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血清好酸球数はCOPD急性増悪の予測バイオマーカー

血清好酸球数はCOPD急性増悪の予測バイオマーカー_e0156318_1764121.png 過去にいろいろなコホートで研究されている内容ですね。

Wu HX, et al.
Peripheral Blood Eosinophil as a Biomarker in Outcomes of Acute Exacerbation of Chronic Obstructive Pulmonary Disease.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2019 Dec 24;14:3003-3015.


目的:
 COPDの治療効果とフェノタイプに好酸球値が相関するというエビデンスが蓄積されている。この研究は、COPD急性増悪患者における好酸球値と臨床アウトカムの関連性を明らかにすることを目的とした。
 
方法:
 3つの教育病院において、前向き多施設共同観察コホート研究が実施された。患者は、四分位(0、0.7、2.55)および血中好酸球数絶対値(0、0.05×109/L、0.17×109/ L)に応じて低値→高値に4グループ化された。

結果:
 研究には493人のCOPD急性増悪患者が登録された。
 パーセンタイルで分けられた集団において、グループ1(最も低い群)は、グループ4(最も高い群)と比較して有意に入院期間が長く(12日 vs 10日、p=0.005)、非侵襲性換気を適用されやすく(29.5% vs 23.6%、p=0.007)、心不全が多かった(48.4% vs 28.5%、p=0.001)。また、グループ1は、グループ3・4と比較して、呼吸不全や心肺疾患の合併率が高かった(54.8% vs 34.8%, p = 0.002; 54.8% vs 35%, p = 0.003)。
 絶対値で分類した場合、グループ1はグループ3と比較して非侵襲性換気を適用されやすく(41.1% vs 21.7%, p=0.001)、グループ3・4と比較して心不全が多く(48.1% vs 30.2%, p = 0.003; 48.1% vs 30.4%, p = 0.005)、呼吸不全が多く(50.8% vs 32.2%, p = 0.004; 50.8% vs 34.1%, p = 0.008)、心肺疾患合併率が高かった(51.9% vs 34.1%, p = 0.004; 51.9% vs 33%, p = 0.003)。
 絶対値で分類した場合入院期間に有意差がみられたが(p=0.002)、一対比較では有意ではなかった。ICU入室および死亡率は、2つのコホートで異なり、一対比較で差はなかった。

結論:
 血清好酸球値が低い患者では臨床アウトカムが不良であった。好酸球値は、COPD急性増悪を予測するバイオマーカーになるかもしれない。




by otowelt | 2020-01-31 00:39 | 気管支喘息・COPD

肺胞微石症におけるSLC34A2の新規対立遺伝子多型

肺胞微石症におけるSLC34A2の新規対立遺伝子多型_e0156318_1722786.png 14年目の呼吸器内科医ですが、これまで1人しか目にしたことがありません。
 遺伝子変異により、肺胞内のリンイオンの除去が阻害され、肺胞内でカルシウムが沈着することがこの疾患の本態です。

Jönsson ÅLM, et al.
Eight novel variants in the SLC34A2 gene in pulmonary alveolar microlithiasis.
Eur Respir J. 2019 Dec 12. pii: 1900806. doi: 10.1183/13993003.00806-2019.


背景:
 肺胞微石症(PAM)は、II型肺胞上皮細胞に発現するリンの運搬タンパクをコードするSLC34A2遺伝子の変異によって起こる疾患である。PAMは肺胞にリン酸カルシウム結石が沈着することを特徴としており、肺の機能異常をもたらす。SLC34A2遺伝子変異スペクトラムはまだあまり検証されておらず、ジェノタイプ-フェノタイプの相関があるのかどうかも分かっていない。

方法:
 われわれは14人のPAM患者および4人の近親者からDNAを採取し、SLC34A2のコード領域を直接DNAシーケンスで分析した。表現型の特徴を同定すべく、臨床データが収集され、タンパク内の型・局在に基づいて、各変異の重症度スコアが作成された。

