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呼吸器内科医の勤務環境の現状

e0156318_14441648.jpg 呼吸器内科医はマストリード!それにしても10人に1人が年収2000万円以上って本当でしょうか・・・。

山谷睦雄ら.
呼吸器内科勤務医の勤務環境の現状:平成21年度調査との比較
日呼吸誌, 8(2): 81-90, 2019


背景:
日本呼吸器学会将来計画委員会は,呼吸器内科勤務医の地域間の偏在や夜間・休日の長時間勤務,拘束待機,当直翌日の通常勤務の常態化などの勤務状況を指摘してきた。

方法:
 日本呼吸器学会会員および認定施設等の施設長から呼吸器内科勤務医の勤務環境を調査した.

結果:
 1 施設あたりの呼吸器内科医数は全体の平均値で6.2 人,専門医数は平均3.8 人で,病床数に比例して増加の傾向にあり,施設間で格差が大きい特徴があった.施設長の判断による自施設の適正と思われる呼吸器内科医数は7.9人,専門医数は4.8 人であり,実際に勤務している医師数は,適正数に比べてそれぞれ1.7 人,1.0 人不足していた。
 女性支援策は82%の施設でとられ,産前産後休暇が20%,育児休暇が19%,院内保育所16%,短時間正規雇用制度12%,当直の減免17%などであった。
 平日平均勤務時間は週40 時間(1 日8 時間) 以上が67%(2,715 人中1,808 人)であった。.「当直の翌日勤務有り」が98%であり,そのうち85%は通常勤務であった。
 年収は1,000万円未満が減少し(前回31.4%,今回22.8%),2,000万円以上の割合が増加した(前回2.7%,今回10.9%)。
 6割の会員は仕事に対する満足感を示した.

結論:
 呼吸器内科が魅力ある診療科として発展するために,チーム医療による勤務医の負担軽減が求められる.呼吸器内科医の増加が根本的な解決法であり,当委員会の主導で学会を挙げて取り組んでいる.


by otowelt | 2019-04-19 00:31 | 呼吸器その他

実臨床におけるLTBIの意義

e0156318_1302985.jpg 学会誌の論文を2連発で紹介しますが、めちゃくちゃ重要な知見です。LTBIやるとやらないの発病率の差がかなり参考になりますね。

松本 健二ら.
接触者健診における二次患者の発生状況とLTBI治療成績
Kekkaku Vol. 94, No. 2 : 21_26, 2019


目的:
 接触者健診における二次患者の発生と潜在性結核感染症(LTBI)治療成績を検討する。

方法:
 2011~2015 年,大阪市保健所が実施した接触者健診のQFT-3G(QFT)陽性例を対象とした。二次患者の発生とLTBI 治療適用の有無を検討し,LTBI 治療適用例は治療成績と発病の有無を検討した。

結果:
 QFT 実施は6486 例でQFT 陽性は871 例。LTBI 治療適用ありは697 例で,治療成績は完了480 例,中断73 例,未治療81 例であった。2 年以内の発病率は完了0.8%,中断2.7%,未治療8.6% であり,治療成績と発病率に有意差が認められた(p<0.01)。LTBI 治療適用なしは174 例で,理由はQFT陽性判明と同時期に発病判明70 例,既感染と診断13 例等であった。二次患者は84 例で,発病を認めなかったQFT 陽性例に比べ,初発患者の咳の期間3 カ月以上と有空洞の割合が有意に高かった(p<0.05)。

結語:
 二次患者は初発患者の感染性が高く,その発見はQFT 陽性判明と同時期が多く,LTBI治療の時機を逸していたが,LTBI 治療完了例では発病率が有意に低かったため早期発見が重要と考えられた。





by otowelt | 2019-04-18 00:09 | 抗酸菌感染症

喀痰以外の検体における結核菌LAMP

e0156318_1302985.jpg 実臨床的な報告です。

吉多仁子ら.
胃液・気管支鏡・胸水などの検体を用いた核酸増幅検査Loopamp 結核菌群検出試薬キット(TB-LAMP)の検討
Kekkaku Vol. 94, No. 2 : 15_20, 2019


目的:
 喀痰以外の検体を用いた核酸増幅検査Loopamp 結核菌群検出試薬キット(TB-LAMP)を検討したので報告する。

対象:
 2014 年8 月から2018 年3 月の間にTB-LAMP を実施した喀痰以外の検体は996 検体。このうちMGIT が結核菌群(結核菌)陽性の胃液29 検体,気管支鏡検体(BAL)10 検体,胸膜組織3 検体,肺組織2 検体,胸水6 検体,腹水2 検体,膿3 検体,耳漏1 検体の計56 検体と,TB-LAMP 陽性・MGIT 陰性の胃液1 検体,胸水2 検体,膿4 検体,肺組織1 検体の計8 検体を対象とした。

