<   2020年 03月 ( 35 )   > この月の画像一覧

本の紹介:マンガでわかる Dr.Kの株式投資戦術

 中外医学社から献本いただきました。医師向けの株式投資の本、「マンガでわかる Dr.Kの株式投資戦術 −忙しい医師でもできるエビデンスに基づく投資−」です。「Dr.Kの株式投資戦術」という本をマンガにしたもののようです。元になった本のほうは、口座開設のページが多めで、アドバンスな内容が多いという特徴があります。今回のマンガ版は、株式投資のエッセンスを抽出した感じです。
 他にも「医学生・若手医師のための 誰も教えてくれなかったおカネの話」という書籍もあり、以前ココでも紹介させていただきました。

・参考記事:本の紹介:医学生・若手医師のための 誰も教えてくれなかったおカネの話

本の紹介:マンガでわかる Dr.Kの株式投資戦術_e0156318_16191559.png

発売日:2020年4月3日
単行本 : 244 ページ
価格 : 2,400円 (税抜)
出版社 : 中外医学社
著者 : Dr.K

本の紹介:マンガでわかる Dr.Kの株式投資戦術_e0156318_13141310.jpgAmazonから予約/購入する

本の紹介:マンガでわかる Dr.Kの株式投資戦術_e0156318_13141310.jpg出版社から予約/購入する

 新型コロナウイルスでマーケットが崩壊したこともあって、証券会社の口座開設依頼が急増したそうです。近いうち、株式投資ブームがやってくるかもしれませんね。

 内容は、株式投資の基本的なところから、中級者向けの内容まで幅広く扱われています。株式投資の本って結構難しいので、こういう感じでマンガで入ったほうが分かりやすいかもしれません。
本の紹介:マンガでわかる Dr.Kの株式投資戦術_e0156318_14253713.jpg

 マンガのウェイトと文章のウェイトのバランスがよいですね。




by otowelt | 2020-03-29 00:18 | その他

肺MAC症におけるクラリスロマイシン単独治療の頻度:9.2%

肺MAC症におけるクラリスロマイシン単独治療の頻度:9.2%_e0156318_17465259.png 確か1年ほどまえに似たデータを見たことがあるのですが(EBが入っていないCAMに関する類似の論文でした)、これだけ有名になっても、まだ10人に1人の医師がCAM単独治療を適用していることに驚きました

Iwao T, et al.
A survey of clarithromycin monotherapy and long-term administration of ethambutol for patients with MAC lung disease in Japan: A retrospective cohort study using the database of health insurance claims.
Pharmacoepidemiol Drug Saf. 2019 Dec 25. doi: 10.1002/pds.4951.


背景:
 近年、非結核性抗酸菌症(NTM)の患者数は指数関数的に増加している。日本では、NTM患者の約88.8%が肺MAC症に罹患している。肺MAC症の発生は、特に中高年の女性の間で増加している。肺MAC症の標準治療は化学療法である。薬剤耐性菌の発生を防ぐために専門家が推奨する化学療法の種類は、クラリスロマイシン(CAM)、リファンピシン、エタンブトール(EB)の組み合わせである。
 CAM単独療法は、肺MAC症患者に薬剤耐性菌を誘発する可能性が高いため、専門家からは禁忌であると警告されている。さらに、薬物の有害事象を避けるため、1000 mg/日以上の用量でEBを投与することも推奨されていない。
 しかし、実際の臨床現場でそのような治療症例がどれだけ存在するかは不明である。これは、長期的な調査が実施されていないことが原因である。

方法:
 この研究では、健康保険請求データベースに基づいて肺MAC症患者1135人を調査することによって、2005年から2017年までこれらの薬剤による治療について調査した。

結果:
 約9.2%(101人)が3ヶ月以上の長期CAM単独治療を受けていた。最低用量は200mg/日、最高用量は1200mg/日だった。
 また、約3.6%(18人)が高用量EBを処方されていた。

