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COLDICE試験:クライオバイオプシーと外科的肺生検の診断一致率は良好

e0156318_1543237.jpg 今年春にブルージャーナルをにぎわせた論文はκ=0.22でしたが、まったく逆の結果が報告されました。本文中にくだんの論文について批判コメントを寄せています。

(参考記事)
クライオバイオプシーと外科的肺生検の病理医による一致率は不良
AJRCCMでのやりとり:外科的肺生検とクライオバイオプシー

 人の手と目が介在している上、MDDによって主観(権威者の意見)も入ってしまうため、プロセスを統一しないと真実は分からないのかもしれません。

Myer JL, et al.
Diagnostic accuracy of transbronchial lung cryobiopsy for interstitial lung disease diagnosis (COLDICE): a prospective, comparative study
Lancet Respiratory Medicine, https://doi.org/10.1016/S2213-2600(19)30342-X

背景:
 経気管支肺クライオバイオプシー(TBLC)は、間質性肺疾患(ILD)診断において肺組織検体を採取する新しい技術である。この研究の目的は、外科的肺生検(SLB)と比較したTBLCの診断精度を確立することである。

方法:
 COLDICE試験は、前向きに多施設でおこなわれたTBLCとSLBの診断精度を比較する臨床研究で、オーストラリアの複数施設で実施された。ベースラインの評価ののち、診断のために組織病理学的評価を要する18~80歳のILD患者が登録された。MDDによるスクリーニングのあと、ILD患者はTBLCおよびSLBを受けた。検体には1から130の番号がふられ、病理医には情報がマスクされた。その後のMDDでは、匿名化された症例がTBLCまたはSLBのいずれかで2回、臨床的および放射線学的データとともにランダムに非連続的に議論された。複合プライマリエンドポイントは、definite UIPあるいはprobable UIPパターン、indeterminate for UIP、alternative diagnosisに対するTBLCとSLBの組織病理学的特徴の一致(κ値)とした。

結果:
 2016年3月15日~2019年4月15日までに、65人(31人が男性、34人が女性、平均年齢66.1±9.3歳)が登録された。平均%努力性肺活量は83.7±14.2%、平均%DLcoは63.4±12.8%だった。TBLC(平均7.1±1.9mm)、SLB(平均46.5±14.9mm)は、同側の肺葉から2つ採取された(65人→130検体)。
 TBLCとSLBの組織病理学区的一致は70.8%だった(重みつきκ値:0.70, 95%信頼区間0.55–0.86)。MDDにおける診断一致は76.9%だった(κ 0.62, 95%信頼区間0.47–0.78)。
 TBLCで高い・確実な診断信頼性があるとMDDで判断されたのは65人中39人(60%)で、37人(95%)はSLB診断と一致していた。65人中26人(40%)では低い信頼性あるいは分類不能型であるとTBLCで診断され、SLBで6人(23%)が高い信頼性・確実なMDD診断へ移行できた。
 TBLCの14人(22%)で軽度~中等度の気道出血がみられた。90日死亡率は、2%だった(65人中1人)。

結論:
 病理組織学的な解釈とMDD診断の両方について、TBLCとSLBの間で高いレベルの一致が示された。TBLC MDD診断は特に信頼性が高く、SLB MDD診断との優れた一致を示した。これらのデータは、間質性肺疾患診断アルゴリズムにおけるTBLCの臨床的有用性を支持するものである。

ディスカッション:Romagnoli らの研究に対する批判
 Our findings contradict the results of Romagnoli and colleagues,which showed poor agreement betweenTBLC and SLB in a smaller cohort of 21 patients. In their study, both TBLC and SLB were presented together at MDD to inform the discussion and final diagnosis. Due to their study design, the final MDD diagnosis was affected by the SLB data, introducing substantial bias into the process. The subsequent masked assessment of TBLC specimens by a single pathologist had limited agreement with MDD diagnosis. It is unlikely however, that this aspect of the study design would have affected the masked biopsy interpretation, with poor histopathological agreement potentially relating to additional factors.Given the smaller sample size and the limitations discussed, no firm conclusions regarding the diagnostic utility of TBLC could be made from the study by Romagnoli and colleagues.



