COPDに対する経口イミダフェナシンの効果

e0156318_1633480.jpg LAMAが吸えない高齢者は多いです。ここでウリトス®!ちょっと期待しちゃいますね。

Machida K, et al.
Imidafenacin, An Orally Active Muscarinic Receptor Antagonist, Improves Pulmonary Function In Patients With Chronic Obstructive Pulmonary Disease: A Multicenter, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled 3×3 Crossover Phase II Trial.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2019 Sep 19;14:2175-2184. doi: 10.2147/COPD.S223002. eCollection 2019.


背景:
 長時間作用性抗コリン薬は、COPDのマネジメントの根幹をなすが、吸入製剤は一部患者で技術的に困難であり、アドヒアランスの障壁となるかもしれない。

方法:
 多施設共同ランダム化二重盲検プラセボ対照第2相試験(3×3クロスオーバー)をおこない、COPD患者における経口抗コリン薬であるイミダフェナシンの効果と安全性を評価した。%1秒量が30%以上80%未満のCOPD患者(27人、全員男性)が、ランダムにイミダフェナシン0.1mg、0.2mg、プラセボの単回投与いずれかに割り付けられた。

結果:
 投与24時間後のベースラインからの最大1秒量変化は、イミダフェナシンの2用量群においてプラセボより有意に上昇した。投与24時間後の1秒量AUCは、プラセボと比較して0.2mg群で有意に改善したが、0.1mgでは有意差はなかった。血清イミダフェナシン値は、1秒量変化と正の相関をしていた。中等症あるいは重篤な有害事象イベントを起こすことなく全被験者は試験を完遂した。
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(ベースラインからの1秒量変化[L]:文献より引用)

結論:
 経口イミダフェナシン0.1mgあるいは0.2mgは、良好な安全性・忍容性のもとCOPD患者の肺機能を改善させるかもしれない。


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# by otowelt | 2019-11-05 00:25 | 気管支喘息・COPD

本の紹介:誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた 感染症診療12の戦略 第2版

 1億年前から言っていますが、かぜの本が執筆できる人は、スゴイんです(1ヶ月ぶり2回目)。

 私が初めて読んだかぜの本は、岸田直樹先生のコレ。後期研修を終えた頃に第1版が出版され、「誰も教えてくれなかった」というタイトルを見て、こりゃスゴイ本が出たぞ!と即買いしたのを覚えています。当時、かぜの本なんて一冊もありませんでしたから。

 岸田先生は「医療におけるエンパワメントを推進する法人」を立ち上げ、感染症コンサルタントとして活躍しておられる、スーパードクターです。お名前はいたるところで拝見し、私の中では、まさに医の巨人・メディカルゴーレム。・・・別にドラクエウォークが流行っているから、寄せたワケじゃないんですが。
 
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発売日:2019年10月25日
単行本 : 320ページ
価格 : 3,500円 (税抜)
出版社 : 医学書院
著者 : 岸田直樹先生

e0156318_13141310.jpgAmazonから購入する

 「かぜなんて、とりあえずP●顆粒出しとけばいいんだよ」みたいな教えられ方をした人と、この本の前版を読んで育った人では、たぶんスライムとはぐれメタルくらいの差がついていると思います。その本がグレードアップして第2版になりましたが、別の本じゃないかと思うくらい進化していて、はぐれメタルは間違いなくメタルキングになります。・・・すいません、しつこくドラクエにたとえてみました。

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 第3章、高齢者の風邪のところ、完成度がすごいです。若者風に書くとマジパネェ、関西弁ならエライコッチャ。おそらく、ここに一番力を入れたのだと思います。呼吸器内科医としては、慢性腎臓病ならぬ慢性肺臓病のくだり、抗菌薬のNNTのくだりがとても勉強になりました。

 先日、山本舜悟先生もかぜの本を編著として出版されたのですが(本の紹介:かぜ診療マニュアル第3版 )、同時期に2冊刊行されることに驚きました。どっちの本も発売日に買って、どっちも献本されるという、異例の事態。2冊読めば、何だかかぜの神になれる気がする。

 お二人は座談会を開くほどの関係。どこで座談会をやったのかというと、「寺」だそうで。後光がまぶしくて、目が開けられないッ!座談会はJ-IDEO11月号の特集企画『かぜ診療と「禅」』に掲載されています。要チェケラーです!