結論:
 長期にわたるCAM単独療法は、一部の患者にとって潜在的に有害である。治療の種類とその潜在的な悪影響について知ることが、臨床医にとって有益である。





by otowelt | 2020-03-28 00:31 | 抗酸菌感染症

細菌負荷とIPFの病態生理

細菌負荷とIPFの病態生理_e0156318_22381567.png bacterial burdenって細菌負荷と訳してよいのですかね?すいません、詳しくなくて・・・。

Rachele Invernizzi, et al.
Bacterial burden in the lower airways predicts disease progression in idiopathic pulmonary fibrosis and is independent of radiological disease extent
European Respiratory Journal 2020; DOI: 10.1183/13993003.01519-2019


背景:
 特発性肺線維症(IPF)患者の下気道における細菌負荷(bacterial burden)の増大は、疾患の進行や死亡のリスクを上昇させるとされている。しかしながら、細菌負荷の増加が直接線維化の進行に影響を与えているのか、あるいは単に基礎疾患の重症度を反映しているのかは不明である。

方法:
 われわれは、気管支鏡検査を受けMDDでIPFと診断された193人の患者を前向きに登録した。気管支肺胞洗浄における総細菌負荷の定量は、16S rRNA遺伝子のqPCRで測定された。画像は、2人の読影者によって独立して評価され、病変の広がり、重症度などの特徴と細菌量の関係を調べた。

結果:
 細菌負荷の増加は、疾患進行と関連していた(ハザード比2.1、95%信頼区間1.287-3.474、p=0.0028)。多変量ステップワイズ回帰では、細菌負荷と放射線学的特徴あるいは疾患の広がりに関連はなかった。definiteあるいはprobable UIPの患者にしぼって考えると、細菌負荷に両群の差はなかった。PPFEと臨床的感染との間には想定される関連があるにもかかわらず、PPFE自体やその程度と細菌負荷との間に関連はみられなかった。

結論:
 下気道の細菌負荷は、IPFにみられる肺実質の基本的な構造破壊に単に二次的に起こるものではない。この関連の独立した性質は、根底にある病態メカニズムの関係を明らかにする上で有用な知見となるだろう。




by otowelt | 2020-03-27 00:36 | びまん性肺疾患

本の紹介:Dr.長尾の たのしイイ呼吸ケアQ&A 100

 献本ありがとうございます。長尾大志先生の「たのしイイ呼吸ケアQ&A 100」という本です。ナース向けの書籍です。

本の紹介:Dr.長尾の たのしイイ呼吸ケアQ&A 100_e0156318_9525527.png

発売日:2020年3月27日
単行本 : 148 ページ
価格 : 2,860円 (税込)
出版社 : メディカ出版
著者 : 長尾 大志 先生

本の紹介:Dr.長尾の たのしイイ呼吸ケアQ&A 100_e0156318_13141310.jpgAmazonから予約/購入する

本の紹介:Dr.長尾の たのしイイ呼吸ケアQ&A 100_e0156318_13141310.jpg出版社から予約/購入する

 長尾大志先生は、私と同じ呼吸器内科医なのですが、ぶっちゃけ月とスッポンくらいの差があります(私がスッポンですぞ!)。呼吸器の世界には、優れた偉人がたくさんいます。臨床の神様、宮城征四郎先生。私が初期研修を受けた病院の理事長である松村理司先生。中部地方の伝説、亀井三博先生。そして、ザ・教育者、長尾大志先生。医学教育の求道者。ほうぼうのセミナーから、引っ張りだこの名医です。

 それにしても、「イイ」という医学書のタイトル、もはや長尾先生の専売特許みたいになりつつありますね。
本の紹介:Dr.長尾の たのしイイ呼吸ケアQ&A 100_e0156318_1023656.png
 この本では、ナースの疑問に顔面でぶつかっていく長尾先生の雄姿が見られます。見てくださいよ、この優しい顔。はーん、羨ましいです。私なんて、もともと人相が悪いもんで、イラストにしても北斗の拳の敵キャラみたいになっちゃう。