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by otowelt | 2019-10-31 00:57 | びまん性肺疾患

オシメルチニブ投与患者にみられる耐性機構

e0156318_8124310.jpg 既知の知見です。FLAURA試験でもC797S変異とMET増幅が多かったと報告されています。

Mehlman C, et al.
Resistance mechanisms to osimertinib in EGFR-mutated advanced non-small-cell lung cancer: A multicentric retrospective French study.
Lung Cancer. 2019 Sep 28;137:149-156. doi: 10.1016/j.lungcan.2019.09.019.


目的:
 オシメルチニブに対する耐性に関連する組織分子メカニズムを知ることは、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌(NSCLC)の最適な治療戦略を確立するために重要なステップである。

方法:
 EGFR遺伝子変異陽性進行NSCLC患者に対してオシメルチニブで治療された連続患者を登録した多施設共同後ろ向き研究を解析した。増悪時に血清および腫瘍から検体を採取した。次世代シークエンス(NGS)が全検体におこなわれた。最良の客観的奏効率(PRR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、増悪後治療の有効性データが抽出された。

結果:
 2015年4月から2018年10月までの間、フランスにおける9の教育病院から226人の患者が登録された。オシメルチニブは、219人(97%)の患者で2次治療以降に適用された。最良ORRは52%で、中枢神経系のORRは56%だった。PFS中央値は9.5ヶ月(IQR 4.0-17.2)、OS中央値は24ヶ月(IQR 12.4-未到達)だった。解析時、150人(66%)の患者が病勢進行していた。73検体(56は腫瘍生検)が得られた。もっともよくみられたのはC797S変異(9人、13%)とMET増幅(8人、11%)だった。組織型変化は5人にみられた(腫瘍生検患者の9%)。T790MがあるNSCLC患者のうち、T790M lossがあったのは68%だった。病勢進行後の治療によるPFS中央値は6.0ヶ月(IQR2.0-10.4)、OS中央値は15.1ヶ月(IQR6.7-未到達)だった。

結論:
 EGFR遺伝子変異陽性進行NSCLC患者におけるオシメルチニブの効果を示した。増悪時に、もっともよくみられた原因はMET増幅とC797S変異だった。



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by otowelt | 2019-10-30 00:48 | 肺癌・その他腫瘍

日本結核病学会が学会名を「日本結核・非結核性抗酸菌症学会」に変更

 既知の情報ですが。

『学会の新名称には,①「結核」を含むこと,②「非結核性抗酸菌症」を加えることの条件が提案されまして,2018 年6 月22 日に開催された社員総会の決議により,本学会は「日本結核病学会」から「日本結核・非結核性抗酸菌症学会」へと2020 年1 月1日より改称することになりました。』

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by otowelt | 2019-10-29 22:05 | 抗酸菌感染症

メタアナリシス:吸入ステロイド薬と結核の関連

e0156318_1302985.jpg 結核全体からみれば、微々たる影響のようです。

Castellana G, et al.
Inhaled Corticosteroids And Risk Of Tuberculosis In Patients With Obstructive Lung Diseases: A Systematic Review And Meta-Analysis Of Non-randomized Studies.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2019 Sep 26;14:2219-2227. doi:10.2147/COPD.S209273. eCollection 2019.


背景:
 全身性ステロイドと結核の関連は過去に述べられている通りであるが、閉塞性肺疾患における吸入ステロイド(ICS)が結核リスクに与える影響を評価するため、今回システマティックレビューおよびメタアナリシスをおこなった。

方法:
 電子データベースから、2018年9月までの文献を抽出した。閉塞性肺疾患患者における結核発症を報告した文献を登録したが、ICS使用に関するデータがないものは除外した。データは、ランダム効果モデルを使用した逆分散法を使用して分析された。

結果:
 4044の文献から、成人患者に関して当該適格基準にマッチした9文献を評価した。36351人がICSを処方され、147171人はICSを処方されていなかった。ICS使用は、ICS非使用と比較して結核発症リスクを上昇させた(オッズ比1.46; 95%信頼区間1.06 to 2.01; p=0.02; I2=96%)。
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(文献より引用)

 ICS現行使用と過去ICS使用/ICS非使用を比較しても同様の結果であり、ICSの用量別で層別化しても有意な結果だった。経口ステロイドの併用を評価すると、ICSの独立的影響は経口ステロイド非併用者においてのみ観察された(オッズ比1.63; 95%信頼区間1.05 to 2.52; p=0.03; I2=94%)。結核症例の0.49%のみがICS曝露と関連していると想定された。

