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IPFに対する制酸剤は長期アウトカムに影響を与えない?

e0156318_1543237.jpg もともとエビデンスがはっきりしないところの推奨なので、制酸剤のエビデンスはいずれ崩れるかもしれませんね。

Jo HE, et al.
Gastroesophageal reflux and antacid therapy in IPF: analysis from the Australia IPF Registry.
BMC Pulm Med. 2019 May 3;19(1):84.

背景および目的:
 GERDはIPFにおいて高い頻度でみられ、病態生理にかかわっているかもしれない。近年のIPFガイドラインでは、IPFの全患者に制酸剤を考慮すべきとされている。しかしながら、制酸剤はIPF患者のアウトカムを改善させず、呼吸器感染症のリスクを増加させるというエビデンスが出てきている。

方法:
 制酸剤使用に関するデータ、GERD診断・GERD症状を含む、オーストラリアIPFレジストリからの前向きデータを用いて、生存および疾患の進行に関するGERDの因子を評価した。

結果:
 オーストラリアIPFレジストリにおける684人のうち587人(86%)が組み入れられた。69%の患者が男性で、中等症(%努力性肺活量81.7±21.5%、%DLco48.5±16.4%)の患者の平均年齢は71.0±8.5歳だった。65%(384人)の患者は制酸剤を内服していたが、GERDの診断を受けた患者は243人(41.4%)で、GERD症状がある患者はさらに少なかった(171人、29.1%)。平均FSSGスコアは8.39±7.45で、8点を超えるスコアを有していたのは43%(251人)だった。総じて、制酸剤使用の有無、GERD診断、GERD症状にかかわらず、生存あるいは疾患増悪には有意差はなかった。

結論:
 制酸剤の使用やGERD症状の存在は、いずれもIPF患者の長期アウトカムに影響を与えなかった。制酸剤療法はIPF患者には有益ではない可能性があり、GERD治療はあくまで逆流症状を治療するために個別に考慮されるべきであろう。



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by otowelt | 2019-05-31 00:48 | びまん性肺疾患

COPD患者における握力測定の意義

e0156318_1633480.jpg いくつか類似の報告があったように記憶していますが、サルコペニアと関連する疾患はおおむねこういう結果になりますね。

Wu ZY, et al.
Handgrip strength is associated with dyspnoea and functional exercise capacity in male patients with stable COPD.
Int J Tuberc Lung Dis. 2019 Apr 1;23(4):428-432.


背景:
 握力は、いくつかの疾患における栄養または有害アウトカムの評価に広く用いられている。しかしながら、握力とCOPDパラメータとの関連についてはまだよく知られていない。

目的:
 安定期COPDの男性患者における握力を評価すること、および呼吸困難と機能的運動耐容能の関連をアセスメントすること。

方法:
 外来通院中の安定期COPD男性患者116人を2017年2月から2017年12月までに中国の一般市中病院から登録した。それぞれの患者背景、肺機能検査、呼吸困難、運動耐容能、身体組成、握力が調べられた。

結果:
 握力は、筋肉量、肺機能、6分間歩行距離(6MWD)と有意に正の相関がみられ、修正MRC息切れスケールと負の相関がみられた。多変量線形回帰分析において、年齢、除脂肪体重、6MWD、COPD罹患期間の組み合わせは握力の全分散の43.1%にのぼった。

結論:
 握力は呼吸困難や運動耐容能と相関していた。加齢と疾患はCOPD患者における上肢筋力に影響を与えうる。そのため、握力測定は筋肉機能のアセスメントのためや多面的介入を早期に要する握力低下を同定するうえで簡便な方法かもしれない。



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by otowelt | 2019-05-29 00:57 | 気管支喘息・COPD

PRM-151拡大試験:IPFに対する次世代治療薬の長期安全性と有用性

e0156318_14441648.jpg パンチは弱めの数値ですが、期待しています。

<参考記事>
・IPFに対する遺伝子組み換え型ヒトペントラキシン2は肺機能低下を抑制

GaneshRaghu, et al.
Long-term treatment with recombinant human pentraxin 2 protein in patients with idiopathic pulmonary fibrosis: an open-label extension study
The Lancet Respiratory Medicine Available online 20 May 2019