 結構細かい質問にも丁寧に回答されていて、呼吸器に携わるナースはこりゃ必携ですわ。うちのナースにもすすめてみようと思います。





by otowelt | 2020-03-26 00:49 | 呼吸器その他

COPDにおける慢性咳嗽は、重症例に多い

COPDにおける慢性咳嗽は、重症例に多い_e0156318_152551100.png 有名コホートから、慢性咳嗽という切り口で切った研究です。

Eskild Landt, et al.
Chronic cough in individuals with COPD: a population-based cohort study
CHEST, https://doi.org/10.1016/j.chest.2019.12.038


背景:
 COPD患者における慢性咳嗽の役割と影響は、一般集団では記述されていない。われわれは、慢性咳嗽はCOPD患者における疾患重症度のマーカーになるのではないかと仮説を立てた。

方法:
 われわれは、コペンハーゲン一般集団研究コホート43271人の成人において、COPDと慢性咳嗽の患者を同定し、呼吸器症状、ヘルスケア利用、肺機能、血液中炎症性バイオマーカーを報告した。

結果:
 43271人の一般集団のうち、8181人(19%)がCOPDだった。そのうち796人(10%)が慢性咳嗽を有していた。COPDと慢性咳嗽がある人のLeicester咳質問票の合計スコア中央値は17.7点(IQR 16.0-18.9)だった(身体的ドメイン5.9[IQR 5.3-6.3]、精神的ドメイン5.6[IQR 4.9-6.3]、社会的ドメイン6.3[IQR 5.8-6.8])。COPDの患者では、慢性咳嗽がある患者は、ない患者と比較して、喀痰(60% vs 8%)、喘鳴(46% vs 14%)、呼吸困難(66% vs 38%)、胸痛/絞扼感(9% vs 4%)、夜間呼吸困難(8% vs 3%)、過去10年の急性気管支炎/肺炎のエピソード(45% vs 25%)、過去12ヶ月の一般診療医受診(53% vs 37%)が多かった。さらに、COPDと慢性咳嗽がある人は、%1秒量が低く(81% vs 89%)、1秒率が低く(0.64 vs 0.66)、高感度CRP、フィブリノーゲン、白血球、好中球、好酸球、IgEも高かった。

結論:
 COPDに慢性咳嗽を合併している人は、呼吸器症状、ヘルスケア利用、肺機能の低さ、血液中の炎症性バイオマーカーという観点から、より重度の疾患と関連していた。




by otowelt | 2020-03-25 00:51 | 気管支喘息・COPD

EBUS-GS-TBB後の感染リスク因子

EBUS-GS-TBB後の感染リスク因子_e0156318_12105565.png 後ろ向き研究ですが、膨大な症例をもとに考察された素晴らしい論文で、CHESTにアクセプトされたのは大きいですね。おめでとうございます。

Souma T, et al.
Risk factors of infectious complications after endobronchial ultrasound-guided transbronchial biopsy
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2020.02.025


背景:
 EBUS-GS-TBBによる感染性合併症は、重篤であり、その後の治療に遅延や変更を要することがある。この研究の目的は、EBUS-GS-TBB後の感染のリスク因子を調べることである。

方法:
 われわれは、2013年1月から2017年12月に藤田医科大学においてEBUS-GS-TBBをおこなわれた1045人の診療録を後ろ向きにレビューした。EBUS-GS-TBB後の感染性合併症に関して以下のリスク因子を評価した:患者背景(年齢、基礎疾患)、病変のサイズ、標的病変のCT所見(腫瘍内の低吸収域、空洞の有無)、気管支鏡観察における責任気管支の狭窄の有無、EBUS-GS-TBB前の検査データ(白血球、CRP)。
 EBUS-GS-TBB後の感染性合併症(4週間以内)の定義は以下の3つを満たすものとした。①24時間を超える呼吸器症状の出現あるいは増悪(>37℃の発熱、咳嗽、喀痰、胸痛、呼吸困難)、②白血球あるいはCRPの上昇(気管支鏡前との比較)、③抗菌薬を要する、胸部レントゲンあるいはCTの新たな陰影の出現や増悪。

