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ATS 2013:目次

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現在フィラデルフィアでアメリカ胸部疾患学会(ATS)の総会が開催中です。ページが複数にわたるため目次を作成します。



ATS 2013 目次
●感染症
・大きな道路の近くに住む小児ほど呼吸器感染症を起こしやすい
・慢性緑膿菌感染を有する気管支拡張症に対してプロミキシンのネブライザー吸入が有効
・呼気に電子鼻を用いることで侵襲性肺アスペルギルス症を早期診断できる可能性がある
・入院を要する肺炎へのアジスロマイシンは循環器系副作用をやや上昇させるが総死亡率は低下させる
・長期血液透析患者の市中肺炎は医療ケア関連肺炎として扱わなくてよい?
・クロファジミン含有レジメンは多剤耐性結核に有効
・PET-CT検査で検証した潜在性結核感染と肺門部リンパ節炎の関連
・非結核性抗酸菌症に対するリネゾリドの使用
・リファンピシンの妥当な用量は?
・胸水中プロカルシトニンの有用性
・胸水中ADAが100IU/Lを超える場合、結核性胸膜炎は考えにくい

●閉塞性肺疾患
・ベルギーにおける気管支拡張症の長期生存解析データ
・中等度の気管支喘息に対するチオトロピウム吸入は吸入ステロイド薬への上乗せ効果がある
・COPD患者の6分間歩行距離370m未満は死亡の独立予測因子
・重度の気腫に対する気管支鏡的肺容積減量コイル(LVRC)は短期的・長期的にも有効
・COPD患者の身体活動レベルを増進させるための歩数計プログラム
・抑うつのあるCOPD患者ではインターロイキン6が重要な役割を持つ
・ショウガが気管支喘息に効く!?

●粉塵曝露
・世界貿易センタービル倒壊後の粉塵曝露患者における炎症と気道抵抗の関連
・世界貿易センタービル倒壊後の粉塵曝露によるサルコイドの呼吸機能とバイオマーカー

●サルコイドーシス
・サルコイドーシス患者の末梢血および気管支肺胞洗浄液ではTh17/Treg細胞比が上昇する
・慢性サルコイドーシスに対してウステキヌマブおよびゴリムマブはプラセボと比べても効果が乏しい
・線維化を伴う肺サルコイドーシスの急性増悪は、気管支拡張症患者や抗TNF治療を受けている患者に多い

●びまん性肺疾患
・特発性器質化肺炎は肺胞腔内にフィブリン沈着が高度である場合に再発しやすい
・関節リウマチによる間質性肺疾患では機能的減衰とMMP-7上昇がみられる
・関節リウマチによる間質性肺疾患における胸部HRCTのdefinite UIPパターンは、特異度は高いが感度は低い
・安静時動脈血酸素飽和度の変化は特発性肺線維症の予後予測因子である
・間質性肺疾患の診断に外科的肺生検が不要な症例
・ベースラインの6分間歩行距離が短い間質性肺疾患患者は呼吸リハビリテーションによる恩恵が大きい
・リンパ脈管リンパ筋腫症において血清VEGF-D値は疾患重症度や乳び胸と関連
・特発性肺線維症の臨床試験における肺活量と臨床的エンドポイントの解離
・特発性肺線維症の総死亡率を検証する試験は実現不可能かもしれない
・特発性肺胞蛋白症における全肺洗浄は吸入GM-CSF治療よりも再発リスクが高い
・関節リウマチによる間質性肺疾患の急性増悪のリスク因子
・クライオプローブにおける診断能
・特発性肺線維症におけるPINPOINT治療の有効性
・MUC5Bと特発性肺線維症の関連
・プロトンポンプ阻害薬は特発性肺線維症の生存期間を延長、DDAH阻害メカニズムが関与か
・テロメア長が短いと特発性肺線維症の生存期間が短縮

●集中治療
・Yステントの気管支鏡的挿入案
・血清ナトリウム値の異常はICU患者の死亡リスクを上昇させる
・ハイフローネーザルカニューラの使用により抜管後呼吸不全の再挿管を予防できる
・肺炎患者において過剰な水分バランスはアウトカムを不良にする
・ウィーニング時に音楽をかけることで不安を軽減できる
・ICUにおける非薬剤性のせん妄は予後不良

●その他
・CTガイド下生検による気胸に対する対側吸引法
・睡眠呼吸障害とAlzheimer病に発症の因果関係があるかもしれない
・マシテンタンは肺高血圧症の死亡・入院リスクを減少
・インターロイキン6と肺癌の関連
・血液検査を用いなくともLightの基準と同等の診断能が可能
・非小細胞肺癌における外科手術の人種差



by otowelt | 2013-05-23 12:00 | 呼吸器その他

ATS2013:ショウガが気管支喘息に効く!?

