思春期におけるシムビコート®維持療法+SMART療法の有効性

e0156318_1637713.jpg アドヒアランスの良い患者さんにとってはSMART療法はよい選択肢になると思います。個人的に気になるのは薬価です。

Jorup C, et al.
Budesonide/formoterol maintenance and reliever therapy in adolescent patients with asthma.
Eur Respir J. 2018 Jan 4;51(1).

背景:
 喘息コントロールは思春期の重要な目標であるが、この集団において評価した研究は少ない。この事後解析では、ブデソニド/ホルモテロール維持療法と発作時治療(MART)の有効性・安全性を12~17歳の思春期喘息患者(6ランダム化比較試験のサブグループ集団)で評価した。

方法:
 プライマリエンドポイントは初回の重度の発作とした。セカンダリエンポイントは、重度の発作の数、喘息関連症状、夜間起床、朝のPEF、1秒量、レスキュー使用、喘息コントロール質問票スコアとした。

結果:
 1847人において、同治療はその他の標準治療と比較してプライマリエンドポイントは同等ないし効果的であった(ハザード比0.15-1.01; pooled HR 0.49, 95%信頼区間0.34-0.70)。セカンダリエンドポイントでも同等の結果であった。レスキュー使用は、ブデソニド/ホルモテロール群の方が少なかった。治療の忍容性は良好だった。
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(初回の重度発作までの期間:文献より引用)

結論:
 思春期においても成人と同様にブデソニド/ホルモテロールによる維持療法とMARTが有効かつ安全である。


# by otowelt | 2018-01-23 00:24 | 気管支喘息・COPD

フルーツやトマトの摂取は肺機能低下を抑制する

e0156318_11283884.jpg 残念ながら私はトマトが大嫌いです。

Vanessa Garcia-Larsen, et al.
Dietary antioxidants and 10-year lung function decline in adults from the ECRHS survey
European Respiratory Journal 2017 50: 1602286; DOI: 10.1183/13993003.02286-2016


背景:
 ヨーロッパの3か国で成人における肺機能減少と食餌性抗酸化物質の関連を10年にわたり調べた。

方法:
 2002年、3か国が参加したECRHSコホートにおいて成人にスパイロメトリーを実施し、10年後再検した。食事についてはベースラインの質問票でデータを収集した。その後の肺機能の低下と食事の関連性を多変量解析で調べた。多重性の制御のため、Simes法が用いられた。

結果:
 680人(ベースライン平均年齢43.8±6.6歳)が登録された。最大限補正したモデルでは、フルーツの摂取は1秒量低下抑制と有意に関連していた(3.5mL/年、95%信頼区間0.04-6.92)。しかし、この関連は統計学的にボーダーライン上であった。同様に、リンゴ、バナナ、トマト、ハーブティー、ビタミンCも有意に努力性肺活量減少抑制に寄与していた。このうち、Simes法で努力性肺活量減少抑制に有意に寄与していたのはトマトのみであった。既喫煙者のサブグループ解析では、リンゴ、バナナ、トマトのすべてが努力性肺活量の減少抑制に寄与していた。

結論:
 成人においてフルーツやトマトを摂取することは、特に既喫煙者では肺機能低下を抑制するかもしれない。


# by otowelt | 2018-01-22 00:17 | 呼吸器その他

COPDに対するLABA・LAMAは開始1か月以内の心血管系リスク増加と関連

e0156318_8415029.jpg それでも利益の方が大きいと思いますが、何はともあれ吸入薬開始初期は注意が必要ですね。たしか、尿閉も開始してから1か月以内が多かったように記憶しています。

Meng-Ting Wang, et al.
Association of Cardiovascular Risk With Inhaled Long-Acting Bronchodilators in Patients With Chronic Obstructive Pulmonary DiseaseA Nested Case-Control Study
JAMA Intern Med. Published online January 2, 2018. doi:10.1001/jamainternmed.2017.7720


背景:
 COPDにおける心血管系疾患(CVD)と吸入LABA、吸入LAMAの関連性はこれまでよく議論されてきた。ランダム化比較試験においてはLABA・LAMA使用者のうちCVDがあるものは除外されていた。新規にLABA・LAMAを開始することによるCVDのリスクについてはまだよくわかっておらず、本研究でそれを調べた。

目的:
 吸入開始時期に着目して、LABA・LAMAに関連したCVDリスクを調べること。

方法:
 284220人のLABA・LAMAナイーヴの40歳以上のCOPD患者が症例対照研究に組み込まれた(平均71.4歳、68.9%が男性)。データは2007年~2011年Taiwan National Health Insurance Research Databaseを用いた。 
 入院患者あるいは救急外来で冠動脈疾患、心不全、虚血性脳卒中、不整脈になったものを抽出し、条件付きロジスティック回帰によってLABA・LAMAの使用による影響を推察した。

