IPF患者の結節に対するFDG-PET/CT検査は悪性の診断に有用

e0156318_7331272.jpg 日本では基本的に癌の診断がついてからPETを行うべきとされていますが、実際は・・・ゴニョゴニョ。

Lee SH, et al.
Is 18F-FDG PET/CT useful for the differential diagnosis of solitary pulmonary nodules in patients with idiopathic pulmonary fibrosis?
Ann Nucl Med. 2018 Jul 4. doi: 10.1007/s12149-018-1273-9.


目的:
 IPFは、肺癌の合併頻度の上昇と関連しているが、IPF患者はしばしば肺機能が低下しており、気胸合併の懸念から侵襲的検査が受けにくいという現状がある。そのため、肺内の結節に対してFDG-PETなどの非侵襲的な検査が有用かもしれない。しかしながら、IPFにおけるFDG-PETの有用性のデータは不足している。われわれは、FDG-PETがIPF患者の肺内の結節に対して鑑別診断に有用かどうか検証した。

方法:
 われわれの病院のIPFコホートから、8-30mmの結節(平均18.5±5.7mm)を有しFDG-PETを受けた患者を後ろ向きに55人(男性54人、女性1人、平均年齢67.8±7.6歳)登録した。病理学的にその後診断を受けたのは52人で、経過のみで診断されたのは3人である。

結果:
 最終診断で、41人(75%)の結節が悪性だった(21人が扁平上皮癌、9人が腺癌、5人が小細胞癌、4人が混合型、1人がLCNEC、1人が肉腫)。残りの14人(25%)は良性だった。PET/CTによる悪性診断は、感度98%、特異度86%、陽性的中率95%、陰性的中率92%だった。SUVmaxのカットオフ値を2.0に設定すると、感度95%、特異度93%、陽性的中率98%、陰性的中率87%だった。

結論:
 FDG-PET/CT検査は、IPF患者においても結節が悪性か否かを判断する検査として有用である。




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# by otowelt | 2018-08-06 00:40 | びまん性肺疾患

LTBIに対する4ヶ月リファンピシンと9ヶ月イソニアジドのランダム化比較試験

e0156318_1302985.jpg 今後は4Rが主流になりますかね。

Dick Menzies, et al.
Four Months of Rifampin or Nine Months of Isoniazid for Latent Tuberculosis in Adults
N Engl J Med 2018; 379:440-453


背景:
 LTBIに対する9ヶ月のイソニアジドによって、活動性結核の発症を予防することができる。しかしながら、当該レジメンはアドヒアランスが不良であり毒性も無視できない。

方法:
 このオープンラベル試験は9ヶ国で実施され、LTBIの成人をランダムに4ヶ月のリファンピシン(4R)あるいは9ヶ月のイソニアジド(9H)に割り付けランダム化から28ヶ月後の活動性結核発症を予防できるかどうか比較した。非劣性および潜在的優越性が調べられた。セカンダリアウトカムは臨床的に活動性結核と診断されること、Grade 3-5の有害事象、治療レジメン完遂、とした。アウトカムは独立したレビューパネルで判断された。
 結核の診断は、臨床的に複数の医師がそうであろうと判断するclinically diagnosed tuberculosisと、微生物学的に確定されたconfirmed tuberculosisの2つ設定した。

結果:
 3443人のリファンピシン群で、臨床的に活動性結核を発症したと考えられたのは4人で、7732人年の追跡発症も4人だった。3416人のイソニアジド群でも同様に、これらは4人、5人だった。両群の発症率の差は、confirmed tuberculosisの場合、100人年に換算するとリファンピシン群―イソニアジド群で0.01人未満となった(95%信頼区間―0.14~0.16)。clinically diagnosed tuberculosisの場合、100人年に換算すると差は0.01人未満となった(95%信頼区間-0.23~0.22)。95%信頼区間の上限は、事前に規定した非劣性マージンである0.75%ポイントを下回っていたため、リファンピシンレジメンはイソニアジドレジメンより優れているわけではなかった。
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(文献より引用)

 治療完遂率の差は15.1%ポイント(95%信頼区間12.7-17.4)リファンピシンのほうが高かった。
 ランダム化から146日以内の有害事象について、リファンピシン群は優位にGrade 3-5の有害事象が少なかった(率差−1.1%ポイント、95%信頼区間−1.9 to −0.4)。肝障害についても同様の結果だった。
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(文献より引用)