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ショウガと気管支喘息の緩和の関係については過去にもいくつか報告されています。
・Kuo PL, et al. Ginger suppresses phthalate ester-induced airway remodeling. J Agric Food Chem. 2011 Apr 13;59(7):3429-38.
・Ahui ML, et al. Ginger prevents Th2-mediated immune responses in a mouse model of airway inflammation. Int Immunopharmacol. 2008 Dec 10;8(12):1626-32.


ただし、検索した限りではいまだヒトに対する臨床試験で効果があったという報告はありません。

E.A. Townsend, et al.
Active Constituents Of Ginger Potentiate β-Agonist-Induced Relaxation Of Airway Smooth Muscle
ATS 2013, May 19, Poster Discussion Session


概要:
 アセチルコリン誘発性気道収縮が導入されたヒト、モルモットの気道平滑筋細胞が、イソプロテレノール、6-ジンゲロール、8-ジンゲロール、6-ショウガオールによって弛緩するかどうか調べた試験を報告する。イソプロテレノールの添加により、用量依存性に気道平滑筋細胞収縮は抑制されたが、6-ジンゲロール、8-ジンゲロール、6-ショウガオールを添加した場合にその効果が高くなった。6-ショウガオールの添加効果が最も大きかった。8-ジンゲロール、6-ジンゲロール、6-ショウガオールは、コントロールの0.2%DMSOと比較して強くPDEを阻害することがわかった(P<0.01)。この結果は、ショウガの天然成分がPDE4やPLCβの活性化を阻害し、cAMPを活性化することで、β遮断薬の気道平滑筋の弛緩作用を増強することを示唆するものである。気管支喘息治療にショウガを加えることで症状が改善する可能性があると考えられた。


by otowelt | 2013-05-23 08:58 | 気管支喘息・COPD

ATS2013:ICUにおける非薬剤性のせん妄は予後不良

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S.B. Patel, et al.
Survival In Drug Related Versus Non-Drug Related Delirium
ATS 2013, May 22, Mini Symposium


概要:
 ICUにおけるせん妄は予後が悪いが、鎮静薬などの薬剤によるICUせん妄と薬剤に関連しないせん妄が同等の予後かどうかは不明である。そこでわれわれはクロスオーバー試験を102人の人工呼吸器を奏装着した患者でおこなった。せん妄のない患者、薬剤誘発性せん妄の患者、非薬剤性のせん妄の患者で人工呼吸器非装着期間は、25.4日、25.5日、12.6日(p<0.001)だった。ICU非在室期間はそれぞれ23.1日、23.9日、5.7日だった(p<0.001)。せん妄がない場合や薬剤性のせん妄の場合、在宅への退院が有意に多かった(p<0.001)。非薬剤性のせん妄における1年時の死亡率は有意に高かった(p<0.001)。ペアワイズ比較では、せん妄がない場合と薬剤性のせん妄の場合ではアウトカムに差がみられなかった。


by otowelt | 2013-05-23 01:18 | 集中治療

ATS2013:抑うつのあるCOPD患者ではインターロイキン6が重要な役割を持つ

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H.C. Strollo, et al.
Systemic Inflammation Associated With Depression In COPD Independent Of Airflow Obstruction Severity
ATS 2013, May 22, Mini Symposium


背景:
 抑うつはCOPDの重要な合併症である。COPDに関連した全身性の炎症は、COPDとその合併症にとって潜在的な介在因子と考えられている。抑うつとインターロイキン6といったバイオマーカーなどの関連性についてはまだよくわかっていない。

