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SAMBA試験:高齢者自己管理サポートの有用性

SAMBA試験:高齢者自己管理サポートの有用性_e0156318_11352147.png

 現実的にできるか、というハードルが一番高そうですが・・・。それでもこの論文を読むと、個人的な反省点は多いです。
 SAMBAコーチングマニュアルは公開されています

URL:https://static1.squarespace.com/static/5aa05b0d5ffd2076c3f84708/t/5bf01625352f533b08bac2ff/1542460967953/SAMBA+Coach+Initial+Training+Manual.pdf

Federman AD, et al.
Effect of a Self-management Support Intervention on Asthma Outcomes in Older Adults: The SAMBA Study Randomized Clinical Trial.
JAMA Intern Med. 2019 Jun 10. doi: 10.1001/jamainternmed.2019.1201.


背景:
 喘息の高齢者は、若年成人よりもコントロールやアウトカムが不良である。喘息高齢者における自己管理に関する介入は、通常、患者ごとの特定のニーズに合わせて調整されているわけではない。

目的: 
 包括的に高齢喘息患者の自己管理をサポートする上で、臨床および自己管理のアウトカムに対する効果を調べること。

方法と対象:
 2014年2月~2017年12月に、ニューヨーク市のプライマリケアクリニックおよび住宅で実施された3群のランダム化比較試験である。60歳以上の成人で、持続型コントロール不良喘息患者が大学病院センターおよび保健センターの電子カルテから特定された。適格性を評価された1349人のうち、406人が適格基準を満たし、研究参加に同意し、在宅ベースの介入、クリニックベースの介入、またはコントロール群(通常ケア)の3群に割り付けられた。合計391人の患者が割り付けられた治療を受けた。

介入:
 心理社会的、身体的、認知的、環境的喘息管理や自己管理に対する障壁のスクリーニング、および同定された障壁に対処するための行動自己管理。介入は、喘息ケアコーチにより、在宅やプライマリケアクリニックで行われた。
 害虫の問題を抱えている患者は、低所得世帯の居住者が利用できるニューヨーク市が支援する害虫駆除サービスに紹介された。

評価項目:
 プライマリアウトカムは、喘息コントロールテスト(ACT)、ミニ喘息QOL質問票、服薬アドヒアランス評価尺度、定量吸入手技、喘息による救急受診とした。プライマリ解析において、介入(在宅またはクリニックベース)と通常ケアを比較した。

結果:
 治療を受けた391人の患者のうち、58人(15.1%)が男性で、平均(標準偏差)年齢が67.8(7.4)歳だった。ベースラインスコアによる調整後、ACTのスコアは、コントロール群よりも介入群の方が良好だった(3ヶ月時の変化差1.2 [95%信頼区間0.2-2.2]、p=0.02、6ヶ月での変化差1.0 [95%信頼区間0.0-2.1]、p=0.049、12ヶ月での変化差 0.6 [95%信頼区間-0.5-1.8]、p=0.28、全体でχ=13.4、自由度4、p=0.01)。介入群における救急受診は、コントロール群と比較して12ヶ月時に有意に低かった(16 [6.2%] vs 17 [12.7%]、p = 0.03、補正オッズ比0.8 [95%信頼区間0.6-0.99]、p = 0.03)。介入群は、コントロール群と比較して、QOL(全体でχ=10.5、自由度4、p=0.01)、服薬アドヒアランス(全体でχ=9.5、自由度4、p=0.049)、吸入手技(定量吸入手技、12ヶ月時での正しい手技完遂、中央値[範囲]75 %[0-100%] vs 58%[0-100%])に有意な改善が見られた。在宅での介入と、クリニックでの介入との間のアウトカムに、有意差は観察されなかった。

結論:
 患者ニーズと障壁に応じた自己管理に対する介入は、高齢者の喘息アウトカムと自己管理行動を改善した。



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by otowelt | 2019-06-16 00:29 | 気管支喘息・COPD

右中葉の気管支サーモプラスティは可能

右中葉の気管支サーモプラスティは可能_e0156318_9473145.png 一応禁忌的な位置づけになっていますが、そこまでの懸念はないという主張です。

Eisenmann S, et al.
Bronchial Thermoplasty Including the Middle Lobe Bronchus Significantly Improves Lung Function and Quality of Life in Patients Suffering from Severe Asthma.
Lung. 2019 May 27. doi: 10.1007/s00408-019-00240-5.