背景:
 組み換え型ヒトペントラキシン2であるPRM-151で治療された特発性肺線維症(IPF)患者は、28週間におよぶ第2相二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験において、有意に%努力性肺活量(FVC)を減少させ、6分間歩行距離(6MWD)を安定させた(JAMA. 2018 Jun 12;319(22):2299-2307.:上記リンクで記事解説)。ここで、76週におよぶオープンラベル拡大試験の結果を報告する。

方法:
 PRM-151-202試験期間である28週間の二重盲検期間を完遂した患者は、オープンラベル拡大試験に登録された。PRM-151群だった患者は治療を継続し、プラセボ群だった患者はPRM-151にクロスオーバーした。28週サイクルでPRM-151を投与された患者は、初回の週にday1,3,5にローディング用量として10mg/kgを60分で投与され、4週ごとに1回の10mg/kgを点滴を受けた。主要な目的は、PRM-151の長期安全性の検証であり、オープンラベル拡大試験に登録された患者を76週まで追跡した。探索的に有効性解析をおこない、ベースラインからの%FVC、%6MWD変化が調べられた。
e0156318_1122136.png
(文献より引用)

結果:
 二重盲検試験を完遂した116人のうち、111人がオープンラベル拡大試験にすすんだ(76人がPRM-151群由来、37人がプラセボ群由来)。111人のうち84人(76%)がIPF治療(ピルフェニドン55人、ニンテダニブ29人)と併用していた。IPF増悪が4人(4%)、IPF進行が4人(4%)、胸痛が2人(2%)にみられ、重篤な有害事象は21人(19%)に観察され、そのうちIPF増とIPF進行が2人ずつだった。
 長期的なPRM-151の有効性が観察され、継続群ではFVC減少、6MWD減少の抑制が引き続き観察されていた(-3.6%/年、-10.5m/年)。拡大試験でPRM-151を開始した集団でも、プラセボ時期と比較して両アウトカムの悪化を抑制することが示された。
e0156318_1123716.png
(文献より引用)

結論:
 長期PRM-151は、忍容性があり%FVCおよび6MWDの減少を抑制する効果がある。IPF患者に対する大規模なPRM-151臨床試験を実施することを支持するものである。



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by otowelt | 2019-05-26 00:04 | びまん性肺疾患

Novel START試験:シムビコート®頓用は軽症喘息に最適な選択肢?

e0156318_9473145.png 重症喘息に対する治療にばかり目が向くなか、軽症喘息にしぼった実臨床的な臨床試験です。来月のドクターズアイで解説したいと思います。ATS2019ニュースではうっかりSMART療法と書きましたが、厳密にはSMART療法の「M」がベースラインにないので、違いますね。

Richard Beasley, et al.
Controlled Trial of Budesonide–Formoterol as Needed for Mild Asthma
NEJM, May 19, 2019, DOI: 10.1056/NEJMoa1901963


背景:
 二重盲検プラセボ対照試験において、必要時頓用のブデソニド/ホルモテロールは短時間作用性β2刺激薬よりも重症増悪のリスクを減らし、またブデソニド維持療法+SABA頓用と同等のリスクであることが示されている。実診療をより反映するように設計された臨床試験からデータが得られれば有益であろう。

方法:
 われわれは軽症喘息の成人における52週間のランダム化オープンラベル並行群間比較試験を実施した。患者はランダムに3群治療のうちの1つに割り付けられた:サルブタモール(文献ではアルブテロールと記載)(100μg2吸入[pMDI])(サルブタモール群)、ブデソニド(200μg1吸入1日2回[タービュヘイラー])(ブデソニド維持群)、ブデソニド/ホルモテロール(200μg/6μg必要時1吸入頓用)(ブデソニド/ホルモテロール群)。吸入デバイスを電子的に監視し、薬物使用を測定した。プライマリアウトカムは年間喘息増悪率とした。