結果:
 平均2.0年の追跡中、37719人のCVD患者(平均75.6歳、男性71.6%)、146139人のコントロール患者(平均75.2歳、男性71.6%)が登録された。新規にLABAおよびLAMAを使用したCOPD患者は、開始30日以内のCVDリスクがそれぞれ1.50倍(95%信頼区間1.35-1.67、p<0.001)、1.52倍(95%信頼区間1.28-1.80、p<0.001)大きかった。個々のLABAの製剤やLAMAの用量やCOPD併用レジメンはCVDリスクに変化は与えなかった。CVD既往歴や過去のCOPD増悪のないサブグループでも、リスクはそのままだった。
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結論:
 COPD患者に新規にLABAあるいはLAMAを用いることで、心血管系のリスクが1.5倍上昇する。これは、過去のCVD既往歴やCOPD増悪の有無を問わない。


# by otowelt | 2018-01-19 00:52 | 気管支喘息・COPD

喘息が疑われた集団におけるFeNOの診断精度

e0156318_13444039.jpg Mayoはたまに読みます。

Wang Z, et al.
The Diagnostic Accuracy of Fractional Exhaled Nitric Oxide Testing in Asthma: A Systematic Review and Meta-analyses.
Mayo Clin Proc. 2017 Dec 16. pii: S0025-6196(17)30831-5. doi: 10.1016/j.mayocp.2017.11.012. [Epub ahead of print]


目的:
 喘息が疑われた人におけるFeNOの診断精度を評価すること。

方法:
 MEDLINE、EMBASE、PsycINFO、Cochrane、SciVerse Scopusなどの電子データベースを2017年4月4日まで検索し、5歳以上で喘息を疑われた者に対するFeNOの診断精度を評価した研究を組み入れた。独立したレビュアーがデータを抽出した。サマリーROCモデルによりパフォーマンスを評価した。

結果:
 43試験13747人が登録された。成人においては、FeNOカットオフ値20ppb未満、20~29ppb、30~39ppb、40ppb以上ではそれぞれ感度80%、69%、53%、41%、特異度は64%、78%、85%、93%だった。小児においては、カットオフ値20未満、20~29ppbではそれぞれ感度78%、61%、特異度79%、89%だった。FeNOカットオフ値に基づくと、FeNOが陽性だった場合に喘息を有する検査後オッズは2.8~7倍上昇した。ステロイドナイーブの喘息患者・小児・非喫煙者では、診断精度は集団全体と比べると良好だった。

結論:
 FeNOは5歳以上において喘息の診断精度は良好である。ステロイドナイーブの喘息患者・小児・非喫煙者では、診断精度は集団全体と比べると良好だった。


# by otowelt | 2018-01-18 00:19 | 気管支喘息・COPD

気管チューブカフインフレータは人工呼吸器関連肺炎予防に有用

e0156318_21563989.jpg 私が研修医をしていた時代には、到底考えられないデバイスです。

大城 智哉ら.
人工呼吸器関連肺炎予防における気管チューブカフインフレータによる有用性の検討
日本集中治療医学会雑誌. 25 巻 (2018) 1 号 p. 45-46


方法:
 対象は人工呼吸器管理中の20歳以上の患者で,観察期間はETTc インフレータの院内導入開始と研究終了時期を考慮し,ETTcインフレータ群(以下,自動群)を2015年1月から10月とし,用手的カフ圧調整群(以下:手動群)を2014年1月から10月と設定し各々VAP発生率,VAP発生因子および背景疾患を前向きに観察した。手動群は10 cmH2Oごとのメモリ表示であるVBMカフプレッシャーゲージ®(スミスメディカル・ジャパン)を用いて,20~30 cmH2Oの範囲に調整(口腔ケア前後と,各勤務帯開始時の0時,8時,16時)し,平均気道内圧>20 cmH2Oの場合は実測値を上回るように調整した。一方,自動群は自動カフ圧コントローラ®(コヴィディエン ジャパン)を,気管挿管直後あるいはICU外で緊急気管挿管された場合はICU 入室時に装着した。カフ圧は手動群を考慮し25 cmH2Oに設定し,平均気道内圧>25 cmH2O の場合は+2 cmH2O の値を設定圧とした。なお両群ともにテーパーガードエバック™気管チューブ®(コヴィディエン ジャパン)を使用した。

結果:
 手動群65例,自動群25例に対して,VAP発生数は手動群6例〔心肺停止蘇生後2例,肺炎に伴うARDSによる死亡例,急性膵炎管理中に併発した気胸,痙攣重責,気管支拡張症による喀血に伴う呼吸不全〕,自動群2例(肺炎に伴うARDS)で,VAP発生率は自動群で有意に低かった(手動群vs.自動群[ 平均±標準偏差]:21.30±21.56 vs. 3.40±10.75,P= 0.015)。また全例晩期VAPであり,気管挿管期間(days)は有意に延長していた(VAP 群 vs. 非VAP 群:10±4.21 vs.7.26±8.42,P<0.05)。

結論:
 本邦においてもETTcインフレータはVAP発生予防に有用である。


# by otowelt | 2018-01-17 00:06 | 集中治療