結論:
 ICSと結核のあいだには関連性があるが、結核の疫学的見地からはそのリスク影響度は限定的である。ただし、LTBIからTBへの進行のリスクが高い患者においては、当該リスクを個別に考慮する必要があるだろう。




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by otowelt | 2019-10-29 00:03 | 抗酸菌感染症

呼吸器内科医として知っておきたい加熱式たばこラインナップ(2019.10)

e0156318_1329388.png ※2019年10月27日改訂

前回から、iQOS3 DUO、glo pro、glo nano、glo sensが増えたので、改訂しました。見にくい場合は画像をクリックして拡大お願いします。なお、呼吸器専門医はいかなる理由があっても喫煙してはいけませんのでご注意を。

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表:iQOS(アイコス)
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表:Ploom(プルーム)
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表:glo(グロー)





by otowelt | 2019-10-28 00:22 | 呼吸器その他

COPDと嚥下関連症状

e0156318_1633480.jpg COPDの患者さんは高齢者なので、嚥下機能に問題がある人が多いのは事実です。ただ、COPDの罹患そのものが独立リスク因子かどうかはよくわかりません。

Lindh MG, et al.
Subjective swallowing symptoms and related risk factors in COPD
ERJ Open Research 2019 5: 00081-2019; DOI: 10.1183/23120541.00081-2019


目的:
 この研究の目的は、安定期COPD患者の大規模コホートにおいて、嚥下に関する症状の頻度を調べ、潜在的リスク因子を同定することである。

方法:
 合計571人の安定期COPD患者が多施設共同研究から登録された(335人が女性、236人が男性、平均年齢68.6±7.7歳)。スパイロメトリー、質問票、30m歩行試験データが回収された。

結果:
 全体のうち、33%(186人)が何かしらの嚥下に関する問題を抱えていた。もっともよくみられたのは、食べ物が喉につまってしまうこと(23%)だった。嚥下に関する症状と呼吸困難には関連がみられ、mMRCが2以上と2未満ではその頻度に有意差があった(46% vs 22%、p<0.001)。また、嚥下に関する症状と健康関連QOLには関連がみられ、CATスコア20点以上と10点未満でも同様に有意差がみられた(40% vs 19%; p<0.001)。嚥下トラブルは、身体的キャパシティの低さと関連していたが(p=0.02)、肺機能とは関連していなかった(p>0.28)。
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(嚥下に関する症状[暗い色のほうが嚥下トラブルあり]:文献より引用)

※原文のCAT≧2はCAT≧20の誤りと思われる

 GOLDごとではGOLD1の39%、GOLD2の31%、GOLD3の36%、GOLD4の27%に嚥下トラブルがみられ、病期ごとの差はなかった(p=0.28)。

結論:
 安定期COPDにおける、嚥下関連症状はよくみられる問題である。COPDのどの病期でもみられる問題であるが、有症状で身体的キャパシティが低いCOPD患者でより頻繁にみられる事象である。




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by otowelt | 2019-10-25 00:26 | 気管支喘息・COPD

BRIGALK試験:リアルワールドにおけるブリガチニブの有効性

e0156318_10535567.png アルンブリグが日本で承認されると、ザーコリ、アレセンサ、ジカディア、ローブレナに続いてALK阻害剤は5剤になります。

・参考記事:ALTA-1L試験:ALK阻害剤ナイーブALK陽性NSCLCに対するブリガチニブ

Descourt R, et al.
Brigatinib in patients with ALK-positive advanced non-small-cell lung cancer pretreated with sequential ALK inhibitors: A multicentric real-world study (BRIGALK study).
Lung Cancer. 2019 Aug 14;136:109-114.