結果:
 解析にはランダム化された675人のうち668人が含まれた。年間増悪率は、サルブタモール群よりもブデソニド/ホルモテロール群の方が低く(絶対率0.195 vs 0.400、相対率0.49、95%信頼区間0.33-0.72、p<0.001)、ブデソニド維持群とは有意差はなかった(絶対率0.195 vs 0.175、相対率1.12、95%信頼区間0.70-1.79、p=0.65)。重症増悪数はブデソニド/ホルモテロール群のほうがサルブタモール群(9 vs 23, 相対リスク0.40、95%信頼区間0.18-0.86)、ブデソニド維持群(9 vs 21, 相対リスク0.44、95%信頼区間0.20-0.96)よりも低かった。平均(±標準偏差)吸入ブデソニド用量はブデソニド/ホルモテロール群で107±109μg/日、ブデソニド維持群で222±113μg/日だった。有害事象については、過去の臨床試験や実臨床において報告されている頻度やタイプと一致していた。

結論:
 軽症喘息の成人患者を含むオープンラベル試験において、ブデソニド/ホルモテロール頓用使用はサルブタモール頓用使用よりも喘息増悪予防に優れていた。



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by otowelt | 2019-05-25 00:48 | 気管支喘息・COPD

SENSCIS試験:全身性強皮症間質性肺疾患に対するニンテダニブ

e0156318_14441648.jpg ATS速報ニュースでも流しましたが、強皮症ILDに対するオフェブ®の論文です。ATSでも盛り上がりを見せました。

Oliver Distler, et al.
Nintedanib for Systemic Sclerosis–Associated Interstitial Lung Disease
NEJM, May 20, 2019 DOI: 10.1056/NEJMoa1903076


背景:
 間質性肺疾患(ILD)は全身性強皮症(SSc)ではよくみられる表現型であり、SSc関連死亡の主たる原因である。チロシンキナーゼ阻害剤であるニンテダニブは、SScおよびILDの臨床前モデルにおいて抗線維化・抗炎症作用をもたらすことが示されている。

方法:
 われわれはランダム化二重盲検プラセボ対照試験を実施し、SSc関連ILDの患者におけるニンテダニブの有効性と安全性を検証した。過去7年以内に初回非Raynaud現象および最低10%の肺の線維化がある高分解能CTを呈するSScを有する患者を1:1の割合でニンテダニブ150mg1日2回経口投与あるいはプラセボにランダムに割り付けた。ベースラインの肺機能については、%DLCO30~89%、%FVCは40%を必要条件とした。肺高血圧症合併例は除外された。
 プライマリエンドポイントは努力性肺活量(FVC)の年間減少率とし、52週間にわたって調査された。キーセカンダリエンドポイントは、ベースラインから52週までの修正Rodnan皮膚スコア(mRSS)およびSGRQスコアのベースラインからの絶対変化とした。mRSSのMCIDははっきりとしたエビデンスはないが、3-4点あたりではないかと考えられている(Arthritis Res Ther 2019;21:23-23.)。

結果:
 576人が少なくともニンテダニブあるいはプラセボを1回投与された。51.9%がびまん型全身性強皮症であり、48.4%がベースラインにミコフェノール酸を投与されていた。女性のほうが多く、ニンテダニブ群76.7%、プラセボ群73.6%だった。年齢はニンテダニブ群54.6±11.8歳、プラセボ群53.4±12.6歳だった。約半数がdiffuse cutaneous SScだった。ベースラインの%FVCは、ニンテダニブ群72.4±16.8%、プラセボ群72.7±16.6%だった。ベースラインの%DLCOは、ニンテダニブ群52.9±5.1%、プラセボ群53.2±15.1%だった。
 プライマリエンドポイント解析では、補正FVC年間減少はニンテダニブ群-52.4mL/年、プラセボ群-93.3mL/年だった(差41.0mL/年、95%信頼区間2.9-79.0、p=0.04)。欠損データに対する多重代入による感度分析では、プライマリエンドポイント達成P値は0.06から0.10の範囲だった。ベースラインから52週までのmRSSトータルスコアおよびSGRQスコアの変化は統計学的に有意差はなかった(それぞれ-0.21,95%信頼区間-0.94~0.53、p=0.58、1.69、95%信頼区間-0.73~4.12)。下痢がもっともよくみられた副作用イベントであり、ニンテダニブ群の75.7%、プラセボ群の31.6%にみられた。

