経口ステロイドに抗菌薬を併用すると、COPD急性増悪の発症と死亡率を軽減する


ERJには登録していないためアブストラクトしか読めないので
何の抗菌薬を使ったのかわからない・・・・
そしてどのくらいの期間抗菌薬を使ったのかも。

Reduced risk of next exacerbation and mortality associated with antibiotic use in COPD
Eur Respir J 2009 33: 282-288


デザイン:
 経口ステロイドあるいは、経口ステロイド・抗菌薬による治療後の
 COPD急性増悪のリスクについて評価したコホート研究。

方法:
 50歳以上のCOPD患者を登録。
 少なくとも1回以上の急性増悪を経験しており、経口ステロイドあるいは
 経口ステロイド・抗菌薬を投与されていることが条件。
 2回目あるいは3回目の増悪について評価した。

結果:
 842人が1回以上の急性増悪を経験している。
 1回目の増悪から2回目の増悪までの期間は、
 ステロイド群、ステロイド・抗菌薬群で差はみられなかった。
 しかしながら、2回目から3回目の増悪期間は、
 ステロイド群189日 VS ステロイド・抗菌薬群258日であった。
 ステロイドと抗菌薬の併用による保護的な効果は、
 最初の3か月と考えられる。(HR0.72, 95%CI 0.62–0.83)
 死亡率はステロイド・抗菌薬併用群で有意に低かった。

結論:
 経口ステロイドに抗菌薬を加えることで、COPD急性増悪の頻度を
 減らすことができる。これにより死亡率も減少する。

# by otowelt | 2009-02-25 18:16 | 気管支喘息・COPD

びまん性浸潤型皮膚サルコイドーシスにはインフリキシマブが有用


最近、肺癌カンファレンスでサルコイドーシスと肺癌の合併症例が出てきた。
CHESTに皮膚サルコイドーシスの話があった。

サルコイドーシスは皮膚症状として、初期に結節性紅斑がよくみられる。
個人的にも救急救命センターの外来でみたことがある。
その後、比較的初期に瘢痕浸潤が起こる。
これは手術痕などの瘢痕が、赤く腫脹してくるもの。
皮膚サルコイドとよばれるものは、肉芽腫がそこにあるものを言うが
丘疹を多発する結節型が最も多く、次いで隆起した斑状皮疹局面型、
顔や手足の腫脹をきたすびまん浸潤型、
皮下硬結を生ずる型(Darier‐Roussy)、
皮下類肉腫subcutaneous sarcoidosisなどなどがある。

びまん性浸潤型皮膚サルコイドーシス(Lupus pernio)についての
インフリキシマブの治療効果について考察した論文。
何かとやはりのレミケード。
神経サルコイドーシスに抗TNF-α抗体が有用であるとされている。
Neurology 72; 337-340, 2009

The Treatment of Lupus Pernio.
Chest February 2009 135:468-476; published ahead of print September 23, 2008, doi:10.1378/chest.08-1347


背景:
 Lupus pernioは患者のQOLをゆるがすほどの皮膚症状が出ることもあり、
 治療に関しては難渋することが多い。
 54人のLupus pernioの患者さんで解析。

方法:
 すべての患者は顔写真を撮影された。その写真により、顔面皮膚の浸潤面積が
 <10%、10~25%、25~50%、>50%に分けた。それらについて治療効果を
 解析した。評価は、resolution, near resolution, improvement,
 no change, worseningの5種類とした。
 投薬は、インフリキシマブを含むレジメン、全身ステロイド、非インフリキシマブ、
 非ステロイド、ステロイド+非ステロイドのグループに分けた。

結果:
 resolution~near resolutionは、インフリキシマブレジメンが
 他のすべてを上回った結果が出た。
 (インフリキシマブ77%; ステロイド+非ステロイド, 29%;
 ステロイド20%; 非ステロイド11%)
 顔面浸潤面積の改善もインフリキシマブ群が一番よかった。
 逆に非インフリキシマブ、非ステロイド含有レジメンは成績を下げた。

結果:
 インフリキシマブはびまん性浸潤型皮膚サルコイドーシス(Lupus pernio)
 の治療に対して、有用。

# by otowelt | 2009-02-25 14:37 | サルコイドーシス

COPDのincidence rateについての考察


今週のCHESTより。
COPDの疫学は、発見が遅いことから未開拓領域。
そのため、インパクトファクターも甘い傾向にある。

Prevalence, Incidence, and Lifetime Risk for the Development of COPD in the Elderly.Chest February 2009 135:368-377; published ahead of print February 5, 2009, doi:10.1378/chest.08-0684

