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COPD患者に対するデキサメタゾンは高山病を予防できない

e0156318_1048233.png 5人に1人。なかなか高率に発症するようです。 

Michael Furian, et al.
Efficacy of dexamethasone in preventing acute mountain sickness in COPD patients. Randomized trial
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.06.006


背景:
 COPD患者は、標高の高いところへ旅行すると急性高山病(acute mountain sickness:AMS)およびその他の高度関連障害(altitude-related adverse health effects :ARAHE)をおこしやすい。健常人のAMS予防に用いられる薬剤は、COPD患者においてAMS/ARAHEを予防できるかもしれない。

方法:
 標高800m未満(ビシュケク)においてGOLD1-2のCOPD患者に対して、登山前日から標高3100mの滞在2日間の期間デキサメタゾン(8mg/day)あるいはプラセボの投与をおこなうプラセボ対照二重盲検並行群間試験を実施した。プライマリアウトカムは、高地滞在時のAMS/ARAHEの発症の複合とした。AMSはAMScスコア(Environmental Symptoms Questionnaire cerebral score )0.7点以上で診断され、ARAHEは下山や介入を余儀なくされた例を対象とした。

結果:
 60人のCOPD患者がデキサメタゾン群(年齢中央値57歳、%1秒量中央値86%、760m地点でのPaO2中央値9.6kPa)に割り付けられ、AMS/ARAHEは13人(22%)に発症した。プラセボ群の58人ではAMS/ARAHEの発症は14人(24%)だった(p=0.749)。デキサメタゾンはプラセボと比較して高地によるPaO2減少に寄与した(平均差0.4kPa, p=0.028)。

結論:
 軽症~中等症COPD患者において、標高3100mでのAMS/ARAHEはデキサメタゾンによって予防できなかった。低酸素血症は幾ばくか予防できるものの、COPD患者ではAMS/ARAHE予防のためのデキサメタゾンは推奨されない。





by otowelt | 2018-06-29 00:28 | 気管支喘息・COPD

間質性肺炎合併気胸に対するピシバニール®OK-432の有効性

e0156318_1543237.jpg よくぞやってくれました。OK-432は刺激が強いからIPにはダメみたいな風潮がありましたから。39人のうち2人(5.1%)がIP急性増悪を起こして死亡しています。
 論文中に書かれていますが、複数回注入する戦略はアリのようです。私は現在は2回くらいにとどめているのですが、この論文では3回以上と注入している症例がありました。

Ogawa K, et al.
OK-432 pleurodesis for the treatment of pneumothorax in patients with interstitial pneumonia
Respiratory Investigation, DOI: https://doi.org/10.1016/j.resinv.2018.05.003


背景:
 気胸は時に間質性肺炎(IP)の患者に発症し、しばしば難治性となる。IP患者の気胸治療で確実性のある治療はないため、われわれはOK-432による胸膜癒着術の効果と安全性を検証した。

方法:
 われわれは2006年1月~2017年5月までのIP関連気胸症例に対してOK-432による効果と安全性を後ろ向きに検討した。5~10KEのOK-432が胸腔ドレーンから注入された。胸膜癒着術は①エアリークなく胸腔ドレーンが抜去できる、②胸腔ドレーン抜去から4週間以内に気胸の再発がなく追加的治療を要さない、状態であれば処置成功とした。

結果:
 OK-432による胸膜癒着術は39人に46回実施された。39人のうちUIPパターンは25人、非UIPパターンは14人だった。OK-432の注入回数中央値は1回で、rangeは1~6回だった。投与量中央値は10KEだった(range 5-55KE)。処置成功率は63%(46回中29回)だった。再発したのは46回中8回(17.4%)だった。Grade 5(死亡)の有害事象は8人に起こり、そのうち2人はIP急性増悪だった。5人が誤嚥性肺炎、1人が気胸で死亡した。初回OK-432が成功した患者は、初回で成功しなかった患者よりも生存期間中央値が有意に長かった(322日 vs. 70日, p = 0.036)。
e0156318_922599.png


結論:
 われわれの検討では、IP患者の気胸治療にOK-432胸膜癒着術は有効と考えられる。しかしながら、致死的な有害イベントの可能性については留意しておくべきである。



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by otowelt | 2018-06-27 00:06 | びまん性肺疾患

