CRP/neopterin比は細菌・ウイルス感染の鑑別に有用

Diagnostic utility of CRP to neopterin ratio in patients with acute respiratory tract infections. Journal of Infection Volume 58, Issue 2, February 2009, Pages 123-130
目的:
 neopterinとCRPの役割、その比率(C/N)が細菌感染あるいは
 ウイルス感染でどのように異なるか、急性呼吸器感染症への寄与について
 ERで考察。

方法:
 561人の患者で採血。プライマリアウトカムは、細菌orウイルス感染の診断一致。
 group1 :positive bacterial culture and mixed bacterial/viral growth
 group2 :virological aetiology
 group3 :unknown microbiological aetiology
 にカテゴライズして考察。

結果:
 C/N比はウイルスより細菌で10倍高値、健康成人より42倍高値であった。
 カットオフ値を>3とすると、細菌・ウィルスの診断についての
 感度および特異度は79.5%、81.5%であった。

結果:
 CRPおよびneopterinの測定は、細菌感染とウイルス感染の鑑別に有用。


ちなみに・・・・・・・・・・・・ネオプテリンとは
 ネオプテリンは,活性化されたT細胞から分泌されるγ-インターフェロンの
 刺激によりマクロファージから放出が増加することが知られており、
 T細胞-マクロファージ系の活性化の指標とされている

# by otowelt | 2009-02-22 17:30 | 感染症全般

新規HIV感染者 過去最多


 厚生労働省エイズ動向委員会は18日、08年の国内の新規エイズウイルス(HIV)感染者報告数(速報値)を1113人と発表した。6年連続で過去最多を更新した。

 新規感染者のうち、1049人(94%)が男性。感染経路は、同性間の性的接触が約7割、異性間が約2割で他は不明など。年齢別では、20代が約3割、30代が約4割を占めているが、40代以上が前年より増加した。

 一方、08年の新規エイズ患者数(速報値)も432人で過去最多。患者数は05年に前年を下回ったが、その後は増加している。07年は速報値では前年を下回ったものの、確定値で上回った。

 08年10~12月の報告数では、新規感染者が292人で、四半期ベースで過去最多となった前期(08年7~9月)を2人下回った。(2009年2月18日 毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090218-00000055-yom-sci

# by otowelt | 2009-02-22 17:09 | 感染症全般

RS3PE症候群


●RS3PE症候群とは
1985年、McCartyらがRAとして加療していた患者のうち、
高齢者で急性発症の多発関節炎・手指滑膜炎に加え、
両手指、足背にpitting edemaをきたし、さらにRF陰性で
予後不良の一群を、remitting seronegative symmetrical
synovitis with pitting edema(RS3PE)という疾患概念で
報告した。当初疾患独立性は異論があったが、
現在では一つの症候群として認知されている。

●特徴
・高齢(60歳以上)
・急性発症
・多発性対称性関節炎、手指腱滑膜炎(tenosynovotis)
・両手背、足背のpitting edema
・CRP上昇、赤沈亢進、RF陰性、骨X線正常、
・ガリウムシンチ・骨シンチで多発性対称性関節集積
・MRIで手指や足の腱滑膜炎の所見
・少量ステロイド著効
・短期間で寛解し再燃はまれだが、他の膠原病に移行することも。
・関節破壊をきたさない。
・悪性腫瘍を合併することがある。

●疫学
発症年齢はほぼ全例60歳以上である。特に70~80歳に多い。
海外の論文では男性に多い(2~4:1)とされているが、
本邦では逆に女性にやや多い(1:1.5~2)。
福田孝昭:RS3PE症候群. リウマチ科26:379, 2001

●症状
・急性発症で、PMRに類似
・多発性対称性の関節痛・腫脹
   MCP、PIPに加え肩・股・膝・足など全身関節に及ぶ。
・手や足の腱滑膜炎とともに両手足背のpitting edemaをきたす
   手背に比べて足背浮腫は必ずしも出現せず、海外では手背のみの浮腫例も多い
   浮腫は腱鞘の滑膜炎により生じるとされている。
   手の伸筋腱、屈筋腱に炎症をきたす。
   屈筋腱よりも伸筋腱の方が高頻度に炎症をきたす。
・発熱は一般的に少ないとされているが、日本では50~60%に
 認められたとの報告もある。
e0156318_13491734.jpg

●検査所見
・CRP高値
 CRP20以上の例も報告されている
・赤沈亢進
・RF陰性(定義上)
・抗核抗体はしばしば陽性(~30%)
。白血球はRAよりは低値(正常~15000)
HLAB7陽性が当初指摘されていたが、その後無関係と判明

・骨X線写真は通常正常
・ガリウムシンチや骨シンチでは多発性対称性に
 炎症関節への集積がみられる。
・手のMRI所見では手指の伸筋腱および屈筋腱の腱鞘炎が
 特徴的な所見で、T2強調画像で腱鞘内の浸出液を示す
 high intensity