目的:
 ブリガチニブは、クリゾチニブ既治療のALK陽性非小細胞肺癌(NSCLC)に対して開発された次世代ALK阻害剤である。

方法:
 この多施設共同後ろ向き研究には、クリゾチニブを含む少なくとも1つのTKIで治療されたことがあるALK陽性進行NSCLC患者が登録された。プライマリエンドポイントは、研究者によって評価された無増悪生存(PFS)である。

結果: 
 104人が登録された(平均年齢56.6歳、非喫煙者61.5%、腺癌98.1%、IV期88.5%)。ALKについて免疫組織化学染色で診断されたのは84%だった。患者は、少なくとも2つのALK阻害剤(主にクリゾチニブ→セリチニブ)を含め中央値3ラインの治療を受けていた。ブリガチニブ開始時、59.1%の患者がPS0-1で、51.9%が3部位以上の転移を有し、74.5%が中枢神経系への転移を有し、8.8%に癌性髄膜腫症がみられた(平均転移数は3.3±1.3部位)。ブリガチニブ治療期間中央値は6.7ヶ月(95%信頼区間0.06-20.7ヶ月)だった。
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(文献より引用:前治療)

 PFS中央値は6.6ヶ月(95%信頼区間4.8-9.9ヶ月)だった。ブリガチニブ前に、2ライン、3~4ライン、>4ラインの治療を受けていた患者のPFS中央値は、それぞれ4.3ヶ月(95%信頼区間2.5-8.9ヶ月), 10.4ヶ月 (95%信頼区間5.9-13.9ヶ月)、3.8ヶ月 (95%信頼区間0.8-7.4ヶ月)だった。91人の評価可能な患者のうち、疾患制御率は78.2%だった。
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(PFS:文献より引用)
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(治療ラインごとのPFS:文献より引用)

 ブリガチニブ開始からの全生存期間中央値は17.2ヶ月(95%信頼区間11.0ヶ月-未到達)だった。ブリガチニブ治療後に病勢進行がみられた患者68人のうち、中枢神経系に病変があったのは29.4%だった。NSCLC診断からの全生存期間中央値は75.3ヶ月(95%信頼区間38.2-174.6ヶ月)だった。

結論:
 複数ラインの既治療を受けたALK陽性進行NSCLC患者コホートにおいて、リアルワールドのブリガチニブの有効性を示した。



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by otowelt | 2019-10-24 00:14 | 肺癌・その他腫瘍

CASPIAN試験:進展型SCLCに対するシスプラチン+エトポシド+デュルバルマブ

e0156318_10535567.png 小細胞肺癌においても、こうした併用治療が推奨されていく流れになりましたね。

Paz-Ares L, et al.
Durvalumab plus platinum-etoposide versus platinum-etoposide in first-line treatment of extensive-stage small-cell lung cancer (CASPIAN): a randomised, controlled, open-label, phase 3 trial.
Lancet. 2019 Oct 4. pii: S0140-6736(19)32222-6. doi: 10.1016/S0140-6736(19)32222-6.


背景:
 小細胞肺癌(SCLC)のほとんどの患者は、初診時に進展型(ED)であり、予後不良である。近年、ED-SCLCに対する免疫療法の有効性が示されている。CASPIAN試験は、ED-SCLCの一次治療を対象とした、多施設共同ランダム化非盲検比較試験である。

方法:
 本研究は、23ヶ国209施設で実施された第3相試験である。適格基準を満たすのは、未治療ED-SCLC患者で、WHO PS 0-1で、REICIST判定で病変が測定できるものとした。患者を、1:1:1の割合でデュルバルマブ+化学療法(エトポシドおよびシスプラチンまたはカルボプラチン)、デュルバルマブ+トレメリムマブ(遺伝子組換え)+化学療法、化学療法単独の3群にランダムに割り付けた。すべて点滴静注で治療がおこなわれた。免疫チェックポイント阻害剤と化学療法の併用群における化学療法は4サイクル実施し、化学療法単独群においては最長6サイクルの化学療法および予防的頭蓋内照射(PCI)の実施が認められた。
 プライマリエンドポイントはITT集団における全生存期間(OS)とした。われわれは、中間解析において、デュルバルマブ+化学療法群と化学療法単独群の結果を報告する。

結果:
 患者は2017年3月27日~2018年5月29日までに登録され、268人がデュルバルマブ+化学療法群、269人が化学療法群に割り付けられた。デュルバルマブ+化学療法群はOSを有意に延長させた(ハザード比0.73、95%信頼区間0.59-0.91; p=0.0047)。OS中央値は、デュルバルマブ+化学療法群で13.0ヶ月(95%信頼区間9.3-11.2)、化学療法群10.3ヶ月(95%信頼区間9.3-11.2ヶ月)だった。18ヶ月時点での生存率は、それぞれ34%、25%だった。
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(OS:文献より引用)