結果:
 47人が感染性合併症にいたった(24人が肺炎、13人が腫瘍内感染、3人が肺膿瘍、3人が胸膜炎、3人が膿胸)(累積発生4.47%[1051人中47人])。癌治療の遅延が生じたのは13人、癌治療中止が生じたのは7人、死亡が3人にみられた。
 多変量解析では、空洞の存在(p=0.007)、腫瘍内低吸収域の存在(p<0.001)、責任気管支の狭窄(p<0.001)はEBUS-GS-TBB後の感染と有意に関連していた。
 予防的抗菌薬が感染を起こした症例の13人に投与された。傾向マッチ解析では、予防的抗菌薬はEBUS-GS-TBB後の感染に有意な効果があるとは言えなかった。

結論:
 空洞、胸部CTにおける標的病変内の低吸収域、責任気管支の狭窄は、EBUS-GS-TBB後の感染のリスク因子である。われわれのコホートでは、予防的抗菌薬は感染性合併症を予防できるという結論は導けなかった。





by otowelt | 2020-03-24 00:50 | 気管支鏡

本の紹介:医師×お金のルールとマナー

 若手医師向けのマネーリテラシーを高める本が日経BPより出版されるそうです。編集部のご厚意で献本いただきました。「知らなきゃマズい 医師×お金のルールとマナー」というタイトルです。

本の紹介:医師×お金のルールとマナー_e0156318_822262.png

発売日:2020年3月25日
単行本 : 192 ページ
価格 : 3,200円 (税込)
出版社 : 日経BP
著者 : 日経メディカル

本の紹介:医師×お金のルールとマナー_e0156318_13141310.jpgAmazonから予約/購入する

 医学生や医師がマネーリテラシーを学ぶ機会ってそうそうないと思います。大事なのは、自身のライフプランに合わせた資金計画を立てることで、この本に書かれているように研修医時代に億ションを買ってしまうのはNGです。そんな人いないでしょうけど・・・。
本の紹介:医師×お金のルールとマナー_e0156318_8291725.jpg
 持ち家 vs 賃貸の議論は私も興味のあるところです。現在は持ち家ですが、賃貸でもよかったかな・・・ボソッ。

本の紹介:医師×お金のルールとマナー_e0156318_834293.jpg
 後半は、医師を騙す悪い連中についてのコラムが続きますが、ここがハンパなく面白い。おいおい、テメェらそこまでして金を奪いたいのか!と怒鳴りたくなるほど。

 これまで、医師とおカネのテーマって不可侵領域でしたが、こうやってちゃんと書籍化されるとありがたいですね。


by otowelt | 2020-03-22 00:20 | その他

重症喘息に対するレスリズマブ110mg皮下注は無効

重症喘息に対するレスリズマブ110mg皮下注は無効_e0156318_22305171.png 純粋に投与量の問題ならば、増量の検討が必要になりますね。喘息の生物学的製剤は、やはり皮下注のほうが勝手がよいです。

Bernstein JA, et al.
Effect of fixed-dose subcutaneous reslizumab on asthma exacerbations in patients with severe uncontrolled asthma and corticosteroid sparing in patients with oral corticosteroid-dependent asthma: results from two phase 3, randomised, double-blind, placebo-controlled trials
Lancet Respiratory Medicine, February 14, 2020DOI:https://doi.org/10.1016/S2213-2600(19)30372-8


背景:
 レスリズマブ3 mg/kg静注は、重症好酸球性喘息に対して承認されている。われわれは、コントロール不良で末梢血好酸球数が上昇している重症喘息に対するレスリズマブ110mg皮下注の効果と安全性を検証した。この研究の目的は、レスリズマブ110mg皮下注が喘息増悪率を減少させることができるか(試験1)あるいはステロイド依存性喘息において定期経口ステロイド用量を減少させることができるか(試験2)をみることである。