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# by otowelt | 2019-11-02 18:06 | その他

ベダキリン・デラマニド併用レジメンの長期安全性

e0156318_13203583.jpg ぶっちゃけ、どちらも数回しか処方したことがないです。

・参考記事:日本人の多剤耐性結核患者に対するベダキリン併用

 70%以上がXDR-TBというのもなかなか・・・。

Olatunde Olayanju, et al.
A regimen containing bedaquiline and delamanid compared to bedaquiline in patients with drug resistant tuberculosis
European Respiratory Journal 2019; DOI: 10.1183/13993003.01181-2019


背景:
 耐性結核におけるデラマニドとベダキリンに関するデータは限られている。HIV感染者を含んだ、前向き長期アウトカムデータはまだない。

方法:
 われわれは、2014年から2018年のあいだに122人の耐性結核の南アフリカ人(52.5%がHIV感染者)を登録した(Brooklyn Chest Hospital)。年齢中央値は34歳(IQR27-42歳)で、74人(60.7%)が男性だった。体重は中央値で51.8kgだった(IQR43.8-59.0kg)。HIV感染者のCD4中央値は154/μL(IQR57-332/μL)だった。86人(70.5%)がXDR-TBだった。
 ベダキリンベースのレジメン(82人)と、ベダキリン-デラマニド併用レジメン(40人)のアウトカムと安全性を検証した。

結果:
 6ヶ月時の喀痰培養陰性化率は同等だった(92.5% vs 81.8%; p=0.26)。18ヶ月時の良好アウトカムについても、ベダキリン-デラマニド併用群のほうがより耐性・より治療前失敗率が高かったにもかかわらず、同等だった(63.4% vs 67.5%; p=0.66)(5剤を超える耐性はベダキリン群3.7%、ベダキリン-デラマニド群22.5%, p=0.001/治療前失敗率12.2% vs 52.5%、p<0.001)。QTcF延長は、併用群のほうが頻繁にみられた(ベースラインから60msecを超えるもの、あるいは治療中450msecを超えるもののいずれもベダキリン群の約2倍)(p=0.001)。治療脱落には差はなかった。HIV感染の有無にかかわらず、効果は一定だった。
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(文献より引用)

結論:
 HIVステータスを問わず、耐性結核の患者において、ベダキリン-デラマニド併用レジメンは、ベダキリンベースレジメンと比較して長期の安全性は同等だった。





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# by otowelt | 2019-11-02 00:06 | 抗酸菌感染症

気管支サーモプラスティは低肺機能患者にも可能

e0156318_9473145.png 直近で出ている報告としては、以下の2点が重要になりますね。

 ①クリーンアップをしっかりすれば、中葉を避ける必要はない(Lung誌:以下参考記事)
 ②低肺機能でもそこまで躊躇しなくてよい(今回)

参考記事:右中葉の気管支サーモプラスティは可能

Langton D, et al.
Safety and effectiveness of bronchial thermoplasty when FEV1 less than 50
Chest. 2019 Sep 13. pii: S0012-3692(19)33753-5.


背景:
 気管支サーモプラスティ(BT)のランダム化比較試験は、ベースラインの予測1秒量が50%を超える患者を対象としている。ゆえに、重度の気流閉塞がある患者のデータは不足しており、BTを受ける患者からこういった重症例は除外される。この研究の目的は、予測1秒量が50%未満の大規模患者コホートにおけるBTの安全性と有効性を比較することである。

方法:
 重症喘息を有する連続患者がオーストラリアのBTレジストリから登録された(2014年6月~2018年12月)。患者は、①ベースラインの気管支拡張後予測1秒量が50%未満の患者(32人)、あるいは②同1秒量が50%以上の患者(36人)に分けられた。副作用イベントは、①治療後に計画された24時間を超えた継続入院、②治療後30日以内の全入院、と定義された。有効性アウトカムは、BT後6ヶ月時に評価された。

結果:
 解析対象となった2群の合計は、男性28人、女性40人だった。平均年齢は57.8±11.6歳で、平均BMIは29.8±6.6だった。76.5%が非喫煙者だった。現在喫煙している患者はいなかった。平均好酸球値は350±290/μlだった。平均ACQスコアは3.2±1.0だった。
 68人のうち、38人(55.9%)が経口ステロイドを毎日服用しており、平均用量はプレドニゾロン換算で12.0±7.4 mg/日だった。
 より重度の気流閉塞のある患者であっても、有害事象を経験しにくかった。ACQ(-1.5 ± 1.0 vs -1.7 ± 1.3、群間差なし)、喘息増悪(6ヶ月:-2.2 ±3.6回 vs -3.9 ± 3.7回、p=0.053)、リリーバー使用頻度は有意に改善し、両群で経口ステロイドの必要性は同程度であった(6ヶ月時点で平均4.8±6.8mg/日まで減量)。
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(文献より引用)