 グレード3-4の有害事象イベントは、デュルバルマブ+化学療法群の163人(62%)、化学療法群の166人(62%)にみられた。死亡にいたったのはそれぞれ5%、6%だった。

結論:
 ED-SCLCの患者において、デュルバルマブ+化学療法(エトポシドおよびシスプラチンまたはカルボプラチン)は、化学療法単独と比較してOSを有意に延長させる。安全性プロファイルは、個々の薬剤で報告されているものと矛盾しない。



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by otowelt | 2019-10-23 00:51 | 肺癌・その他腫瘍

RELAY試験:EGFR陽性NSCLCに対するエルロチニブ+ラムシルマブ

e0156318_10535567.png RELAY試験の論文を読みました。

Nakagawa K, et al.
Ramucirumab plus erlotinib in patients with untreated, EGFR-mutated, advanced non-small-cell lung cancer (RELAY): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial.
Lancet Oncol. 2019 Oct 4. pii: S1470-2045(19)30634-5. doi: 10.1016/S1470-2045(19)30634-5.


背景:
 EGFR遺伝子変異陽性転移性非小細胞肺癌(NSCLC)におけるEGFRおよびVEGF経路を両方阻害することは、臨床前および臨床データで支持されているが、まだ広く認識されていない。
 RELAY試験は、EGFR変異(Exon19deあるいはExon21 L858R)を有し、脳転移のない、未治療の進行NSCLC患者を対象とした、EGFR-TKIであるエルロチニブとVEGFR2アンタゴニストであるラムシルマブの併用を、エルロチニブ+プラセボと比較した第3相二重盲検ランダム化比較試験である。

方法:
 13ヶ国の100の病院・クリニック・医療センターから患者が登録された。適格基準は、登録時に18歳以上(日本と台湾は20歳以上)で、Ex19delあるいはL858Rが陽性の、ECOG PS0-1のNSCLC患者で、中枢神経系転移を有さないものとした。登録患者は1:1の割合で、エルロチニブ(150mg/日)+ラムシルマブ(10mg/kg、2週ごと投与)群と、エルロチニブ(150mg/日)+プラセボ群にランダムに割り付けられた。登録患者は性別、国地域、EGFR変異ステータス、EGFR遺伝子変異検査法で層別化された。
 プライマリエンドポイントは、治験医師の評価によるITT集団での無増悪生存期間(PFS)とした。セカンダリエンドポイントは、奏効率(ORR)、奏効持続期間、PFS2(ランダム化から2度目の病勢進行あるいは全死因死亡までの期間)、全生存期間(OS)、血漿T790M変異、安全性などとした。

結果:
 2016年1月28日~2018年2月1日までに、449人の患者がランダム化され、ラムシルマブ併用群224人、プラセボ群に225人が割り付けされた。女性は両群で63%、アジア人は両群で77%(日本人211人)、年齢中央値はそれぞれ65歳、64歳だった。EGFR遺伝子変異のうちEx19delはそれぞれ55%、54%だった。追跡期間中央値は20.7ヶ月(IQR15.8-27.2)だった。プライマリ解析では、PFSはラムシルマブ併用群のほうが有意に延長していた(19.4ヶ月 [95%信頼区間15.4-21.6] vs 12.4ヶ月[95%信頼区間11.0-13.5]、ハザード比0.59 (95%信頼区間0.46-0.76; p<0·0001)。EGFR変異のステータスで層別化しても、ラムシルマブ併用群でPFSが有意に延長していた(Ex19del:19.6ヶ月 vs 12.5ヶ月、ハザード比0.651、95%信頼区間0.469-0.903、L858R:19.4ヶ月 vs 11.2ヶ月、ハザード比0.618、95%信頼区間0.437-0.874)。1年PFS率は、ラムシルマブ併用群が71.9%、プラセボ群が50.7%だった。盲検下独立中央判定によるPFS評価でも、ハザード比0.671(95%信頼区間0.518-0.869、p=0.0022)と有意だった。
 セカンダリエンドポイントであるPFS2は、ラムシルマブ併用群においてプラセボ群より有意に延長していた。PFS2中央値は、併用群、プラセボ群ともに未到達で、ハザード比は0.690(95%信頼区間0.490-0.972)であった(p=0.03)。OSは未到達、ハザード比は0.832(95%信頼区間:0.532-1.303)(p=0.4209)。ベースライン時にT790M変異陽性の患者はいなかったが、病勢進行30日後の測定では、ラムシルマブ併用群43%、プラセボ群47%で発現がみられた(p=0.849)。
 グレード3-4の有害事象イベントは、ラムシルマブ併用群221人のうち159人(72%)、プラセボ群225人のうち121人(54%)にみられた。もっともよくみられたグレード3-4の有害事象は、ラムシルマブ併用群では、高血圧(52人[24%]、グレード3のみ)、ざ瘡様皮膚炎(33人[15%])で、プラセボ群では、ざ瘡様皮膚炎(20人[9%])、ALT上昇(17人[8%])だった。