目的:
 気管支サーモプラスティ(BT)は、重症気管支喘息および最大限治療をおこなっても症状がある気管支喘息の患者に適用される。しかしながら、右中葉に対する処置は現在推奨されていない。この研究は、右中葉気管支に対するBTの安全性と有効性について調べることである。

方法:
 BTは17人の連続患者に実施され、QOLおよび肺機能がBT前およびBT90日後に評価された。さらに、すべてのBTの後にクリーンアップの気管支鏡を実施した。

結果:
 ベースラインの1秒量中央値は1.33(95%信頼区間0.91-1.73)、AQLQ中央値3.01(95%信頼区間2.76-3.61)で、治療90日後の1秒量中央値は1.75L(p=0.002)、AQLQ中央値3.8(p<0.05)だった。
右中葉の気管支サーモプラスティは可能_e0156318_11423675.png
(文献より引用:AQLQ、1秒量)

 必要経口ステロイドの量は有意に減った。処置後重篤な合併症はみられなかった。クリーンアップ気管支鏡では、全BT後に有意な滲出物が観察された。

結論:
 右中葉を含むBTは適用可能である。機能的に制限のある重症喘息患者は、医学的利益を得ることができる。処置に関連した滲出物回収のため、右中葉治療後だけでなく、BT後にクリーンアップ気管支鏡検査をおこなうべきである。



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by otowelt | 2019-06-15 00:50 | 気管支喘息・COPD

IPFの診断遅延のリスク因子

IPFの診断遅延のリスク因子_e0156318_14441648.jpg 国によって違いはあるかもしれませんが、IPFの診断はかなり遅れやすいという報告です。

Hoyer N, et al.
Risk factors for diagnostic delay in idiopathic pulmonary fibrosis.
Respir Res. 2019 May 24;20(1):103.


背景:
 特発性肺線維症(IPF)患者における調査および後ろ向き研究によれば、診断の有意な遅れが指摘されている。しかしながら、この遅れの原因やリスク因子は不明である。

方法:
 IPF診断前の6ポイントの時期(症状発現時、一般開業医初診時、地域病院初診時、間質性肺疾患[ILD]専門施設紹介時、ILD施設初診時、最終診断時)が多施設のIPF患者204人のコホートで記録された。これらの時期に基づいて、診断の遅れについて患者に関連した独自の遅延と病院に関連した遅延に分けた。負の二項回帰モデルによる多変量解析を用いて、背景および臨床データから診断の遅れのリスク因子を同定した。

結果:
 診断の遅れの中央値は2.1年(IQR:0.9-5.0)で、患者因子、一般開業医、地域病院の影響が大きかった。男性は患者側の遅延のリスク因子だった(IRR3.84、95%信頼区間1.17-11.36、p=0.006)。高齢は病院に関連した遅延のリスク因子だった(IRR1.03、95%信頼区間1.01-1.06、p=0.004)。吸入治療を過去に受けている患者ではトータルの遅延は長かった(IRR1.99、95%信頼区間1.40-2.88、p<0.0001)。しかし、気流閉塞のある患者では遅延はなかった。呼吸器症状の誤診は、全患者の41%にのぼった。
IPFの診断遅延のリスク因子_e0156318_13463770.png
(文献より引用)

結論:
 IPFに気づかれることが増えたとはいえ、診断の遅れはいまだに2.1年ある。男性、高齢、他疾患に対する治療のこころみは、IPF診断遅延のリスク因子である。これらのリスク因子に焦点を当てて診断の遅延を減らす努力が必要である。



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by otowelt | 2019-06-13 00:42 | びまん性肺疾患

QFT-Plus初回陰性の落とし穴?

QFT-Plus初回陰性の落とし穴?_e0156318_1302985.jpg これは・・・っ!

石井明日菜ら.
クォンティフェロン®TBゴールド検査の判定保留者に対して実施したT- スポット®.TB検査結果からの一考察
Kekkaku Vol. 94, No. 5 : 367-371, 2019


目的:
 QFT-Plus では判定基準から判定保留がなくなるため,検査結果の判断やその後の対応について保健所での混乱が予想される。そこで,埼玉県内の保健所で実施した,法令に基づく接触者健診におけるQFT-3G およびT-SPOT 検査結果を比較検討し,従来の判定保留の対応について考察した。

対象および方法:
 2014 年4 月から2018 年3 月に依頼があった接触者健診の受検者について,初回のQFT-3G検査で判定保留だった者のうち,再検査としてT-SPOT 検査を実施した465 人を対象として,両検査結果を比較した。

