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本の紹介:かんテキ

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 で、で、で、出たー!「かんテキ」!
 みなさんは、医学生時代、『病気がみえる』(メディックメディア)を読んだことがあると思いますが、どちらかというとあれは国試対策的な意味合いが強かったです。「かんテキ」のすごいところは、きわめて、きわめて、きわめて、実臨床に根差した本であり、すべての医療従事者(看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、臨床工学技士、初期研修医、医学生、MR・・・)にベストマッチする本なのです。

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発売日:2019年9月27日
単行本 : 456ページ
価格 : 3,400円 (税抜)
出版社 : メディカ出版
監修 : 大八木 秀和先生
編集: 宮川 和也先生

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発売日:2019年9月27日
単行本 : 432ページ
価格 : 3,400円 (税抜)
出版社 : メディカ出版
編集 : 岡崎 貴仁 先生、 青木 志郎 先生

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発売日:2019年9月27日
単行本 : 504ページ
価格 : 3,800円 (税抜)
出版社 : メディカ出版
監修: 渡部 欣忍 先生

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 さてさて、この「かんテキ」。手に取ってもらえれば分かりますが、ズシリと重く、400ページをゆうに超える重厚な仕上がり。パラパラと開いてみましょう。イラストと写真がフルカラーで多数掲載されていて、「IABPのタイミング」や「アブレーションの焼灼部位」など、なかなか専門的な内容が網羅されています。そして、病棟看護師がチェックしておきたい、観察項目や術後のケアなどもなんでもかんでも掲載されている。そう、この「かんテキ」には、病気のすべてが詰まっているのです。

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 整形外科は特に写真が多い。看護師やリハビリスタッフなどが、日常生活でどういった体位に注意しなければならないかを知るためにはこの本がオススメです。なぜその体位をとってはいけないのか、理由も詳しく書かれています。

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 各疾患で「これだけは見逃すな」という臨床的に重要なポイントも書かれています。もう、至れり尽くせり、てんこもりの医学書に仕上がっています。
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 恐ろしいのは、この本の安さです。医師向けにつくったら、たぶん安くても5,800円くらいになってしまうところ、な、な、なんと驚きの3,000円台!分厚い本がこんなに安いなんて、ああ夢じゃないかしら。Amazonにも見本ページが多数掲載されており、それを見てから購入を決めてもよいでしょう。

 CMをするなら、IKKOさんにお願いしたいところですね。「かんテキ~」。













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by otowelt | 2019-09-30 00:04 | その他

β2受容体ジェノタイプはCOPD重症増悪に影響を与える

e0156318_10352341.png ADRB2は喘息でも検討されていますね。

Ingebrigtsen TS, et al.
β2-Adrenergic genotypes and risk of severe exacerbations in COPD: a prospective cohort study.
Thorax. 2019 Sep 3. pii: thoraxjnl-2018-212340. doi: 10.1136/thoraxjnl-2018-212340.


背景:
 COPD増悪に対する個々の感受性は、遺伝的因子によって左右される。しかしながら、この変動性についてはまだよくわかっていない。われわれは、β2アドレナリン受容体のジェノタイプである、Gly16Arg (rs1042713, c.46G>A)およびGln27Glu (rs1042714, c.79C>G)がCOPDにおける重症増悪のリスクに影響を与えるのではないかと仮説を立てた。

方法:
 Copenhagen General Population Study96762人から、ジェノタイピングが可能だったCOPD患者5262人を抽出した(1秒率<70%、%1秒量<80%、>40歳、喘息がない患者を対象)。重症増悪は、5年追跡(平均3.4年)のあいだに起こった、COPDによる急性入院と定義された。Copenhagen City Heart StudyにおいてCOPDと診断された923人を複製解析群として用いた。

結果:
 5262人のうち461人に重症増悪が記録された。16Glyホモ接合型と比較して、16Gly/Argヘテロ接合型における重症増悪のハザード比は1.62(95%信頼区間1.30-2.03、p=0.00002)で、16Gly/Argホモ接合型では1.41(95%信頼区間1.04-1.91、p=0.03)だった。同様に、27Gluホモ接合型と比較して、27Gln/Glu接合型におけるハザード比は1.35(95%信頼区間1.03-1.76、p=0.03)、27Glnホモ接合型におけるハザード比は1.49(95%信頼区間1.12-1.98、p=0.006)だった。Copenhagen City Heart Studyにおいても同様の傾向がみられた。
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(COPD増悪率:文献より引用)

