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レルベア®エリプタがCOPDに対して保険適応承認申請予定

 レルベア®エリプタは現在、気管支喘息の長期管理薬としての保険適応がありますが、COPDに対する使用につき、一部変更承認申請予定であることをグラクソスミスクライン社が発表しました。海外ではブレオ®エリプタ(レルベア®エリプタと同製剤)はCOPDに適応があります。

 もし申請が通れば、COPDに対して使用できるICS/LABAは、アドエア®、シムビコート®、レルベア®の3種類になります。フルティフォーム®もいずれ申請してくるのではと予想しています。

 とはいえ、現時点では個人的にはCOPDに対してICS/LABAを使用するケースはそう多くありません。話題のACOSに対してはよい適応と思いますが。


by otowelt | 2015-10-11 11:30 | 気管支喘息・COPD

COPD吸入薬の進化:MABA ~LAMAとLABAの合体?~

 COPDを診療している方々は、おそらくこの先MABAという言葉を何度も聞くことになるでしょう。世界中の製薬会社が吸入薬が合剤化しつつある中で、MABAはその横から突如参入した画期的薬剤です。

 MABAとは、LAMAとLABAの作用を併せ持つ薬剤のことです。「それってLAMA/LABAの合剤と同じじゃん!」とお思いの方、実は違うんです。LAMAとLABAの合剤はそれぞれの薬剤を吸入器内で混ぜ合わせて吸入しているのです。MABAは1剤で両方の作用を持つ薬剤のことなんです1)。ドラゴンボールでたとえるなら、孫悟空とベジータが一緒に戦うのがLAMA/LABA、合体してベジットやゴジータとして戦うのがMABAです。「オレはLAMAでもLABAでもない!COPDを直すものだ!」・・・・・・・・。えっ、時代が違う?

 「結局LAMA/LABAと同じことじゃん」と言われればそれまでなのですが。

 MABAは「Muscarinic antagonist-β2-agonist」の略で、ヤヤコシイことに2つのAがそれぞれアンタゴニストとアゴニストという覚えにくい内容になっています。海外ではすでに臨床試験が行われていて、グラクソスミスクライン社のバテフェンテロール:batefenterol(GSK961081)が最も有名です2)-5)。将来的にはMABAがCOPDの治療の中核を担うかもしれません。
COPD吸入薬の進化:MABA ~LAMAとLABAの合体?~_e0156318_10151868.jpg
(文献5より引用)

(参考記事)
GSK961081:新規気管支拡張薬MABA

(参考文献)
1) Cazzola M, et al. The MABA approach: a new option to improve bronchodilator therapy. Eur Respir J. 2013 Oct;42(4):885-7.
2) Norris V, et al. Bronchodilation and safety of supratherapeutic doses of salbutamol or ipratropium bromide added to single dose GSK961081 in patients with moderate to severe COPD. Pulm Pharmacol Ther. 2013 Oct;26(5):574-80.
3) Bateman ED, et al. Pharmacodynamics of GSK961081, a bi-functional molecule, in patients with COPD. Pulm Pharmacol Ther. 2013 Oct;26(5):581-7.
4) Wielders PL, et al. A new class of bronchodilator improves lung function in COPD: a trial with GSK961081. Eur Respir J. 2013 Oct;42(4):972-81.
5) Hughes AD, et al. Discovery of (R)-1-(3-((2-chloro-4-(((2-hydroxy-2-(8-hydroxy-2-oxo-1,2-dihydroquinolin-5-yl)ethyl)amino)methyl)-5-methoxyphenyl)amino)-3-oxopropyl)piperidin-4-yl [1,1'-biphenyl]-2-ylcarbamate (TD-5959, GSK961081, batefenterol): first-in-class dual pharmacology multivalent muscarinic antagonist and β₂ agonist (MABA) for the treatment of chronic obstructive pulmonary disease (COPD). J Med Chem. 2015 Mar 26;58(6):2609-22.


by otowelt | 2015-10-10 10:30 | 気管支喘息・COPD

新しいACOS診断基準を用いると、COPDコホートのうちACOS例は15%に存在し比較的予後良好

新しいACOS診断基準を用いると、COPDコホートのうちACOS例は15%に存在し比較的予後良好_e0156318_125953.jpg ACOSの診断については、GINAのガイドラインが使いやすいと思います。ただ、この論文でも指摘されているように実臨床での妥当性の検証はされていません。

