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遷延性咳嗽に対する低用量アジスロマイシンは無効だが、気管支喘息関連咳嗽には有効か

遷延性咳嗽に対する低用量アジスロマイシンは無効だが、気管支喘息関連咳嗽には有効か_e0156318_1047122.jpg 気管支喘息に対するマクロライドは、最近いくつか報告されており、特に小児科領域では注目されていますね。

David Hodgson, et al.
The effects of azithromycin in treatment resistant cough: a randomised, double blind, placebo controlled trial.
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2015.12.036


背景:
 慢性咳嗽は世界的によくみられる医学的問題である。多くの患者は気管支喘息、GERD、鼻炎といった基礎疾患を有しているが、これらの治療をおこなってもなお症状が残存することが多い。こうした患者群に新しい治療アプローチが必要とされている。

方法:
 8週間のアジスロマイシン(250mg1日3回)が44人の遷延性咳嗽患者のLCQスコアを改善させることができるかどうか調べたランダム化プラセボ対照比較試験である。咳嗽重症度はVASで記録し、セカンダリアウトカムとして呼気NOを調べた。

結果:
 アジスロマイシンの投与によって臨床的に意義のあるLCQスコアの改善がみられた(平均変化2.4; 95%信頼区間0.5 to 4.2)が、プラセボではみられなかった(平均変化0.7; 95%信頼区間-0.6 to 1.9)。しかしながら、これらの差には統計学的に有意差はなかった(p=0.12)。セカンダリアウトカムについても両群で差はなかった。気管支喘息の診断を受けている患者に対してアジスロマイシンの有効性が高かった(平均変化6.19; 95%信頼区間4.06 to 8.32)。

結論:
 遷延性咳嗽に対する8週間の低用量アジスロマイシンはプラセボと比較して治療効果は有意にみられなかった。必ずしも遷延性咳嗽に対するマクロライドの使用は推奨されないが、気管支喘息に関連した慢性咳嗽には効果があるかもしれない。


by otowelt | 2016-02-15 00:19 | 気管支喘息・COPD

成人市中肺炎に対する抗菌薬使用についてのシステマティックレビュー

成人市中肺炎に対する抗菌薬使用についてのシステマティックレビュー_e0156318_16271270.jpg 市中肺炎における抗菌薬使用のシステマティックレビューです。

Jonathan S. Lee, et al.
Antibiotic Therapy for Adults Hospitalized With Community-Acquired Pneumonia
A Systematic Review
JAMA. 2016;315(6):593-602. doi:10.1001/jama.2016.0115.


背景:
 抗菌薬治療は市中肺炎(CAP)に対する医療マネジメントの根幹をなす。

目的:
 抗菌薬治療における3側面の関連性を調べた。すなわち、抗菌薬開始のタイミング、初期抗菌薬の選択、静注→経口抗菌薬への移行の3点と、成人入院CAP患者における短期的死亡率との関連性である。

エビデンスレビュー:
 MEDLINE, EMBASE, Cochrane Collaborationデータベースから成人入院CAP患者に関する研究を1995年1月1日から2015年11月5日まで抽出した。

結果:
 20の試験(17の観察研究、3つのランダム化比較試験)が適格基準を満たした。
 8つの観察研究のうち、大規模な4試験では抗菌薬開始が病院到着から4~8時間以内であれば、死亡率は相対的に5%~43%減少すると報告されていた。小規模な4試験では、この関連性は認められなかった。
 1つのクラスターランダム化比較試験では、βラクタム単独とβラクタム+マクロライド併用とを比較するとβラクタム単独群で90日死亡率が補正差2.5%(90%信頼区間-0.6%~5.2%)減少した(単独群がよいとする結果)。2つ目のランダム化比較試験では、βラクタム単独治療はβラクタム+マクロライド併用療法と比較して入院7日目の臨床的安定性のアウトカムにおいて非劣性を示せなかった(差7.6%、片側90%信頼区間上限13.0%)(併用群の方がよいとする結果)。
 8つの観察研究のうち6つではβラクタム+マクロライドの併用療法は、短期的死亡率の26~68%の相対的減少と関連していた。また、3つの観察研究ではフルオロキノロン単独はβラクタム単独より短期的死亡率の30~43%の相対的減少と関連していた。
 1つのランダム化比較試験では早期の静注→経口の変更によって入院期間が有意に減少したが(絶対差1.9日、95%信頼区間0.6-3.2日)、客観的臨床基準にもとづいて静注→経口に変更した場合に治療失敗の差はみられなかった。