結果:
 MGIT 陽性56 検体中のTB-LAMP の陽性率は83.9%(47/56 検体),平均陽性検出時間は18分55秒。塗抹別では塗抹陽性が陽性率100%(12/12検体),平均陽性検出時間は14分51秒。塗抹陰性陽性率は79.5%(35/44 検体),平均陽性検出時間は19 分41 秒。MGIT 培養陰性8 検体の平均陽性検出時間は17 分05 秒で活動性結核と診断された患者からの検体であった。

まとめ:
 TB-LAMPは喀痰以外の検体に対しても有用であることが分かった。





by otowelt | 2019-04-17 00:38 | 抗酸菌感染症

NPPVのマスクにかかる圧の測定

e0156318_21563989.jpg NPPVのときのマスクの圧に関する実臨床的な報告。面白いです。

Brill AK, et al.
Mask pressure effects on the nasal bridge during short-term noninvasive ventilation.
ERJ Open Res. 2018 Apr 9;4(2). pii: 00168-2017. doi: 10.1183/23120541.00168-2017. eCollection 2018 Apr.


目的:
 この研究の目的は、非侵襲性換気(NIV)中にマスクから鼻梁にかかる圧が、マスクの種類、換気設定、体位によって受ける影響および快適性について調べることである。

方法:
 われわれは18歳以上の健常人20人(男性12人、女性8人)に4つの異なるNIVマスクを装着してNIVを受けてもらい(3つは口鼻マスク[Hospital Fullface、Quattro Air、Comfort Gel Full]、1つは鼻マスク[Easylife])、3種類の換気設定を用いて坐位(IPAP:15, 20, 25 cm H2O)で、またはIPAP20cm H2Oで仰臥位で換気し、鼻梁にかかる圧を測定した。EPAPは5cmH2Oを維持した。客観的な圧測定は、I-Scan pressure-mapping systemを用いた(写真)。主観的なマスクフィットの快適性は、100mmVASで評価した。
e0156318_2335758.png
(写真. I-Scan™)

結果:
 健常者の平均年齢は36±11歳、平均BMIは25.1±3.3 だった。マスクによって鼻梁に平均47.6±29 mmHg~91.9±42.4 mmHgの圧がかかった。全マスクにおいて仰臥位時の圧が低かった(仰臥位:57.1±31.9 mmHg vs 坐位:63.9±37.3 mmHg、p<0.001)。口鼻マスクでは吸気時気道陽圧(IPAP)は鼻梁の圧に影響を与えなかった。主観的な不快感は高IPAPと関連しており、皮膚に対する圧と正の相関をしていた。試験中に合併症はみられなかった。

結論:
 マスクフィット時の皮膚に対する圧を客観的に測定することは、マスク選択の一助となりうる。仰臥位のマスクフィットが、臨床においてルーチンに考慮されるべきである。



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by otowelt | 2019-04-16 00:56 | 集中治療

高齢IPF患者におけるフレイル

e0156318_10574046.jpg 当然の結果ではあるのですが、報告がないそうで。

Sheth JS, et al.
Frailty and geriatric conditions in older patients with idiopathic pulmonary fibrosis.
Respir Med. 2019 Mar;148:6-12.


背景:
 機能的ステータスは、高齢者にとって重要な健康アウトカム予測因子であるが、IPFの集団では研究されてこなかった。この研究は、高齢IPF患者におけるフレイルと老年症候群の頻度を調べることを目的とした。

方法:
 65歳以上のIPF患者がミシガン大学において前向きに登録された。フレイルは、Friedらによるフレイル表現型を用いて診断された。機能的ステータス、加齢症状、症状に特化した質問票が用いられた。胸筋面積の定量的測定を行った。異なるフレイル群のあいだで患者変数を比較した。

結果:
 50人の被験者のうち、48%がフレイルで、40%が2つ以上の老年症候群を有していた。フレイルは加齢、肺機能低下、短い6分間歩行距離、症状スコア高値、併存症の多さ、老年症候群、機能的制限と関連していた(p<0.05)。胸筋面積もほぼ有意な結果だった(p = 0.08)。自己申告の疲労スコア(オッズ比 2.13, 95%信頼区間1.23-3.70, p = 0.0068)および拡散能(オッズ比0.54、95%信頼区間0.35-0.85, p = 0.0071)はフレイルの独立予測因子だった。