結論:
 SSc-ILD患者において、ニンテダニブはプラセボよりも年間FVC減少率を減少させるが、その他の表現型に対するニンテニブの利益は臨床的には認められない。この試験におけるニンテダニブの副作用イベントプロファイルは、特発性肺線維症患者で観察されたものと同等で、下痢を含む消化器系の副作用イベントがプラセボよりニンテダニブにおいてよくみられた。




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by otowelt | 2019-05-24 00:28 | びまん性肺疾患

SIENA試験:喀痰好酸球比率が低い喘息患者では吸入ステロイドは効果に乏しい

e0156318_9473145.png 小児持ち越し喘息例は基本的に2型炎症が多いと思っている呼吸器内科医にとって、衝撃的な結果ではあります。

Stephen C. Lazarus, et al.
Mometasone or Tiotropium in Mild Asthma with a Low Sputum Eosinophil Level
NEJM, DOI: 10.1056/NEJMoa1814917


背景:
 多くの軽症持続型喘息患者において、喀痰中好酸球比率は2%未満(低好酸球値)である。これらの患者に対する適切な治療は不明である。

方法:
 この42週におよぶ二重盲検クロスオーバー試験において、われわれは12歳以上の軽症持続型喘息患者295人を登録し、モメタゾン(吸入ステロイド)、チオトロピウム(長時間作用性抗コリン薬)、プラセボのいずれかに割り付けた。患者は喀痰中好酸球比率に応じて層別化された(2%未満あるいは2%以上)。プライマリアウトカムは、事前に規定した喘息コントロールが試験薬のいずれかとプラセボで差があった、喀痰中好酸球比率が低い患者における、プラセボと比較したモメタゾンの反応性およびプラセボと比較したチオトロピウムの反応性である。治療失敗、喘息コントロール日数、1秒量を組み込んだ階層的な複合アウトカムに応じて効果が定められ、両側検定でp値が0.025未満の場合に統計学的に有意とした。セカンダリアウトカムは、喀痰中好酸球比率高値の患者と低値の患者における結果の比較である。

結果:
 患者のち58人(20%)が12~18歳と若年層であった。全体で、73%の患者(221人)が喀痰中好酸球比率低値とみなされた。221人の平均年齢は31.2±13.8歳で、男性は34%だった。喀痰中好酸球比率高値群の患者の平均年齢は31.1±14.2歳で、男性は47%だった。喘息罹患歴は前者が19.2±10.2年、後者が20.0±12.2年で、初発年齢はおおむね7~8歳の小児喘息持ち越し例であった。気道可逆性は喀痰中好酸球比率低値群で9.6±7.1%、高値群で12.7±8.5%だった。ACT中央値は両群ともに21点だった。
 好酸球比率低値だった患者のうち59%が試験薬とプラセボで喘息コントロールに差がみられた。しかしながら、プラセボと比較してモメタゾンあるいはチオトロピウムの反応性に有意差はなかった。喀痰中好酸球比率低値群で効果に差があった患者において、モメタゾンに対して効果が高かった患者(57%、95%信頼区間48-66)とプラセボに対して効果が高かった患者(43%、95%信頼区間34-52)に有意差はなかった(p=0.14)。また、チオトロピウムに対して効果が高かった患者(60%、95%信頼区間51-68%)とプラセボに対して効果が高かった患者(40%、95%信頼区間32-49)にも有意差はなかった(p=0.029)。喀痰好酸球比率高値の患者において、モメタゾンの効果が高かった患者はプラセボよりも有意に高かったが(74% vs 26%)、チオトロピウムとプラセボの間には有意差はなかった(57% vs 43%)。
 有害事象はほとんどみられず、喀痰中好酸球比率低値群と高値群でも有意差は観察されなかった。