 27Glnホモ接合型単独のあいだでは、16Glyホモ接合型と比較すると16Gly/Argヘテロ接合型のハザード比が5.20(95%信頼区間1.81-14.9、p=0.02)、16Argホモ接合型のハザード比が4.03(95%信頼区間1.40-11.6、p=0.01)だった。
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(27Glnホモ接合型における増悪:文献より引用)

結論:
 よくみられるβ2アドレナリン受容体のジェノタイプは、rs1042713における16Argアレルを介して、COPD重症増悪のリスクに影響を与える。



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by otowelt | 2019-09-27 00:18 | 気管支喘息・COPD

レスピマットのYouTube動画の質と問題点

e0156318_9104522.png レスピマットは4回試し打ちが必要ですが、忘れる人が多い印象です。

Eudaley ST, et al.
YouTube as a Guide for Respimat® Soft Mist™ Inhaler Technique.
J Pharm Pract. 2019 Jun 23:897190019853988.


背景:
 消費者は健康管理にこれまで以上に関わっており、その多くは健康情報にインターネットを利用している。YouTubeは、健康教育動画における便利かつ広大な情報源である。製薬会社、医療機関、医療従事者などが、YouTubeなどのサイトでレスピマットソフトミスト吸入器デバイスの使用方法を説明したビデオを投稿している。ゆえに、内容と質を見直すことは、最善の情報が提供するうえで重要である。

目的:
 レスピマット吸入器の吸入手技についてのYouTube動画の内容と質を調べること。

方法:
 2018年5月16日に「Respimat inhaler」という用語を用いてYouTube動画を検索した。最初にヒットした手技に関する英語35動画を対象とした。スケールや添付文書/説明文を用いて、動画の質を評価した。

結果:
 35の動画をレビューしたところ、動画時間の中央値は2分50秒だった(IQR 1分23秒~4分22秒)。対象となる視聴者は、97%(n = 34)のビデオを視聴していた。動画投稿元の70%(n = 24)は専門団体だった。ほとんど(74%、n = 24)が質スコアの最高点である5点だった。省略されたステップには、廃棄日に関すること(74%)、噴霧が見えるまでの試し打ち(49%)、咽頭後部に吸入器を向けること(43%)があった。

結論:
 患者が吸入薬から最適な結果を得るためには、適切な技術が非常に重要である。レスピマット吸入手技のデモンストレーションのためにYouTubeを通じて多数の動画が利用できるが、いくつか重要なステップが省略されていた。繰り返し患者教育動画を提供し、信頼できるオンライン情報源を強化する必要がある。






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by otowelt | 2019-09-26 00:40 | 気管支喘息・COPD

孤立性結節を呈する肺MAC症の臨床的検討

e0156318_10555091.png 過去10年を掘り起こした、執念の論文です。感服。
 約半数でPETが陽性になるので、ちょっとこれは注意ですね。

Marukawa M, et al.
Solitary pulmonary nodules caused by Mycobacterium avium complex
Respiratory Investigation, https://doi.org/10.1016/j.resinv.2019.07.001


背景:
 肺Mycobacterium avium complex (MAC)症は日本で増加している。MAC-PDのパターンのうち、孤立性肺結節(SPN)の頻度は低く、しばしば肺癌と誤認される。この研究の目的は、MAC-SPNの臨床的特徴を同定することである。

方法:
 2007年1月から2017年12月までの間にMAC培養陽性のSPN(確定例[、①1cm以上の結節、②生検検体からMACが認められる、③病理学的に乾酪壊死の有無を問わない肉芽腫性炎症])と拡散増幅検査陽性のSPN(疑い例)が登録された(ORDSG所属の6病院)。患者の臨床および検査データ、放射線学的所見、微生物学的所見、アウトカムが調べられた。

結果:
 28人が登録された(年齢中央値66歳、16人が男性、12人が女性)。全患者は疾患同定時無症状であった。SPNのサイズの中央値は23.5mmだった。26人が胸腔鏡下肺生検をおこなわれ、そのほかは経皮的針生検をおこなわれた。肉芽腫性炎症が全症例に同定された。微生物学的に、28人のうち17人が確定例、11人が疑い例だった。いずれの群も、M. aviumのほうが多く、M. intracellulareは1例ずつだった。2群間の臨床的および放射線学的所見に有意な差はなかった。13人にPETがおこなわれ、うち7人が陽性だった。
 診断後、6人が治療を受け、そのほかは無治療経過観察となった。追跡期間の中央値は42ヶ月で、いずれの群も再発はみられなかった。
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(文献より引用)

結論:
 無症状の患者におけるSPNの鑑別診断にMACを考慮すべきである。MAC-SPNを診断することは難しいため、診断的介入と生検標本の組織培養・拡散増幅検査が重要になる。






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by otowelt | 2019-09-25 00:23 | 抗酸菌感染症

メタアナリシス:NSCLC1次治療に用いるカルボプラチンとシスプラチンの比較

e0156318_8124310.jpg この試験数なら敢えてメタアナリシスせずともよかったかもしれません。にしても、やるならコクランでやってほしかったです。

Griesinger F, et al.
Efficacy and safety of first-line carboplatin-versus cisplatin-based chemotherapy for non-small cell lung cancer: A meta-analysis.
Lung Cancer. 2019 Sep;135:196-204.