Borja G. Cosio, et al.
Defining the Asthma-COPD overlap syndrome in a COPD cohort
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.15-1055


背景:
 喘息COPDオーバーラップ症候群:Asthma-COPD overlap syndrome (ACOS)は近年国際的ガイドラインにも記載されるようになった。ステップワイズアプローチによって診断を行うことが推奨されているが、臨床的応用は困難である。

方法:
 ACOS患者を同定するために、特性のはっきりしたCOPDコホートを1年間追跡し解析した。このCOPDコホートにおいて、喘息に関連した特異的な臨床的特徴があるかどうかを評価し、主要な基準(気管支拡張試験で400mLおよび15%を超える改善、過去の喘息既往)と副次的な基準(末梢血好酸球が5%を超える、IgEが100UI/mLを超えるもしくはアトピーの既往がある、2回の気管支拡張薬試験で200mLおよび5%を超える改善)を用いた。われわれは、1つの主要基準あるいは2つの副次的基準を満たしたものをACOSと定義した
新しいACOS診断基準を用いると、COPDコホートのうちACOS例は15%に存在し比較的予後良好_e0156318_12561949.jpg


 ベースラインの特性、CATスコア、BODEインデックス、発作・急性増悪の頻度、追跡1年の死亡率をACOSの有無によって比較した。

結果:
 831人のCOPD患者のうち、125人(15%)がACOSの基準を見たし、98.4%がこの基準を1年後も満たしていた。ACOS患者の多くは男性で(81.6%)、軽症から中等症の症状を有しており(67%)、ICS治療を受けていた(63.2%)。ベースラインの患者特性に差はなく、非ACOS-COPD患者では1年後の生存率が不良であった(p <0.05)。

結論:
 今回提示したACOS基準を用いると、COPDコホートの15%にACOSが存在することがわかった。またこれらの患者ではACOSの基準を満たさないCOPD患者と比較して1年後の予後が良好であった。


by otowelt | 2015-10-09 00:30 | 気管支喘息・COPD

N-アセチルシステインはアミノグリコシドによる耳毒性を軽減する

N-アセチルシステインはアミノグリコシドによる耳毒性を軽減する_e0156318_17184039.jpg 日本でも錠剤が販売されるとよいのですが。

Kranzer K, et a.
A systematic review and meta-analysis of the efficacy and safety of N-acetylcysteine in preventing aminoglycoside-induced ototoxicity: implications for the treatment of multidrug-resistant TB.
Thorax. 2015 Sep 7. pii: thoraxjnl-2015-207245. doi: 10.1136/thoraxjnl-2015-207245. [Epub ahead of print]


背景:
 耳毒性はアミノグリコシドの重大な副作用である。アミノグリコシドは、多剤耐性結核(MDR-TB)の治療として推奨されている。N-アセチルシステイン(NAC)は薬剤性難聴あるいは騒音性難聴に保護的にはたらくとされている。このレビューでは、アミノグリコシドにNACを併用することで耳毒性の発現に影響があるかどうかを調べ、持続的にNACを投与することの安全性と忍容性をアセスメントした。

方法:
 レビューした研究は、NACとアミノグリコシドを併用することで耳毒性を予防する効果を報告したものとした。適応の有無にかかわらずNACを6週間以上投与した研究を対象としている。要約推定量は固定効果モデルを用いて算出された。異質性はI2 statisticを用いて解析した。

結果:
 3つの研究が登録され、アミノグリコシドを投与された末期腎不全146人においてNACは耳毒性を軽減した。投与4~6週間時における耳保護に対する相対リスクは0.14(95%信頼区間0.05~0.45)であり、リスク差は―33.3%だった(95%信頼区間45.5%~21.2%)。
N-アセチルシステインはアミノグリコシドによる耳毒性を軽減する_e0156318_17194333.jpg
(文献より引用)