重症閉塞性睡眠時無呼吸は肝硬度に影響を与える

e0156318_1048204.png 睡眠時無呼吸を早期に発見して早期に介入すべしということですね。

Wojciech Trzepizur, et al.
Increased liver stiffness in patients with severe sleep apnoea and metabolic comorbidities
European Respiratory Journal 2018; DOI: 10.1183/13993003.00601-2018


背景:
 この研究の目標は、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と肝硬度測定(LSM)(非アルコール性脂肪肝における肝線維化の制度の高い非侵襲的スクリーニングツール)の重症度の関連性を調べることである。

方法:
 147人のメタボリックシンドローム(MS)基準を最低1つ満たした患者を登録し、OSA疑いのものにはポリソムノグラフィを実施した。LSMは、FibroScanを用いて評価した。有意な肝疾患はLSM≧7.3kPa、進行性肝線維化はLSM≧9.36Paと規定した。
 OSAの重症度は、AHIが5~15を軽症、15~30を中等症、30以上を重症とした。

結果:
 23人の患者がLSMが不確実であり、除外された。124人のうち、34人(27.4%)が軽症OSA、38人(30.6%)が中等症OSA、52人(42.0%)が重症OSAを有していると判断された。LSMは、18人(14.5%)において7.3~9.6kPaであり、15人(12.1%)は9.6kPa以上だった。OSA重症度とLSMには用量反応関係が観察された(p=0.004)。年齢、性別、MS、インスリン抵抗性で補正すると、重症OSAはLSM≧7.3kPaのリスク(オッズ比7.17、95%信頼区間2.51-20.50)、およびLSM≧9.6kPa以上のリスク(オッズ比4.73、95%信頼区間1.25-17.88)上昇と関連していた。
e0156318_846360.png
(文献より引用:Figure 2)

結論:
 MSの患者において、重症OSAは独立して肝硬度上昇に寄与していた。これは、この集団において有意に肝疾患が多く予後不良リスクが高いことを示唆する。





by otowelt | 2018-06-26 00:35 | 呼吸器その他

IPF急性増悪における血清フェリチン高値は予後不良因子

e0156318_7331272.jpg CADMではよく知られた予後不良因子の1つですが、報告によっては有意なバイオマーカーではないという意見もあります。

Enomoto N, et al.
Prognostic evaluation of serum ferritin in acute exacerbation of idiopathic pulmonary fibrosis.
Clin Respir J. 2018 Jun 5. doi: 10.1111/crj.12918. [Epub ahead of print]


背景:
 IPF急性増悪(AE-IPF)は、きわめて予後不良である。急速進行性間質性肺炎を呈するCADMにおいて血清フェリチンは重要な予後予測因子とされているが、AE-IPFの病態生理におけるフェリチンの役割はよく分かっていない。

目的:
 AE-IPF患者における血清フェリチンの臨床的意義を明らかにすること。

方法:
 1997~2015年にわれわれの施設に、37人(48エピソード)のAE-IPF患者がおり、後ろ向きに検討した。

結果:
 AE-IPF患者はIPF診断時のベースラインから血清フェリチンが有意に高かった(p = 0.0017)。ROC解析では、急性増悪のふるい分けにカットオフ値174pg/mLが適用された。AE-IPF患者で抗MDA-5抗体陽性例はいなかった。高フェリチン血症(174pg/mL以上)の患者は、急性増悪前の%努力性肺活量および%DLCOが低く、フェリチンが著増している群(500ng/mL以上)では低フェリチン群よりも予後不良だった(p=0.024)。剖検での免疫組織化学染色では、フェリチンを産生している肺胞マクロファージが観察された。最終的に、多変量Cox比例ハザード分析では、血清フェリチン500ng/mL以上は有意な予後不良因子だった(ハザード比5.280、p=0.046)。

結論:
 AE-IPF患者において血清フェリチン高値は予後不良と関連していた。



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by otowelt | 2018-06-25 00:54 | びまん性肺疾患

6分間歩行試験に思う

e0156318_10471371.png 6分間歩行試験(6MWT)は患者さんの、移動能力を調べて運動耐容能を評価する検査です。呼吸器内科では主に、COPDや間質性肺疾患(ILD)の運動耐容能を評価するためにおこなわれており、当院でも毎日複数の患者さんに6MWTが実施されています。

 6MWTは主に以下の目的で行われています。

・疾患によって運動能力がどの程度障害されているか知るため。
・患者さんにとってどの程度の運動が妥当であるか知るため。
・COPDやILDの重症度を評価するため、それによって日常生活がどのくらい障害されているか知るため
・労作時の呼吸困難や酸素飽和度の低下を調べるため、また酸素療法の必要性を判断するため。
・治療やリハビリテーションの効果を知るため。