背景:
 白金製剤ベースの化学療法は、進行性非小細胞肺癌(NSCLC)における1次治療として主に用いられる。この研究の目的は、カルボプラチンベースとシスプラチンベースのNSCLC1次治療の有効性、安全性、健康関連QOLを比較することである。

方法:
 2013年コクラングループのメタアナリシス(Cochrane Database Syst Rev. 2013 Aug 16;(8):CD009256.)をアップデートする形とした。電子データベースから、2013年~2018年の間に発表されたランダム化比較試験を抽出した。白金製剤と併用されたのは、ゲムシタビン、ビノレルビン、ドセタキセル、パクリタキセル、イリノテカン、ペメトレキセド。エンドポイントには全生存(OS)、1年OS、客観的奏効率(ORR)、グレード3/4の有害事象、健康関連QOLが含まれた。

結果: 
 12のランダム化比較試験(2048人)が登録され、メタアナリシスに4139人が組み込まれた。カルボプラチンベースとシスプラチンベースのレジメンにOS(ハザード比1.08, 95%信頼区間0.96-1.21)、1年OS(相対リスク0.97, 95%信頼区間0.89-1.07)の有意差はなかったORRについてはシスプラチンのほうがわずかによかった(相対リスク0.88; 95%信頼区間0.78-0.99)。
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(OS:文献より引用)

 有害事象はいずれにも血小板減少、貧血、神経毒性、嘔気・嘔吐が観察されたが、サイクルベースでは貧血以外に有意差はなかった(貧血はカルボプラチンのほうがリスクが高かった:相対リスク3.94[95%信頼区間1.80-8.65])。患者ベースでは、嘔気・嘔吐はカルボプラチンのほうがリスクが低く、神経毒性はシスプラチンのほうがリスクが低くかった。健康関連QOLについては、両群に差はなかった。
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(グレード3/4有害事象[サイクルベース]:文献より引用)
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(グレード3/4有害事象[患者ベース]:文献より引用)

結論:
 カルボプラチンベースおよびシスプラチンベースのいずれのNSCLC1次治療にもOSの差はなかったが、ORRはシスプラチンベースのほうがわずかに良かった。治療選択の際、毒性プロファイルも考慮すべきである。



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by otowelt | 2019-09-24 00:37 | 肺癌・その他腫瘍

エアリーク量が1日100mL以上だと気胸に対する胸腔ドレーンの治療失敗リスクが高い

e0156318_14441648.jpg これは呼吸器科医ならば誰しもが体感しているものでしょうが、ちょっと1~2日目だけで有意差があるのがハテナマークですね。

Hallifax RJ, et al.
Predicting outcomes in primary spontaneous pneumothorax using air leak measurements.
Thorax. 2019 Apr;74(4):410-412.


概要:
 原発性自然気胸(PSP)は、初期治療レジメンは基本的に一般化されており、個別化されておらず、多くの場合、空気漏れが止まるまで長期間待つ必要がある。胸腔ドレーン挿入が必要になった81人のPSP患者の前向き研究において、エアリーク量と治療失敗の関連を調べた。
 1日目あるいは2日目に高度のエアリークがある場合、入院期間が延長した。エアリーク量が1日目で100mL/日以上の場合、治療失敗のオッズ比は5.2(95%信頼区間1.2-22.6、p=0.03)となり、早期の肉眼的エアリーク量観察は治療失敗を予測できることが分かった。

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(文献より引用:単変量解析および多変量解析)



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by otowelt | 2019-09-22 00:56 | 呼吸器その他

GOLD AのCOPDに対する定期吸入治療の効果

e0156318_1312221.png 個人的には、禁煙+運動+食事でどうにかなる集団だと思っていて、少なくとも短時間作用性吸入薬はいらないと考えています。LAMAをどうするかは悩ましいところで、もし全員にこれをやってしまうと、とんでもない医療費になってしまいます。

Cho J, et al.
Outcome of Regular Inhaled Treatment in GOLD A Chronic Obstructive Pulmonary Disease Patients.
Respiration. 2019 Aug 28:1-9. doi: 10.1159/000495756.


