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COPD増悪に対するNIVのモード選択:PSV vs ASV

e0156318_116740.png 実臨床的でも、ASVが増えてきましたね。

Sehgal IS, et al.
A Randomized Controlled Trial of Noninvasive Ventilation with Pressure Support Ventilation and Adaptive Support Ventilation in Acute Exacerbation of COPD: A Feasibility Study.
COPD. 2019 Jun 4:1-6.


背景:
 非侵襲性換気(NIV)におけるadaptive support ventilation (ASV)は、圧サポート換気(PSV)と同等の効果を有するのかまだよくわかっていない。

方法:
 この探索的研究において、われわれはNIVのPSVとASV比較した。COPD急性増悪患者を連続して登録し、それぞれにランダムに割り付けた。プライマリアウトカムはNIVの失敗(挿管、NIV中断して48時間以内の再装着あるいは死亡)とした。セカンダリアウトカムは、人工呼吸器装着期間(IPPVおよびNIV)、NIV操作数、主治医評価による簡便性および患者快適度のVAS、NIV使用による合併症とした。

結果:
 74人の患者(PSV38人、ASV36人、78.4%が男性)が登録され、平均年齢は60.5±9.5歳だった。ベースライン特性は両群同等だった。NIV失敗率は全体で28.4%で、両群に有意差はなかった(PSV34.2%、ASV22.2%、p=0.31)。挿管率はASVのほうが9%低かった。6人の死亡があった(PSV2人、ASV4人、p=0.311)。セカンダリアウトカムには差はなかった。

結論:
 COPD急性増悪に対するNIVでASVモードを用いることは、PSVと同様の成功率を有する。本研究は小規模であるため、さらに大規模な臨床試験で検証されるべきである。





by otowelt | 2019-06-28 00:55 | 気管支喘息・COPD

プレアルブミンはIPFの予後不良因子

e0156318_14441648.jpg 栄養指標はおおむね予後不良因子として知られていますね。

Li B, et al.
Serum prealbumin is a prognostic indicator in idiopathic pulmonary fibrosis.
Clin Respir J. 2019 May 18. doi: 10.1111/crj.13050.


背景:
 特発性肺線維症(IPF)はさまざまな経過をたどる致死的な間質性肺疾患。プレアルブミン(PA)は、ルーチンで測定される血液生化学検査である。われわれは、IPF患者の予後予測的な価値があると考えた。

目的:
 IPF患者におけるPAの予後予測価値を調べること。

方法:
 中国2施設において2012年7月から2016年12月までにIPF患者の血液生化学検査、患者特性、肺機能検査データを収集した。感染例、肝腎機能障害、肺移植例はコホートから除外した。

結果:
 多変量Cox回帰分析では、PAは、BMI、努力性肺活量(FVC)、血清アルブミン、血清相タンパクとともに、IPFの有意な予後予測因子であった。PA < 0.2 mg/Lは、PA正常例よりも生存期間が短かった。PA < 0.2 mg/Lおよびアルブミン35g/Lの患者は、PA < 0.2 mg/Lの患者と生存期間に差はなかったが、PA < 0.2 mg/Lおよびアルブミン35g/Lの患者の平均生存期間は短かった。

結論:
 われわれの研究では、PA < 0.2 mg/LのIPF患者は予後不良だった。さらなる研究によって、IPF患者におけるPAの予後予測能や病態生理を解明する必要があろう。



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by otowelt | 2019-06-27 00:10 | びまん性肺疾患

ALK阻害剤による薬剤性肺炎の頻度

e0156318_8124310.jpg 日本人において有意に高いというのはEGFR-TKIも同様の結果ですね。

Suh CH, et al.
The incidence of ALK inhibitor-related pneumonitis in advanced non-small-cell lung cancer patients: A systematic review and meta-analysis.
Lung Cancer. 2019 Jun;132:79-86. doi: 10.1016/j.lungcan.2019.04.015.