結果:
 QFT-3G 検査結果が判定保留だった465 人のうち,342 人がT-SPOT 検査で陰性となったが,59 人は陽性となった。

考察:
 QFT-Plus では判定基準から判定保留がなくなるため,T-SPOT 検査で陽転した59 人はQFT-Plus 導入後,初回のQFT-Plus 検査で陰性と判定され,感染・発病のリスクがある受検者を見落とす危険性がある。従来の判定保留にある場合は,より慎重な総合的判断が重要である。

結論:
 判定基準の変更に伴い,従来の判定保留の対応に関する方針が示されることが望まれる。


by otowelt | 2019-06-11 00:15 | 抗酸菌感染症

IMpower130試験:非扁平上皮非小細胞肺癌に対する化学療法+アテゾリズマブ

IMpower130試験:非扁平上皮非小細胞肺癌に対する化学療法+アテゾリズマブ_e0156318_10535567.png ベバシズマブはどうからんでくるのでしょうか。国際的に活躍されている専門家の議論を横目で勉強させていただいています。

West H, et al.
Atezolizumab in combination with carboplatin plus nab-paclitaxel chemotherapy compared with chemotherapy alone as first-line treatment for metastatic non-squamous non-small-cell lung cancer (IMpower130): a multicentre, randomised, open-label, phase 3 trial.
Lancet Oncol. 2019 May 20. pii: S1470-2045(19)30167-6. doi: 10.1016/S1470-2045(19)30167-6.


背景:
 アテゾリズマブ(PD-L1モノクローナル抗体)は既治療非小細胞肺癌における全生存を改善し、1次治療において化学療法と併用することで臨床的な利益をもたらすことが示されている。IMpower130試験は、非扁平上皮非小細胞肺癌の1次治療として、化学療法+アテゾリズマブを化学療法単独と比較し、効果と安全性を評価したものである。

方法:
 IMpower130試験はランダム化オープンラベル第3相試験で、8ヶ国(アメリカ、カナダ、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イスラエル)の131施設でおこなわれた。適格基準は、18歳以上で、組織学的あるいは細胞診で病期IVの非扁平上皮非小細胞肺癌と診断され、ECOG PSが0-1で、過去に化学療法を受けていない患者とした。患者はランダムに2:1の割合で、カルボプラチン+ナブパクリタキセル+アテゾリズマブあるいはカルボプラチン+ナブパクリタキセルのいずれかの群に割り付けられた。4-6サイクルの後、維持療法へ移行した。性別、ベースラインの肝転移、PD-L1発現によって層別化された。複合プライマリエンドポイントとして、ドライバー遺伝子野生型のITT集団における無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を設定した。安全性解析は少なくとも1回以上治療薬が投与された場合に評価された。

結果:
 2015年4月16日から2017年2月13日までの間に、724人の患者がランダムに割り付けられ、化学療法+アテゾリズマブ群483人(うち451人が野生型集団)、化学療法群240人(うち228人が野生型集団)となった。ITT野生型集団における追跡期間中央期間は両群同等だった(化学療法+アテゾリズマブ群18.5ヶ月 vs 化学療法群19.2ヶ月)。
 ITT野生型集団において、OS中央値は有意に化学療法+アテゾリズマブ群のほうが長かった(18.6ヶ月 vs 13.9ヶ月、層別化ハザード比0.79[95%信頼区間0.64-0.98]、p=0.033)。
IMpower130試験:非扁平上皮非小細胞肺癌に対する化学療法+アテゾリズマブ_e0156318_1150456.png
(文献より引用:OS)

 またPFS中央値も延長した(7.0ヶ月 vs 5.5ヶ月、層別化ハザード比0.64[95%信頼区間0.54-0.77]、p<0.0001)。
IMpower130試験:非扁平上皮非小細胞肺癌に対する化学療法+アテゾリズマブ_e0156318_11502967.png
(文献より引用:PFS)

 よくみられたグレード3以上の治療関連有害事象は好中球減少症(32% vs 28%)、貧血(29% vs 20%)、好中球減少(12% vs 8%)だった。重篤な治療関連有害事象はそれぞれ24%、13%だった。治療関連死亡は、それぞれ8人、1人だった。

結論:
 病期IVの非扁平上皮非小細胞肺癌において、EGFR/ALK変異のない患者に対する1次治療では、化学療法単独と比べてアテゾリズマブを併用したほうが、OSおよびPFSは臨床的に意義のある延長を示した。