結論:
 フレイルと老年症候群は高齢IPF患者ではよくみられる。フレイルの存在は客観的データ(拡散能)および主観的データ(自己申告の疲労スコア)とも関連していた。縦断的な評価によって、IPFの疾患関連アウトカムに対してフレイルが与える影響を調べる必要がある。









by otowelt | 2019-04-15 00:09 | びまん性肺疾患

気管支内自己血パッチは遷延性気胸の治療に有用

e0156318_9511053.jpg これはアイディアの勝利ですね。

Zhang HT, et al.
Management of Persistent Air Leaks Using Endobronchial Autologous Blood Patch and Spigot Occlusion: A Multicentre Randomized Controlled Trial in China.
Respiration. 2019 Mar 22:1-8.


背景:
 二次性自然気胸(SSP)の患者における、適切な遷延性エアリーク(PAL)のマネジメントは議論の余地がある。

目的:
 肺胞-胸膜瘻孔(APF)およびPALがあるSSP患者において、気管支内の自己血+トロンビンパッチ(ABP)およびシリコンスピゴットを用いた気管支閉鎖(BOS)の効果と安全性を評価した。

方法:
 これは、2015年2月から2017年6月までの間、中国の6つある三次医療施設のうちの1つで実施された、水封付き胸腔ドレーン(CTD)、ABP、BOSを比較した多施設共同前向きランダム化比較試験である。APFと診断された患者でPAL(CTD7日間にもかかわらず)および手術不能患者を登録した。評価アウトカムには、観察期間の最終時点における気胸寛解の成功率、エアリークの停止期間、肺拡張、入院期間、合併症が含まれた。

結果:
 150人の患者が3群に分けて解析された(CTD、ABP、BOSそれぞれ50人ずつ)。14日時点でのでの気胸寛解率はCTDで60%、ABPで82%、BOSで84%だった(p=0.008)。すべての期間中評価アウトカムは、ABPとBOSのほうがCTD群よりも有意に良好だった(いずれもp<0.016)。胸痛、咳嗽、発熱などの有害イベントの頻度には有意差はなかった。ABPおよびBOS群の全患者は一時的に血痰を経験した。スピゴットの位置不良はBOS群の8%に起こった。

結論:
 ABPおよびBOSは、高い気胸寛解率、エアリーク停止、肺拡張、入院期間といった臨床的に意義のあるアウトカムにおいて有用であり、安全性プロファイルの懸念もなかった。




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by otowelt | 2019-04-12 00:59 | 気管支鏡

MABA:バテフェンテロールのランダム化比較試験について

e0156318_1633480.jpg MABAについては2015年に記事に書きました。
COPD吸入薬の進化:MABA ~LAMAとLABAの合体?~

COPDの教科書のp146にも将来有望な吸入薬としてコラムを書いております。
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 というわけで、今後MABAのランダム化比較試験が実現しそうです。市場に出てくるかどうかはまだわかりません。

Crim C, et al.
Randomized dose-finding study of batefenterol via dry powder inhaler in patients with COPD.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2019 Mar 8;14:615-629.


背景:
 バテフェンテロール(batefenterol)は、COPDに対する新規の二機能性ムスカリン受容体アンタゴニスト・β2アゴニストである。このランダム化二重盲検プラセボ対照比較IIb相試験の主目的は、バテフェンテロールの量反応をモデルし、第III相試験の用量を選択することである。

患者および方法:
 40歳以上で、予測1秒量が30%~70%のCOPD患者をランダムにバテフェンテロール37.5µg、75µg、150µg、300µg、600µg、プラセボあるいはウメクリジニウム/ビランテロール62.5/25µgを1日1回吸入する群のいずれかに割り付けられた。プライマリエンドポイントとセカンダリエドポイントはそれぞれ荷重平均1秒量(吸入後0-6時間)、トラフ1秒量とされ、投与42日目における用量反応モデルのベイズ推定と最尤推定Emaxから解析された。

結果:
 ITT集団(323人)において、すべてのバテフェンテロール用量は統計学的および臨床的に有意なプライマリ・セカンダリ両エンドポイントのベースラインからの改善を認めた(それぞれ191.1-292.8mL、182.2-244.8mL)。量反応は平坦な形状だった(図)。
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(文献より引用)
 サルブタモールの気道可逆性をみたサブグループでは、バテフェンテロールの用量のあいだで大きな差が出た。バテフェンテロール150µg以上における肺機能の改善は、ウメクリジニウム/ビランテロールと同等だった。バテフェンテロールの忍容性は良好で、あらたな安全性懸念も観察されなかった。

結論:
 バテフェンテロール300µgが第3相試験における適切な用量と思われる。



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by otowelt | 2019-04-11 00:14 | 気管支喘息・COPD

CART解析によるCOPD増悪の予後不良因子

e0156318_1633480.jpg 臨床的にもそうだろうなぁというリスク因子が並んでいますね。

Sprooten RTM, et al.
Risk stratification for short-term mortality at hospital admission for acute exacerbations of COPD.
Respirology. 2019 Mar 21. doi: 10.1111/resp.13538.