背景:
 われわれは、進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者におけるALK阻害剤の薬剤性肺炎の頻度を評価し、ALK阻害剤関連肺炎の予測因子を同定するために、異なるコホートと比較した。

方法:
 MEDLINE、EMBASEを用いて2018年1月30日までのデータを収集した。各ALKの名称を検索し、ALK阻害剤単独で治療されたNSCLC患者から構成される20コホート・2261人の患者が登録された。全グレードの肺炎データを集めた。

結果:
 薬剤性肺炎の頻度は全グレードで2.14%(95%信頼区間1.37-3.34)で、高グレードのものは1.33%(95%信頼区間0.80-2.21)だった。グレード5は0.22%(95%信頼区間0.09-0.52)だった。日本での研究のほうが、海外のものに比べて頻度が高かった(全グレード:6.25% vs 1.14%、p<0.001、高グレード3.31% vs 0.39%、p<0.001)。ALK阻害剤のタイプによって補正をおこなった多変量回帰分析においても、日本におけるコホートは薬剤性肺炎のオッズ比を上昇させた(オッズ比4.329、95%信頼区間1.918-9.770, p<0.001)。
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(文献より引用)

結論:
 進行NSCLCにおける薬剤性肺炎の頻度は2.14%だった。日本のコホート患者ではALK阻害剤による肺炎が多く、日本人患者に対して治療を行う場合には注意が必要である。





by otowelt | 2019-06-26 00:45 | 肺癌・その他腫瘍

モザイクパターンはIPFでもよくみられる

e0156318_10574046.jpg モザイクパターンらしい所見があると、CHP>IPFという風潮に流れるは不自然だなと思っていましたが、このあたりの疾患は極めてheterogeneousな集まりを分類しているという認識なので、そもそも二元論ありきなのもしっくりきていません。
 
Barnett J, et al.
Variable Utility of Mosaic Attenuation to Distinguish Fibrotic Hypersensitivity Pneumonitis from Idiopathic Pulmonary Fibrosis.
Eur Respir J. 2019 Jun 4. pii: 1900531. doi: 10.1183/13993003.00531-2019.

背景:
 CTにおけるモザイクパターンは、特発性肺線維症(IPF)とは対照的に、線維性過敏性肺炎(FHP)の重要な診断的特徴として国際ガイドラインで認識されている。しかしながら、モザイクパターンには、複数の異なる放射線学的徴候(low density lobules[LDL]、preserved lobules [PL]、air trapping [AT]、そしていわゆる"headcheese sign")が提示されており、診断有用性が異なる可能性がある。さらに2疾患における鑑別にモザイクパターンの拡がりの差が必要かどうかは定かではなく、国際ガイドラインにおいても妥当性の検証はされていない。

方法:
 吸気および呼気CTが102人の患者(IPF57人、FHP45人)で実施され2人の専門家によってモザイクパターンの半定量スコアリングが評価された。所見については外的妥当性の検証がなされた(IPF34人、FHP28人)。

結果:
 LDLおよびATはIPFでよく観察され、患者の51%にのぼった。ガイドライン(ATSおよびFleischner Society)に基づくLDLおよびATの拡がりの増加は、FHPの診断特異度上昇と関連していたが(それぞれ96%、98%)、感度は低下させた(それぞれ16%、20%)。headcheese signは、FHP診断に高い特異度を有し(93%)、中等度の感度(49%)を有していた。外部コホートにおいて、headcheese signは、FHPに特徴的とされるCT所見の妥当性が否定される中、高い特異度を維持した(読影者1,2でそれぞれ94%、95%)。
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(文献より引用)

結論:
 モザイクパターンはIPFでも頻繁にみられる所見である。しかしながら、headcheese signはIPF診断にはそぐわず、FHPに特異的と考えられる所見である。



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by otowelt | 2019-06-25 00:58 | びまん性肺疾患

中等症OSAを有する高齢者にCPAP治療は有効

e0156318_117241.png 高齢者に対するエビデンスって少なかったですよね。非肥満例が多いので、日本人に対してはそのあたりが気になります。

Ponce S, et al.
The role of CPAP treatment in elderly patients with moderate obstructive sleep apnea. A Multicenter Randomised Controlled Trial.
Eur Respir J. 2019 Jun 4. pii: 1900518. doi: 10.1183/13993003.00518-2019.


背景:
 非重症閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)のある高齢患者におけるCPAP治療の効果については議論の余地がある。

目的:
 この研究の目的は、中等症OSAを有する高齢患者における、臨床的、QOL、神経認知的側面に対するCPAP治療の効果を検証することである。

方法:
 オープンラベルのランダム化多施設共同臨床試験において、中等症OSA(無呼吸低呼吸指数が15~29.9イベント/時間)のある70歳以上の高齢患者143人が、ランダムにCPAP治療群(73人)、非CPAP治療群(72人)に3ヶ月間割り付けられた。プライマリエンドポイントはエプワース睡眠スケール(ESS)で、セカンダリエンドポイントにはQOL(ケベック睡眠質問票[QSQ])、睡眠関連症状、不安/抑うつの存在、外来血圧、いくつかの神経認知テストが含まれた。解析はITT集団で行われた。

