気胸に対する早期自己血胸膜癒着術は有用

e0156318_14441648.jpg 最近、ルーチンで入れてもよいかなと思っています。ただ、ドレーンバッグが真っ赤になるので、ひえー!とおっしゃる患者さんも多いですね。

Ibrahim IM, et al.
Early Autologous Blood-Patch Pleurodesis versus Conservative Management for Treatment of Secondary Spontaneous Pneumothorax.
Thorac Cardiovasc Surg. 2019 Apr;67(3):222-226.


背景:
 自己血パッチ胸膜癒着術は、二次性自然気胸(SSP)の治療オプションとして効果的である。さらに、エアスペース残存の有無を問わず、遷延性エアリークがある場合に用いることができる。しかしながら、自己血パッチ胸膜癒着術の適切なタイミングについてはデータがない。この研究の目的は、SSPにおける保守的マネジメントと早期自己血パッチ胸膜癒着術を比較することである。

方法:
 われわれは、エジプトのミヌフィーヤ大学病院においてランダム化比較試験をおこなった。SSP患者47人がランダムに2群に割り付けられた。A群(23人)は胸腔ドレーン挿入後3日目に自己血50mLを注入する群、B群(24人)は通常の保守的管理をおこなう群である。エアリーク持続期間、胸腔ドレーン挿入期間、入院期間、合併症の頻度が比較された。

結果:
 エアリーク持続期間、胸腔ドレーン抜去までの期間、入院期間はA群のほうがB群よりも有意に短かった。

結論:
 SSP患者に対して早期に自己血を注入することでエアリーク遷延を予防できる可能性がある。全拡張が得られない場合、保守的な管理より有用であろう。



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# by otowelt | 2019-06-19 00:54 | 呼吸器その他

酸素流量タイトレーションデバイスの有用性

 これ、以前ATSで紹介されてて、ものすごく興味があるデバイスです。自動的にSpO2低下を検知して、酸素供給量をタイトレーションしてくれるので、SpO2の日内変動がおさえられるという効果があります(図、Respir Care. 2013 Jan;58(1):151-61.)。
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(クローズドループ酸素タイトレーションデバイスと手動タイトレーションの日内変動)

 今回のシステマティックレビューおよびメタアナリシスには国際学会の発表も含んでいますが、基本的には学会発表は入れるべきではないと思います。

Denault MH, et al.
Automatic versus Manual Oxygen Titration in Patients Requiring Supplemental Oxygen in the Hospital: A Systematic Review and Meta-Analysis.
Respiration. 2019 May 24:1-11.


背景:
 クローズドループ酸素タイトレーションデバイス(Closed-loop oxygen titration device:CLOTD)は、低酸素血症や高酸素血症を回避するために開発され、酸素療法を要する呼吸不全の入院患者に用いられるが、その臨床的影響はよくわかっていない。

目的:
 小児および成人で酸素療法を要する入院患者において、CLOTDと手動による酸素タイトレーションの効果を比較すること。

方法:
 ランダム化比較試験のシステマティックレビューおよびメタアナリシスをおこなった。MEDLINE、EMBASE、CENTRALの電子データベース(2018年8月まで)、および呼吸器医学における主要学会の会議録(2015-2018)を検索した。ランダム化比較試験は、CLOTDと手動タイトレーションを入院患者で比較し、入院期間(プライマリアウトカム)、酸素療法必要期間、人工呼吸器の必要性およびその期間、死亡率、ターゲットレンジを超える酸素飽和度の逸脱時間、低酸素血症・高酸素血症の時間をみた。

結果:
 9試験が登録された(354人、成人および新生児を含む)。このうち8試験が盲検下されておらず、高いバイアスリスクを孕んでいた。CLOTDは、入院期間の有意な短縮と関連していた(平均差-2.2日、95%信頼区間-3.8~-0.6; p = 0.009; I2= 0%; n = 237, 2試験)。また、酸素療法が必要な期間の短縮とも関連していた(平均差-1.6日; 95%信頼区間-3.1~0.0; p = 0.05; I2 = 0%; n = 237; 2試験)。人工呼吸器補助やタイトレーション期間の死亡率には有意な差はなかった。また、ターゲットレンジ内に酸素飽和度がおさまる時間の比率は有意に上昇した(平均差18.23%; 95%信頼区間10.93-25.52; I2= 81%; n = 351, 7試験)。