背景:
 GOLD 2017によれば、グループAのCOPDに対する定期的な気管支拡張治療が推奨されている。

目的:
 この研究の目的は、グループAのCOPD患者に対する定期的な吸入治療が、増悪や症状を含む健康アウトカムを改善させるかどうか評価することである。

方法:
 われわれは2つの韓国の前向き研究において患者を登録した。適格基準は、mMRCが2未満、SGRQ COPDスコアが25未満、過去1年に1回以上の増悪や入院を経験していないCOPD患者とした。増悪率と症状の変化が解析された。

結果:
 傾向スコアマッチにより、定期的に吸入治療を受けている患者とそうでない患者で107人のペア患者を設定し、平均それぞれ2.6年、3.1年追跡した。COPD増悪率は、吸入治療を受けている患者とそうでない患者では有意差はなかった (罹患率比1.24 [95%信頼区間0.68 ~ 2.25])。6ヶ月および12ヶ月後のSGRQ COPD合計スコアについては有意差がみられ、吸入治療群のほうが良好だった(平均差-4.7 [95%信頼区間-7.9 ~ -1.6]、-4.8 [95%信頼区間-7.9 ~-1.7])。12ヶ月間の解析において、長時間作用性気管支拡張薬の定期吸入は、非吸入と比べてSGRQ COPDスコアの有意な改善と関連していた(平均群間差-5.0 [95%信頼区間-8.6 ~ -1.4])。

結論:
 GOLDグループAのCOPD患者に対する定期的吸入治療は、症状改善と関連しているが、増悪率の減少には寄与しない。






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by otowelt | 2019-09-20 00:04 | 気管支喘息・COPD

電子たばこはプロテアーゼ・アンチプロテアーゼ均衡を崩す

e0156318_1059273.png 釈迦に説法ですが、加熱式たばこではなく、電子たばこです。

Ghosh A, et al.
Chronic E-Cigarette Use Increases Neutrophil Elastase and Matrix Metalloprotease Levels in the Lung.
Am J Respir Crit Care Med. 2019 Aug 7. doi: 10.1164/rccm.201903-0615OC.


背景:
 タンパク質分解は、肺の自然免疫系の重要な側面である。 好中球エラスターゼおよびマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)を含むプロテアーゼは、標的タンパク質を切断することで、細胞シグナル伝達、炎症、組織リモデリングおよび白血球の動員を調節する。 過剰なタンパク質分解が起こり、気管支拡張症や気腫の原因となる。しかしながら、タンパク質分解に対する電子たばこの効果は不明である。

目的:
 肺に対する電子たばこの影響のバイオマーカーとして、プロテアーゼレベルを用いた。

方法:
 健康な非喫煙者、喫煙者、電子たばこ使用者に対して気管支鏡検査をおこない、気管支肺胞洗浄(BAL)液中のプロテアーゼレベルを決定した。また並行して、ヒトの血中好中球およびBAL由来マクロファージの分泌プロテアーゼに対する電子たばこの影響を調べた。 また、誘発喀痰とBALのニコチン濃度も計測した。

結果:
 好中球エラスターゼ、MMP-2、MMP-9の活性/タンパク質レベルは、非喫煙者と比較して電子たばこ使用者と喫煙者の両群のBALで上昇した。対照的に、アンチプロテアーゼのレベルは変わらなかった。また、好中球およびマクロファージのニコチンへの曝露によって、プロテアーゼ放出が用量依存的に増加されることがわかった。電子たばこによって、測定可能なニコチンがBALで検出された。これは免疫細胞でみられるプロテアーゼ放出のEC50に相当した。

結論:
 電子たばこによって肺免疫細胞からニコチン依存性プロテアーゼの放出が誘導される。ゆえに、慢性的に電子たばこを吸うことで、肺でののタンパク質分解が増加し、慢性肺疾患を発症する危険性があり、プロテアーゼとアンチプロテアーゼの均衡が崩れる。これらのデータは、電子たばこを吸うことは通常タバコを喫煙するより安全とは言えないことを示している。



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by otowelt | 2019-09-19 00:10 | 呼吸器その他

IPAFの長期臨床経過と転帰

e0156318_16214955.jpg Kim先生の報告です。

Kim HC, et al.
Long-term clinical course and outcome of interstitial pneumonia with autoimmune features.
Respirology. 2019 Aug 6. doi: 10.1111/resp.13665.