●治療・予後
・プレドニゾロン10mg/日程度で著効する
・pitting edemaは1~2週間で消失する
・関節症状も数週間から2ヶ月ほどで寛解
・NSAIDsは一般に効果が乏しい

・予後は良好で、関節破壊はきたさない
・屈筋腱鞘炎により指の屈曲拘縮をきたすこともある。
・ステロイドの減量により再燃することもある(10~20%)。

●鑑別診断
PMRおよび高齢発症のRAとの鑑別が困難
重要な鑑別点
 ・RS3PE症候群ではpitting edemaがみられるが、PMRでは
  みられにくい。(みられることもあるため鑑別はやはり難しい)
 ・RS3PE症候群では肩関節痛はあるがPMRのような
  筋肉痛はない。
 ・高齢発症のRAは若年に比べて急性発症が多く、RF陰性例
  が多い。鑑別はMRIで腱鞘炎がRAではみられないこと。
  またRAでは短期間で寛解することはない。

●悪性腫瘍
RS3PE症候群が悪性腫瘍随伴発症する報告が増えており、
paraneoplastic syndromeとしても注目されている。
悪性腫瘍と合併する場合、両疾患の出現時期は近く、
RS3PE症候群の発症が同時または数ヶ月早いケースが多い。
ステロイド反応性は通常RS3PE症候群よりも悪い。

# by otowelt | 2009-02-19 13:51 | レクチャー

フルコナゾール経口は静注よりシクロスポリン・タクロリムス血中濃度を上昇させる


Greater impact of oral fluconazole on drug interaction with intravenous calcineurin inhibitors as compared with intravenous fluconazole.
Eur J Clin Pharmacol 64:89-91, 2008


フルコナゾールとカルシニューリン阻害剤(シクロスポリン・タクロリムス)間の
相互作用が立証されているにも関わらず、フルコナゾールの投与方法の違い
がカルシニューリン阻害剤との相互作用にどういった影響を与えるについては
十分に解明されていない。

方法:
 同種造血幹細胞移植を施行された53例で、経静脈投与されている
 シクロスポリンまたはタクロリムスの血中濃度がフルコナゾールを
 経静脈投与から経口投与に切り替えた後、どのように変化するか、検討を加えた。

結果:
 フルコナゾールを経口投与に変えると、
 シクロスポリン・タクロリムスの血中濃度が有意に上昇。

結論:
 カルシニューリン阻害剤に対して、フルコナゾールは経静脈投与よりも経口投与
 の方がより血中濃度を高める影響が強い。フルコナゾール投与方法を変更する際は
 十分注意してシクロスポリンおよびタクロリムスの血中濃度モニタリングをする。

# by otowelt | 2009-02-18 14:28 | 感染症全般

閉経前乳癌に内分泌療法とゾレドロン酸を併用するとPFS延長


個人的には、乳癌は肺転移しか治療したことがないのだが、結構お目にかかることも
多いので、呼吸器内科医としてはある程度知っておきたい領域の1つ。
とはいっても、「・・・デックス」ばかりの薬が覚えられないし、
個人的にはホルモン内分泌がからむ分野はキライだ。

Endocrine Therapy plus Zoledronic Acid in Premenopausal Breast Cancer
M. Gnant and others. N Engl J Med 2009; 360 : 679 - 91


方法
ホルモン感受性の早期乳癌で閉経前女性を対象に、
 ゴセレリン(ゾラデックス)+タモキシフェン(ノルバデックス)
 またはゴセレリン(ゾラデックス)+アナストロゾール(アリミデックス)に、
 ゾレドロン酸(ゾメタ)を追加した場合の有効性を検討した。
 1,803 例を、ゴセレリン(3.6mgを28日ごとに皮下投与)
 +タモキシフェン(20mg/日を経口投与)orアナストロゾール(1mg/日を経口投与)の
 いずれかを併用し、さらにゾレドロン酸(4mgを6 ヵ月ごとに静脈内投与)を併用する群と
 併用しない群に無作為に割り付け、3 年間投与。
 プライマリエンドポイントはPFS(無病生存期間)とし、
 セカンダリエンドポイントは無再発生存期間とOS(全生存期間)とした。

結果
 無病生存率はタモキシフェン群で 92.8%,アナストロゾール群で 92.0%
 内分泌療法単独群で 90.8%
 内分泌療法+ゾレドロン酸群で 94.0%。
 アナストロゾール群とタモキシフェン群のあいだで無病生存率に有意差はなし。
 ゾレドロン酸を内分泌療法に追加した場合、増悪リスクで36%の相対的低下
 がみられた(HR 0.64,95% CI 0.46~0.91,P=0.01)。
 ゾレドロン酸を追加しても死亡リスクに有意な低下はみられなかった。
 (HR 0.60,95% CI 0.32~1.11,P=0.11)。

結論
 補助内分泌療法にゾレドロン酸を追加することで、ホルモン感受性早期乳癌の
 閉経前女性において、無病生存期間が延長する。

# by otowelt | 2009-02-18 12:51 | 肺癌・その他腫瘍