※ATS(AmericanThoracic Society)のガイドライン1)では、パルスオキシメーターによる酸素飽和度測定は必要とされていませんが、日本では安全のために歩行時に酸素飽和度を測定するのが一般的です。また、特発性間質性肺炎では特定疾患の申請に際して6MWTの最低酸素飽和度の数値が必要になります。これは、6MWT における最低酸素飽和度がIPF の予後不良因子とされているためです2)

 トレッドミルのような強い運動負荷をかけるわけではありませんが、基本的に不安定狭心症や心筋梗塞のリスクが高い人は禁忌とされています。また、まったく歩行ができない介護を要する人にも6MWTは適用されません。当然です。

 6分間、ずっとどこかに向かって歩き続けるわけではなく、限られた直線コースを往復することでその距離が測定されます。しんどければ途中で休憩をとってもらっても構いません。呼吸困難感の程度の評価のために、当院では修正Borgスケールを用いています。リッカード尺度に代表される順序カテゴリー尺度とはちがい、おのおののポイント間は等間隔性を有すると考えられており、4点は2点の2倍、8点は4点の2倍という評価が可能で、同じ被験者における経時的な変化を検出するのに優れた呼吸困難感の指標だからです。

 さて、慢性呼吸器疾患だからといって運動耐容能評価のために常に6MWTを用いればよいわけではありません。もっとも注意されるべきは、変形性関節症や閉塞性動脈硬化症などを合併している進行性の歩行障害を併存している患者さんです。それらがコントロール不良の場合、6MWTの実施自体がほぼ無意味になります。

 変形性関節症の患者さんでも、その歩行距離・歩行速度が疾患の病態把握に有用で他の運動耐容能検査と相関性があるため3),4)、実施している病院もあります。しかし、整形外科疾患と呼吸器疾患の2つを有している場合、6MWTの結果がどちらの疾患の影響を反映しているのかまったく分かりません。ただでさえ、運動負荷強度の設定や再現性にバイアスがある検査なのに、評価疾患が2つあると、ワケがわからなくなってしまう。そのため、十分にコントロールされていない非呼吸器疾患がある患者さんでは、6MWTの評価は医療従事者の自己満足で終わってしまいます。

 フラフラで杖を突いている高齢者が「よーい、はじめ!」と6MWTをトライされる場合、さすがに定量的評価は厳しいだろうと思います。6分間歩行距離は、ワンポイントで評価するのではなく、経時的変化をみることが最も重要で、その日の膝の調子の良し悪しや、杖を買い替えただけでも変化することをわれわれは知っておかねばなりません。

 定量的評価という検査理念の上にあぐらをかかないようにしたいものです。これは、自らに対する戒めでもあります。


(参考文献)
1) ATS Committee on Proficiency Standards for Clinical Pulmonary Function Laboratories. ATS statement: guidelines for the six-minute walk test. Am J Respir Crit Care Med. 2002 Jul 1;166(1):111-7.
2) Nishiyama O, et al. A simple assessment of dyspnoea as a prognostic indicator in idiopathic pulmonary fibrosis. Eur Respir J. 2010 Nov;36(5):1067-72.
3) Kennedy DM, et al. Assessing stability and change of four performance measures: a longitudinal study evaluating outcome following total hip and knee arthroplasty. BMC Musculoskelet Disord. 2005 Jan 28;6:3.
4) Maly MR, et al. Determinants of self-report outcome measures in people with knee osteoarthritis. Arch Phys Med Rehabil. 2006 Jan;87(1):96-104.



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by otowelt | 2018-06-22 00:21 | びまん性肺疾患

REALサーベイ:COPDの吸入薬アドヒアランス

e0156318_1633480.jpg ノバルティスファーマ寄りの論文ですが、ビデオよりデモンストレーションの方がよいというのは納得の結果です。

Price D, et al.
Factors associated with appropriate inhaler use in patients with COPD - lessons from the REAL survey.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2018, 26;13:695-702.