結論:
 LTBIにおける4ヶ月のリファンピシンレジメンは9ヶ月のイソニアジドレジメンと比べて非劣性であり、治療完遂率と安全性ともに良好であった。






# by otowelt | 2018-08-03 00:21 | 抗酸菌感染症

結核と喫煙の関連

e0156318_1302985.jpg 結核診療医ならば誰しも興味があるところですね。

山内 祐子ら.
結核患者の喫煙習慣と結核発病・治療後の変化
Kekkaku Vol. 93, No. 1 : 11-16, 2018


目的・対象・方法:
 2010 年から2014 年に全国11 都府県36 保健所に新たに登録された20 歳以上の結核患者1,909人について,治療開始時,治療終了時の喫煙習慣について問診をして観察した。

結果:
 治療開始時,結核患者は一般人口に比して男では全年齢で,女では40~59 歳で有意に喫煙する者の割合(喫煙率)が高かった。一般人口に年齢構成を調整した喫煙率は男で一般の1.19 倍,女で1.23 倍であった。患者の喫煙率は生活困窮者(生活保護受給者あるいは60 歳未満で無職)で有意に高かった。喫煙の結核発病に対する相対危険度を2.0 と仮定した場合,日本の結核発病に対する集団寄与危険割合は男29%,女で11% となる。結核診断時に喫煙していた者のうち378 人中,治療終了時点で130 人(34.4%)が禁煙(禁煙率)したが,204 人(54.0%)は以前と同様に喫煙継続,残り44 人(11.6%)は喫煙量を減らしたものの喫煙は継続していた。禁煙率は男33.8%,女38.0% で有意差はない。年齢別にみると高齢ほど有意に禁煙率は高かった。生活困窮者の禁煙率は26.4% で,他の36.3%より低かったが,差は有意ではなかった。

結論:
 喫煙の結核に対する影響が明らかになっている中で,患者の禁煙の支援には今後さらに積極的,具体的に取り組むことが重要であろう。



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# by otowelt | 2018-08-02 00:45 | 抗酸菌感染症

アスペルギルス症に対する内服薬の薬価

 イトラコナゾール内用液の後発医薬品が発売されたため、現時点での薬価をまとめてみました。
 ブイフェンドの後発医薬品は、3割負担だと2~3万円で済みます。イトラコナゾールに関しては、後発医薬品の100mg錠がもっとも安価のようです。色分けは、赤色が高価格帯、黄色が低価格帯です。
 イトラコナゾール200mg/dayバージョンと400mg/dayバージョンの2種類作りました。

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# by otowelt | 2018-08-01 00:39 | 感染症全般

日本のPPFE52人の臨床的検討

e0156318_10545513.png まとまった報告は珍しいですね。 

Ishii H, et al.
Pleuroparenchymal fibroelastosis diagnosed by multidisciplinary discussions in Japan
Respiratory Medicine, DOI: https://doi.org/10.1016/j.rmed.2018.06.022


背景:
 特発性間質性肺炎のうち、Pleuroparenchymal fibroelastosis (PPFE) はまれなサブセットである。PPFEに関する大規模な臨床研究は存在しない。この研究の目的は日本におけるPPFEの臨床的および生理学的特徴を同定することである。

方法:
 これは日本で行われた後ろ向きの多施設共同研究である。MDDにおいてPPFEと診断され52人を登録した。

結果:
 第6胸椎レベルでの胸郭の前後と横の比で定義されたFlat chest indexは、BMI(r = 0.340, p = 0.013)、%予測努力性肺活量(FVC)r = 0.355, p = 0.012)と有意に相関していた。また、残気量/全肺気量(RV/TLC)と逆相関していた(r = −0.312, p = 0.042)。RV/TLCはBMI(r = −0.746, p < 0.0001)および%予測FVC(r = −0.507, p = 0.0005)と逆相関し、年齢、GAPスコアを正の相関をしていた(r = 0.332, p = 0.030)。生存期間中央値は96ヶ月で、5年次での生存率は58%だった。KL-6が600U/mLを超える症例のほうが生存期間が有意に短かった(p < 0.001)。

結論:
 PPFEにおける低BMI、FVC減少、RV/TLC上昇は、胸郭扁平の進行と関連し、吸気を阻害して拡張機能障害に陥る可能性がある。KL-6高値は、PPFEの予後を不良にする。





# by otowelt | 2018-07-31 00:13 | びまん性肺疾患