 6週間を超えるNAC投与は83の研究(9988人)において記載されており、腹痛、嘔気、嘔吐、下痢、関節痛は1.4~2.2倍に増えた。

結論:
 アミノグリコシドにNACを併用することで耳毒性を軽減できる。MDRTBに用いるアミノグリコシドにNACを併用する臨床試験の妥当性が強く示唆される。


by otowelt | 2015-10-08 00:29 | 抗酸菌感染症

急性好酸球性肺炎に対するステロイドの急速漸減治療

急性好酸球性肺炎に対するステロイドの急速漸減治療_e0156318_2331765.jpg AEPの研究は韓国のものばかりです。 

Byung Woo Jhun, et al.
Outcomes of rapid corticosteroid tapering in acute eosinophilic pneumonia patients with initial eosinophilia.
Respirology, DOI: 10.1111/resp.12639


背景および目的:
 急性好酸球性肺炎(AEP)患者で初期に好酸球増多症があるものは、末梢血好酸球数が正常のAEP患者と比べて比較的軽症とされている。われわれは、AEP患者で初期に好酸球増多があるものに対して急速なステロイド漸減療法の効果を検討した。

方法:
 これは、初期に好酸球増多がみられたAEP患者14人のプロスペクティブコホート研究である。患者はステロイドを臨床的に安定性がみられた後すぐに中止されたものである。この14人と、初期に末梢血好酸球増多がみられなかった45人で2週間のステロイド治療を受けた場合を比較した。

結果:
 上記59人のAEP患者が登録された。末梢血好酸球増多がみられたAEP患者におけるステロイド治療期間の中央値は4日(IQR3-4日)であった。また、好酸球増多がなかった患者では14日であった(IQR14-14)。好酸球増多がみられたAEP患者での臨床的治療失敗は観察されなかった。好酸球増多がなかた群では1人のみに治療失敗がみられた。臨床的に安定がみられるまでの中央値は3日であり、診断から完全に寛解がみられるまでの期間は初期に好酸球増多症のあった患者では中央値4日であった。

結論:
 好酸球増多がみられたAEP患者に対する急速なステロイド漸減治療は妥当である。


by otowelt | 2015-10-07 00:03 | びまん性肺疾患

看護師や医師は、ICU患者の息切れを過小評価しがち?

看護師や医師は、ICU患者の息切れを過小評価しがち?_e0156318_21563989.jpg SBT時の息切れに関する話題です。

Hege S Haugdahl, et al.
Nurses and Physicians Underestimate Patient Breathlessness During a Spontaneous Breathing Trial
Am J Respir Crit Care Med. First published online 04 Aug 2015 as DOI: 10.1164/rccm.201503-0419OC


背景:
 息切れはICUの患者において、頻度が多く悩ましい症状である。患者が感じている呼吸困難を評価する医療従事者の能力を調べた研究はほとんどない。呼吸に対する患者の受容は症状マネジメントにおいて重要であり、またSBTにおけるその受容は抜管アウトカムと関連しているかもしれない。

目的:
 SBTの最中に息切れを感じている人工呼吸器装着中の患者を評価する。

方法:
 100人の人工呼吸器装着中の患者における多施設共同観察研究を実施した。SBT終了時に11点満点のNRSスコアによって息切れをどう評価しているか、安心感、呼吸機能の改善について看護師、医師、患者の一致を調べた。息切れと背景因子あるいは呼吸器系の観察項目との関連性を調べた。

結果:
 62人(62%)の患者が中等度あるいは重度の息切れを訴えた(NRS4点以上)。息切れの強度は患者の評価では中央値5であったのに対して、看護師や医師では中央値2であった(p<0.001)。看護師や医師が評価したよりも、患者は安心感や呼吸機能の改善に対してより懸念を示していた。看護師と医師のおよそ半数が息切れを過小評価していた。息切れの過小評価は専門職の能力とは関連していなかった。SBT中の息切れと抜管アウトカムとに明らかな関連はみられなかった。

結論:
 SBT後の息切れを患者は看護師や医師よりも大きいと感じている。


by otowelt | 2015-10-06 00:02 | 集中治療

髄液EGFR遺伝子変異解析の有効性

髄液EGFR遺伝子変異解析の有効性_e0156318_1852110.jpg 髄液中のEGFR遺伝子変異は有効な診断ツールになるようです。

Sasaki S,et al.
Diagnostic significance of cerebrospinal fluid EGFR mutation analysis for leptomeningeal metastasis in non-small-cell lung cancer patients harboring an active EGFR mutation following gefitinib therapy failure
Respiratory Investivation, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.resinv.2015.07.001