背景および目的:
 COPD増悪(ECOPD)は、院内死亡率および短期的死亡率の増加と関連している。有害アウトカムの予想が簡単にできるモデルを作ることで、日々の臨床プラクティスの有用性が増し、意思決定を促進させるかもしれない。われわれは、重症ECOPD後の短期的死亡率とその潜在的予測因子をアセスメントした。CART(Classification and Regression Tree)モデルを用いて、有害アウトカムの予測因子を同定した。

方法:
 マーストリヒト大学医療センターに2011年6月から2014年12月までに入院したECOPDの全患者を含む後ろ向き観察コホート研究が実施された。直近の入院が解析対象となり、背景、臨床的および生化学的データが記録された。

結果:
 合計364人の患者が登録された。平均年齢は70.5±10.2歳で、54.4%が男性で、平均予測1秒量は45.2±17.7%だった。院内死亡率、90日死亡率はそれぞれ8.5%、16.2%だった。90日死亡の独立リスク因子は、PaCO2(オッズ比1.31; 95%信頼区間1.00-0.35), 年齢(オッズ比 1.09; 95%信頼区間0.06-0.11), BMI<18.5 kg/m2 (オッズ比2.72; 95%信頼区間0.53-1.47)、過去2年でECOPDによる入院歴あり(オッズ比1.29; 95%信頼区間-0.14, -0.65)だった。CARTモデルでは、PaCO2≧9.1kPa、年齢>80歳、BMI<18.5 kg/m2、過去のECOPD入院歴がもっとも鑑別できる因子だった。

結論:
 CART解析によれば、PaCO2高値、BMI低値、過去2年のECOPDによる入院歴は、重症ECOPD患者における90日死亡のもっとも強力な予測因子だった。これらの因子がなければ、死亡患者はおらず、このモデルはリスクの層別化に有用であろう。



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by otowelt | 2019-04-10 00:40 | 気管支喘息・COPD

FLORALI-2試験:非侵襲性換気あるいはネーザルハイフローによる前酸素化

e0156318_932349.png 小規模なランダム化比較試験が1つしかない分野に踏み込んだ報告です。

Frat JP, et al.
Non-invasive ventilation versus high-flow nasal cannula oxygen therapy with apnoeic oxygenation for preoxygenation before intubation of patients with acute hypoxaemic respiratory failure: a randomised, multicentre, open-label trial
Lancet Respir Med, March 18, 2019, http://dx.doi.org/10.1016/S2213-2600(19)30048-7


背景:
 非侵襲性換気は、ハイフロー酸素療法と比較して挿管中の重症低酸素血症リスクを減らすかどうかまだ示されていない。われわれは、非侵襲性換気による前酸素化(preoxygenation)がハイフロー酸素療法よりも挿管中の重症低酸素血症リスクを減らす上で効果的かどうか調べるために本研究をおこなった。

方法:
 FLORALI-2試験は、フランスの28のICUで実施された多施設共同オープンラベル試験である。急性低酸素性呼吸不全(PaO2/FiO2比≦300mmHg)に対して気管挿管がおこなわれた成人患者がランダムに1:1の割合で、前酸素化のため非侵襲性換気あるいはハイフロー酸素療法に割り付けられた(PaO2/FiO2比によって層別化:200mmHg以下、200mmHg超)。除外基準は、心肺停止による挿管、意識障害(GCS≦8点)、その他非侵襲性換気の禁忌(直近の喉頭、食道、胃手術、顔面骨折)、パルスオキシメーターが使用できない例、授乳婦、患者拒否など。プライマリアウトカムは、ITT集団における処置中の重症低酸素血症(パルスオキシメーターで80%未満)とした。