背景:
 COPDの有病率prevalenceはすでに考察されている論文がいくつかある。
 (Lancet2007の有病率10.1%が有名か?
  ・・・・・・・・・40歳以上の成人の10人に1人がstageⅢ以上)
 
 しかしながら、COPDの発生率incidenceに関しての報告は少ない。

 prevalence: ある一時点においての疾病を有している人の割合
 incidence:ある一定期間における新たなる疾病の発症頻度(人年)


方法:
 prospective population-based cohort studyを
 55歳以上のCOPD患者でおこなった。

結果:
 7,983人の患者が登録され、648症例が平均11年のフォローアップで
 COPDを発症している。overall incidence rate (IR)は9.2/1,000人年。
 [95%CI, 8.5~10.0]
 IRはもちろん、男性の方が多かった。
 ・男性:(14.4/1,000人年; 95% CI, 13.0~16.0)
 ・女性:(6.2/1,000 PY; 95% CI, 5.5 to 7.0)
 また、スモーカーの方が高かったのは言わずもがな。
 そして、このIRは55~59歳の若い女性にも患者群として
 有意に多かったという結果が出た。(7.4/1,000人年; 95%CI, 4.1~12.6)
 

# by otowelt | 2009-02-25 11:47 | 気管支喘息・COPD

ICU敗血症において、ピペラシリンのボーラス投与の方が持続点滴より血清濃度が高い

Critical Care Medicine:Volume 37(3)March 2009pp 926-933
Piperacillin penetration into tissue of critically ill patients with sepsis-Bolus versus continuous administration?


今週のCrit Care Med。
敗血症におけるピペラシリンの投与について、
ボーラス点滴がいいのか持続点滴がいいのかという論文。

目的:
 敗血症におけるピペラシリン投与では、days1、2にボーラスで
 投与することがあり、これが他の投与法より有用であるかどうかはわかっていない。
 Prospective randomized controlled trialで考察。

患者:
 918床ある病院のICU(18床)でおこなわれた。
 13人の患者がピペラシリン/タゾバクタムによる治療が妥当と思われた。
 このデータについて考察。

介入:
 ピペラシリン/タゾバクタムは、持続点滴が6人、ボーラスが7人。
 血清濃度は、day1とday2に測定された。

結果:
 平均ピペラシリン血清濃度(day1, day2)は、ボーラス群で有意に高かった。
 (8.9 vs. 4.9 mg/L; p = 0.078)(16.6 vs. 4.9 mg/L; p = 0.007)
 組織濃度は、day1,day2も特に大きな違いはみられなかった。
 (infusion group 2.4 mg/L vs. bolus group 2.2 mg/L; p = 0.48)
 (infusion group 5.2 mg/L vs. bolus group 0.8 mg/L; p = 0.45)

結果:
 ボーラス点滴のピペラシリンの方が血清濃度が高い。(組織濃度は差がない)


結局MICによるわけだが・・・・

ゾシンのホームページ(http://medical.taishotoyama.co.jp/zosyn/index.html)
4.5g1日3回が実現できたのは大きいかもしれない。重症なら1日4回。
PIPCで12gなので、治療する側としても嬉しいところである。

# by otowelt | 2009-02-24 14:10 | 集中治療

敗血症性多臓器不全に持続的静脈-静脈血液濾過は有用でない


今週のCrit Care Med。
敗血症における多臓器不全に対する血液濾過の有用性について。

Critical Care Medicine:Volume 37(3)March 2009pp 803-810
Impact of continuous venovenous hemofiltration on organ failure during the early phase of severe sepsis: A randomized controlled trial


目的:
 敗血症による多臓器不全に対して持続的静脈-静脈血液濾過を
 おこなうことにはまだ異論がある。この有用性について考察。
 フランスのICUでおこなわれた、ランダム化無作為試験。

患者:
 80人の患者で24時間以内に臓器不全に陥った症例。

介入:
 group 1 (HF), 血液濾過群:25 mL/kg/hrを96時間
 group 2 (C),  通常の治療群

結果:
 プライマリエンドポイントは、14日観察における臓器不全の数、重症度、期間。
 重症度はSepsis-Related Organ Failure Assessment scoreで算定。
 結果的に76人が解析され、臓器不全の数や重症度は
 血液濾過群の方が高かった(p < 0.05)。

結果:
 敗血症による多臓器不全に対して持続的静脈-静脈血液濾過を行うことは
 臓器不全を悪化させる。しかしながら、高用量血液濾過(>35 mL/kg/hr)
 はチャレンジしていない。

# by otowelt | 2009-02-24 13:44