方法:
 ピッツバーグ大学のSCCORコホートにおいて450人の喫煙者にBeck Depression Inventory (BDI) (score ≥ 10は抑うつありと定義)を受けてもらい、本試験に登録した。またSGRQスコア、UCSD息切れアンケートを登録者は受けた。気管支拡張薬投与後の呼吸機能検査、胸部CT検査による半定量的visual emphysema score、血清インターロイキン6(ELISA)が検査された。

結果:
 登録者は235人が男性(37人が抑うつあり)、215人が女性(49人が抑うつあり)、平均年齢65.3歳、平均BMIは28.0だった。GOLD分類では、Gold 0 (43.6%), GOLD 1 (15.6%), GOLD 2 (26.9%), GOLD 3/4 (7.1%), GOLD分類不能(6.9%)だった。単変量解析では、BDIは有意に一秒量(%予測値)の低下およびインターロイキン6の上昇と関連(抑うつあり:2.428 pg/ml ± 3.30、抑うつなし:1.790 pg/ml ± 1.82)していた。またBDIは高いSGRQスコア、UCSDスコアとも関連していた。年齢、BMIはBDIとは有意に関連していなかった。ステップワイズ回帰では低い一秒量(%予測値)は最も抑うつ症状の増加と関連していた(p=0.0031)。
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結論:
 抑うつのあるCOPD患者において血清インターロイキン6は上昇している。これらの結果は全身性の炎症バイオマーカーがCOPDの抑うつに関連していることを示唆するものである。


by otowelt | 2013-05-23 00:50 | 気管支喘息・COPD

ATS2013:テロメア長が短いと特発性肺線維症の生存期間が短縮

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J.S. Lee, et al.
Telomere Length And Survival In Idiopathic Pulmonary Fibrosis
ATS 2013,May 22, Mini Symposium


概要:
 特発性肺線維症(IPF)においてテロメア長が短いことが報告されており、肺胞上皮のアポトーシスを予測する上で病態生理学的に寄与するかもしれない。そのため、テロメア長とIPFの生存に関して検証をおこなった。末梢血のテロメア長を59人のIPF患者から採取し、定量的PCRを用いてテロメアと単一コピー遺伝子の比(T/S 比)を調べた。その結果、T/S比の中央値は1.04で、呼吸機能との関連性は見出せなかった。45人のHRCT所見が得られたサブグループでは、テロメア長の短さは有意にHRCTでの線維化と関連していた(p=0.06)。またテロメア長は、非補正Cox解析において無移植生存期間の改善と関連していた(ハザード比 0.19, 95%信頼区間003~1.29, p=0.09)。年齢、性別、努力性肺活量(%予測値)、DLCO(%予測値)で補正すると、テロメア長は無移植生存期間の独立予測因子であった(ハザード比0.10, 95%信頼区間 0.01~0.95, p=0.045)。


by otowelt | 2013-05-22 23:16 | びまん性肺疾患

ATS2013:プロトンポンプ阻害薬は特発性肺線維症の生存期間を延長、DDAH阻害メカニズムが関与か

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L. Ho, et al.
Proton Pump Inhibitors Inhibit DDAH And Improve Survival In Idiopathic Pulmonary Fibrosis
ATS 2013, May 22, Mini Symposium


概要:
 胃食道逆流(GER)の治療によって特発性肺線維症(IPF)の生存が改善する可能性が示唆されている。しかしながら、そのメカニズムについては不明である。われわれはスタンフォード大学医療センターに登録された間質性肺疾患の患者からレトロスペクティブにIPF患者を同定した。患者は5年間フォローアップされた。患者はプロトンポンプ阻害薬(PPI)を投与した群とそうでない群に分類された。合計132人の患者のうち、87人がPPI投与群、45人が非投与群に分類された。解析の結果、無移植生存率はPPI群で有意に高かった。平均生存期間はPPI群3.4年、非PPI群1.9年であった(p<0.001)。PPI治療は非補正および補正Cox回帰分析によるIPFの5年生存率の独立因子であった(ハザード比=0.557, p=0.021)。PPIはジメチルアルギニンジメチルアミノヒドロラーゼ(DDAH)を阻害し、一酸化窒素合成代謝を調節し、TGF-βによるコラーゲン発現を抑制することがわかっている。この結果、IPFの生存期間が延長したのではないだろうか。


by otowelt | 2013-05-22 22:11 | びまん性肺疾患

ATS2013:ウィーニング時に音楽をかけることで不安を軽減できる

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Z. Liang, et al.
Using Music To Promote Weaning From Prolonged Mechanical Ventilation
ATS 2013, May 21,Mini Symposium