結論:
 この研究によれば、BTは予測1秒量30~50%の喘息患者にも、増悪や有害事象を増やすことなく、良好な肺機能を持つ喘息患者と同程度の効果が期待される、自信をもって提供できる治療法であると言えるだろう。





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# by otowelt | 2019-11-01 00:45 | 気管支喘息・COPD

COLDICE試験:クライオバイオプシーと外科的肺生検の診断一致率は良好

e0156318_1543237.jpg 今年春にブルージャーナルをにぎわせた論文はκ=0.22でしたが、まったく逆の結果が報告されました。本文中にくだんの論文について批判コメントを寄せています。

(参考記事)
クライオバイオプシーと外科的肺生検の病理医による一致率は不良
AJRCCMでのやりとり:外科的肺生検とクライオバイオプシー

 人の手と目が介在している上、MDDによって主観(権威者の意見)も入ってしまうため、プロセスを統一しないと真実は分からないのかもしれません。

Myer JL, et al.
Diagnostic accuracy of transbronchial lung cryobiopsy for interstitial lung disease diagnosis (COLDICE): a prospective, comparative study
Lancet Respiratory Medicine, https://doi.org/10.1016/S2213-2600(19)30342-X

背景:
 経気管支肺クライオバイオプシー(TBLC)は、間質性肺疾患(ILD)診断において肺組織検体を採取する新しい技術である。この研究の目的は、外科的肺生検(SLB)と比較したTBLCの診断精度を確立することである。

方法:
 COLDICE試験は、前向きに多施設でおこなわれたTBLCとSLBの診断精度を比較する臨床研究で、オーストラリアの複数施設で実施された。ベースラインの評価ののち、診断のために組織病理学的評価を要する18~80歳のILD患者が登録された。MDDによるスクリーニングのあと、ILD患者はTBLCおよびSLBを受けた。検体には1から130の番号がふられ、病理医には情報がマスクされた。その後のMDDでは、匿名化された症例がTBLCまたはSLBのいずれかで2回、臨床的および放射線学的データとともにランダムに非連続的に議論された。複合プライマリエンドポイントは、definite UIPあるいはprobable UIPパターン、indeterminate for UIP、alternative diagnosisに対するTBLCとSLBの組織病理学的特徴の一致(κ値)とした。

結果:
 2016年3月15日~2019年4月15日までに、65人(31人が男性、34人が女性、平均年齢66.1±9.3歳)が登録された。平均%努力性肺活量は83.7±14.2%、平均%DLcoは63.4±12.8%だった。TBLC(平均7.1±1.9mm)、SLB(平均46.5±14.9mm)は、同側の肺葉から2つ採取された(65人→130検体)。
 TBLCとSLBの組織病理学区的一致は70.8%だった(重みつきκ値:0.70, 95%信頼区間0.55–0.86)。MDDにおける診断一致は76.9%だった(κ 0.62, 95%信頼区間0.47–0.78)。
 TBLCで高い・確実な診断信頼性があるとMDDで判断されたのは65人中39人(60%)で、37人(95%)はSLB診断と一致していた。65人中26人(40%)では低い信頼性あるいは分類不能型であるとTBLCで診断され、SLBで6人(23%)が高い信頼性・確実なMDD診断へ移行できた。
 TBLCの14人(22%)で軽度~中等度の気道出血がみられた。90日死亡率は、2%だった(65人中1人)。

結論:
 病理組織学的な解釈とMDD診断の両方について、TBLCとSLBの間で高いレベルの一致が示された。TBLC MDD診断は特に信頼性が高く、SLB MDD診断との優れた一致を示した。これらのデータは、間質性肺疾患診断アルゴリズムにおけるTBLCの臨床的有用性を支持するものである。

ディスカッション:Romagnoli らの研究に対する批判
 Our findings contradict the results of Romagnoli and colleagues,which showed poor agreement betweenTBLC and SLB in a smaller cohort of 21 patients. In their study, both TBLC and SLB were presented together at MDD to inform the discussion and final diagnosis. Due to their study design, the final MDD diagnosis was affected by the SLB data, introducing substantial bias into the process. The subsequent masked assessment of TBLC specimens by a single pathologist had limited agreement with MDD diagnosis. It is unlikely however, that this aspect of the study design would have affected the masked biopsy interpretation, with poor histopathological agreement potentially relating to additional factors.Given the smaller sample size and the limitations discussed, no firm conclusions regarding the diagnostic utility of TBLC could be made from the study by Romagnoli and colleagues.



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# by otowelt | 2019-10-31 00:57 | びまん性肺疾患