結果:
 2016年4月15日~2017年1月8日までに参加28施設において2079人の患者が挿管され、322人が登録された。記録がなかった5人の患者、同意撤回あるいは法律で保護された2人の患者、挿管されなかった1人の患者、心肺停止だった1人の患者が除外された。ITT解析に組み入れられた313人のうち、142人が非侵襲性換気群、171人がハイフロー酸素療法群だった。重症低酸素血症は非侵襲性換気による前酸素化が適用された142人のうち33人(23%)、ハイフロー酸素療法が適用された171人のうち47人(27%)にみられた(絶対差-4.2%、95%信頼区間-13.7~5.5、p=0.39)。中等症から重症の低酸素血症(PaO2/FiO2比≦200mmHg以下)だった242人において、前酸素化のあとに重症低酸素血症を起こす頻度は非侵襲性換気のほうがハイフロー酸素療法より低かった(117人中28人[24%] vs 125人中44人[35%]、補正オッズ比0.56,95%信頼区間0.32-0.99, p=0.0459)。重篤な有害事象に群間差はなく、収縮期動脈血圧の上昇(非侵襲性換気群70人[48%] vs ハイフロー酸素療法群86人[50%])および胸部X線写真上の浸潤影(28人[20%] vs 33人[19%])がもっともよくみられた早期合併症で、28日時点での死亡(53人[37%] vs 58人[34%])およびICU入室中の人工呼吸器関連肺炎(31人[22%] vs 35人[20%])がもっともよくみられた後期合併症だった。
e0156318_16372778.png
(文献より引用:ITT集団における低酸素血症)

結論:
 急性低酸素性呼吸不全の患者において、非侵襲性換気あるいはハイフロー酸素療法による前酸素化には、重症低酸素血症のリスクの軽減に差をもたらさなかった。ベースラインが中等症~重症の低酸素血症の患者において、効果的な前酸素化の方法を今後模索する必要がある。



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by otowelt | 2019-04-09 00:55 | 集中治療

抗PD-(L)1抗体の後にオシメルチニブを投与すると免疫関連有害事象が多くなる

e0156318_1424077.png よく知られた現象ですが、ちゃんと論文化されましたね。

Schoenfeld AJ, et al.
Severe immune related adverse events are common with sequential PD-(L)1 blockade and osimertinib.
Ann Oncol. 2019 Mar 7. pii: mdz077. doi: 10.1093/annonc/mdz077.


背景:
 EGFR陽性非小細胞肺癌(NSCLC)における、抗PD-(L)1抗体とオシメルチニブの併用は、重篤な免疫関連有害事象(irAE)イベントと関連している。抗PD-(L)1抗体は1次治療のアジュバントとしてルーチンに用いられるが、オシメルチニブに引き続いて同薬を用いることで、有害事象の頻度がより高くなったり、予期せぬ重大な毒性を起こしたりするかもしれない。

方法:
 われわれは、薬剤名や遂次投与であるかどうかにかかわらず、抗PD-(L)1抗体とEGFR-TKIの治療を受けたEGFR陽性NSCLC患者を同定した(合計126人)。重篤(グレード3~4)の毒性を同定するために患者診療録がレビューされた。

結果:
 全患者の15%(41人中6人、95%信頼区間7-29%)が抗PD-(L)1抗体のあとにオシメルチニブを遂次投与され、重篤なirAEをきたした。重篤なirAEは、抗PD-(L)1抗体投与3ヶ月以内にオシメルチニブを開始した患者でもっともよくみられた(21人中5人、95%信頼区間10-45%)。抗PD-(L)1抗体投与3~12ヶ月(8人中1人、13%、95%信頼区間0-50%)、12ヶ月以降(12人中0人、0%、95%信頼区間0-28%)よりも多かった。それに反して、オシメルチニブのあとに抗PD-(L)1抗体を投与された患者では重篤なirAEは観察されなかった(29人中0人、95%信頼区間0-14%)。また、他のEGFR-TKIのあとに抗PD-(L)1抗体を投与された患者においても重篤なirAEは観察されなかった(27人中0人、95%信頼区間0-15%)。irAEはオシメルチニブ投与から中央値20日で発症した(範囲14-167日)。irAEを起こした全患者はステロイドを要し、ほとんどが入院を必要とした。

結論:
 抗PD-(L)1抗体のあとにオシメルチニブを投与することは重篤なirAEと関連しており、直近に抗PD-(L)1抗体を投与された患者でよくみられた。オシメルチニブあるいは他のEGFR-TKののあとに抗PD-(L)1抗体を投与してもirAEは観察されなかった。この関連性はオシメルチニブに特異的であり、重篤なirAEは他のEGFR-TKIではみられなかった。





by otowelt | 2019-04-08 00:05 | 肺癌・その他腫瘍