背景:
 吸入薬のアドヒアランス不良および吸入薬の不適切使用は、COPD患者のマネジメントに大きな障壁となる。医療従事者はアドヒアランスを維持するためや適切な吸入薬使用を教育するために重要な役割を担っている。しかしながら、多くの患者は適切な吸入薬トレーニングを受けておらず、技術チェックも受けたことがない。

方法:
 このREALサーベイでは、COPD維持治療に対して販売されている吸入薬の適切使用、吸入手技、アドヒアランスなど23の質問を電話でおこなった。

結果:
 2016年1月4日~2016年2月日までサーベイが実施された。合計764人の軽症~超重症COPD患者が登録された。平均年齢は56±9.8歳である。使用吸入薬の内訳は、ブリーズヘラー186人、エリプタ191人、ジェヌエア194人、レスピマット201人だった。患者申告アドヒアランスは、高齢者と比べると若年者の方が有意に不良だった(p=0.020)。患者の83%は、対人におけるデモンストレーションは「とても役立つ」と答えた。患者の好むトレーニング方法は以下の通りだった、デモンストレーション83%、ビデオ58%、使用説明51%、リーフレット34%。29%の患者は少なくとも2年の間に医療従事者から吸入手技のチェックを受けていなかった。チェックを受けた患者は、受けていない患者よりもアドヒアランスが良好だった(p=0.020)。ブリーズヘラーを用いた患者のほとんどは、吸入できているという実感が良好と回答しており、これはジェヌエア、エリプタ、レスピマットよりも頻度が高かった。最終30日のアドヒアランスはブリーズヘラーが最も高かった。
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(文献より引用:患者の好むトレーニング方法)

結論:
 COPDの維持治療において正しく吸入薬を用いることが重要だが、患者の年齢などを考慮して適切な手法を選ぶべきである。対人的なデモンストレーションがもっとも好ましい。




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by otowelt | 2018-06-21 00:16 | 気管支喘息・COPD

結核性胸膜炎に対するプレドニゾロン併用治療はその後の後遺症を軽減

e0156318_9552565.jpg 結核の胸水には基本的に手を出さなくてよいというのがセオリーですが、興味深い報告ですね。

Sun F, et al.
Adjunctive use of prednisolone in the treatment of free-flowing tuberculous pleural effusion: A retrospective cohort study.
Respir Med. 2018 Jun;139:86-90.


背景:
 抗結核薬治療のステロイド治療の併用は、結核性胸膜炎(TPE)の患者において利益があるとされているが、ルーチンで用いることのデータは不足している。TPEはfree-flowing typeとloculated typeに分類した。われわれは、free-flowing typeのTPEに対するプレドニゾロン併用が機能的後遺症、胸膜肥厚、胸膜癒着に与える効果を評価した。

方法:
 これは、2013年1月~2016年12月に実施された後ろ向きコホート研究である(ChiCTR-ORC-16009267)。TPEと診断された全患者は、標準的4剤併用療法で治療され、胸水は完全に排液された。われわれは、レントゲン上の後遺症(胸膜肥厚>2mm、胸膜癒着、CP angle>90°)あるいは拘束性機能障害(1秒量/予測1秒量あるいは全肺気量/予測全肺気量<80%)の複合アウトカムをステロイド使用群と非使用群で比較した。

結果:
 135人が登録され、56人がプレドニゾロン併用治療を受け、79人が併用治療を受けなかった。レントゲン上の後遺症あるいは拘束性機能障害の後遺症の複合アウトカムは、プレドニゾロン併用治療群の方が有意に少なかった(51.8% vs. 75.9%; 率比2.83, 95%信頼区間1.27-6.31, P = 0.011)。重篤な合併症はみられなかった。

結論:
 HIV陰性のfree-flowing typeのTPE患者に対して、プレドニゾロン併用治療はレントゲン上の後遺症あるいは拘束性機能障害の後遺症の複合アウトカムの発症を減らした。



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by otowelt | 2018-06-20 00:57 | 抗酸菌感染症

IMpower150試験:転移性非扁平上皮NSCLCに対する化学療法+ベバシズマブ+アテゾリズマブ

e0156318_8124310.jpg 言わずと知れた研究ですが、一応。

Mark A. Socinski, et al.
Atezolizumab for First-Line Treatment of Metastatic Nonsquamous NSCLC
N Engl J Med 2018; 378:2288-2301


背景:
 アテゾリズマブの癌細胞を殺傷する効果については、ベバシズマブで阻害することで血管内皮増殖因子を介する免疫抑制が増強される可能性が示唆されている。本第3相試験では、これまで化学療法歴のない転移性非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象にアテゾリズマブ+ベバシズマブ+化学療法の併用を評価した。