方法:
 両研究は、ランダム化二重盲検プラセボ対照第3相試験である。試験1の登録基準は、コントロール不良喘息で、過去1年に2回以上の喘息増悪を経験しており、末梢血好酸球数が300/μLを超え、少なくとも中用量ICSに1つ以上の長期管理薬を併用している患者とした。試験2の登録基準は、重症喘息で、末梢血好酸球数が300/μLを超え、経口ステロイドを定期的に内服しており(プレドニゾン5-40mg/日相当)、高用量ICSにその他長期管理薬を併用している患者とした。患者はランダムに4週ごとのレスリズマブ110mg皮下注群あるいはプラセボ投与群に割り付けられ、試験1で52週、試験2で24週投与された。患者と研究者は、治療割り付けが盲検化された。プライマリ効果アウトカムは、試験1では52週間の喘息増悪頻度、試験2では経口ステロイド用量のベースラインからの原料率とした。プライマリ効果アウトカムはITTで解析され、安全性解析は1回でも試験薬が投与された患者を対象とした。

結果:
 2015年8月12日から2018年1月31日までに、試験1に参加した468人の患者のうち、232人がプラセボ群、236人がレスリズマブ皮下注群に、試験2に参加した177人の患者うち、89人がプラセボ群、88人がレスリズマブ皮下注群に割り付けられた。
 試験1では、ITT集団においてレスリズマブ群とプラセボ群の間に喘息増悪率の差はなかった(率比0.79, 95%信頼区間0.56–1.12; p=0.19)。末梢血好酸球数400/μLを超えるサブグループ患者において、プラセボと比較してレスリズマブ皮下注は喘息増悪の頻度を減少させた(率比0.64、95%信頼区間0.43-0.95)。レスリズマブトラフ値が高い患者では、年間増悪リスク(p=0.0035)および初回増悪までの期間が延長した。
 試験2では、プラセボとレスリズマブ皮下注の間で経口ステロイド減量率に有意差はなかった(オッズ比1.23, 95%信頼区間0.70–2.16; p=0.47)。
 両試験において副作用イベント、重篤な副作用イベントは同等だった。

結論:
 末梢血好酸球数300/μLを超えるコントロール不良喘息に対する固定用量110mgのレスリズマブ皮下注は喘息頻度の減少については無効だった。また、ステロイド依存性好酸球喘息に対する経口捨郎ドの減量にも無効だった。最大の効果を得るには、レスリズマブ皮下注110mgよりも高い曝露が必要かもしれない。




by otowelt | 2020-03-21 00:37 | 気管支喘息・COPD

COVID-19:ファビピラビルのほうがリトナビル/ロピナビルよりも有効

COVID-19:ファビピラビルのほうがリトナビル/ロピナビルよりも有効_e0156318_230117.png ランダム化比較試験ではありません。91人から45人を抽出した時点でバイアスが生じている気もしますが。どうでしょう、アビガン®に期待できるでしょうか。

Qingxian Cai, et al.
Experimental Treatment with Favipiravir for COVID-19: An Open-Label Control Study
Engineering (2020),https://doi.org/10.1016/j.eng.2020.03.007


背景:
 SARS-CoV-2感染症とそれによるCOVID-19のアウトブレイクは2019年12月以降中国で報告されてきた。16%を超える患者がARDSに陥り、致命率は1~2%である。特異的な治療法ない。そこで、われわれはCOVID-19に対するファビピラビルとリトナビル/ロピナビルの効果を深圳第三人民病院で調べた。

方法:
 RT-PCRでCOVID-19と確定した患者は、経口ファビピラビル(1日目:1600mg1日2回、2~14日目:600mg1日2回)+インターフェロンαエアロゾル吸入(500万単位1日2回)がファビピラビル群に、リトナビル/ロピナビル(1~14日目:400mg/100mg1日2回)+インターフェロンαエアロゾル吸入(500万単位1日2回)が対照群に設定された。胸部CT所見の変化、ウイルス除去、安全性が2群で比較された。
 対象患者は16-75歳で、酸素飽和度が93%未満であったりP/F比が300mmHg未満、あるいはショックなどの重症例は除外された。

