QFT-Plus初回陰性の落とし穴?

e0156318_1302985.jpg これは・・・っ!

石井明日菜ら.
クォンティフェロン®TBゴールド検査の判定保留者に対して実施したT- スポット®.TB検査結果からの一考察
Kekkaku Vol. 94, No. 5 : 367-371, 2019


目的:
 QFT-Plus では判定基準から判定保留がなくなるため,検査結果の判断やその後の対応について保健所での混乱が予想される。そこで,埼玉県内の保健所で実施した,法令に基づく接触者健診におけるQFT-3G およびT-SPOT 検査結果を比較検討し,従来の判定保留の対応について考察した。

対象および方法:
 2014 年4 月から2018 年3 月に依頼があった接触者健診の受検者について,初回のQFT-3G検査で判定保留だった者のうち,再検査としてT-SPOT 検査を実施した465 人を対象として,両検査結果を比較した。

結果:
 QFT-3G 検査結果が判定保留だった465 人のうち,342 人がT-SPOT 検査で陰性となったが,59 人は陽性となった。

考察:
 QFT-Plus では判定基準から判定保留がなくなるため,T-SPOT 検査で陽転した59 人はQFT-Plus 導入後,初回のQFT-Plus 検査で陰性と判定され,感染・発病のリスクがある受検者を見落とす危険性がある。従来の判定保留にある場合は,より慎重な総合的判断が重要である。

結論:
 判定基準の変更に伴い,従来の判定保留の対応に関する方針が示されることが望まれる。


# by otowelt | 2019-06-11 00:15 | 抗酸菌感染症

IMpower130試験:非扁平上皮非小細胞肺癌に対する化学療法+アテゾリズマブ

e0156318_10535567.png ベバシズマブはどうからんでくるのでしょうか。国際的に活躍されている専門家の議論を横目で勉強させていただいています。

West H, et al.
Atezolizumab in combination with carboplatin plus nab-paclitaxel chemotherapy compared with chemotherapy alone as first-line treatment for metastatic non-squamous non-small-cell lung cancer (IMpower130): a multicentre, randomised, open-label, phase 3 trial.
Lancet Oncol. 2019 May 20. pii: S1470-2045(19)30167-6. doi: 10.1016/S1470-2045(19)30167-6.


背景:
 アテゾリズマブ(PD-L1モノクローナル抗体)は既治療非小細胞肺癌における全生存を改善し、1次治療において化学療法と併用することで臨床的な利益をもたらすことが示されている。IMpower130試験は、非扁平上皮非小細胞肺癌の1次治療として、化学療法+アテゾリズマブを化学療法単独と比較し、効果と安全性を評価したものである。

方法:
 IMpower130試験はランダム化オープンラベル第3相試験で、8ヶ国(アメリカ、カナダ、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イスラエル)の131施設でおこなわれた。適格基準は、18歳以上で、組織学的あるいは細胞診で病期IVの非扁平上皮非小細胞肺癌と診断され、ECOG PSが0-1で、過去に化学療法を受けていない患者とした。患者はランダムに2:1の割合で、カルボプラチン+ナブパクリタキセル+アテゾリズマブあるいはカルボプラチン+ナブパクリタキセルのいずれかの群に割り付けられた。4-6サイクルの後、維持療法へ移行した。性別、ベースラインの肝転移、PD-L1発現によって層別化された。複合プライマリエンドポイントとして、ドライバー遺伝子野生型のITT集団における無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を設定した。安全性解析は少なくとも1回以上治療薬が投与された場合に評価された。

結果:
 2015年4月16日から2017年2月13日までの間に、724人の患者がランダムに割り付けられ、化学療法+アテゾリズマブ群483人(うち451人が野生型集団)、化学療法群240人(うち228人が野生型集団)となった。ITT野生型集団における追跡期間中央期間は両群同等だった(化学療法+アテゾリズマブ群18.5ヶ月 vs 化学療法群19.2ヶ月)。
 ITT野生型集団において、OS中央値は有意に化学療法+アテゾリズマブ群のほうが長かった(18.6ヶ月 vs 13.9ヶ月、層別化ハザード比0.79[95%信頼区間0.64-0.98]、p=0.033)。
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(文献より引用:OS)

