD非喫煙者に
 比べてCOPD患者で高かった(COPD:105 vs 非COPD喫煙者81 vs
 非COPD非喫煙者 80 ng/ml, respectively; P < 0.0001)。
 PARC/CCL-18高値は、LHSコホートにおいて
 心血管系入院のリスクや同死亡リスクを上昇させ、ECLIPSEコホート
 において死亡リスクを上昇させた。

結論:
 血清PARC/CCL-18レベルはCOPD患者において上昇し
 心血管系の入院ないし死亡リスクと関連する。
 COPDにおける有用なバイオマーカーとなる可能性がある。

by otowelt | 2011-05-04 14:09 | 気管支喘息・COPD

急性呼吸不全の人工呼吸管理患者では、早期10ml/hr経腸栄養は25ml/hrと同等の効果で消化器系忍容性が高い

呼吸不全のICU患者における栄養療法の論文。

Randomized trial of initial trophic versus full-energy enteral nutrition in mechanically ventilated patients with acute respiratory failure.
Crit Care Med 2011; 39:967–974


目的:
 経腸栄養は、経口摂取のできない人工呼吸器患者に用いられるが
 必要供給量についてはいまだによくわかっていない。
 われわれは、急性呼吸不全患者において
 早期低量の経栄養が消化器忍容性・合併症を減らし、
 早期高量の経腸栄養に比べてアウトカムを改善するであろうとの
 仮説のもとオープンラベルランダム化試験を実施した。

デザイン:
 オープンラベルランダム化試験

患者および方法:
 合計200人の急性呼吸不全で人工呼吸管理を最低でも72時間受けている
 患者を登録。患者は、人工呼吸器開始から6日の間
 早期に10 mL/hrで経腸栄養を受ける群と、
 最初から高量25ml/hrで栄養を受ける群に分けられた。

結果:
 プライマリアウトカムは、28日人工呼吸器非使用期間とした。
 ベースラインは98人の早期低量群、102人の高量群で
 差はみられなかった。割付時、平均APACHEIIスコアは26.9、
 平均PaO2/FIO2比は182であった。38%がショックの状態であった。
 両群とも経腸栄養期間は同等で(5.5 vs. 5.1 days; p=.51)、
 低量開始群は平均15.8%±11%が6日目に目標カロリーに到達、
 また、高量群においては74.8%±38.5%が到達(p < .001)。
 両群で人工呼吸器非使用日数中央値は23日(p=.90)、
 ICU非入室日数は21.0日(p=.64)。
 死亡退院は、低量群22.4%、高量群19.6%であった(p=.62)。
 初期6日間において、低量群は、下痢が少なく(19% vs. 24%
 of feeding days; p=.08)、また有意に胃内残存量は
 少なかった(2% vs. 8% of feeding days; p < .001)。
急性呼吸不全の人工呼吸管理患者では、早期10ml/hr経腸栄養は25ml/hrと同等の効果で消化器系忍容性が高い_e0156318_9575283.jpg
結論:
 早期に低量で開始する栄養療法は、急性呼吸不全での
 人工呼吸器使用患者において、初期から高量で栄養を開始する場合
 と同等の効果があると考えられるが、消化器系の忍容性は
 低量の方がよい。

by otowelt | 2011-05-03 09:59 | 集中治療

自然気胸ブレブ手術において両側換気麻酔は有用

Abstractには記載されていなかった点として、
視野確保の面でデメリットはないかと思ったのだが、
さして問題ないという考察が手術中の写真を比較しながら
述べられていた。

A comparative study of two- versus onelung ventilation for needlescopic bleb resection
Eur Respir J 2011; 37: 1183–1188


背景:
 このプロスペクティブ試験は、低い1回換気量による
 両側換気two-lung (TL) ventilationと、片側換気one-lung (OL)
 ventilationを、needlescopicのブレブ切除において比べたものである。

方法:
 2mm胸腔によりブレブ切除を受けた自然気胸の患者を登録。
 手術は、TL群においては4.0ml/kgの1回換気量で、OL群においては
 8.0ml/kgの1回換気量でおこなわれた。呼吸回数は
 吸入酸素濃度50%のもとでそれぞれ23、12に設定された。

結果:
 合計108人の患者(TL群55人、OL群53人)が登録された。
 気道内圧は、TL群の方が有意に低かった
 (mean±SD TL:8.0±3.3 v OL:24.0±3.9 mmHg; p<0.001)。
 挿管から、皮切までの時間はTL群で17.1±4.0 min、OL群で
 35.3±7.6 minであった(p<0.001)。しかしながら
 手術時間に関しては2群とも差がみられなかった。
 合計麻酔時間に関してはOL群の方が有意に長かった
 (OL:77.9±21.6 v TL:64.9±14.7 min ; p=0.002).
自然気胸ブレブ手術において両側換気麻酔は有用_e0156318_8185079.jpg
結論:
 低1回換気量による両肺換気麻酔下のneedlescopicブレブ切除術
 は技術的、経済的、時間的にも片肺換気下手術に遜色ない。

by otowelt | 2011-05-02 06:04 | 呼吸器その他