ベンラリズマブが効きやすい因子

e0156318_1637713.jpg 「鼻ポリープを有する例」については至極同意です。メポリズマブでも有効とされている集団ですね。
 
Eugene R. Bleecker, et al.
Baseline Patient Factor Impact on the Clinical Efficacy of Benralizumab for Severe Asthma
European Respiratory Journal 2018; DOI: 10.1183/13993003.00936-2018


背景:
 ベンラリズマブは抗好酸球モノクローナル抗体であり、好酸球性炎症がある重症コントロール不良喘息患者の増悪を減らし肺機能を改善させる効果がある。われわれは、重症喘息患者におけるベンラリズマブの有効性に影響するベースライン因子を評価した。

方法:
 この解析は、第III相試験であるSIROCCO試験およびCALIMA試験のプールデータを解析したものである。12~75歳の高用量ICS/LABAを吸入している重症コントロール不良喘息患者がベンラリズマブ30mgを8週ごと(最初の3回は4週間ごと)、4週ごと、あるいはプラセボを投与される群に割り付けられた。ベンラリズマブの有効性に影響を与えるベースライン因子(経口ステロイド使用、鼻ポリープ、気管支拡張前努力性肺活量、過去1年の増悪、診断時年齢)が評価された。年間増悪率や気管支拡張前1秒量といった有効性アウトカムが治療終了時に比較された。

結果:
 ベンラリズマブ8週ごとは、好酸球300/μL以上の患者ではベースラインの因子にかかわらず有効だった。好酸球300/μL未満の集団では、経口ステロイド使用、鼻ポリープ、努力性肺活量<65%の因子を有する患者が8週ごとのベンラリズマブによる増悪率減少の恩恵を受けた。

結論:
 ベースラインの臨床的因子や好酸球数は、ベンラリズマブに反応しやすい患者を同定する上で役立つ。


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# by otowelt | 2018-09-11 17:50 | 気管支喘息・COPD

NVALT-11/DLCRG-02試験:病期III期NSCLC治療後PCIは有症状脳転移の発生を減少させる

e0156318_848424.png NNT4.95なので、かなり効果的な治療ではあります。ただ、「目に見える問題」を先送りにしているだけなのかどうかが気になります。

De Ruysscher D, et al.
Prophylactic Cranial Irradiation Versus Observation in Radically Treated Stage III Non-Small-Cell Lung Cancer: A Randomized Phase III NVALT-11/DLCRG-02 Study.
J Clin Oncol. 2018 Aug 10;36(23):2366-2377.


目的:
 この研究の目的は、予防的全脳照射(PCI)が病期IIIの非小細胞肺癌(NSCLC)において有症状脳転移を減少させるかどうか調べることである。

患者および方法:
 病期IIIのNSCLC患者が化学放射線治療±外科手術のあと、ランダムに経過観察群あるいはPCI群に割り付けられた。プライマリエンドポイントは、24ヶ月時点の有症状脳転移の発生とした。有害事象、生存、QOLなどが調べられた。

結果:
 2009年~2015年に175人の患者が登録された(腺癌41%、扁平上皮癌36%、大細胞癌18%、WHO PS0:38%、PS1:57%、病期IIIA:53%、IIIB:46%)。87人がPCI群、88人が経過観察群に割り付けられた。PCI線量は、38人が30Gy/12Fr、34人が30Gy/10Fr、3人が25Gy/10Frだった。追跡期間中央値は48.5ヶ月(95%信頼区間39-54ヶ月)だった。PCI群86人のうち6人(7.0%)、経過観察群88人のうち24人(27.2%)が有症状脳転移を発生した(p=0.001)。PCIは有意に有症状脳転移の発生を減らした(ハザード比0.23、95%信頼区間0.09-0.56、p=0.0012)。NNTは4.95だった。
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(文献より引用:有症状脳転移の発生)

 わずかにPCI群の方が全生存期間が長かったものの、統計学的に有意な差はなかった(PCI群24.2ヶ月 vs 経過観察群21.9ヶ月、p=0.56)。Grade 1および2の記憶障害は有意にPCI群で多かった。
e0156318_17342069.jpg
(文献より引用:全生存期間)

結論:
 病期IIIのNSCLC治療後PCIは有症状脳転移の発生を有意に減らす。



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# by otowelt | 2018-09-10 00:15 | 肺癌・その他腫瘍

EBUS-TBNAによるPD-L1発現診断はカットオフ値50%以上の場合感度が低下する

e0156318_9511053.jpg それでも、ガイドシースによる微小検体なんかに比べると格段に診断能は高いと思います。

Sakata KK, et al.
Comparison of PD-L1 immunohistochemical staining between EBUS-TBNA and resected lung cancer specimens
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.07.017


背景:
 進行非小細胞肺癌(NSCLC)では、EBUS-TBNAで得られた小さな検体はPD-L1発現の解析に際して、癌組織診断にのみ適切であるという事態がよくある。ゆえにわれわれは、外科的に切除された大きな検体と比較したEBUS-TBNAのPD-L1発現を1%以上、50%以上の場合に分けて感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率を調べた。

方法:
 われわれは後ろ向きにEBUS-TBNAに引き続いて外科的肺生検をおこなわれたNSCLC患者を2006年6月~2016年9月に登録した。患者背景および処置前後・周術期データが収集された。検体は適切に処理されPD-L1発現が解析された。陽性となったPD-L1検体は、1%以上および50%以上の2つのカットオフ値に分類された。EBUS-TBNAによるPD-L1発現の感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率を外科検体と比較した。