背景:
 EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺癌(NSCLC)患者の治療においてEGFR-TKIが有効である。しかしながら、治療反応性が良好であるにもかかわらず、1~2年以内に再発することがしばしばある。NSCLCの再発形式として、転移性髄膜癌腫症(LM)の診断および治療は困難をきわめる。われわれは、髄液検体においてリアルタイムPCRを用いたEGFR遺伝子変異を解析し、EGFR-TKIであるエルロチニブの治療効果を評価した。

患者および方法:
 ゲフィチニブ治療中あるいは治療後にLMを有したEGFR遺伝子変異陽性のNSCLC患者がレトロスペクティブに解析された。髄液が採取され、細胞診およびEGFR遺伝子変異(T790M変異を含む)の解析がなされた。

結果:
 7人の患者すべてにおいて原発巣と同様のEGFR遺伝子変異が髄液中に同定された(感度100%)。反面、細胞診は2人においてのみ陽性であった(感度28.6%)。T790M変異は観察されなかった。エルロチニブはすべての症例において有効であり、7人中5人でPSが改善した。エルロチニブの効果は一時的であったが、治療成功期間(TTF)は29~278日(中央値65日)であり、エルロチニブ開始から死亡までの期間は45~347日(中央値168日)だった。

結論:
 髄液検体を用いたリアルタイムPCRによるEGFR遺伝子変異の解析は、LMによるNSCLC再発の強力な診断法である。


by otowelt | 2015-10-05 00:51 | 肺癌・その他腫瘍

エンクラッセ®エリプタが発売

エンクラッセ®エリプタが発売_e0156318_10375873.jpg
(グラクソスミスクライン社ウェブサイトより使用)

 グラクソスミスクライン社から、2015年10月1日にCOPDに対する長時間作用性抗コリン薬(LAMA)であるエンクラッセ®が発売されました。また同日にアノーロ®30吸入用が登場しました。アノーロ®はこれまで14日間投与であったものが長期投与が可能となり、30吸入用のエリプタが登場しました。

 これにより、エリプタ製剤でCOPDのステップアップ治療が可能となりました。

 エンクラッセ® → アノーロ®

 なおエンクラッセ®はアノーロ®の実績があるため、最初から長期処方が可能です。

 個人的には海外で販売されているアーニュイティ®エリプタが日本でも販売されないかと心待ちにしている状態です。もしそれが実現すれば、喘息診療においてもエリプタ製剤でのアーニュイティ®→レルベア®のステップアップ・ダウンが可能となります。

 COPDに対するLAMAの私の使い分けは以下の通りです。薬価はおおむね6,000円台ですが、スピリーバ®ハンディヘラーとシーブリ®が数百円安価です。

・初期選択肢の1つ(最も安価):スピリーバ®ハンディヘラー
・循環器疾患(特に心房細動)がない/吸気流速不足:スピリーバ®レスピマット
・初期選択肢の1つ(最も安価):シーブリ®ブリーズヘラー
・吸入手技に不安:エンクラッセ®エリプタ
・吸入回数にこだわらずデバイス操作性を重視/吸気流速十分:エクリラ®ジェヌエア(長期処方は2016年6月から可能)


by otowelt | 2015-10-03 10:38 | 気管支喘息・COPD

胸腔内子宮内膜症関連気胸の臨床的特徴

胸腔内子宮内膜症関連気胸の臨床的特徴_e0156318_024367.jpg 私はこれまでに月経随伴性気胸は1人しか診療したことがありません。その症例は横隔膜欠損孔からの気胸でした。
 教科書的には、月経随伴性気胸は月経開始3日前~5日後の胸痛、呼吸困難、血痰、喀血で発症します。

Mizuki Fukuoka, et al.
Clinical characteristics of catamenial and non-catamenial thoracic endometriosis-related pneumothorax
Respirology, Article first published online: 26 AUG 2015, DOI: 10.1111/resp.12610