結果:
 平均年齢は74.9±4.6歳だった。CPA治療群は、ESSを有意に改善した(補正差2.6[95%信頼区間3.6-1.6]、効果量:1)。またいくつかの睡眠関連症状とQSQ質問票を改善した(夜間症状:0.7、95%信頼区間0.3-1、p<0.001、感情面:0.4、95%信頼区間0.1-0.7、p=0.023)。しかしながら、神経認知テスト(不安と抑うつを含む)あるいは血圧に対する効果は観察されなかった。CPAPの効果とESSおよびQOLドメインの改善には正の相関がみられた。

結論:
 中等症OSAのある高齢患者に対するCPAP治療は、日中の傾眠症状、いくつかの睡眠関連症状やQOLドメインを有意に改善させた。





by otowelt | 2019-06-24 00:06 | 呼吸器その他

吸入薬の図

 未発売のエアロスフィアとジェネリックも含めた、吸入薬一覧です。保険適用に差がある製剤は細分化して記載しています。
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by otowelt | 2019-06-21 09:18 | 気管支喘息・COPD

IPFに対する抗線維化薬は、無治療と比べて死亡リスクを減少

e0156318_10574046.jpg なかなか評価が難しいアウトカムであることはすでに知られていることです。

Timothy M Dempsey, et al.
Clinical Effectiveness of the Anti-Fibrotic Medications for Idiopathic Pulmonary Fibrosis
Am J Respir Crit Care Med. 2019 May 31. doi: 10.1164/rccm.201902-0456OC.


背景:
 承認されてから、抗線維化薬であるピルフェニドンとニンテダニブの死亡率や入院などの臨床的に重要なアウトカムの影響を評価する、リアルワールドまたはランダム化された試験のエビデンスはない。

目的:
 特発性肺線維症(IPF)患者における抗線維化薬の臨床的効果を評価すること。

方法:
 大規模なアメリカの保険データベースを用いて、2014年10月1日から2018年3月1日までに8098人のIPF患者を同定した。抗線維化薬治療を受けた患者(1255人)、治療を受けていない患者(1255人)を比較するため、1対1傾向スコアマッチコホートが設定された。プライマリアウトカムは総死亡率とした。セカンダリアウトカムは急性期での入院とした。サブグループ解析によって、薬事阿寒の死亡率の差が評価された。

結果:
 抗線維化薬使用は総死亡率のリスク減少と関連していた(ハザード比0.77、95%信頼区間0.62-0.98、p=0.034)。しかしながら、この関連は治療開始初期2年のあいだのみに認められた。治療コホートでは、急性期での入院のリスクも減少した(ハザード比0.70、95%信頼区間0.61-0.80、p<0.001)。ピルフェニドンとニンテダニブの治療を受けた患者間の総死亡率に有意差はなかった(ハザード比1.14、95%信頼区間0.79-1.65、p=0.471)。

結論:
 IPF患者において、抗線維化薬は無治療と比べると総死亡率や入院のリスク減少と関連してるかもしれない。さらなる研究によって、これらの治療が早期だけでなく長期的な死亡率を減少させるという仮説が検証されるべきである。



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by otowelt | 2019-06-21 00:07 | びまん性肺疾患

COPDにおけるトリプル吸入療法:テリルジー vs ビレーズトリ

 COPDに対するトリプル吸入療法は論文の世界だけの時代が長らく続きましたが、グラクソスミスクライン社からテリルジー®エリプタが発売され、トリプル吸入療法をおこなっている患者さんをそちらの製剤に移行しているところです。
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 アストラゼネカ社からも、pMDI(エアロスフィア)のトリプル吸入製剤であるビレーズトリ®の製造販売が承認され、COPDに対するトリプル吸入療法はこれで、グラクソスミスクライン社 vs アストラゼネカ社の構図になります。
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 実臨床的には喘息におけるトリプル吸入療法をなんとかしてもらいたいところですが・・・。個人的事情により、私にはアストラゼネカ社からの情報提供はお断りさせていただく意向ですので、SNSなどで世の動向を見守ろうと思います。


by otowelt | 2019-06-20 07:48 | 気管支喘息・COPD

気胸に対する早期自己血胸膜癒着術は有用

e0156318_14441648.jpg 最近、ルーチンで入れてもよいかなと思っています。ただ、ドレーンバッグが真っ赤になるので、ひえー!とおっしゃる患者さんも多いですね。

Ibrahim IM, et al.
Early Autologous Blood-Patch Pleurodesis versus Conservative Management for Treatment of Secondary Spontaneous Pneumothorax.
Thorac Cardiovasc Surg. 2019 Apr;67(3):222-226.