背景および目的:
 膠原病の基準を満たさない自己免疫的特徴を有する特発性間質性肺炎(IIP)は、IPAFとして近年定義されている。しかしながら、その長期臨床経過とアウトカムについてはよくわかっていない。

方法:
 われわれは、IIP患者で膠原病と診断された患者586人(63.7%がIPF)、膠原病関連間質性肺疾患患者149人を登録した。近年のガイドラインに準じて、IIPの患者の一部はIPAFと定義された。

結果:
 追跡期間中央値は45ヶ月だった。IIP患者のうち、109人(18.6%)はIPAFに再分類された。非IPAF IIP群と比較して、IPAF群ではDLco(-1.21% vs -4.58%、P-0.001)、全肺気量の減少がゆるやかで(-0.75% vs -2.32%、p=0.019)、追跡期間中の膠原病発症が多かった。IPAFの予後は、非IPAF IIP群よりも良好で、膠原病関連間質性肺疾患群と同等だった。
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(文献より引用:生存曲線)

 IPAFはIIPコホートにおいて予後良好と関連していたが、これは単変量解析のみの結果で、多変量では有意とは言えなかった。UIPパターン、高齢、低DLcoは、IPAF群における死亡の独立予測因子だった。
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(文献より引用:予後予測因子)

結論:
 非IPAF IIP群と比較すると、IPAF群は追跡期間中の肺機能減少がゆるやかで膠原病発症が多かった。IPAF群の予後は非IPAF IIP群よりも良好だったが、膠原病関連間質性肺疾患群と同等だった。高齢者、UIPパターン、低DLcoはIPAF群の予後不良因子だった。




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by otowelt | 2019-09-18 00:34 | びまん性肺疾患

GALATHEA試験・TERRANOVA試験:COPDに対するベンラリズマブは無効

e0156318_1312221.png COPDの中でも好酸球性フェノタイプにファセンラ®が効かないという報告です。


Criner GJ, et al.
Benralizumab for the Prevention of COPD Exacerbations.
N Engl J Med. 2019 Sep 12;381(11):1023-1034.


背景:
 中等症~最重症のCOPD患者の増悪予防における、インターロイキン-5受容体αモノクローナル抗体ベンラリズマブの有効性と安全性は明らかにされていない。

方法:
 登録されたCOPD患者は、40~85歳の中等症~重症のものと定義された。
 GALATHEA試験およびTERRANOVA試験において、COPDガイドラインに基づく吸入療法を行っているにもかかわらず増悪を繰り返すCOPD患者を(好酸球数数が≧220/mm3:<220/mm3が2:1の割合)登録した。登録患者は、ベンラリズマブ(GALATHEA試験において30mgまたは100mg、TERRANOVA試験において10mgまたは30mgまたは100mg)を8週間ごと(初回3回は4週ごと)に投与する群と、プラセボを投与する群にランダムに割り付けた(56週間)。プライマリエンドポイントは、ベンラリズマブによる治療効果とし、ベースラインの血中好酸球数が220/mm3以上の患者における56週時の年間COPD増悪率比(ベンラリズマブ群 vs プラセボ群)と定義した。また、安全性についても評価した。

結果:
 GALATHEA試験において、COPD年間増悪率(推定値)は、ベンラリズマブ30mg群1.19回/年(95%信頼区間1.04-1.36)、ベンラリズマブ100mg群1.03回/年(95%信頼区間0.90-1.19)、プラセボ群1.24 回/年(95%信頼区間1.08-1.42)だった(プラセボ群と比較した率比:30mg群0.96、P=0.65、100mg 群0.83、P=0.05)。
 TERRANOVA試験において、COPD年間増悪率(推定値)は、ベンラリズマブ10mg群0.99 回/年(95%信頼区間0.87-1.13)、30mg群1.21回/年(95%信頼区間1.08-1.37)、100mg群1.09 回/年(95%信頼区間0.96-1.23)、プラセボ群1.17回/年(95%信頼区間1.04-1.32)であった(プラセボ群と比較した率比:10mg群0.85、P=0.06、30mg群1.04、P=0.66、100mg群0.93、P=0.40)。
 両試験とも、56週時点においてベンラリズマブのいずれの用量群も、プラセボ群と比較した年間COPD増悪率比は有意差に達しなかった。
 有害事象のタイプと頻度は、ベンラリズマブ群とプラセボ群で同様だった。

結論:
 中等症~最重症のCOPDにおいて、中等度または重度のCOPD増悪を繰り返す、血中好酸球数が 220/mm3以上の患者に対するベンラリズマブの上乗せによっても、プラセボよりCOPD年間増悪率が低くなることはなかった。






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by otowelt | 2019-09-17 00:20 | 気管支喘息・COPD