結論:
 成人入院CAP患者において、βラクタム+マクロライド併用あるいはフルオロキノロン単独の抗菌薬治療を病院到着4~8時間以内に開始することで、短期的な死亡率を減少させることができる。しかし、これは主には観察研究に基づく結論である。1つのランダム化比較試験によれば、客観的臨床基準に基づいて静注→経口へ抗菌薬を変更することが支持される。


by otowelt | 2016-02-12 00:22 | 感染症全般

FeNOレベルの高い咳嗽にはステロイドが効く?

FeNOレベルの高い咳嗽にはステロイドが効く?_e0156318_814353.jpg ステロイドは好酸球性炎症を抑えるので、当然の結果のようにも思います。安易にステロイドを導入することは推奨されません。

Fang Yi, et al.
Validity of Fractional Exhaled Nitric Oxide in Diagnosis of Corticosteroids Responsive Cough
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.01.006


背景:
 FeNO測定単独、あるいは喀痰中好酸球やアトピーとの組み合わせによるFeNO測定は、ステロイド反応性咳嗽(CRC)とステロイド非反応性咳嗽(NCRC)の鑑別ができるのかどうか不明である。

方法:
 合計244人の慢性咳嗽患者および59人のコントロール患者を登録した。慢性咳嗽の原因は、確立された診断アルゴリズムに基づいて調べられた。FeNO測定と誘発喀痰を全例に実施した。

結果:
 CRCは139人(57.0%)の患者にみられ、NCRCは105人だった。CRC患者のFeNOレベルは有意に喀痰中好酸球と相関していた(rs=0.583, P<0.01)。CRCのFeNOレベルの中央値は有意にNCRCよりも高い水準であった[32.0 ppb (19.0-65.0 ppb) vs 15.0 ppb (11.0-22.0 ppb), P<0.01]。慢性咳嗽患者におけるCRC診断において、FeNO31.5ppbは感度・特異度はそれぞれ54.0%、91.4%だった。また、陽性適中率89.3%、陰性適中率60.0%だった。FeNO22.5ppb未満、喀痰中好酸球正常(2.5%未満)、アトピーがない、という組み合わせは、NCRCを予測する上で感度・特異度はそれぞれ30.3%、93.5%だった。

結論:
 われわれのコホートでは、FeNO高値(31.5ppb以上)はCRCの診断により確からしさを有していたが、CRCの診断を除外するだけの十分な感度は有していなかった。FeNO低値、喀痰中好酸球正常、アトピーがない、という組み合わせはCRCの可能性が低いと考えられる。


by otowelt | 2016-02-10 00:27 | 呼吸器その他

出版のお知らせ:ポケット呼吸器診療2016

 2016年2月12日に「ポケット呼吸器診療2016」をシーニュから出版します。これは2015の改訂版であり、毎年アップデート出版していく予定です。前回の2015年版から1.5倍ボリュームを増やし、内容を充実させました。価格は1,000円台をこれからも維持させていただく予定です。

<2015年版→2016年版においてボリュームが増えた主なポイント>
・気管支鏡に関する項目(BAL・TBLBの方法)
・肺エコー(各所見)
・胸水検査所見
・ACOS(asthma-COPD overlap syndrome)
・リンパ増殖性疾患
・悪性胸膜中皮腫
・脳転移
・放射線肺障害
・過敏性肺炎の原因一覧
・じん肺の種類(各珪肺~レアアース肺まで)
・好酸球性下気道疾患
・動脈血液ガス分析
・在宅酸素療法(飛行機内酸素療法を含む)
・身体障害者認定基準
出版のお知らせ:ポケット呼吸器診療2016_e0156318_1613145.jpg
発売日:2016年2月12日
単行本 : 153ページ
価格 : 1,728円 (税込)
出版社 : シーニュ
著者 : 倉原 優 (国立病院機構近畿中央胸部疾患センター内科)
監修 : 林 清二 (国立病院機構近畿中央胸部疾患センター院長)