結果:
 われわれはPAM患者14人において、SLC34A2の新しい対立遺伝子変異多型を8つ同定した。これらのうち4つがナンセンス変異で、3つがミスセンス変異で、1つはスプライス部位変異だった。1人の患者は2つの異なる変異に対してヘテロ接合型で、他の患者はすべてホモ接合型だった。4人は無症状で、10人が有症状だった。疾患重症度は、変異重症度と関連していた。
肺胞微石症におけるSLC34A2の新規対立遺伝子多型_e0156318_1762573.png
(文献より引用:疾患重症度と変異重症度)

結論:
 PAMにおけるSLC34A2の重要な役割を提示した。これは、PAMの多様な疾患スペクトラムをあらわす。SLC34A2変異は全患者で同定され、8つの新しいい対立遺伝子変異多型が発見された。疾患重症度と変異重症度には関連があったが、さらに多くの患者において検証する必要がある。




by otowelt | 2020-01-30 00:31 | びまん性肺疾患

メタアナリシス:超多剤耐性結核に対するリネゾリド

メタアナリシス:超多剤耐性結核に対するリネゾリド_e0156318_13423546.png 用量を減らしても効果に問題がないのなら、600mg/日も使いたくないです。

Lifan Z, et al.
Linezolid for the treatment of extensively drug-resistant tuberculosis: a systematic review and meta-analysis
INT J TUBERC LUNG DIS 23(12):1293–1307


セッティング:
 リネゾリドは超多剤耐性結核(XDR-TB)の治療に使用することができる。

目的:
 XDR-TBに対するリネゾリドの効果と安全性に関するエビデンスをアセスメントするため、システマティックレビューおよびメタアナリシスを実施すること。

デザイン:
 MEDLINE@OVID, PubMed, EMBASE, Cochrane Library, Clinical Trials, Sinomed, CMCI, CNKI, VIP, Wanfangのデータベースから、2000年1月から2016年12月まで、XDR-TBに対してリネゾリドを用いたランダム化比較試験、コホート研究、ケースシリーズあるいは症例報告を抽出した。喀痰培養陰性化、治療成功率、副作用の要約推定値が調べられた。結合できなかったデータは、定性的に要約した。結果を統合し、異質性、感度、出版バイアスについて調べた。

結果:
 22研究(302人のXDR-TB患者)が適格基準を満たした。リネゾリドで治療を受けたXDR-TB患者の喀痰培養陰性化は93.2%、治療成功率は67.4%だった。骨髄抑制、末梢神経障害、視神経炎、消化器系副作用はそれぞれ42.5%、26.0%、19.0%、35.0%だった。異質性は、おもにリネゾリドの初期用量(600mg/日以下あるいは600mg/日超)に由来し、高用量の場合骨髄抑制(48.4% vs. 24.8%, P = 0.010)や消化器系副作用(41.3% vs.15.4%, P = 0.100)を起こしやすかった。

結論:
 XDR-TBに対するリネゾリドは有効だが、副作用がよくみられる。初期用量を600mg/日以下にするほうが望ましいだろう。


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by otowelt | 2020-01-28 00:23 | 抗酸菌感染症

結核関連喀血に対するBAEの予後予測因子

結核関連喀血に対するBAEの予後予測因子_e0156318_12475788.png 胸膜肥厚は、非気管支動脈系の血管を巻き込んでいることが多いと考察されています。

Peng Y, et al.
Effect of bronchial artery embolisation on the management of tuberculosis-related haemoptysis
INT J TUBERC LUNG DIS 23(12):1269–1276


目的:
 結核に関連した喀血への気管支動脈塞栓術(BAE)のアウトカムに影響するリスク因子を同定すること。
 
方法:
 2014年3月から2018年8月までに、結核関連喀血の患者207人へBAEがおこなわれた。臨床データがレビューされた。追跡期間は24~1749日の範囲だった。