 

by otowelt | 2019-06-09 00:16 | 肺癌・その他腫瘍

KEYNOTE-001試験:ペムブロリズマブ単剤治療5年の効果と安全性

KEYNOTE-001試験:ペムブロリズマブ単剤治療5年の効果と安全性_e0156318_10535567.png 長く効くほど、有効であることが示されています。

Garon EB, et al.
Five-Year Overall Survival for Patients With Advanced Non‒Small-Cell Lung Cancer Treated With Pembrolizumab: Results From the Phase I KEYNOTE-001 Study.
J Clin Oncol. 2019 Jun 2:JCO1900934. doi: 10.1200/JCO.19.00934.


背景:
 ペムブロリズマブ単独治療は、進行PD-L1陽性非小細胞肺癌において持続的な抗腫瘍活性を有する。われわれは第Ib相試験であるKEYNOTE-001試験の5年アウトカムを報告する。このデータは、ペムブロリズマブで治療されたNSCLC患者における効果と安全性を最も長く評価したものである。

方法:
 22C3抗体を用いてPD-L1を免疫組織化学的に評価された局所進行/転移性NSCLC患者がKEYNOTE-001試験に登録された。患者はペムブロリズマブ2mg/kgを3週ごとあるいは10mg/kgを2週または3週ごとに投与され、病勢進行、容認できない毒性発現、治験担当医による中止判断、同意の撤回があるまで継続された。プライマリ効果エンドポイントは、客観的奏効率である。セカンダリエンドポイントとして全生存期間(OS)が評価された。

結果:
 合計101人の未治療NSCLC患者、449人の既治療NSCLC患者が登録された。追跡期間中央値は60.6ヶ月(51.8-77.9ヶ月)だった。2018年11月5日のカットオフデータで、450人(82%)の患者が死亡していた。
 客観的奏効率は、未治療患者で42%(95%信頼区間31.9-51.8%)、既治療患者で22.9%(95%信頼区間19.1-27.1%)だった。未治療例での完全奏効は3.0%、病勢コントロール率は83.2%で、既治療例ではそれぞれ1.1%、58.6%だった。奏効期間中央値は、未治療患者で16.8ヶ月(95%信頼区間2.1-55.7ヶ月)、既治療患者で38.9ヶ月(95%信頼区間1.0-71.8ヶ月)だった。
 未治療患者のOS中央値は22.3ヶ月(95%信頼区間17.1-32.3ヶ月)、既治療患者のOSは10.5ヶ月(95%信頼区間8.6-13.2ヶ月)だった。推定5年全生存は未治療患者の23.2%、既治療患者の15.5%だった。PD-L1発現が50%以上の患者では、推定5年全生存はそれぞれ29.6%、25.0%だった。
KEYNOTE-001試験:ペムブロリズマブ単剤治療5年の効果と安全性_e0156318_11314638.png
(文献より引用:OS)

KEYNOTE-001試験:ペムブロリズマブ単剤治療5年の効果と安全性_e0156318_11362234.png
(文献より引用:OS[PD-L1発現層別化])

 3年時点での解析と比較しても、5年時点での免疫関連有害事象は同等だった。多く観察された副作用は甲状腺機能低下症で、最も重篤な副作用は肺炎だった。

結論:
 未治療・既治療進行NSCLCにおいて、ペムブロリズマブ単独治療は持続的な抗腫瘍活性を有し、高い5年生存率をもたらす。PD-L1発現が50%を超える症例では5年全生存率は25%を超えた。ペムブロリズマブは長期的に効果があり、安全性についても遅発性の懸念はなかった。






 

by otowelt | 2019-06-08 00:49 | 肺癌・その他腫瘍

小児喘息に対するスピリーバ®レスピマットの安全性に問題なし

小児喘息に対するスピリーバ®レスピマットの安全性に問題なし_e0156318_9473145.png 小児でもスピリーバ®レスピマットが使われるようになるでしょうね。

Vogelberg C, et al.
Tiotropium add-on therapy is safe and reduces seasonal worsenings in paediatric asthma patients.
Eur Respir J. 2019 May 16. pii: 1801824. doi: 10.1183/13993003.01824-2018.