方法:
 登録患者をアテゾリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル(ACP)群、ベバシズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル(BCP)群、アテゾリズマブ+BCP(ABCP)群のいずれかにランダムに割り付け、3週ごとの投与を4あるいは6サイクル行い、続いてアテゾリズマブ、ベバシズマブ、またはアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用による維持療法を行った。プライマリエンドポイントは、野生型遺伝子を有するITT集団患者(WT集団:EGFR/ALK 遺伝子変異陽性例は除く)と、腫瘍にエフェクターT細胞(Teff)の遺伝子特徴が高発現しているWT集団患者(Teff高発現WT集団)の両方における医師の評価による無増悪生存と、WT集団における全生存の2つと規定した。まずABCP群とBCP群を比較し、その後にACP群とBCP群を比較した。

結果:
 WT集団では、356人がABCP群に336人がBCP群に割り付けられた。PFS中央値はABCP群のほうがBCP群よりも有意に長く(8.3 ヶ月 vs 6.8 ヶ月,病勢進行または死亡のハザード比 0.62、95%信頼区間0.52~0.74、P<0.001)、Teff高発現WT集団ではABCP群11.3 ヶ月,BCP群 6.8ヶ月だった(ハザード比 0.51 、95%信頼区間0.38~0.68,P<0.001)。PFSは、ITT集団全体(EGFR/ALK 遺伝子変異陽性例を含む)においても、PD-L1低発現または陰性例、Teff遺伝子特徴低発現例、肝転移例のいずれにおいても、ABCP群のほうがBCP群より長かった。WT集団のOS中央値は、ABCP群のほうがBCP群より有意に長かった(19.2 ヶ月 vs 14.7 ヶ月,死亡ハザード比 0.78、95%信頼区間0.64~0.96、P=0.02)。ABCPの安全性プロファイルは、過去の研究データと同等だった。

結論:
 転移性非扁平上皮NSCLC患者に対するベバシズマブ+化学療法にアテゾリズマブを追加することによって、PFSおよびOSが有意に延長した。




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by otowelt | 2018-06-19 15:48 | 肺癌・その他腫瘍

患者さんに伝わりにくい医学用語 その4:増悪(ぞうあく)

e0156318_1819237.jpg・増悪(ぞうあく)

医師:「肺炎が少し増悪しているようです。」

患者さん:「ゾウアク・・・ですか?」

 私たち医師は「増悪」という言葉をよく使います。ただ単に病状や疾患が悪化していることを表す言葉ですが、一般の方々にとっては謎の用語の1つです。まだ病院に慣れていない医学生も、「憎悪(ぞうお)」と誤読することがあります。

 「軽快」という言葉は比較的患者さんに伝わりやすいのですが、「増悪」に関してはほとんどの患者さんが「たぶん悪くなっているという言葉なんだろうな」という推測のもと聞いているようです。



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by otowelt | 2018-06-18 00:03 | コラム:伝わりにくい医学用語

貧血はCOPDの長期死亡率を上昇させる

e0156318_1633480.jpg 当院は合併症のあるCOPD患者さんが多く、貧血がないほうが珍しいように思います。

Park SC, et al.
Hemoglobin and mortality in patients with COPD: a nationwide population-based cohort study.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2018 May 16;13:1599-1605. doi: 10.2147/COPD.S159249. eCollection 2018.


目的:
 過去の研究では貧血がCOPD患者の死亡率を上昇させることが示されている。しかしながら、一般集団におけるCOPD死亡率を増加と関連するかどうかはよく分かっていない。この研究の目的は、大規模集団データベースを用いて貧血がCOPDの長期死亡率と関連しているかどうか調べることである。

患者および方法:
 National Health Insurance Service-Health Screening Cohortを用いて、ヘモグロビン値が判明しているCOPD患者を登録した。2003~2013年においてヘモグロビン値とCOPD患者の死亡率の関連を解析した。

結果:
 7114人のCOPD患者が同定された。平均年齢は65.0±9.3歳で、62.9%が男性だった。貧血は469人(6.6%)に観察された。全体で、死亡率は貧血がある群で46.5%、ない群で32.1%だった(p<0.001)。貧血の死亡率に対するハザード比は1.31(95%信頼区間1.11-1.54)であった。貧血のある患者では、ヘモグロビン値は死亡率とよく相関していた。
e0156318_1522452.png
(文献より引用:ヘモグロビン値ごとの生存曲線)

結論:
 貧血はCOPDの長期死亡率を上昇させ、軽度の貧血であっても有意なリスク増加と関連していた。



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by otowelt | 2018-06-15 00:15 | 気管支喘息・COPD