結果:
 35人の患者がファビピラビル群、45人の患者が対照群となった(91人の対照群から抽出)。2群ともベースライン特性は同等であった。ウイルス除去までの時間は、ファビピラビル群のほうが対照群よりも短かった(中央値4日 [IQR2.5–9] vs 11日[IQR8–13], P < 0.001)。また、ファビピラビル群は対照群と比較して胸部画像所見を有意に軽快させた(91.43% vs 62.22%, p=0.004)。潜在的な交絡因子で補正しても、ファビピラビル群は胸部画像所見の軽快率が有意に高かった。多変量Cox回帰分析では、ファビピラビルはウイルス除去を促進させる独立因子だった。加えて、対照群よりもファビピラビル群のほうが副作用は少なかった。
COVID-19:ファビピラビルのほうがリトナビル/ロピナビルよりも有効_e0156318_22102576.png
(ウイルス除去:文献より引用)

COVID-19:ファビピラビルのほうがリトナビル/ロピナビルよりも有効_e0156318_6534155.png
(胸部CT所見:文献より引用)

結論:
 このオープンラベル非ランダム化比較試験において、ファビピラビルはCOVID-19における疾患進行とウイルス除去という観点から効果的であった。これらにもし因果関係があるなら、SARS-CoV-2感染症と対峙するための標準的治療ガイドラインを確立する上で重要な情報となるはずである。


by otowelt | 2020-03-20 22:01 | 感染症全般

COVID-19:ロピナビル/リトナビルの有効性

COVID-19:ロピナビル/リトナビルの有効性_e0156318_230117.png 中国の後ろ向きコホート研究でも効果がないと報告されていましたね。

・参考記事:COVID-19:ロピナビル/リトナビル、ウミフェノビルに症状軽減・ウイルス陰性化の効果みられず

Bin Cao, et al.
A Trial of Lopinavir–Ritonavir in Adults Hospitalized with Severe Covid-19
NEJM March 18, 2020,DOI: 10.1056/NEJMoa2001282


背景:
 SARS-CoV-2による重症疾患の治療に効果的な治療選択肢はいまだに確立されていない。

方法:
 われわれは、ランダム化比較オープンラベル試験において、COVID-19を引き起こすSARS-CoV-2感染がある確認された入院成人患者(動脈血酸素飽和度94%以下あるいはP/F比300mmHg未満)を登録した。患者はランダムに1:1の割合でロピナビル-リトナビル(400mg-100mg)1日2回14日間+通常ケアあるいは通常ケア単独に割り付けられた。プライマリエンドポイントは、臨床的改善までの期間(ランダム化から、0-7点尺度2ポイントの改善または退院のいずれか早い方までの期間と定義:0点が軽症で7点が死亡)とした。妊婦は除外された。

結果:
 SARS-CoV-2と確定された合計199人の患者がランダム化された。99人がロピナビル-リトナビル群、100人が通常ケア群に割り付けられた。年齢中央値は58歳だった(IQR 49-68歳)。60.3%が男性だった。
 ロピナビル-リトナビルの治療は、通常ケアと比較して臨床的改善までの期間の改善に寄与しなかった(ハザード比1.24、95%信頼区間0.90~1.72)。28日死亡率は、両群同等だった(19.2% vs. 25.0%; 差−5.8%; 95%信頼区間−17.3 ~5.7)。ロピナビル-リトナビル群の患者はICU入室期間が短かった(中央値6日 vs 11日、差5日、95%信頼区間-9~0日)。ランダム化から退院までの期間も短かった(中央値12日 vs 14日、差1日、95%信頼区間0~3日)。複数の時点において、ウイルスRNAが同定された頻度も同等だった。修正ITT解析では、ロピナビル-リトナビルは臨床的改善を通常ケアよりも中央値で1日早く改善させた(ハザード比1.39、95%信頼区間1.00~1.91)。
 消化器系の副作用イベントはロピナビル-リトナビル群で多くみられたが、重篤な副作用イベントは通常ケア群のほうが多かった。副作用イベントのためロピナビル-リトナビル治療が13人(13.8%)で早期中止された。
COVID-19:ロピナビル/リトナビルの有効性_e0156318_18141276.png
(累積改善率:文献より引用)

結論:
 COVID-19で入院した成人患者において、ロピナビル-リトナビルは通常群より医学的利益が観察されるわけではなかった。


by otowelt | 2020-03-20 18:09 | 感染症全般