結果:
 すみやかに止血が得られたのは94.2%だった。顕著な胸膜肥厚(2肋間を超えて3mm以上の肥厚がみられるものと定義)は喀血のリスク因子だった(P = 0.000, オッズ比22.52)。累積無再発率は、1ヶ月後98.5%、3ヶ月後94.8%、6ヶ月後88.7%、12ヶ月後79.9%、24ヶ月後68.5%、36ヶ月後65.7%、48ヶ月後62.7%だった。8人の患者が肺全摘、15人の患者が再BAEを受けた。しかしながら、5人は3度目のBAEまで受けることとなった。Cox回帰分析では、顕著な胸膜肥厚(P = 0.000), 糖尿病(P = 0.018)、肺真菌感染症合併(P = 0.001)は独立した再発のリスク因子だった。BAE後の死亡率は9.2%で、顕著な胸膜肥厚がやはりリスク因子だった(P = 0.000, オッズ比8.14)。
結核関連喀血に対するBAEの予後予測因子_e0156318_12414217.png
(胸膜肥厚ステータス別のKaplan-Meier曲線:文献より引用)

結論:
 結核関連喀血のほんどの例でBAEは有効である。顕著な胸膜肥厚、糖尿病、肺真菌感染症合併はBAEの予後に影響する独立リスク因子だった。肺真菌感染症と糖尿病が良好にマネジメントされれば、顕著な胸膜肥厚に対して適切な外科手術を考慮すべきかもしれない。


by otowelt | 2020-01-27 00:25 | 抗酸菌感染症

吸入ステロイドは気管気管支軟化症と関連

吸入ステロイドは気管気管支軟化症と関連_e0156318_1537473.png コントロール群をマッチした方法があまりよくわかりませんでした。本文中に「ランダムに選択した」と書かれていましたが、選択バイアスは大丈夫でしょうか。

VarunShah, et al.
Association between Inhaled Corticosteroids and Tracheobronchomalacia.
CHEST, https://doi.org/10.1016/j.chest.2019.12.023


目的:
 われわれの研究の目的はICS使用と気管気管支軟化症(TBM)の関連を調べることである。

方法:
 われわれは、TBMの有無を問わず、喘息とCOPD患者を後ろ向きに解析した。TBM患者は、胸部CT、軟性気管支鏡検査により診断された(呼吸時に50%以上気管気管支径が短くなることと定義)。患者は、少なくとも3ヶ月間ICS治療を受けていた場合、ICS使用者と判断された。単純ロジスティック回帰モデルを用いて、TBMステータスと提起された各因子の関連を調べた。多変量ロジスティック回帰モデルを用いて、TBMとステロイド使用の関連を調べた。
 18歳未満の症例や先天性気管気管支軟化症の症例は除外された。

結果:
 合計463人の患者が登録された。COPD患者が153人、喘息患者が310人だった。
 多変量解析によると、高用量ステロイド使用の患者は、ステロイドを使用していない患者と比べてTBMのリスクが3.5倍高かった(オッズ比3.5, 95%信頼区間1.4 to 8.5; p=0.007)。年齢(p<0.0001), 胃食道逆流症(GERD)(p<0.0001), LAMA使用 (p<0.0001)もTBMと関連していた。また、喘息と比較してCOPDのほうがTBMが多かった(p=0.002)。
 ICS使用者では、低用量ICS使用者と比較して、高用量ICS使用者はTBMのリスクが2.9倍高かった(オッズ比2.9, 95%信頼区間1.2 to 7.1; p=0.02)。年齢(p=0.003), GERD (p=0.002), LAMA使用 (p=0.004), ICSのタイプ(p=0.04), ICS使用期間(p<0.0001) はすべてTBMと関連していた。
吸入ステロイドは気管気管支軟化症と関連_e0156318_15341556.png
(文献より改変引用:多変量解析)

結論:
 高用量ICS使用者、長期ICS使用者ではTBMのリスク上昇と関連していた。前向きランダム化比較試験によってこの関連性を精査する必要がある。


by otowelt | 2020-01-26 00:03 | 気管支喘息・COPD

メタアナリシス:小児の自然気胸マネジメント

メタアナリシス:小児の自然気胸マネジメント_e0156318_22312912.png 小児の自然気胸に対して、外科的マネジメントを早期から考慮すべきかどうかという悩ましい問題に一石を投じるメタアナリシスです。

Miscia ME, et al.
Management of Spontaneous Pneumothorax in Children: A Systematic Review and Meta-Analysis.
Eur J Pediatr Surg. 2020 Jan 3. doi: 10.1055/s-0039-3402522.