結論:
 入院におけるCLOTDは、入院期間や酸素療法が必要な期間の短縮と関連していた。しかしながら、人工呼吸器補助やタイトレーション期間中の死亡率には影響を与えなかった。バイアスリスクが高い集団での臨床試験に基づく結果であるため、解釈には注意が必要である。





# by otowelt | 2019-06-18 00:26 | 呼吸器その他

SAMBA試験:高齢者自己管理サポートの有用性

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 現実的にできるか、というハードルが一番高そうですが・・・。それでもこの論文を読むと、個人的な反省点は多いです。
 SAMBAコーチングマニュアルは公開されています

URL:https://static1.squarespace.com/static/5aa05b0d5ffd2076c3f84708/t/5bf01625352f533b08bac2ff/1542460967953/SAMBA+Coach+Initial+Training+Manual.pdf

Federman AD, et al.
Effect of a Self-management Support Intervention on Asthma Outcomes in Older Adults: The SAMBA Study Randomized Clinical Trial.
JAMA Intern Med. 2019 Jun 10. doi: 10.1001/jamainternmed.2019.1201.


背景:
 喘息の高齢者は、若年成人よりもコントロールやアウトカムが不良である。喘息高齢者における自己管理に関する介入は、通常、患者ごとの特定のニーズに合わせて調整されているわけではない。

目的: 
 包括的に高齢喘息患者の自己管理をサポートする上で、臨床および自己管理のアウトカムに対する効果を調べること。

方法と対象:
 2014年2月~2017年12月に、ニューヨーク市のプライマリケアクリニックおよび住宅で実施された3群のランダム化比較試験である。60歳以上の成人で、持続型コントロール不良喘息患者が大学病院センターおよび保健センターの電子カルテから特定された。適格性を評価された1349人のうち、406人が適格基準を満たし、研究参加に同意し、在宅ベースの介入、クリニックベースの介入、またはコントロール群(通常ケア)の3群に割り付けられた。合計391人の患者が割り付けられた治療を受けた。

介入:
 心理社会的、身体的、認知的、環境的喘息管理や自己管理に対する障壁のスクリーニング、および同定された障壁に対処するための行動自己管理。介入は、喘息ケアコーチにより、在宅やプライマリケアクリニックで行われた。
 害虫の問題を抱えている患者は、低所得世帯の居住者が利用できるニューヨーク市が支援する害虫駆除サービスに紹介された。

評価項目:
 プライマリアウトカムは、喘息コントロールテスト(ACT)、ミニ喘息QOL質問票、服薬アドヒアランス評価尺度、定量吸入手技、喘息による救急受診とした。プライマリ解析において、介入(在宅またはクリニックベース)と通常ケアを比較した。

結果:
 治療を受けた391人の患者のうち、58人(15.1%)が男性で、平均(標準偏差)年齢が67.8(7.4)歳だった。ベースラインスコアによる調整後、ACTのスコアは、コントロール群よりも介入群の方が良好だった(3ヶ月時の変化差1.2 [95%信頼区間0.2-2.2]、p=0.02、6ヶ月での変化差1.0 [95%信頼区間0.0-2.1]、p=0.049、12ヶ月での変化差 0.6 [95%信頼区間-0.5-1.8]、p=0.28、全体でχ=13.4、自由度4、p=0.01)。介入群における救急受診は、コントロール群と比較して12ヶ月時に有意に低かった(16 [6.2%] vs 17 [12.7%]、p = 0.03、補正オッズ比0.8 [95%信頼区間0.6-0.99]、p = 0.03)。介入群は、コントロール群と比較して、QOL(全体でχ=10.5、自由度4、p=0.01)、服薬アドヒアランス(全体でχ=9.5、自由度4、p=0.049)、吸入手技(定量吸入手技、12ヶ月時での正しい手技完遂、中央値[範囲]75 %[0-100%] vs 58%[0-100%])に有意な改善が見られた。在宅での介入と、クリニックでの介入との間のアウトカムに、有意差は観察されなかった。