出版のお知らせ:ポケット呼吸器診療2016_e0156318_13141310.jpgAmazonから予約/購入する (入荷がやや遅いかも)

 このマニュアルは「できるだけコンパクトかつ有用な安い書籍」を目標にしていますが、限りなく最新の文献に基づいた疾患情報を提供できるよう心がけています。実臨床で使用することを最優先に、不要な贅肉を極限までこそぎ落としました。
 
 呼吸器を診療する医師のポケットに長く入れていただけるよう、毎年ハイクオリティの内容をお届けできるよう努力致しますので、よろしくお願い申し上げます。「こういった内容の方がよい」「こういった項目を入れて欲しい」などの叱咤激励もお待ちしております。

 最後に、シーニュの藤本浩喜様、監修を引き受けていただいた当院院長の林清二先生に心より感謝申し上げます。


by otowelt | 2016-02-06 00:01 | その他

エルロチニブの効果はEGFR遺伝子変異のタイプによって異なる可能性

エルロチニブの効果はEGFR遺伝子変異のタイプによって異なる可能性_e0156318_1164629.jpg いわゆるマイナー変異に関する報告です。

Barbara Klughammer, et al.
Examining Treatment Outcomes with Erlotinib in Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Whose Tumors Harbor Uncommon Epidermal Growth Factor Receptors Mutations
JTO, 2016, http://dx.doi.org/10.1016/j.jtho.2015.12.107


背景:
 EGFR遺伝子変異のうち、exon19欠失変異およびexon21 L858遺伝子変異は、エルロチニブなどのEGFR-TKIの効果を予測する変異であるが、マイナーな遺伝子変異がエルロチニブの効果を予測できるのかどうかは不明である。

方法:
 まれなEGFR変異を有する個々の患者におけるエルロチニブの効果をMERIT、SATURN、TITAN、TRUST、ATLAS、BeTa、FASTACT-2試験の患者を用いて解析した。

結果:
 バイオマーカーを測定された患者のうち、まれな変異を有する頻度はSATURN試験467人中8人(1.7%)~ATLAS試験364人中27人(7.4%)と異なる頻度で観察された。いくつかのまれな変異は、EGFR-TKIの臨床的効果を発揮したが、予後不良なものもみられた。とりわけ、exon 18 G719変異、exon 19 K757R変異、同E746G変異、exon 20 S768I変異、exon 21 G836S変異はエルロチニブに対する効果が良好であり、exon 18 S720I変異はアウトカム不良であった。しかしながら、患者数が少なく、まれな遺伝子変異がエルロチニブに感受性なのか耐性なのか断言することは困難であろう。

結論:
 エルロチニブは、特異的なEGFR遺伝子変異に対して、各々の変異とは異なる効果を発揮する可能性がある。さらなる研究が望まれる。


by otowelt | 2016-02-05 00:15 | 肺癌・その他腫瘍

血球貪食症候群の肺病変は半数にみられ、予後不良である

血球貪食症候群の肺病変は半数にみられ、予後不良である_e0156318_1110576.jpg 血球貪食症候群の肺病変に関する報告です。

Amélie Seguin, et al.
Pulmonary Involvement in Patients with Haemophagocytic Lymphohistiocytosis
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2015.11.004


背景:
 血球貪食症候群(HLH)は免疫不全を合併する致死的疾患である。HLHの肺病変についてはほとんど調査されていない。われわれは、HLHの肺病変について記載し、その予後をアセスメントした。

方法:
 14年間で後ろ向きに219人のHLH患者を同定した(肺病変があったのは118人[54%])。HLHの診断はHLH-2004診断基準に基づいた。

結果:
 呼吸困難感・咳嗽が最もよくみられる発症症状であった。胸部画像上、小葉中心性粒状影・境界明瞭なコンソリデーション・局所的スリガラス影を伴う間質性陰影がみられた。胸水や縦隔リンパ節腫大は半数の患者でみられた。1つ以上の肺病変出現の原因があったのは118人中91人(77.1%)であり、呼吸器感染症52人、肺水腫34人、悪性疾患22人(ほとんどが悪性リンパ腫)が含まれた。
血球貪食症候群の肺病変は半数にみられ、予後不良である_e0156318_1162410.jpg
(文献より引用:)