結果:
 61人の患者が登録された。PD-L1発現が1%以上の場合、EBUS-TBNAの感度は72%、特異度は100%、陽性的中率は100%、陰性的中率は80%だった。PD-L1発現が50%以上の場合、感度は47%、特異度は93%、陽性的中率は70%、陰性的中率は84%だった。PD-L1発現の一致率は、PD-L1発現1%以上の場合87%、PD-L1発現50%以上の場合82%だった。

結論:
 PD-L1発現のカットオフ値を1%以上に設定すると、EBUS-TBNAのPD-L1発現診断は外科的切除検体と相関がみられた。しかしながら、PD-L1発現のカットオフ値を50%以上に設定すると、感度と陽性的中率が有意に減少した。カットオフ値50%以上に設定する場合、EBUS-TBNA検体ではPD-L1ステータスを誤認する可能性がある。



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# by otowelt | 2018-09-07 00:19 | 肺癌・その他腫瘍

LAM患者に対してCATは有用

e0156318_21492533.jpg CATは汎用性が高そうではありますが、臨床的に意義のある変化量が個々の疾患で確立されているともっと使いやすいですね。

Kato M, et al.
COPD assessment test as a possible tool for evaluating health-related quality of life in lymphangioleiomyomatosis
Respiratory Investigation, DOI: https://doi.org/10.1016/j.resinv.2018.07.004


背景:
 リンパ脈管筋腫症(LAM)はCOPDに類似した閉塞性換気障害をきたす進行性の嚢胞性疾患であり、健康関連QOLが障害される。そこで、われわれはCOPDアセスメントテスト(CAT)をCOPD以外の慢性呼吸器疾患に広く使うことができるかどうか調べた。今回はLAMに対してCATの有用性を検証した。

方法:
 MLSTSに登録された順天堂大学病院に通院する25人(平均年齢41.20±6.76歳、BMI20.39±2.61)のLAM患者データを用いて、われわれは肺機能変化、健康関連QOLの反応性(CAT、SGRQスコア、EuroQOL-VAS、FPI)、24ヶ月のシロリムス治療期間中の肺機能と健康関連QOLの関連性について調べた。

結果:
 1秒量、努力性肺活量、CAT総スコアはシロリムス治療の24ヶ月を通じて改善がみられた(それぞれ5.33 ± 1.20 mL/ヶ月, 2.61 ± 1.16 mL/ヶ月, −0.127 ± 0.022点/ヶ月)。一方、SGRQ総スコア、EuroQOL-VAS、FPIスコアには有意な変化がみられなかった。
 1秒量、%1秒量、1秒率の変化は、CAT総スコア、CAT息切れスコア、SGRQ活動性と有意に相関していた。線形混合効果モデルにおけるステップワイズ多変量回帰では、CAT息切れスコア・自信スコアはベースラインからの1秒量変化と有意に関連する信頼性のある項目だった(p=0.0011, p=0.0441)。

※CAT息切れスコア:「坂や階段を上っても息切れがしない」の項目
※CAT自信スコア:「肺の状態を気にせずに外出できる」の項目
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(文献より引用)

結論:
 我々の研究によれば、シロリムス治療中のLAM患者の健康関連QOLの評価にCATは有用と考えられる。





# by otowelt | 2018-09-06 00:46 | びまん性肺疾患

細径アスピレーションキットは気胸治療に妥当な選択肢

e0156318_14441648.jpg 個人的には12Fr以下ではもう細径のイメージですが、この報告では10Frも通常群にカテゴライズされています。後ろ向き研究なので、疼痛の評価はおこなっておりません。

Takeda S, et al.
Study of the usefulness of small-bore aspiration catheters (Aspiration Kit®) for treating pneumothorax.
Respir Investig. 2018 Jul 20. pii: S2212-5345(18)30163-1. doi: 10.1016/j.resinv.2018.06.003.


背景:
 細径のアスピレーションキットは、通常のトロッカーカテーテルよりも疼痛が少ない。この研究の目的は、気胸の胸腔ドレナージに対して細径アスピレーションキットを用いることで低侵襲性が実現できるかどうかを調べることである。

方法:
 胸腔ドレナージを要する気胸で入院した70人の患者のベースラインの背景やデータを2011年4月~2017年2月まで後ろ向きに抽出した。患者はアスピレーションキット群と通常のトロッカーカテーテル群に層別化された。


 細径:23人・・・全員8Fr
 通常:47人・・・20Frが29人、18Frが8人、16Frが4人、14Frが3人、24Frが1人、22Frが1人、10Frが1人


 プライマリエンドポイントは、胸腔ドレナージ治療失敗に関連する因子、およびベースラインの患者背景とデータの比較とした。

結果:
 抗凝固剤を内服している患者数、虚血性脳卒中の患者数、心房細動の患者数については両群で有意に差がみられた。入院期間、胸腔ドレナージ期間、皮下気腫、治療失敗のアウトカムには群間差は観察されなかった。ロジスティック回帰分析では、ベースラインの気胸重症度、気胸局在、気胸再発が、胸腔ドレナージ治療失敗と関連していたが、胸腔ドレナージカテーテルの種類は治療失敗とは有意に関連していなかった。
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(文献より引用)

結論:
 細径アスピレーションキットは、患者の疼痛を軽減し、なおかつ気胸に対する胸腔ドレナージに有効である。





# by otowelt | 2018-09-05 00:07 | 呼吸器その他