結論:
 患者ニーズと障壁に応じた自己管理に対する介入は、高齢者の喘息アウトカムと自己管理行動を改善した。



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# by otowelt | 2019-06-16 00:29 | 気管支喘息・COPD

右中葉の気管支サーモプラスティは可能

e0156318_9473145.png 一応禁忌的な位置づけになっていますが、そこまでの懸念はないという主張です。

Eisenmann S, et al.
Bronchial Thermoplasty Including the Middle Lobe Bronchus Significantly Improves Lung Function and Quality of Life in Patients Suffering from Severe Asthma.
Lung. 2019 May 27. doi: 10.1007/s00408-019-00240-5.


目的:
 気管支サーモプラスティ(BT)は、重症気管支喘息および最大限治療をおこなっても症状がある気管支喘息の患者に適用される。しかしながら、右中葉に対する処置は現在推奨されていない。この研究は、右中葉気管支に対するBTの安全性と有効性について調べることである。

方法:
 BTは17人の連続患者に実施され、QOLおよび肺機能がBT前およびBT90日後に評価された。さらに、すべてのBTの後にクリーンアップの気管支鏡を実施した。

結果:
 ベースラインの1秒量中央値は1.33(95%信頼区間0.91-1.73)、AQLQ中央値3.01(95%信頼区間2.76-3.61)で、治療90日後の1秒量中央値は1.75L(p=0.002)、AQLQ中央値3.8(p<0.05)だった。
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(文献より引用:AQLQ、1秒量)

 必要経口ステロイドの量は有意に減った。処置後重篤な合併症はみられなかった。クリーンアップ気管支鏡では、全BT後に有意な滲出物が観察された。

結論:
 右中葉を含むBTは適用可能である。機能的に制限のある重症喘息患者は、医学的利益を得ることができる。処置に関連した滲出物回収のため、右中葉治療後だけでなく、BT後にクリーンアップ気管支鏡検査をおこなうべきである。



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# by otowelt | 2019-06-15 00:50 | 気管支喘息・COPD

IPFの診断遅延のリスク因子

e0156318_14441648.jpg 国によって違いはあるかもしれませんが、IPFの診断はかなり遅れやすいという報告です。

Hoyer N, et al.
Risk factors for diagnostic delay in idiopathic pulmonary fibrosis.
Respir Res. 2019 May 24;20(1):103.


背景:
 特発性肺線維症(IPF)患者における調査および後ろ向き研究によれば、診断の有意な遅れが指摘されている。しかしながら、この遅れの原因やリスク因子は不明である。

方法:
 IPF診断前の6ポイントの時期(症状発現時、一般開業医初診時、地域病院初診時、間質性肺疾患[ILD]専門施設紹介時、ILD施設初診時、最終診断時)が多施設のIPF患者204人のコホートで記録された。これらの時期に基づいて、診断の遅れについて患者に関連した独自の遅延と病院に関連した遅延に分けた。負の二項回帰モデルによる多変量解析を用いて、背景および臨床データから診断の遅れのリスク因子を同定した。

結果:
 診断の遅れの中央値は2.1年(IQR:0.9-5.0)で、患者因子、一般開業医、地域病院の影響が大きかった。男性は患者側の遅延のリスク因子だった(IRR3.84、95%信頼区間1.17-11.36、p=0.006)。高齢は病院に関連した遅延のリスク因子だった(IRR1.03、95%信頼区間1.01-1.06、p=0.004)。吸入治療を過去に受けている患者ではトータルの遅延は長かった(IRR1.99、95%信頼区間1.40-2.88、p<0.0001)。しかし、気流閉塞のある患者では遅延はなかった。呼吸器症状の誤診は、全患者の41%にのぼった。
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(文献より引用)

結論:
 IPFに気づかれることが増えたとはいえ、診断の遅れはいまだに2.1年ある。男性、高齢、他疾患に対する治療のこころみは、IPF診断遅延のリスク因子である。これらのリスク因子に焦点を当てて診断の遅延を減らす努力が必要である。



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# by otowelt | 2019-06-13 00:42 | びまん性肺疾患