背景および目的:
 月経随伴性気胸の主な原因は、胸腔内子宮内膜症である。しかしながら、胸腔内子宮内膜症関連気胸(TERP)は、月経随伴性あるいは月経非随伴性の気胸のいずれも起こしうる。この研究の目的は、月経随伴性・非随伴性のTERPの臨床的差異を調べることである。

方法:
 8年の間に胸腔鏡手術を受けた女性患者の臨床的・病理学的データをレトロスペクティブに収集した。手術時にTERPと診断された150人の女性患者が組み込まれた。患者は2群に分けられた。すなわち、月経随伴性気胸群(CP群)と月経非随伴性気胸群(non-CP群)である。われわれは、これら2群の臨床的特徴や外科病理学的に所見の違いを検討した。

結果:
 150人のTERP患者のうち、55人(36.7%)の患者がCP群に分類され、95人(63.3%)がnon-CP群に分類された。すべてのTERP患者は横隔膜に子宮内膜症がみられたが、胸膜に病変がみられたものはCP群で34人(61.8%)、non-CP群で42人(44.2%)だった(P < 0.05)。

結論:
 TERP患者のうち、CPとnon-CPでは胸膜子宮内膜症の頻度に違いがみられた。異所性子宮内膜症の部位は、気胸エピソードのタイミングに影響しているのかもしれない。


by otowelt | 2015-10-02 00:43 | 呼吸器その他

呼吸機能検査が正常の喫煙者の半数以上は、実際には呼吸器系の障害がみられる

呼吸機能検査が正常の喫煙者の半数以上は、実際には呼吸器系の障害がみられる_e0156318_8342322.jpg ACOSが当たり前の疾患概念になった現在、COPDの前段階として新たな疾患概念が提唱されると私は予想しています。どのような分野でも幅広く疾患概念を定義することは正論に違いありませんが、安易な診療の助長を招くのではないかと懸念しています。

Regan EA, et al.
Clinical and Radiologic Disease in Smokers With Normal Spirometry.
JAMA Intern Med. 2015 Sep 1;175(9):1539-49.


背景:
 呼吸機能検査における気流閉塞はCOPDの診断に広く使用されているが、気流閉塞のない現喫煙者や既往喫煙者はCOPDがないという定義に陥る。

目的:
 現喫煙者および既往喫煙者でCOPDの基準を呼吸機能検査上満たさない(GOLD 0期)コホートにおいて、臨床的および放射線学的に喫煙関連疾患を有する患者を同定すること。

方法:
 呼吸機能検査、胸部CT検査、6分間歩行検査、質問票を完遂したCOPDGeneコホートの参加者を登録した。患者はアメリカの21地域から登録された。COPDGeneコホートにおいて、GOLD 0期(4388人)(1秒率>70%、%1秒量≧80%)がGOLD 1期(794人)、COPD患者(3690人)、非喫煙者(108人)と比較された。登録期間は2008年1月から2011年7月。
 アウトカムは呼吸機能検査上の異常、呼吸器症状、胸部CT検査の異常、呼吸器系薬剤の使用、呼吸器系特異的なQOLの低下、とした。

結果: 
 1つ以上の呼吸器系の障害を有していたのはGOLD 0期の54.1%(2375人)であった。GOLD 0期の患者はQOLが不良で(平均SGRQスコア17.0 vs 3.8[非喫煙者と比較]、P < .001)、6分間歩行距離が低かった。また、GOLD 0期の42.3%(127人)に胸部CT上、気腫性変化や気道の壁肥厚がみられた。%1秒量の分布や平均値はGOLD 0期の患者では低い傾向がみられたが、それでもなお正常範囲であった。現喫煙はより呼吸器症状と関連していたが、既往喫煙は気腫やエアトラッピングと関連していた。また、加齢は禁煙エピソードやCT所見の異常と関連していた。呼吸器系に障害がある患者は、より呼吸器系の薬剤を使用される傾向にあり、これらの使用は疾患増悪に関連性があった。

結論:
 呼吸機能検査上COPDのない喫煙者では呼吸器疾患・障害はよくみられる。これらの結果に基づくと、アメリカでは、いまだに認識されていない呼吸器疾患・障害を有する55歳以上の3500万人の現喫煙・既往喫煙者がいるのではないかと推察される。


by otowelt | 2015-10-01 00:47 | 気管支喘息・COPD