 またPFS中央値も延長した(7.0ヶ月 vs 5.5ヶ月、層別化ハザード比0.64[95%信頼区間0.54-0.77]、p<0.0001)。
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(文献より引用:PFS)

 よくみられたグレード3以上の治療関連有害事象は好中球減少症(32% vs 28%)、貧血(29% vs 20%)、好中球減少(12% vs 8%)だった。重篤な治療関連有害事象はそれぞれ24%、13%だった。治療関連死亡は、それぞれ8人、1人だった。

結論:
 病期IVの非扁平上皮非小細胞肺癌において、EGFR/ALK変異のない患者に対する1次治療では、化学療法単独と比べてアテゾリズマブを併用したほうが、OSおよびPFSは臨床的に意義のある延長を示した。





 

# by otowelt | 2019-06-09 00:16 | 肺癌・その他腫瘍

KEYNOTE-001試験:ペムブロリズマブ単剤治療5年の効果と安全性

e0156318_10535567.png 長く効くほど、有効であることが示されています。

Garon EB, et al.
Five-Year Overall Survival for Patients With Advanced Non‒Small-Cell Lung Cancer Treated With Pembrolizumab: Results From the Phase I KEYNOTE-001 Study.
J Clin Oncol. 2019 Jun 2:JCO1900934. doi: 10.1200/JCO.19.00934.


背景:
 ペムブロリズマブ単独治療は、進行PD-L1陽性非小細胞肺癌において持続的な抗腫瘍活性を有する。われわれは第Ib相試験であるKEYNOTE-001試験の5年アウトカムを報告する。このデータは、ペムブロリズマブで治療されたNSCLC患者における効果と安全性を最も長く評価したものである。

方法:
 22C3抗体を用いてPD-L1を免疫組織化学的に評価された局所進行/転移性NSCLC患者がKEYNOTE-001試験に登録された。患者はペムブロリズマブ2mg/kgを3週ごとあるいは10mg/kgを2週または3週ごとに投与され、病勢進行、容認できない毒性発現、治験担当医による中止判断、同意の撤回があるまで継続された。プライマリ効果エンドポイントは、客観的奏効率である。セカンダリエンドポイントとして全生存期間(OS)が評価された。

結果:
 合計101人の未治療NSCLC患者、449人の既治療NSCLC患者が登録された。追跡期間中央値は60.6ヶ月(51.8-77.9ヶ月)だった。2018年11月5日のカットオフデータで、450人(82%)の患者が死亡していた。
 客観的奏効率は、未治療患者で42%(95%信頼区間31.9-51.8%)、既治療患者で22.9%(95%信頼区間19.1-27.1%)だった。未治療例での完全奏効は3.0%、病勢コントロール率は83.2%で、既治療例ではそれぞれ1.1%、58.6%だった。奏効期間中央値は、未治療患者で16.8ヶ月(95%信頼区間2.1-55.7ヶ月)、既治療患者で38.9ヶ月(95%信頼区間1.0-71.8ヶ月)だった。
 未治療患者のOS中央値は22.3ヶ月(95%信頼区間17.1-32.3ヶ月)、既治療患者のOSは10.5ヶ月(95%信頼区間8.6-13.2ヶ月)だった。推定5年全生存は未治療患者の23.2%、既治療患者の15.5%だった。PD-L1発現が50%以上の患者では、推定5年全生存はそれぞれ29.6%、25.0%だった。
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(文献より引用:OS)

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(文献より引用:OS[PD-L1発現層別化])

 3年時点での解析と比較しても、5年時点での免疫関連有害事象は同等だった。多く観察された副作用は甲状腺機能低下症で、最も重篤な副作用は肺炎だった。

結論:
 未治療・既治療進行NSCLCにおいて、ペムブロリズマブ単独治療は持続的な抗腫瘍活性を有し、高い5年生存率をもたらす。PD-L1発現が50%を超える症例では5年全生存率は25%を超えた。ペムブロリズマブは長期的に効果があり、安全性についても遅発性の懸念はなかった。






 

# by otowelt | 2019-06-08 00:49 | 肺癌・その他腫瘍

小児喘息に対するスピリーバ®レスピマットの安全性に問題なし

e0156318_9473145.png 小児でもスピリーバ®レスピマットが使われるようになるでしょうね。

Vogelberg C, et al.
Tiotropium add-on therapy is safe and reduces seasonal worsenings in paediatric asthma patients.
Eur Respir J. 2019 May 16. pii: 1801824. doi: 10.1183/13993003.01824-2018.