肺病変の原因に対する治療とHLH特異的治療の組み合わせによって、呼吸機能が改善したのは118人中67人(56.7%)だった。院内死亡率は、肺病変のある患者では高かった(52.5% vs. 20%)。肺病変の原因として感染症がある場合、死亡する頻度が高かった(56% vs. 30%, p=0.004)。

結論:
 HLHの患者に肺病変は多くみられ、予後不良である。肺病変を有するHLH患者に対して、特異的な診断・治療戦略が妥当なものかどうか検証する研究が望まれる。


by otowelt | 2016-02-04 00:56 | 集中治療

非小細胞肺癌に対してルーチンに遺伝子異常を調べる意義

非小細胞肺癌に対してルーチンに遺伝子異常を調べる意義_e0156318_10552988.jpg 肺癌のリサーチアンケートでも、遺伝子変異の検査オーダーから結果取得までの期間を問うものが多いですよね。

Fabrice Barlesi, et al.
Routine molecular profiling of patients with advanced non-small-cell lung cancer: results of a 1-year nationwide programme of the French Cooperative Thoracic Intergroup (IFCT)
Lancet, 2016, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(16)00004-0


背景:
 進行非小細胞肺癌(NSCLC)の患者において既知の遺伝子異常を調べることは、ルーチンとして推奨されている。しかしながら、この理念に基づくアウトカムの影響が好ましいものであるかどうかはまだ定かではない。われわれは、フランス国内の患者背景、遺伝子プロファイル、臨床アウトカムを1年の試験期間を設けて調査した。

方法:
 進行NSCLC患者に対して、EGFR変異、ALK再構成、HER2変異、KRAS変異、BRAF変異、PIK3CA変異をフランス28施設で調べたデータを用いた。2012年4月から翌年4月までの1年の期間で調査を実施した。上記遺伝子異常の頻度を調べ、その異常を患者の臨床アウトカムと対比させた。

結果:
 17664人のNSCLC患者に18679の遺伝子解析が行われた(年齢中央値64.5歳、65%が男性、81%が喫煙者あるいは既喫煙者、76%が肺腺癌)。解析開始から結果報告までの期間の中央値は11日(IQR7-16)日であった。解析したうち、遺伝子学的な異常がみられたのは50%であった。EGFR変異が最も多く、17706解析のうち1947(11%)、HER2変異は11723解析のうち98(1%)、KRAS変異は17001解析のうち4894(29%)、BRAF変異は13906解析のうち262(2%)、PIK3CA変異は10678解析のうち252(2%)、ALK再構成は8134解析のうち388(5%)だった。解析時のフォローアップ期間中央値は24.9ヶ月(95%信頼区間24.8–25.0)だった。遺伝子異常の存在は、8147人のうち4176人(51%)に対してファーストライン治療に影響を与え、ファーストライン治療の良好な奏効率に関連していた(遺伝子異常があるケース:37% [95%信頼区間34.7–38.2] vs 遺伝子異常がないケース:33% [95%信頼区間29.5–35.6]、p=0.03)。セカンドライン治療でも同様だった(同17% [15.0–18.8] vs 9% [6.7–11.9]; p<0.0001)。遺伝子異常の存在は、同異常がないケースと比較して、ファーストラインの無増悪生存期間(10.0ヶ月[95%信頼区間9.2–10.7] vs 7.1ヶ月[6.1–7.9]; p<0.0001)、全生存期間(16.5ヶ月[95%信頼区間15.0–18.3] vs 11.8ヶ月[10.1–13.5]; p<0.0001)の改善と関連していた。

結論:
 遺伝子異常の頻度、結果取得までの時間、その異常の頻度、臨床的優位性の観点からも、NSCLC患者の遺伝子異常をルーチンに調べることが望ましい。


by otowelt | 2016-02-03 00:33 | 肺癌・その他腫瘍

悪性胸水は経過とともに滲出性の度合いが低下し、酸性に傾いていく

悪性胸水は経過とともに滲出性の度合いが低下し、酸性に傾いていく_e0156318_1023537.jpg 横断的なデータを用いた者が多かったので、非常に参考になる論文です。

Rajesh Thomas, et al.
Longitudinal Measurement of Pleural Fluid Biochemistry and Cytokines in Malignant Pleural Effusions
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.01.001