背景:
 原発性自然気胸のマネジメントは主に成人のエビデンスに基づいている。小児のマネジメントにはまだ議論の余地がある。われわれは、以下について調べた。

保存的マネジメント(例:酸素投与のみで経過観察する)、穿刺吸引/胸腔ドレーン挿入、外科的マネジメントの間の入院期間の違い
非外科手術と外科手術を比較した再発リスクの違い
ブラの存在による再発リスク


方法:
 3人の独立した研究者が、小児における原発性自然気胸のマネジメントに関する全研究を検索した。症例報告、エキスパートオピニオン、グレー文献は除外された。PRISMAガイドラインにのっとってメタナアリシスが実施された。

結果:
 3089のアブストラクトがスクリーニングされ、95文献のフルテキストが解析され、23文献が定量的解析に組み込まれ、16文献がメタアナリシスされた(患者数1633人)。
 入院期間は、保存的マネジメントと外科的マネジメントで同等だった(6.2 ± 0.8日 vs 5.9 ± 1.4日; 有意差なし)。原発性自然気胸の再発は、非外科的マネジメントを適用された小児で有意に高かった(32% vs 18%; p = 0.002)。穿刺吸引/胸腔ドレーン挿入を受けた患者では、保存的マネジメントを受けた患者よりわずかに再発率が高かった(34% vs 27%; p = 0.05)。再発リスクは、ブラの道程の有無とは関連していなかった。

結論:
 小児の原発性自然気胸の標準マネジメントに関するエビデンスが不足していたが、この研究により、外科手術を初期治療マネジメントに適用することが良好なアウトカムをもたらすことが示された。




by otowelt | 2020-01-25 00:14 | 呼吸器その他

COPD急性増悪に対するPEP治療デバイス(Acapella Choice)は入院期間を短縮させる

COPD急性増悪に対するPEP治療デバイス(Acapella Choice)は入院期間を短縮させる_e0156318_16173294.png COPD急性増悪に対するAcapella choiceの臨床試験です。AcapellaについてはYouTubeにたくさん動画が転がっています。

・YouTube:Acapella | An introduction to Physiology and Vibratory PEP Therapy

Milan S, et al.
Positive Expiratory Pressure Therapy With And Without Oscillation And Hospital Length Of Stay For Acute Exacerbation Of Chronic Obstructive Pulmonary Disease.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2019 Nov 20;14:2553-2561.


背景:
 COPD急性増悪の薬物マネジメントはよく確立されている。われわれの研究は、 振動メカニズム(OM)を併用あるいは併用していないPEP(positive expiratory pressure)治療デバイスを通常ケアの加えることで、COPD急性増悪患者の在院日数を減少できるかどうか調べることを目的とした。

方法:
 2研究が実施され、今回報告された。試験1:COPD急性増悪と喀痰で入院した患者を、PEP治療 vs 振動PEP(OPEP)治療を前向きに比較した(OPEP治療:Acapella Choice, Smiths Medical, Minneapolis)。試験2:年齢、性別、入院季節で2:1にマッチさせた群を比較対照とした後ろ向きコホート研究で、PEP±OMと通常ケアを比較した。

結果:
 前向き試験(試験1:91人)では、入院期間中央値はOPEP群3.2日(95%信頼区間3.0-4.3)、PEP群4.8日(95%信頼区間3.9-6.1)だった(p=0.16)。試験1に登録された前向き試験データと後向きコホートを比較した補正モデルでは(試験2:182人)、入院期間中央値は4.2日(95%信頼区間3.8-5.1)vs 5.2日(95%信頼区間4.4-6.0)だった(p=0.04)。
COPD急性増悪に対するPEP治療デバイス(Acapella Choice)は入院期間を短縮させる_e0156318_1692323.png
(Kaplan-Meier曲線:文献より引用)