結論:
 エルロチニブ+ラムシルマブは、エルロチニブ単剤と比較して、未治療EGFR遺伝子変異陽性転移性NSCLCに対してPFSを延長させる。安全性については、個々の薬剤の安全性プロファイルに矛盾しない結果であった。



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by otowelt | 2019-10-22 00:13 | 肺癌・その他腫瘍

PRAISE試験:IPFに対するパムレブルマブ

e0156318_10574046.jpg IPFに対して、現在最も期待されている薬剤です。

Richeldi L, et al.
Pamrevlumab, an anti-connective tissue growth factor therapy, for idiopathic pulmonary fibrosis (PRAISE): a phase 2, randomised, double-blind, placebo-controlled trial.
Lancet Respir Med. 2019 Sep 27. pii: S2213-2600(19)30262-0. doi: 10.1016/S2213-2600(19)30262-0.


背景:
 結合組織増殖因子(CTGF)は、線維化にかかわる血管内皮細胞から分泌されるタンパクである。この研究は、CTGFに対する遺伝子組み換えヒト化モノクローナル抗体であるパムレブルマブ(FG-3019)のIPFに対する安全性、忍容性、効果を調べたものである。目的は、パムレブルマブIPFの進行を遅らせる・止める・逆行させることができるかどうかを調べることである。

方法:
 この第2相ランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験(PRAISE試験)は、7ヶ国(オーストラリア、ブルガリア、カナダ、インド、ニュージーランド、南アフリカ、アメリカ)の39施設で実施された。予測努力性肺活量(FVC)が55%以上のIPF患者を、ランダムに1:1の割合で、パムレブルマブ30mg/kgあるいはプラセボを3週間ごと48週間(合計16回注射)のいずれかの群に割り付けた。プライマリ効果アウトカムは、48週時点での予測FVCの変化(%)とした。48週時点での病勢進行(予測FVCがベースラインから10%以上減少あるいは死亡)がセカンダリ効果アウトカムに設定された。少なくとも1回の注射を受けたパムレブルマブ群の全患者が安全性解析に組み込まれた。プラセボ群の2人の患者は、登録エラーのため効果解析のITT集団から除外された。

結果:
 2013年8月17日~2017年7月21日に、103人の患者がランダム化された(50人:パムレブルマブ群、53人:プラセボ群)。パムレブルマブは、48週時点で予測FVC減少をプラセボより60.3%減らした(ベースラインからの平均変化率:パムレブルマブ群-2.9%、プラセボ群-7.2%、差4.3%[95%信頼区間0.4-8.3%]、p=0.033)。
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(文献より引用)

 48週時点で病勢進行がみられた患者の比率は、パムレブルマブ群の方が低かった(10.0% vs 31.4%、p=0.013)。パムレブルマブは十分な忍容性があり、プラセボと同等の安全性だった。治療による重篤な有害事象は、パムレブルマブ群12人(24%)、プラセボ群8人(15%)だった。前者3人、後者7人が治療中断となった。パムレブルマブ群で3人(6%)、プラセボ群で6人(11%)が死亡したが、治療に関連したと思われる患者はいなかった。

結論:
 パムレブルマブはIPFの進行を遅らせ、十分な忍容性がある。現在第3相試験がおこなわれており、パムレブルマブはIPFの治療において安全性の高い効果的な新薬となるだろう。


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by otowelt | 2019-10-21 00:43 | びまん性肺疾患