背景:
 悪性胸水(MPE)はよくみられる病態である。これまでのMPEに関する文献は、横断的サンプリングによる報告に限定されており、経時的な生化学的変化について記したものはない。胸腔内留置カテーテル(IPC)によって経時的に検体を採取することで、MPEの性状がどのように腫瘍進展とともに変化しているのか分かるかもしれない。

方法:
 638のMPE検体を103人の患者のIPCから中央値で95日間(0-735日)かけて採取した。胸水中のpH、LDH、糖が調べられた。また、末梢血のヘマトクリット、血小板、白血球、総蛋白、アルブミンも測定された。サイトカインの指標として、35人の悪性胸膜中皮腫の患者からの298検体を用いてMCP-1、VEGF、IL-6,8,10、TNF-α、IFN-γが測定された。経時的変化を線形混合モデルを用いて解析した。

結果:
 経過とともに、胸水中の蛋白が有意に減少した(8g/L/100日(標準誤差1.32; p<0 .0001)、またpHも減少した(0.04/100日, 標準誤差0.02; p=0.0203)。LDHは有意ではないが、上昇傾向がみられた。胸水/血中蛋白比は経時的に減少した(0.06/100日、標準誤差0.02; p=0.04)。
悪性胸水は経過とともに滲出性の度合いが低下し、酸性に傾いていく_e0156318_1019940.jpg
(文献より引用:胸水蛋白およびpHの推移)

 悪性胸膜中皮腫のMPEでは、胸水糖がベースラインから低下しており、これは非悪性胸膜中皮腫のMPEよりも低下速度が速やかであった(p=0.0423)。悪性胸膜中皮腫のMPEでは、log (MCP-1)の経時的増加がみられた(log 0.37 pg/ml/100日, 標準誤差0.13; p=0.0046)が、他のサイトカインでは観察されなかった。

結論:
 MPEは疾患進行とともに、滲出性でなくなっていき、酸性に傾いていく。MCP-1の増加は、MPEの病態生理学的な役割を支持するものである。


by otowelt | 2016-02-02 00:04 | 肺癌・その他腫瘍

重症喘息に対するマグネシウムの経静脈投与は死亡率に利益なし

重症喘息に対するマグネシウムの経静脈投与は死亡率に利益なし_e0156318_12254076.jpg 奥の一手、伝家の宝刀、おまじない・・・。さまざまないわれのあるマグネシウム。その喘息に対する位置づけをさぐった貴重な報告です。

Junko Hirashima, et al.
Effect of intravenous magnesium sulfate on mortality in patients with severe acute asthma
Respirology, Article first published online: 18 JAN 2016,DOI: 10.1111/resp.12733


背景および目的:
 硫酸マグネシウムの経静脈投与は重症喘息発作の補助的な治療に用いられる。しかしながら、過去のランダム化対照試験では、その効果はまちまちであり、致死的喘息に対する死亡率に対する効果は検証されていない。この研究の目的は、硫酸マグネシウムの経静脈投与が重症喘息患者の死亡率にどのような効果をもたらすか調べることである。

方法:
 ステロイドの経静脈投与および酸素療法を要する重症喘息患者を、DPC入院データベースから抽出した。硫酸マグネシウムの経静脈投与をおこなわれた患者とおこなわれていない患者の間で傾向スコアマッチを行った。プライマリアウトカムは、7日、14日、28日死亡率とした。セカンダリアウトカムは、入院中のステロイドの投与量、人工呼吸器装着期間、入院期間とした。

結果:
 14122人の患者のうち、619人に硫酸マグネシウムが投与されていた。傾向スコアマッチにより、599人のペアコホートを作成した。硫酸マグネシウムの投与による28日死亡率には差はみられなかった(1.3% vs 1.8%, P = 0.488)。また、ステロイド投与量(2400 mg vs 2400 mg, P = 0.580)、人工呼吸器装着期間中央値(1日 vs 1日, P = 0.118)、入院期間中央値(16日 vs 13日、 P = 0.640)にも差はみられなかった。

結論:
 重症喘息発作に対する硫酸マグネシウムの経静脈投与には、死亡率という意味では有意な利益はなかった。


by otowelt | 2016-02-01 00:58 | 気管支喘息・COPD