背景:
 とりわけ安全面が最優先事項とされている、完全にコントロールされていない小児喘息患者において、効果的で忍容性の高い治療選択におけるアンメットニーズが存在する。

方法:
 1~18歳の有症状喘息患者において、チオトロピウム5µgあるいは2.5µgとプラセボの上乗せ治療を比較した5つのランダム化二重盲検プラセボ対照試験からのデータが用いられた。解析には、副作用イベント(AE)、重篤なAE(SAE)が組み込まれ、治療中および治療30日後に追跡された。

結果:
 1691人が治療され、1119人がチオトロピウムを投与された。AEは全群で低頻度だった:チオトロピウム5 µg群(51%), チオトロピウム2.5 µg群(51%)、プラセボ群(54%)。年齢、疾患重症度、性別を問わず、薬剤関連AE、治療中断を余儀なくされたAE、SAEは全群同等であった。喘息症状と関連したAEの数および喘息増悪は、とりわけ季節性ピークの間において、チオトロピウム5µg群のほうがプラセボ群より低かった。
小児喘息に対するスピリーバ®レスピマットの安全性に問題なし_e0156318_1524495.png
(文献より引用)

小児喘息に対するスピリーバ®レスピマットの安全性に問題なし_e0156318_1595623.png
(季節性:文献より引用)

結論:
 大規模な安全性データベース包括的解析によって、個々の試験では非実用的であったサブグループ分析が可能となり、有症状喘息の小児患者における1日1回チオトロピウム・レスピマット追加療法の安全性がさらに裏付けられた。



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by otowelt | 2019-06-07 00:43 | 気管支喘息・COPD

この20年、肺癌の生存期間はどうなったか?

この20年、肺癌の生存期間はどうなったか?_e0156318_10535567.png EGFR陽性NSCLCやALK陽性NSCLCはこれ以上開発されても、OSがプラトーに達する可能性がありますが、Best is bestには違いないはず。

Takano N, et al.
Improvement in the survival of patients with stage IV non-small-cell lung cancer: Experience in a single institutional 1995-2017.
Lung Cancer. 2019 May;131:69-77. doi: 10.1016/j.lungcan.2019.03.008.


目的:
 過去20年のあいだに、進行非小細胞肺癌(NSCLC)の治療に対して適用されるようになった抗癌剤がいくつか登場し、患者マネジメントは大きく変革した。しかしながら、臨床プラクティスにおける患者の生存的恩恵についての情報は限られている。

方法:
 公益財団法人がん研究会(JFCR)における病期IVのNSCLC患者の生存期間を1995年1月1日から2017年3月1日まで解析した。合計1547人の連続患者がこのケースシリーズに組み入れられた。この解析では、5つの診断時期を評価した:1995~1999年(ピリオドA)、2000~2004年(ピリオドB)、2005年~2009年(ピリオドC)、2010年~2014年(ピリオドD)、2015年~2017年(ピリオドE)。ピリオドごとの全生存期間(OS)を傾向スコアマッチ前後で比較し、またEGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子、その他のドライバー遺伝子の有無によっても比較した。

結果:
 過去20年、病期IVのNSCLC患者のOSは改善した。OS中央値は、ピリオドA:9.0ヶ月、ピリオドB:11.0ヶ月、ピリオドC:13.7ヶ月、ピリオドD:17.9ヶ月だった。ピリオドEは未到達だった。ベースラインの既知の特性について傾向スコアマッチした後でも、OSは同様に改善の傾向を示した。しかしながら、日本でいくつかのチロシンキナーゼ阻害剤が使用できるようになったものの、EGFR遺伝子変異あるいはALK融合遺伝子の患者のOSはこの期間には改善しなかった。ドライバー遺伝子変異がない患者のOSはピリオドEの期間わずかに延長する傾向にあった。

結論:
 病期IVのNSCLCに対する新しいクラスの抗癌剤は、患者の生存期間を有意に延長してきた。しかしながら、同系統の薬物の承認は、生存期間のさらなる改善とは関連しないかもしれない。





by otowelt | 2019-06-06 00:50 | 肺癌・その他腫瘍

気管支鏡後の気胸をルーチンに同定する必要があるか?

気管支鏡後の気胸をルーチンに同定する必要があるか?_e0156318_9511053.jpg 興味深い報告ですが、トータルの気胸の頻度が平均より高いように思います。これだけの症例数を集めたのなら、1%程度であってほしいです。

Centonze CP, et al.
Routine Chest Radiography for the Evaluation of Pneumothorax Following Bronchoscopy.
Acad Radiol. 2019 May;26(5):585-590.