結論:
 喀痰中好酸球比率が低い軽症持続型喘息患者のほとんどが、プラセボと比較してモメタゾンやチオトロピウムに有意な効果を示さなかった。これらのデータは、喀痰中好酸球比率が低い患者における吸入ステロイドとその他治療を比較する臨床試験を要することを意味する。



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by otowelt | 2019-05-23 00:05 | 気管支喘息・COPD

ATS2019速報ニュース配信中

e0156318_23131112.png
Facebookページ(URL:Facebook「呼吸器内科医」https://www.facebook.com/pulmonarist)でATS2019の速報ニュースを流しているため、ブログは少しお休みしています。

日本から情報収集しているため情報に偏りがあるかもしれませんが、呼吸器内科医の皆さんは是非チェックしてみてください。TwitterなどのSNS、委託している外国人医師の現地情報収集・ヒアリングに基づく速報です。このほうがトータルコストが少なく、豊富な情報が得られるためです。




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by otowelt | 2019-05-20 00:10 | 呼吸器その他

LUME-Meso試験:悪性胸膜中皮腫のシスプラチン+ペメトレキセドにニンテダニブを上乗せしてもPFSは延長せず

e0156318_1214596.jpg 第2相試験では有効とされていた試験でした。

Giorgio V Scagliotti, et al.
Nintedanib in combination with pemetrexed and cisplatin for chemotherapy-naive patients with advanced malignant pleural mesothelioma (LUME-Meso): a double-blind, randomised, placebo-controlled phase 3 trial
Lancet Respiratory Medicine, DOI:https://doi.org/10.1016/S2213-2600(19)30139-0


背景:
 ニンテダニブは悪性胸膜中皮腫の発症に関連するVEGF、FGF、PGFおよびSrc、Ablのシグナル伝達に関わる受容体を標的としている。そこで、われわれは切除不能悪性胸膜中皮腫に対してシスプラチン+ペメトレキセドにニンテダニブを上乗せした場合の効果と安全性をLUME-Meso試験の最終報告を提示する。

方法:
 これは、世界27ヶ国、120施設で実施された二重盲検第3相試験である。18歳以上の切除不能上皮型悪性胸膜中皮腫で、ECOG PSが0-1である未治療患者をランダムに1:1の割合で、21日サイクル6コースのシスプラチン(day1)+ペメトレキセド(day1)+ニンテダニブ(200mg1日2回、day2-21)あるいはシスプラチン+ペメトレキセド+プラセボのいずれかの群に割り付けられた。6コース後に進行がなかった患者はそのままニンテダニブあるいはプラセボの維持療法を続けた。プライマリエンドポイントは無増悪生存期間(PFS)だった。安全性は試験薬を1回でも投与された患者で評価した。

結果:
 2016年4月14日~2018年1月5日のあいだに、541人の患者がスクリーニングされ、458人がランダムにニンテダニブ上乗せ群(229人)、プラセボ群(229人)に割り付けられた。ニンテダニブ群の治療期間中央値は5.3ヶ月(IQR2.8-7.3ヶ月)で、プラセボ群は5.1ヶ月(IQR2.7-7.8ヶ月だった)。PFSに群間差はみられなかった(ニンテダニブ群6.8ヶ月 vs プラセボ群7.0ヶ月、ハザード比1.01[95%信頼区間0.79-1.30]、p=0.91)。もっともよくみられたグレード3以上の有害事象は、好中球減少(ニンテダニブ群32% vs プラセボ群24%)だった。重篤な有害事象はニンテダニブ群の44%、プラセボ群の39%にみられた。

結論:
 LUME-Meso試験において第2相試験でみられた効果はPFSの観点からは達成されなかった。



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by otowelt | 2019-05-18 00:20 | 肺癌・その他腫瘍

特発性肺線維症では血清アミロイドAが上昇する

e0156318_1543237.jpg さすがに、アミロイドーシスでしか測定したことないです。

Vietri L, et al.
Serum amyloid A in patients with idiopathic pulmonary fibrosis.
Respir Investig. 2019 Apr 26. pii: S2212-5345(19)30051-6. doi: 10.1016/j.resinv.2019.03.010.