背景:
 自己血パッチ胸膜癒着術は、二次性自然気胸(SSP)の治療オプションとして効果的である。さらに、エアスペース残存の有無を問わず、遷延性エアリークがある場合に用いることができる。しかしながら、自己血パッチ胸膜癒着術の適切なタイミングについてはデータがない。この研究の目的は、SSPにおける保守的マネジメントと早期自己血パッチ胸膜癒着術を比較することである。

方法:
 われわれは、エジプトのミヌフィーヤ大学病院においてランダム化比較試験をおこなった。SSP患者47人がランダムに2群に割り付けられた。A群(23人)は胸腔ドレーン挿入後3日目に自己血50mLを注入する群、B群(24人)は通常の保守的管理をおこなう群である。エアリーク持続期間、胸腔ドレーン挿入期間、入院期間、合併症の頻度が比較された。

結果:
 エアリーク持続期間、胸腔ドレーン抜去までの期間、入院期間はA群のほうがB群よりも有意に短かった。

結論:
 SSP患者に対して早期に自己血を注入することでエアリーク遷延を予防できる可能性がある。全拡張が得られない場合、保守的な管理より有用であろう。



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by otowelt | 2019-06-19 00:54 | 呼吸器その他

酸素流量タイトレーションデバイスの有用性

 これ、以前ATSで紹介されてて、ものすごく興味があるデバイスです。自動的にSpO2低下を検知して、酸素供給量をタイトレーションしてくれるので、SpO2の日内変動がおさえられるという効果があります(図、Respir Care. 2013 Jan;58(1):151-61.)。
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(クローズドループ酸素タイトレーションデバイスと手動タイトレーションの日内変動)

 今回のシステマティックレビューおよびメタアナリシスには国際学会の発表も含んでいますが、基本的には学会発表は入れるべきではないと思います。

Denault MH, et al.
Automatic versus Manual Oxygen Titration in Patients Requiring Supplemental Oxygen in the Hospital: A Systematic Review and Meta-Analysis.
Respiration. 2019 May 24:1-11.


背景:
 クローズドループ酸素タイトレーションデバイス(Closed-loop oxygen titration device:CLOTD)は、低酸素血症や高酸素血症を回避するために開発され、酸素療法を要する呼吸不全の入院患者に用いられるが、その臨床的影響はよくわかっていない。

目的:
 小児および成人で酸素療法を要する入院患者において、CLOTDと手動による酸素タイトレーションの効果を比較すること。

方法:
 ランダム化比較試験のシステマティックレビューおよびメタアナリシスをおこなった。MEDLINE、EMBASE、CENTRALの電子データベース(2018年8月まで)、および呼吸器医学における主要学会の会議録(2015-2018)を検索した。ランダム化比較試験は、CLOTDと手動タイトレーションを入院患者で比較し、入院期間(プライマリアウトカム)、酸素療法必要期間、人工呼吸器の必要性およびその期間、死亡率、ターゲットレンジを超える酸素飽和度の逸脱時間、低酸素血症・高酸素血症の時間をみた。

結果:
 9試験が登録された(354人、成人および新生児を含む)。このうち8試験が盲検下されておらず、高いバイアスリスクを孕んでいた。CLOTDは、入院期間の有意な短縮と関連していた(平均差-2.2日、95%信頼区間-3.8~-0.6; p = 0.009; I2= 0%; n = 237, 2試験)。また、酸素療法が必要な期間の短縮とも関連していた(平均差-1.6日; 95%信頼区間-3.1~0.0; p = 0.05; I2 = 0%; n = 237; 2試験)。人工呼吸器補助やタイトレーション期間の死亡率には有意な差はなかった。また、ターゲットレンジ内に酸素飽和度がおさまる時間の比率は有意に上昇した(平均差18.23%; 95%信頼区間10.93-25.52; I2= 81%; n = 351, 7試験)。

結論:
 入院におけるCLOTDは、入院期間や酸素療法が必要な期間の短縮と関連していた。しかしながら、人工呼吸器補助やタイトレーション期間中の死亡率には影響を与えなかった。バイアスリスクが高い集団での臨床試験に基づく結果であるため、解釈には注意が必要である。





by otowelt | 2019-06-18 00:26 | 呼吸器その他