背景:
 とりわけ安全面が最優先事項とされている、完全にコントロールされていない小児喘息患者において、効果的で忍容性の高い治療選択におけるアンメットニーズが存在する。

方法:
 1~18歳の有症状喘息患者において、チオトロピウム5µgあるいは2.5µgとプラセボの上乗せ治療を比較した5つのランダム化二重盲検プラセボ対照試験からのデータが用いられた。解析には、副作用イベント(AE)、重篤なAE(SAE)が組み込まれ、治療中および治療30日後に追跡された。

結果:
 1691人が治療され、1119人がチオトロピウムを投与された。AEは全群で低頻度だった:チオトロピウム5 µg群(51%), チオトロピウム2.5 µg群(51%)、プラセボ群(54%)。年齢、疾患重症度、性別を問わず、薬剤関連AE、治療中断を余儀なくされたAE、SAEは全群同等であった。喘息症状と関連したAEの数および喘息増悪は、とりわけ季節性ピークの間において、チオトロピウム5µg群のほうがプラセボ群より低かった。
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(文献より引用)

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(季節性:文献より引用)

結論:
 大規模な安全性データベース包括的解析によって、個々の試験では非実用的であったサブグループ分析が可能となり、有症状喘息の小児患者における1日1回チオトロピウム・レスピマット追加療法の安全性がさらに裏付けられた。



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# by otowelt | 2019-06-07 00:43 | 気管支喘息・COPD

この20年、肺癌の生存期間はどうなったか?

e0156318_10535567.png EGFR陽性NSCLCやALK陽性NSCLCはこれ以上開発されても、OSがプラトーに達する可能性がありますが、Best is bestには違いないはず。

Takano N, et al.
Improvement in the survival of patients with stage IV non-small-cell lung cancer: Experience in a single institutional 1995-2017.
Lung Cancer. 2019 May;131:69-77. doi: 10.1016/j.lungcan.2019.03.008.


目的:
 過去20年のあいだに、進行非小細胞肺癌(NSCLC)の治療に対して適用されるようになった抗癌剤がいくつか登場し、患者マネジメントは大きく変革した。しかしながら、臨床プラクティスにおける患者の生存的恩恵についての情報は限られている。

方法:
 公益財団法人がん研究会(JFCR)における病期IVのNSCLC患者の生存期間を1995年1月1日から2017年3月1日まで解析した。合計1547人の連続患者がこのケースシリーズに組み入れられた。この解析では、5つの診断時期を評価した:1995~1999年(ピリオドA)、2000~2004年(ピリオドB)、2005年~2009年(ピリオドC)、2010年~2014年(ピリオドD)、2015年~2017年(ピリオドE)。ピリオドごとの全生存期間(OS)を傾向スコアマッチ前後で比較し、またEGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子、その他のドライバー遺伝子の有無によっても比較した。

結果:
 過去20年、病期IVのNSCLC患者のOSは改善した。OS中央値は、ピリオドA:9.0ヶ月、ピリオドB:11.0ヶ月、ピリオドC:13.7ヶ月、ピリオドD:17.9ヶ月だった。ピリオドEは未到達だった。ベースラインの既知の特性について傾向スコアマッチした後でも、OSは同様に改善の傾向を示した。しかしながら、日本でいくつかのチロシンキナーゼ阻害剤が使用できるようになったものの、EGFR遺伝子変異あるいはALK融合遺伝子の患者のOSはこの期間には改善しなかった。ドライバー遺伝子変異がない患者のOSはピリオドEの期間わずかに延長する傾向にあった。

結論:
 病期IVのNSCLCに対する新しいクラスの抗癌剤は、患者の生存期間を有意に延長してきた。しかしながら、同系統の薬物の承認は、生存期間のさらなる改善とは関連しないかもしれない。





# by otowelt | 2019-06-06 00:50 | 肺癌・その他腫瘍