背景:
 血清アミロイドA(SAA)は、活性化単球からの前炎症性サイトカインに反応し肝臓から産生されるアポリポプロテイン(12-14kDa)である。SAAの前駆体はサルコイドーシスの病因に関与する急性期タンパク質であり、COPDおよび肺癌の増悪時に増加することが分かっている。しかしながら、組織学的・放射線学的にUIPパターンを呈する間質性肺炎としてもっともよくみられる重症の特発性疾患である特発性肺線維症(IPF)の患者におけるSAA濃度の有用性についてはデータがない。この予備研究の目的は、IPF患者におけるSAA濃度を調べ、臨床バイオマーカーとしてのその潜在的用途を探索することである。

方法:
 SAA濃度は、IPF患者21人(14人が男性、平均年齢64.8±8.1歳)でELISA法を用いて測定され、健康なコントロール患者11人(3人が男性、平均年齢55±11.3歳)と比較された。臨床的、機能的、免疫学的データがデータベースから採取された。

結果:
 SAA濃度はコントロール患者よりIPF患者で有意に高かった(p = 0.03)。ROC解析では、カットオフ値 6067 ng/mlにおいて、感度70.59%、特異度90.91%であった。
e0156318_1753430.png
(文献より引用)

 IPF患者では、SAAとHDLコレステロール(r = -0.62, p = 0.05)および%努力性肺活量(r = -0.52, p = 0.01)の間に有意な相関がみられた。
 SAA濃度が上位75パーセンタイルにいる集団は、有意に生存期間が短かった。
e0156318_1794671.png
(文献より引用)

結論:
 SAAはIPF患者における疾患重症度の有望なマーカーである。われわれの予備的データは、このまれな疾患における脂質代謝変化が潜在的な病理学的役割を持つと示している。



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by otowelt | 2019-05-17 00:44 | びまん性肺疾患

慢性咳嗽に対するgefapixant

e0156318_8413789.png 有名なMorice先生の論文です。

Morice AH, et al.
The Effect of Gefapixant, a P2X3 antagonist, on Cough Reflex Sensitivity: A randomised placebo-controlled study.
Eur Respir J. 2019 Apr 25. pii: 1900439.


背景:
 われわれは、誘発咳嗽試験における咳反射感受性に対するgefapixantの効果を検証した。

方法:
 この第2相二重盲検2期間試験において、慢性咳嗽(CC)患者と健康ボランティア(HV)がランダムにgefapixant 100mgあるいはプラセボにクロスオーバーデザインで割り付けられた。引き続きATP、クエン酸、カプサイシン、蒸留水の吸入を、内服後1,3,5時間でそれぞれ実施した。2回および5回の咳嗽誘発の平均濃度(C2、C5)がベースラインと内服後で比較され、これを複合プライマリエンドポイントとした。客観的咳嗽頻度(咳嗽/時間)を24時間測定し、咳嗽重症度VASがCC患者で調べられた。有害事象(AE)がモニターされた。

結果:
 24人のCCおよび12人のHVがランダム化された(平均年齢はそれぞれ61、38歳)。ATPによる咳嗽誘発は、CC群でプラセボと比較したgefapixantでC2:4.7倍(p<0.001)、C5:3.7倍(p=0.007)だった。HVではC2、C5は2.4倍だった(C3:p=0.113、C5:p=0.003)。CC群において蒸留水ではC2およびC5は有意に上昇した(p<0.001)。gefapixantはカプサイシンあるいはクエン酸試験に影響を与えなかった。CC患者において、プラセボと比較してgefapixantは咳嗽頻度を中央値で42%、最小2乗咳嗽重症度VASを18mm少なくした。味覚障害がもっともよくみられるAEだった(HV75%、CC67%)。
e0156318_8501584.png
(文献より引用)

結論:
 ATP誘発咳嗽は、gefapixant 100mgで有意に抑制された。咳嗽数や重症度はCC患者で有意に減った。蒸留水はプリン作動性経路を通して咳を引き起こすことがある。



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by otowelt | 2019-05-16 00:25 | 呼吸器その他