背景および目的:
 人工呼吸器装着の長期化:Prolonged mechanical ventilation (PMV)は患者や医療従事者にとっても関心のあるところであり、ストレスや不安の原因ともなりうる。われわれは、PMVからのウィーニグにおいて音楽を用いた介入をおこなった。また生理学的パラメータ(平均血圧、心拍数、呼吸数、SpO2)や不安、呼吸困難の評価、ウィーニング時間を測定した。

方法:
 上記を評価するべくプロスペクティブクロスオーバー試験をおこなった。患者は6日間のウィーニング期間において2つの音楽介入プロトコルにランダムに割り付けられた。すなわち、オーダー1・・・1日目:音楽あり、2日目:音楽なし、3日目:音楽あり・・・、オーダー2・・・1日目:音楽なし、2日目:音楽あり、3日目:音楽なし・・・といったプロトコルである。適格基準は、4日を超える人工呼吸器装着患者で、ウィーングトライをおこなっており、聴覚に異常がなく、少なくとも21歳以上のせん妄のない者とした。

結果:
 10人の患者(7人が男性、年齢59±9歳、APACHE III 46±18.6歳)が登録された。音楽の介入の前後で統計学的に有意な呼吸回数の減少(p=0.005)、不安(p=0.028)および呼吸困難感の軽減(p=0.05)が観察された。またクロスオーバーごとの音楽のある日とない日の比較でも呼吸回数は有意に減少(23.3 ± 3.9 vs 20.6 ± 4.8; p=0.012)。

結論:
 ウィーニングにおける音楽の介入はストレスや不安の軽減のために有効であろう。


by otowelt | 2013-05-22 17:18 | 集中治療

ATS2013+JAMA:MUC5Bと特発性肺線維症の関連

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 イギリスのスタディを契機にして、MUC5B転写部位の3kb上流のポリモルフィズム(rs35705950)は、特発性肺線維症(IPF)に関連していると考えられています(N Engl J Med 2011;364:1503–12., N Engl J Med 2011;364:1576–7.)。
 今回のATSでも注目されたテーマの1つにIPFのMUC5Bに関する演題がありました。IPFだけでなく、線維化を伴う間質性肺疾患においても野生型は少ないという報告もありました。

G.M. Hunninghake, et al.
MUC5B Promoter Polymorphism (rs35705950) Is Predictive Of Interstitial Lung Abnormalities In The General Population
ATS 2013, May 19,Thematic Poster Session


B.A. Helling, et al.
A Common MUC5B Promoter Polymorphism (rs35705950) And Risk Of Interstitial Lung Disease
ATS 2013, May 21, Mini Symposium.


 時期を同じくしてJAMAからonline firstの論文が発表されています。

Anna L. Peljto, et al.
Association Between the MUC5B Promoter Polymorphism and Survival in Patients With Idiopathic Pulmonary Fibrosis
JAMA. 2013;doi:10.1001/jama.2013.5827.


 JAMAでは生存の解析がおこなわれました。非補正の2年累積死亡率は、本解析に組み込まれた2コホートとも、IPFリスクアレルが1コピー以上では低く、TTおよびGTジェノタイプはGGジェノタイプに比べ生存率の改善と相関していました(INSPIREコホート:ハザード比0.23 [95%信頼区間 0.10-0.52] 、ハザード比0.48 [95%信頼区間 0.31-0.72]; P < .001、Chicagoコホート:ハザード比 0.15 [95%信頼区間0.05-0.49] 、ハザード比0.39 [95%信頼区間 0.21-0.70]; P < .002)。
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by otowelt | 2013-05-22 15:00 | びまん性肺疾患

ATS2013:非小細胞肺癌における外科手術の人種差

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経済的な事情もあるのでしょうが、臨床試験に対する人種差の原因がもしこういった点にあるのであれば、外科治療だけでなく化学療法も含めた研究を行う場合、注意が必要かもしれません。