結論:
 通常ケアにPEPデバイスを用いたケアにより、COPD急性増悪の入院期間を減らすことができるかもしれない。PEP治療にOMコンポーネントを加えることで、さらに入院期間を減らすことができるが、包括的多施設共同ランダム化比較試験が必要である。


by otowelt | 2020-01-23 00:53 | 気管支喘息・COPD

自然気胸における胸腔内圧測定

自然気胸における胸腔内圧測定_e0156318_2382080.png 胸腔内圧が気胸マネジメントに有用なら、結構これから楽しみな材料になりそうです。胸腔内圧が非侵襲的に測定できれば言うことないのですが。

Kaneda H, et al.
Measurement of intrapleural pressure in patients with spontaneous pneumothorax: a pilot study.
BMC Pulm Med. 2019 Dec 30;19(1):267.


背景:
 気胸の初期マネジメントにはいまだ議論の余地があり、これは初期マネジメントに際してエアリークを評価する良い方法がないためと推測した。われわれは、胸部ドレナージを必要としないエアリークに対処すべく、気胸の胸腔内圧を測定するシステムを開発した。この臨床研究の目的は、当該システムの精度を調べ、エアリークをマネジメントする上での臨床的影響を判断することである。

方法:
 自然気胸に対して穿刺吸引が必要である患者が研究に登録された。胸腔内圧は、安静呼吸時に測定され、患者が咳をしているときの記録は除外された。 
 胸腔内圧は、患者が側臥位になった状態で、気胸側を上にして測定された。胸腔は16G針で穿刺され、圧力計に接続された(DHM-01-4kP, 75 × 135 × 35 mm, 212 g, Kobata Gauge Mfg. Co., Ltd., Osaka, Japan, http://www.kobata.co.jp)。測定中30秒間にわたって針は術者に保持された。この間、呼吸数は10~15サイクルとなる。
自然気胸における胸腔内圧測定_e0156318_2315114.png
(圧力計接続システム:文献より引用)

結果:
 11人の患者(8人男性、3人女性)が2016年12月~2017年7月に登録された。気胸の度合いに応じて、胸腔内圧の変化パターンは大きく異なった。遷延性エアリークがある患者の吸気終末・呼気終末の平均胸腔内陰圧は、遷延性エアリークがない患者と比較して有意に低かった(1.66cmH2O vs -3.67cmH2O, p=0.020)。吸気終末・呼気終末の陰圧が記録された数は、遷延性エアリークがある患者のほうが遷延性エアリークのない患者と比較して有意に少なかった(1 vs 6, p = 0.0060)。

結論:
 この研究では、気胸患者の胸腔内圧を正常に測定し可視化できることを実証した。圧力値が遷延性エアリークの予測因子になるかどうかは、将来的に確認する必要がある。




by otowelt | 2020-01-22 00:30 | 呼吸器その他

メタアナリシス:CTガイド下生検後気胸のリスク因子

メタアナリシス:CTガイド下生検後気胸のリスク因子_e0156318_22272440.png CTガイド下生検のエビデンスが蓄積されてきましたね。BioSentry™を用いること、生検後に生検側を下にすることが重要です。

・参考記事:CTガイド下生検のあと、生検側を下にすると気胸が減る
・参考記事:CTガイド下生検後の気胸を減らす方法
・参考記事:CTガイド下針生検後の気胸のリスク因子
・参考記事:経皮的肺生検後の気胸を抑制するデバイス:BioSentry™

Huo YR, et al.
Pneumothorax rates in CT-Guided lung biopsies: A comprehensive systematic review and Meta-Analysis of risk factors.
Br J Radiol. 2019 Dec 20:20190866. doi: 10.1259/bjr.20190866.