背景および目的:
 気胸を同定するために、気管支鏡後にルーチンで胸部レントゲン写真を撮影する有用性を調べること。

方法:
 この後ろ向きコホート研究は当該施設IRBで承認された。プロトコルに基づいて気管支鏡後レントゲン写真を撮影されたヘルスシステム1施設の全外来患者1443人(2010年1月~2017年7月)が電子診療録から同定された。気胸の頻度(95%信頼区間)および臨床アウトカムが胸部レントゲン写真レポートと電子診療録の追跡により検証された。喫煙歴と肺疾患が気胸発症に与えるリスクはχ二乗検定を用いて同定された。

結果:
 1443人の患者が気管支鏡を受け、6%(1443人中93人)が現喫煙者で、35%(1443人中505人)が既喫煙者だった。35%(1443人中540人)が肺疾患を有していた。全インターベンション後の気胸の頻度は3.4%だった(1443人中49人、95%信頼区間2.6-4.5%)。経気管支手技後の気胸の頻度は4.1%(1032人中42人、95%信頼区間3.9-5.5%)だった。事前に気胸があった患者や偽陽性診断の患者を除外すると、真の気胸の頻度は2.9%(1443人中42人、95%信頼区間2.1-3.9%)だった。気胸のリスクは喫煙歴ごとに差はなく(p=0.99)、肺疾患の既往の有無でも差はなかった(p=0.19)。気胸を起こした49人のうち、13人が有症状で、胸腔ドレーン留置を要した2人、入院を要した3人、観察のみ7人、の10人でマネジメントの変更があった。気胸関連のインターベンションは症状のない患者にはおこなわれなかった。

結論:
 外来気管支鏡インターベンション後の気胸はまれであり、通常無症状で、多くが臨床的に有意な影響をもたらさない。気管支鏡後に無症状の患者は気胸のリスクがとても低いので、ルーチンの画像検査はいらないかもしれない。



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by otowelt | 2019-06-04 00:56 | 気管支鏡

CTガイド下生検のあと、生検側を下にすると気胸が減る

CTガイド下生検のあと、生検側を下にすると気胸が減る_e0156318_14441648.jpg CTガイド下生検後の気胸についての文献が増えてきましたね。以下は参考記事。

・CTガイド下生検後の気胸を減らす方法

 生検側を下にした方が、気胸が半減するようです。

Drumm O, et al.
CT-guided Lung Biopsy: Effect of Biopsy-side Down Position on Pneumothorax and Chest Tube Placement.
Radiology. 2019 May 14:182321. doi: 10.1148/radiol.2019182321.


背景:
 ガントリーテーブル上の仰臥位あるいは腹臥位の体位は、CTガイド下生検の現在の標準的ケアであるが、生検した側を下にすることで気胸の頻度を減らせるかもしれない。

目的:
 CTガイド下肺生検のあと、生検した側を下にすることで気胸、胸腔ドレーン留置、喀血の頻度が減るかどうか調べること。

方法:
 この後ろ向き研究は2013年1月から2016年12月の3次がんセンターで実施された。CTガイド下生検をおこなわれた患者は、標準的な仰臥位あるいは腹臥位か、生検した側を下にする側臥位のいずれかを適用された。体位と気胸頻度、胸腔ドレーン留置、喀血の関連について多変量ロジスティック回帰モデルを用いて調べた。

結果:
 合計373人(平均年齢68±10歳)の連続患者が登録された。196人が女性、177人が男性だった。患者のうち、184人が仰臥位あるいは腹臥位(多くは処置後そのまま安静)、189人が生検側を下にした。気胸の頻度は仰臥位あるいは腹臥位群で27.2%、生検側を下にした体位で10.6%だった(p<0.001)。胸腔ドレーン留置が必要だったのは、仰臥位るいは腹臥位群で5.4%、生検側を下にした体位で4.2%だった(p=0.54)。喀血の頻度は、それぞれ10.3%、5.3%だったが有意差はなかった(p=0.07)。
 多変量ロジスティック回帰分析では、仰臥位あるいは腹臥位の体位(オッズ比2.7、95%信頼区間1.4-4.9, p=0.001)、気腫内を針が通過(オッズ比2.1、95%信頼区間1.1-4.0, p=0.02)、病変のサイズ(オッズ比1.0、95%信頼区間0.9-1.0, p=0.02)が気胸発症の独立リスク因子だった。

結論:
 CTガイド下生検後に生検側を下にした体位をとることで、仰臥位あるいは腹臥位と比べて気胸の頻度を減らすことができる。



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by otowelt | 2019-06-03 00:00 | 呼吸器その他