J. Adusumalli, et al.
Racial Disparities In Treatment Of Non Small Cell Lung Cancer In The US
ATS 2013, May 21, Thematic Poster Session


背景:
 外科手術は非小細胞肺癌(NSCLC)の主要な治療である。この試験では、NSCLC患者に対して初期に行われた外科手術の人種差について調べる。

方法:
 国立がんデータベース:National Cancer Data Base (NCDB)において、NSCLCに対して治療を受けた患者を3種の人種に分類した。すなわち、白人、アフリカンアメリカン、ヒスパニックの3種類である。χ2検定によって解析した。

結果:
 2000年から2010年までの間、120万955人の患者がNSCLCと診断された。そのうち97万5229人が診断初期に治療を受けた(82%の白人、79%のアフリカンアメリカン、76%のヒスパニック)(p<0.001、全比較)。
 外科手術は、stage Iでそれぞれ78%、73%、82%、stage IIで64%、56%、67%受けた(p<0.001、全比較)。stage IIIの患者ではアフリカンアメリカンは白人やヒスパニックと比較して手術を受ける頻度が少なかった(アフリカンアメリカン16% vs 白人22%; p<0.001、vs ヒスパニック21%; p<0.001)。

結論:
 NSCLCにおける手術治療を受ける頻度には人種差がある。アフリカンアメリカンの患者は白人やヒスパニックに比べて手術を受ける頻度が少ない。


by otowelt | 2013-05-22 07:44 | 肺癌・その他腫瘍

ATS2013:胸水中ADAが100IU/Lを超える場合、結核性胸膜炎は考えにくい

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これはすばらしい報告です。

P. Lazo Meneses, et al.
Very High Level Of Adenosin Deaminasa (ADA) In Pleural Effusions, Uncommon In Tuberculosis
ATS 2013, May 21, 2013, Poster Discussion


背景:
 胸水中のADA値の上昇は強く結核性胸膜炎の存在を示唆するものである。実際、胸水中ADAが35IU/Lを下回る場合、感度も特異度も90%を超えるとされている(否定材料になりうる)。しかしながら、ときに胸水中ADAが著明に高値である症例に出合うことがある。結核性胸膜炎において、胸水中ADAの上限値はどのように考えればよいだろうか。

目的:
1.胸水中ADAが著明に高い症例を同定し、どういった疫学が最も考えられるのか調べる。
2.胸水中ADAが高値である場合、結核性胸膜炎を除外できるかどうかを調べる。

方法:
 1994年から2011年10月までの間、2413人の連続した胸水患者を登録した。年齢、性別、検査前診断、リスク因子、胸水量、胸水性状、排液量、胸水pH、胸水中生化学検査、血清生化学検査、胸水細胞分画、胸水細胞診、胸水中微生物学的検査が調べられた。全ての症例で最終的な診断、生検、治療反応性、アウトカムを検証した。

結果:
 2413人のうち2221人で胸水中ADAの数値が解析された。1391人(62.6%)は男性で830人(37.4%)が女性だった。平均年齢は65歳だった。166人(7.47%)が結核性胸膜炎、478人(21.5%)が悪性胸水、280人(12.6%)が悪性腫瘍随伴性胸水、77人(3.46%)が腹水関連胸水、188人(8.46%)が心原性胸水、20人(0.9%)が結合組織病関連胸水、59人(2.65%)が膿胸、70人(3.15%)が悪性リンパ腫関連胸水、259人(11.6%)が肺炎随伴性胸水、205人(9.23%)が特発性胸水だった。
 胸水中ADAが100IU/Lを超えるものとしては、膿胸59人中20人(33.89%)、悪性リンパ腫関連胸水70人中10人(7%)、結核性胸膜炎166人中6人(3.75%)だった。

結論:
1.胸水中ADAが著明に高値の場合、リンパ増殖性プロセス、癌関連、膿胸などが考えやすい。
2.ADAが100IU/Lを超える場合、結核性胸膜炎の診断は考えにくい(3.75%の症例のみ)


by otowelt | 2013-05-22 02:28 | 抗酸菌感染症