目的:
 このシステマティックレビューとメタアナリシスでは、CTガイド下肺生検後の気胸のリスク因子について調べた。

方法:
 CTガイド下生検開始から2019年9月までに、9つのデータベースが同定された。

結果:
 36論文23104人の患者が解析に組み込まれた。全体の気胸発症頻度は25.9%で、胸腔ドレーン挿入頻度は6.9%だった。腹臥位あるいは仰臥位と比べて生検側を下にする側臥位にすることで気胸リスクは有意に減少した(オッズ比3.15)。反面、腹臥位あるいは仰臥位と比べて生検側を上にした仰臥位では気胸リスクが増加した。その他のリスク因子として、穿刺部位を下方にするより上方にした処置(オッズ比4.79)、18G超の大口径ガイド針(18G以下と比較)(オッズ比1.55)、葉間貫通(オッズ比3.75)、ブラ貫通(オッズ比6.13)、複数の胸膜穿刺(オッズ比2.43)、複数の非同軸組織採取(オッズ比1.99)、気腫肺(オッズ比3.33)、4cm未満の病変(オッズ比2.09)、胸膜直下にない病変(オッズ比1.73)、3cm以上の深部病変(オッズ比2.38)があった。

結論:
 このメタアナリシスは、CTガイド下肺生検を計画・実行する際、とりわけ患者の体位を変換させることで気胸発生率を減らすことができることを示した。


by otowelt | 2020-01-21 00:07 | 呼吸器その他

メタアナリシス:世界の結核治療成功率

メタアナリシス:世界の結核治療成功率_e0156318_231239.png 研究デザインがごちゃまぜの解析ですが、アメリカの治療成功率がかなり低いですね。

Chaves Torres NM, et al.
Factors predictive of the success of tuberculosis treatment: A systematic review with meta-analysis.
PLoS One. 2019 Dec 27;14(12):e0226507.


目的:
 結核治療の世界的な結果のプール推定値を算出し、TB治療成功の予測因子を分析すること。

方法:
 肺結核の治療結果および結果に影響する因子について報告した、2014年から2019年までに出版された研究を用いた。ランダム効果モデルを用いて、オッズ比と95%信頼区間を算出した。

結果:
 合計151研究が基準を満たした。95が後ろ向きコホート研究、28が横断研究、25が前向きコホート研究、3が症例対照研究だった。成人の研究が91、小児の研究が7だった。また、HIV共感染患者を扱った研究は15で、多剤耐性結核/超多剤耐性結核の研究は15だった。
 成人における薬剤感受性結核の治療成功率は80.1%(95%信頼区間78.4-81.7%)だった。高い異質性(I2=99.8%)が観察されたが、出版バイアスはみられなかった。
 アメリカの治療成功率が最も低く、75.9%だった(95%信頼区間73.8-77.9%)。オセアニアが最も高く、83.9%(95%信頼区間75.2-91.0%)だった。
メタアナリシス:世界の結核治療成功率_e0156318_2310221.png
(世界の結核治療成功率:文献より引用)

 小児では、治療成功率は84.8%(95%信頼区間77.7-90.7%)だった。HIV共感染患者の治療成功率は71.0%(95%信頼区間63.7-77.8%)で、多剤耐性結核では58.4%(95%信頼区間51.4-64.6%)、超多剤耐性結核では27.1%(95%信頼区間12.7-44.5%)だった。
 治療開始2ヶ月後の喀痰抗酸菌塗抹検査が陰性の場合、治療成功率は約3倍高かった(オッズ比2.7、95%信頼区間1.5-4.8)。また、65歳未満の若年(オッズ比2.0、95%信頼区間1.7-2.4)、非飲酒者(オッズ比2.0、95%信頼区間1.6-2.4)、HIV陰性患者(オッズ比1.9、95%信頼区間1.6-2.5)も治療成功率が高かった。

結論:
 世界的に結核の治療成功率は良好だったが、それでもなお85%を下回っている。年齢、性別、アルコール消費量、喫煙、治療開始2ヶ月目の喀痰陰性化、HIV感染症は結核の治療成功に影響を与える。
 

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by otowelt | 2020-01-20 00:28 | 抗酸菌感染症